インターンシップ基礎知識ガイド

「インターンシップ」という言葉を聞いたことがあっても、具体的にどんなことをするかイメージがつかない人もいるでしょう。この記事では、そもそもインターンシップとは何か、参加のメリット、選び方のポイントなど、インターンシップの基礎知識を紹介します。

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インターンシップとは

インターンシップとは、社会に出る前に、「社会人になるとはどういうことか」「業種や職種による仕事内容の違いややりがいは何か」「会社によってどんな風土の違いがあるのか」など、企業で実際の仕事をしている人から話を聞いたり、仕事を体験してみたりすることで理解を深めることができる場です。
自分のキャリアを考える際、インターンシップでさまざまな企業の社会人と話し、就業体験をしておくと、具体的にイメージすることができるでしょう。

インターンシップで仕事研究をするイメージイラスト

インターンシップに参加するメリット

では、インターンシップに参加するメリットとは何なのでしょうか。それは幅広い仕事や業界を経験できること、価値観の異なるさまざまな人と出会うことができる点だと思います。

① 幅広い仕事、業界を経験できる

1つ目のメリットは「仕事の現場」あるいはそれに近い場を経験できることです。もちろんアルバイトも、「企業の中で仕事の体験ができる」という意味では効果的です。しかし、学生がアルバイトとして働ける業種はどうしても限られるケースが多いので、幅広い業種を経験するのは困難になります。またOB・OG訪問では、先輩と会って話が聞けるものの、仕事の現場を見ることは、基本的にはできません。しかしインターンシップの場合は、学生に企業や業界への理解を深めてもらうという目的で開催されています。期間は短くても、効率的にその企業の概要やさまざまな職種の仕事内容、仕事のやりがいや面白さを感じられる内容になっているのです。

② 価値観の異なる社会人、同級生と出会える

さらに、自分とは異なる価値観を持つ人々に出会うことができるのも、インターンシップのメリットです。学生生活の中で出会うのは、興味の方向が同じ、気が合う同学年の学生が中心でしょう。インターンシップに参加することで、価値観や行動スタイルの違う学生や社会人の先輩とも多く出会える。そうした人たちと触れ合うことで、刺激を得て、視界が広がるはずです。

刺激を受けて将来を模索するきっかけに

このようにインターンシップとは、今まで出会ったことのない人々の中に飛び込んで、実際に外の世界を体験できる場です。インターンシップでの経験は、学生生活の中ではなかなか味わうことができません。 オフィスに入って空気を吸ってみる、仕事の緊張感を肌で感じる、活躍する先輩の話をじかに聞いてみる。そうした経験が刺激となり、学生生活の過ごし方を考えたり、将来の進む道を真剣に模索したりするきっかけになるはずです。

「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」も活用しよう

2024年卒の採用活動までは1日開催のプログラムでも「インターンシップ」と呼ばれるものがありました。しかし、学業と就活の両立の点で学生への負担が大きいことから、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省合意により「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」が改正されました。

これによって、従来インターンシップと呼んでいたものが4つに類型化され、特定の要件(就業体験、実施期間等)を満たしたタイプのみ「インターンシップ」と呼ぶことが定められたのです。

<学生のキャリア形成支援活動 4類型>

タイプ1:「オープン・カンパニー」
・個社や業界に関する情報提供・PRが目的
・企業・就職情報会社や大学キャリアセンターが主催するイベント・説明会など

タイプ2:「キャリア教育」
・働くことへの理解を深めるための教育が目的
・大学などが主催する授業や産学連携プログラムや、企業がCSRとして実施するプログラムなど

タイプ3:「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」
・卒業・修了年次または卒業・修了前年次が主な対象(学部3・4年/修士1・2年など)
・就業体験が必須
・学生にとっては自らの能力の見極め、企業にとっては学生の評価材料の取得が目的

タイプ4:「高度専門型インターンシップ」
・博士課程や修士課程の学生が主な対象
・就業体験が必須
・学生にとっては実践力の向上、企業にとっては学生の評価材料の取得が目的

【ポイント】

上記の4類型のうち、タイプ3とタイプ4のみを、これからは「インターンシップ」と呼び、採用活動に情報を活用することができる

「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」は就業体験があるとは限りませんが、参加できる学年に制限はないので、例えば大学1年生から参加が可能です。また開催時期の条件もないので、年間通していつでも参加できるチャンスがあります。
インターンシップだけでなく、「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」も企業や業界、仕事について知る機会として活用していきましょう。

リクナビ2026では、4類型の総称を「インターンシップ&キャリア」呼びます。
また、タイプ1とタイプ2については「オープン・カンパニー&キャリア教育等」、タイプ3と4は「インターンシップ」と呼びます。

インターンシップ&キャリアについて、詳しくはこちら

インターンシップの選び方

「参加してみようかな…」と思っても、どうやって選んだら良いか困ってしまうかもしれません。ここでは、「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」も含めたインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムの選び方のポイントを紹介します。

1.興味のある業界、面白そうな内容など、気になったものにまずは1つ参加してみよう

よく商品を目にする企業、興味のある企業、気になる企業、プログラム内容に興味があるなど、選び方は直感的でOK。まずは1社でも参加してみることからスタートしてみましょう。
ただしプログラムによっては、申し込み人数が多い場合は抽選になったり、面接などの選考をする場合があります。必ずしも参加できるわけではありませんが、少しでも興味を持ったらまずは、応募してみてください。

2.1つ参加した後は、違うタイプのプログラムに参加してみよう

気になるプログラムに参加したら、それで満足するのではなく、ぜひほかのプログラムにも参加してみましょう。1つ参加してその業界に興味を持ったら、そこを掘り下げるために同業種の他企業のプログラムに参加してみると、同業種でも企業によって仕事の進め方や風土が違っていることが実感できるでしょう。

またオススメしたいのは、1つ目に参加した企業の「逆」に位置する企業のプログラムに参加すること。
例えば、

  • 「興味がある企業」のプログラムに参加したならば、「興味を持っていなかった企業」のプログラム
  • 「大企業」のプログラムに参加したならば「規模の小さな会社」のプログラム

などです。
就活が本格化すると、幅広く会社を見る余裕がなくなってきます。やりたいことがはっきりしている人なら「逆」の会社を見ることで、自分がなぜその会社や業種に興味を持っているのかが鮮明に、やりたいことがはっきりしていない人ならば興味の幅を広げるきっかけになります。ぜひ発想を変えて、冒険してみてください。

知っている企業/知らない企業

インターンシップ先の選び方「知っている会社/知らない会社」のイメージイラスト

「商品を知っている」「CMを見たことがある」など、つい知っている企業を選びがち。しかし、学生の皆さんが知っている企業は、世の中にある企業のほんの一部にすぎません。知らない企業にも、実力のある企業はたくさんあるので、興味の幅を広げるきっかけにしてください。

興味のある業種/興味がない業種

インターンシップ先の選び方「興味のある業種/興味がない業種」のイメージイラスト

メーカーの仕事に興味があるならば、金融やサービスなど全く異なる業種で探してみましょう。興味のある業界と照らし合わせながら、自分のイメージと違った部分はないか、といった視点で見てみましょう。「働くリアル」に触れることで、思い込みを払拭できるでしょう。

大企業/中小企業

インターンシップ先の選び方「大きい会社/小さい会社」のイメージイラスト

日本に存在する企業の95%以上が中小企業に該当する(参考:中小企業基本法)という統計があります。会社規模は、制度だけでなく、仕事の進め方や任され方、社風にも影響します。自分に合いそうと思えるのはどちらの風土か見極めるのも良いでしょう。

インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムはどこから申し込む?

インターンシップに参加するにはどうすれば良いのでしょうか?代表的な申し込み窓口を紹介します。

就職準備サイト

幅広い企業から探して申し込みたいという人には、リクナビなどの就職準備サイトがオススメです。リクナビでは、リクナビにしか載っていない企業情報も掲載しています。興味のある業種や実施場所、さらにフリーワードなどで検索し、該当する企業を一覧で確認できるので比較検討がしやすいのも特徴です。

企業のホームページ

参加したい企業が決まっている人は、企業のホームページを確認しにいくと良いでしょう。さまざまなテーマや職種別のプログラムが実施されていることがあるので、自分がその企業についてどんなことを知りたいか関心に合わせて応募するプログラムを検討することができます。

学校の就職部やキャリアセンター

学校の就職部やキャリアセンターには、企業からインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムの情報が寄せられます。一般公募のないその学校の生徒だけを対象とした募集がある場合があったり、学校によっては、個別相談や単位認定などを積極的に実施していたりするケースも。 ガイダンスが校内で実施されていたり、先輩の体験談が豊富だったり、マナーなどの事前研究があったり、参加後の報告会があったりと、手厚いサポートのあるケースもあるので、積極的に活用しましょう。

インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムに参加することで、自分が何を面白いと感じ、何にやりがいを感じるのかを知ることができます。社会という外の世界を見ることによって、自身の価値観や志向がはっきりし、目指す道が見えてくるのです。
また採用選考が始まると、忙しさや焦りから「できるだけたくさんの企業を見よう!」と思う余裕がなくなってしまうことも多いでしょう。就活が本格的に始まる前に、まずは社会や企業、多様な価値観を知るために、志望業界や企業を限定せず、ぜひ参加してみてください。

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記事制作日:2019年6月28日 記事更新日:2024年2月8日
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