就活中は、採用担当者から電話がかかってくることがあります。すぐに電話に出られるのが一番ですが、学業や課外活動などで出られない場面もあるでしょう。
そうしたときでも焦らないように、マナー講師の峯陽子先生に、折り返し電話のマナーや手順を聞きました。電話でのやりとりの例を挙げながら、話すときのポイントも解説するので、参考にしてください。
折り返し電話のマナー
できるだけ早く折り返す
急ぎの用件であったり、迅速にやりとりしたいと考えている可能性があるため、採用担当者がメールではなく電話で連絡しているのかもしれません。着信に気づいたら、できる限り早めに折り返しの電話をかけましょう。
電話をかけるタイミングに配慮する
電話は基本的に、企業の就業時間内にかけましょう。もし気づくのが遅れたり、電話をかけられるようになったのが就業時間外になったりした場合は、翌日の午前中に電話をかけましょう。
ただし、「今日中にご連絡ください」「急ぎ折り返しください」と留守番電話(留守電)が残っていた場合は例外です。就業時間後でも、留守電の通りに対応しましょう。
就業時間内でも、始業直後や終業直前、昼休みなどは採用担当者が対応できないことも多いので、余裕を持って対応してもらえる時間帯に電話をかけましょう。
シフト制やフレックスタイム制を採り入れている企業などで、就業時間がわからない企業もあるかもしれません。その場合、上記のいずれにも当たらない午前10時30分から11時30分ごろ、午後14時から16時ごろなら余裕を持って対応してもらえるでしょう。折り返し電話をかけるときの目安にしてください。
折り返し電話をかける前に、確認しておくことは?
留守電が残っていたら、内容を確認する
留守電で用件を話している可能性があります。折り返し電話をかける前に、必ず内容を確認しましょう。
また、「折り返しの電話は不要です」「折り返しお電話頂けますでしょうか」と、折り返しが必要かどうか伝言を残していることがあります。この点からも、焦ってすぐにかけ直すのではなく、まずは落ち着いて留守電を確認するのが大切です。
静かな場所、電波状況の良い場所でかける
電話をかける場合は、周囲が騒がしくない場所で行いましょう。携帯電話の場合、電波状況が良い場所からかけるよう心がけてください。
もし騒がしい場所や、電波が悪い場所なら、移動してから電話をかけましょう。話し声が聞き取りづらいと、またかけ直すことになるかもしれないからです。
メモや筆記具、スケジュール帳を準備しておく
面接の日程や持ち物、緊急時の電話番号など、大事な用件を口頭で伝えられるかもしれません。すぐにメモできるように、あらかじめメモや筆記用具、スケジュール帳を手元に準備しておきましょう。電話中にメモを取ったらその場で復唱し、メモの内容に間違いがないか確認しましょう。
就活の折り返し電話のかけ方|7ステップで解説
電話の具体的なかけ方を解説します。ステップごとにポイントと例文を紹介するので、参考にしましょう。
ステップ1. あいさつをしてから名乗る
電話がつながったら、「お忙しいところ恐れ入ります」とあいさつしましょう。仕事の手を止めて、対応してくれた方への配慮です。
続いて、「△△大学の〇〇と申します」と、自分の学校名と名前を伝えましょう。
例文
取り次ぎ:「お電話ありがとうございます。株式会社××です」
自分:「お忙しいところ恐れ入ります。△△大学の〇〇と申します」
ステップ2. 担当者に取り次いでもらう
電話に出てくれた方が、採用担当者とは限りません。折り返しの電話であることを伝えて、採用担当者に取り次いでもらいましょう。
取り次いでもらうときは、相手から「少々お待ちください」と言われたら、「恐れ入ります」と言って待ちましょう。なお、採用担当者本人が出た場合は、ステップ3に移って問題ありません。
留守電やメールもなく、電話の相手がわからない場合は、自分の心当たりを伝えて、採用担当者に取り次いでもらいましょう。
例文(電話の相手がわかる場合)
自分:「先ほど、人事部の□□様からお電話を頂き、折り返しのご連絡をいたしました」
取り次ぎ:「少々お待ちください」
自分:「恐れ入ります」
例文(電話の相手がわからない場合)
自分:「先ほど、こちらの番号からお電話を頂きました。現在御社の選考を受けておりますので、そのご連絡かと思いますが、採用のご担当者様はいらっしゃいますでしょうか」
取り次ぎ:「少々お待ちください。確認いたします」
自分:「恐れ入ります」
ステップ3. 担当者につながったら、おわびと都合を確認する
採用担当者が電話に出たら、最初に電話に出られなかったことへのおわびを伝えましょう。また、取り次いでもらった場合は、あらためて学校名と名前を名乗ってください。
おわびを伝えたら、このまま電話をしていても問題ないか確認しましょう。相手が忙しいようなら、再度かけ直すことを伝え、都合のいい時間を聞いてください。
例文
「先ほどはお電話に出られず失礼いたしました。今、お時間よろしいでしょうか」
例文(取り次いでもらった場合)
「お忙しいところ恐れ入ります。私、先ほどお電話を頂きました△△大学の〇〇です。先ほどはお電話に出られず失礼いたしました。今、お時間よろしいでしょうか」
ステップ4. 用件を簡潔に伝える
相手が対応可能であるとわかったら、電話をもらった時間帯と、その折り返しをしたことを簡潔に伝えましょう。
例文
「本日、○時ごろに頂いたお電話のご用件について、折り返しのお電話をいたしました」
ステップ5. 相手の話を聞き、大事なことはメモ&復唱する
ここまで話したら、今度は相手の話を聞く順番です。
採用担当者は、面接の日程など、重要なことを話すかもしれません。電話は聞き間違いが起きる可能性があるので、メモを取り、復唱するようにしましょう。
特に、時間に関するやりとりでは注意しましょう。「14時からの面接」を「4時からの面接」と勘違いしないように、ゆっくりと「14時からですね」と復唱してください。
例文
採用担当者:「それでは、◯月△日の14時に、当社ビル7階の受付にお越しください」
自分:「復唱いたします。◯月△日の14時に、御社ビルの7階受付ですね。承知いたしました」
ステップ6. 聞き取れない部分があったら、丁寧に聞き直す
もし聞き取れないことがあった場合は、聞き直しましょう。電話は対面での会話と比べて聞き取りづらいものなので、聞き直すことがあるのはビジネスシーンでも一般的です。聞こえたふりをして、間違った情報を覚えたり、わからないままにしたりすることの方が危険です。
「恐れ入りますが」「申し訳ございません」「念のために確認させて頂きたいのですが」など、クッションとなる言葉を挟むと、丁寧な印象を与えつつ聞き直しやすくなります。
例文
「申し訳ございません、もう一度おっしゃって頂けますか」
ステップ7. お礼とあいさつを伝えて、電話を切る
用件をすべて話し終えたら、「お忙しいところありがとうございました」「それでは失礼いたします」と、お礼とあいさつを伝えて、電話を切りましょう。
「電話はかけた方から切る」のが一般的なマナーですが、目上の人との電話の場合、「目上の人から切る」という考え方もあります。念のため、相手が切るのを待つようにしましょう。
例文
「お忙しいところありがとうございました。それでは失礼いたします」
折り返しの電話中、話し方で気をつけたいこと
保護者や友達とのプライベートな電話と違い、ビジネスシーンでの電話では、意識したいことがあります。相手に失礼のないよう、押さえておきたい話し方を解説します。
落ち着いて、聞き取りやすい声で話す
相手が聞き取りやすいように、落ち着いて話しましょう。普段よりもワントーン高く、大きい声でゆっくり話すと、伝わりやすくなります。
丁寧な言葉遣いを心がける
ビジネスシーンに合った丁寧な言葉遣いも、マナーの1つです。完璧でなくても、敬意を持って接していることがわかるように、自分が思う言葉遣いが正しいか確認しておきましょう。
以下に、特に押さえておきたい言葉遣いを紹介します。
企業を指す言葉
相手の企業を指す「御社(おんしゃ)」と「貴社(きしゃ)」を使い分ける必要があります。電話の際は「御社」を使いましょう。
相手を指す言葉
相手のことを指すときは、「さん」ではなく「様」を使いましょう。インターンシップやOB・OG訪問などで採用担当者と面識がある場合も、電話ではまず別の人が対応する可能性があります。誰であっても「□□様」と話す心構えを持ちましょう。
相手の肩書きを知っている場合、「□□部長」「□□課長」と、役職名で話しても問題ありません。もちろん、「□□様」でも大丈夫です。ただし、「□□部長様」と、役職名と「様」を重ねるのは不自然なので控えましょう。
丁寧な相槌の打ち方
「承知いたしました」や「かしこまりました」を使うと、丁寧な印象になります。「了解しました」や「わかりました」は、敬語ではありますが、立場が対等な相手に使う「丁寧語」のため、目上の人に使うのは控えましょう。話の途中で何度も相槌を打つ必要があるときは、「はい」でも問題ありません。
気をつけたい「二重敬語」
丁寧に話そうとするあまり、敬語を重ねた「二重敬語」を使わないように注意しましょう。正しい日本語ではないので、かえって失礼に当たる場合があります。特に、以下の二重敬語は電話でも使ってしまいやすいため、普段から気をつけておきましょう。
- ×おっしゃられる(「おっしゃる」+「れる」) ◯おっしゃる
- ×拝見させて頂く(「拝見する」+「させて頂く」) ◯拝見する
また、二重敬語ではありませんが、「させて頂く」の乱用にも注意しましょう。以下のような言葉遣いは、へりくだりすぎて、逆に失礼に当たる場合があります。
- ×お電話させて頂きました ◯お電話いたしました
- ×確認させて頂きます ◯確認いたします
- ×送らせて頂きます ◯お送りします
敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)について確認したい人はこちら
こんなときはどうする?電話折り返しのQ&A
電話を折り返す上で、よくある疑問への解説をまとめました。不測の事態にも対応できるようにしておきましょう。
Q. 遅い時間に電話に気づいた場合はどうする?
A.企業の就業時間外になってから電話に気づいた場合や、すぐには電話できない場合は、以下の例文を参考に、一度メールで連絡しましょう。
ただし、深夜のメールは歓迎されません。22時ごろまでには送ると良いでしょう。もし22時以降の対応になるようなら、翌日の午前中に直接電話しましょう。
メールの例文
件名:
お電話の折り返しに関するご連絡(○○大学 りくなび太郎)
本文:
株式会社○○
人事部
○○様
お世話になります。
○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎と申します。
本日は、頂いたお電話に出られず、誠に申し訳ございませんでした。
また、留守番電話に気づかず、ご連絡が遅くなりましたこと、重ねておわび申し上げます。
明日の午前中に、こちらからお電話いたします。
お手数、ご迷惑をおかけしまして恐縮ですが、
何卒、よろしくお願い申し上げます。
————————————————–
りくなび太郎
○○大学□□学部○○学科 △年
携帯番号:090-0000-0000
メールアドレス:tarou@XXXXXXXX.jp
————————————————–
Q. 担当者が不在だった場合は?「折り返しかけさせます」と言われたら?
A.採用担当者が不在だった場合は、自分から再度かけ直しましょう。「折り返しかけさせます」と言われた場合も、まずは一度丁重に断って、自分からあらためて電話すると伝えましょう。相手に手間をかけさせないよう配慮することもマナーだからです。
一度断った上で、それでも「折り返させます」と言われたら、提案を受け入れて電話をお願いしましょう。
例文
取り次ぎ:「あいにく、□□は不在にしております。□□からお電話するよう伝えます」
自分:「いえ、お手数をおかけしては申し訳ないので、こちらからお電話いたします。何時ごろお戻りでしょうか」
取り次ぎ:「何時に戻るか不正確なので、やはり□□からかけ直すようにいたします」
自分:「ありがとうございます。それでは、ぜひお願いできればと思います」
Q. 留守電につながった場合はどうする?
A.留守電につながった場合は、そのまま切らずに、ひと言メッセージを残しておきましょう。
メッセージは、「あいさつ」「学校名と名前」「用件」で構成し、なるべく短くまとめてください。
例文
「お世話になります。□□様のお電話でしょうか。御社の面接に応募している△△大学の〇〇です。先ほどはお電話に出られず失礼いたしました。私から再度、◯時にお電話いたしますので、よろしくお願いいたします。失礼いたします」
Q. 留守電に「またかけます」とメッセージが入っていた場合、かけ直しは不要?
A.留守電を聞いたら、自分からかけ直しましょう。
ビジネスシーンでは、「かけ直します」「またかけます」という言葉が、あいさつ代わりに使われることがあります。また、採用担当者は多くの学生とやりとりしているので、忘れてしまう可能性も否めません。電話の用件を把握するために、自分から折り返し電話をかけましょう。
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