就活のやることリストを、大学1〜2年生、大学3〜4年生の学年別に紹介。理系学部や大学院生、体育会系・留学中などの状況に応じた就活準備と、「内定が得られない」「やりたいことがわからない」「就活に出遅れた」などの悩みを解消するために、やることをリスト化して解説します。
目次
政府が主導する現行ルールに沿って採用活動を行う企業と、独自のスケジュールで採用選考を進める企業があります。まずは一般的な就活スケジュールを把握し、気になる業界や企業ができたら個別にスケジュールを調べてみましょう。
スケジュールを把握すると、やることの優先順位がわかりやすくなるでしょう。
【大学3年生(卒業前年度)】
4月から:インターンシップ情報公開開始
7月ごろ:サマーインターンシップ開催
【大学4年生(卒業年度)】
3月から:企業の広報活動が開始され個別説明会などが開始
6月から:面接などの選考が開始&内々定出し
【2026年卒】就活スケジュールを解説!26卒はいつから何を始める?
【2025年卒】就活スケジュールを解説!25卒はいつから何を始める?
2026年卒(26卒)以前から、政府は就活スケジュールを、「3月1日以降に広報活動(会社説明会受付など)開始、6月1日以降に面接などの採用選考活動開始」と発表していましたが、就職みらい研究所『就職白書2024』によると、2024年卒の新卒採用で最も多くの企業が面接を開始したのは大学3年生3月、内々定・内定出し開始の最多は大学4年生4月でした。
このように独自のスケジュールで採用選考を進める業界・企業もあることを念頭におき、スケジュール確認を進めておきましょう。
やっておくと良い就活準備をリストで紹介します。なお、就活の進め方にはそれぞれの事情やペースがあるため、「この通りにしなければならない」というわけではありません。
※この記事では、大学生、大学院生のスケジュールを基に解説をしています。
※リストの項目をクリックすると、詳しく説明している部分に移動できます。
まずは、これから先の人生をどう過ごしたいか(ライフキャリア)を考えましょう。次に、希望する人生を実現するためにはどんな働き方が良いのか(ワークキャリア)、どんな職業があるのかを逆算して考えてみましょう。
目指すライフキャリアや、ワークキャリアがなんとなく見えてきたら、そこから逆算して学業や課外活動にどう取り組めばいいのか、自分なりに考えて意味づけしていくと、より充実した学生生活が送れるはずです。
世の中にはどんな企業があって、どんな働き方があるのか幅広く知るために、オープン・カンパニーやキャリア教育に参加してみましょう。大学3・4年生しか参加できないインターンシップとは違って、これらのプログラムには学年や時期を問わずに参加できます。
興味がある1社だけではなく、その競合企業や関連企業、周辺企業などにも参加し、「自分に合っていそうなところはどこか」を広く探ると良いでしょう。
オープン・カンパニーとは?実施内容や特徴、インターンシップとの違いを紹介
仕事では、「好きなこと」と「得意なこと」が一致しない可能性もあります。例えば、アニメが好きだからとアニメ制作会社に就職しても、実際に働いてみると苦手な作業ばかりでやりがいを感じられないかもしれません。
充実したワークキャリアを送るためには、「得意なことから仕事を探す」のも一つの方法です。アルバイトやオープン・カンパニーなどを通じて、自分の得意なことを社会ではどう生かせるか、どんな仕事なら価値をより発揮できるのかを探ってみましょう。
社会人経験がない状態で、働くことについて自分一人で考えを深めようとしても、うまくいかないこともあるでしょう。そこで、アルバイト先の社員と積極的にコミュニケーションを取ったり、部活やサークルのOB・OGに会ったり、学校のキャリアセンターに足を運んだりして、意識的に社会人との接点を作ることをオススメします。
社会をよく知る第三者との対話の機会が増えれば、自分の考えを深めていくきっかけにもつながるはずです。
就活に資格が必須というわけではありません。しかし、将来に向けて取得したい資格がある場合は、この時期に勉強などを進めておくと良いでしょう。就活が本格化してくる大学3年生以降は忙しくなりがちなので、なかなか資格取得のための時間を確保できないかもしれません。企業によっては、特定の資格が採用選考の応募条件になっているケースもあります。ほかにも、通勤や業務のために、卒業までに普通自動車第一種運転免許の取得を推奨している企業もあります。
就活のために、特別な経験を積む必要はありません。その代わり、何かを新しく始めたとき、区切りがついたときなどに、振り返って言語化する習慣をつけておくと良いでしょう。「なぜ興味を持ったのか」「向いていると思うか」「どんなときに自分らしさを発揮できたか」などを理由や、根拠となる出来事でまとめておくと、自分の価値観が明確になります。就活のガクチカ(学生時代に力を入れたこと)などに生かすこともできるでしょう。
通年採用など、独自のスケジュールで採用選考を進める企業もあります。気になる業界や企業の選考スケジュールは、調べておくと良いでしょう。過去のインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムの選考・開催時期やエントリーシートの受付時期などを調べ、カレンダーにメモをしてみましょう。大まかなスケジュールを把握しておけば、その時期が近づいたタイミングで企業の採用サイトをチェックすることができるため、見逃しが少なくなるでしょう。
就活準備の一つとして重要なのが、必要なものをそろえることです。スーツやかばんのほか、証明写真、認め印、朱肉などが必要になる場合もあります。また、就活に適した選び方があるグッズもあるので、直前になって焦ることないように、事前に確認と準備をしておきましょう。
自己分析とは、自分の特徴を理解するために、これまでの経験や考え方を振り返り、整理することです。大切にしている価値観、得意不得意、好き嫌いなど自分の性質がわかれば、どんな環境で力を発揮できるか、喜びを感じるかが見えてくるでしょう。自分に合った業界や企業、仕事選びをするためにも、自己分析は大切です。
【自己分析のやり方】手軽にできる9つの方法や目的・志望動機の作り方まで
業界・企業研究は、自分の志向に合う業界・企業はどこかを見極めるために行います。
業界研究では、業界全体の構造や動向を大まかに把握したあと、業界内のさらに詳しい現状や課題、今後の可能性を調べましょう。リクナビの「業界ナビ」を活用するのもオススメです。
企業研究では、「誰に、どんなものを、どのように提供している企業なのか」を自分なりに理解できるまで調べてみましょう。「ほかではなくこの企業を志望する理由」の切り口が増え、企業が求める人物像や経営理念の理解も深まるはずです。
就活の軸とは、会社選びや仕事選びの自分なりの基準のことです。自己分析や業界・企業研究などを通して、「どんな企業で、どんなふうに働き、将来どんなふうになりたいか」など、自分の価値観を言語化しておきましょう。
就活の軸を定めておくと、応募する企業の選定や、面接日程を調整するときの優先順位付けなどに役立ちます。また、面接などで「就活の軸」を質問されるケースもあるようです。
「就活の軸」って何のこと?見つけ方、面接で聞かれたときの答え方の例を紹介
新卒採用を行っている企業の情報をまとめて掲載し、エントリーや説明会予約などをまとめて管理できるのが、リクナビなどの就職情報サイトです。就職情報サイトに登録することで、効率的に就活を進めることが可能になります。
リクナビでは、企業検索はもちろん、企業研究、自己分析、エントリーシートなど就活のお役立ち情報も掲載しています。
インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムは、業界動向や具体的な仕事内容などについて直接話を聞けたり体験できたりすることに加え、そこで働く社員の方の雰囲気、カルチャーに触れられる貴重な機会です。さまざまなプログラムがあるので、自分の目的に合致したもの選んで積極的に参加してみましょう。例えば、自分の能力が通用するかを見極めたい場合は、大学3年生以降しか参加できない5日間以上の就業体験があるインターンシップがオススメです。短期間でなるべく多くの企業について情報を得たい場合は、オープン・カンパニーなどに参加すると良いでしょう。
参加するには、企業の専用サイトや、リクナビなどの就職情報サイトからエントリーが必要です。リクナビでは数多くのプログラムを紹介しており、興味に合わせて検索とエントリーが可能です。
OB・OG訪問は、企業のホームページや公開情報には載っていない“リアルな声”を聞いて仕事理解を深めるために役立ちます。学校の就職課・キャリアセンターなどにある卒業生名簿や卒業生データベース、自分の人脈から希望企業や志望業界のOB・OGを探して、依頼してみましょう。訪問する時期にルールはありませんが、大学3年生の3月以降は訪問依頼が集中しがちなので、それ以前に動けると良いでしょう。
就活でOB・OG訪問をするメリットは?依頼メール、質問例からマナーまで解説!
企業側への「御社に興味がある」という意思表示をして、学生側の情報を企業に開示することをエントリーまたはプレエントリーといいます。これは、「説明会や選考スケジュール、面接予約など、選考に必要な情報を得る」ための行為であり、選考への応募とは違います。一般的に、選考への応募は、エントリーやプレエントリーをして得た企業の詳細な情報や会社説明会などへの参加を経て、別途決めていくことなります。
就活の「エントリー」って何?プレエントリーやインターンシップエントリーとは?
「会社説明会」とは、企業の事業内容、事業規模、沿革、事業の組織構造といった基本情報をはじめ、各部署の業務内容などについて詳しく聞く機会のことです。企業説明会や就職説明会と呼ばれることもあります。また、複数の企業が一堂に会する説明会のことを「合同企業説明会」と言います。
政府主導の就活スケジュールでは、会社説明会は大学3年生3月から開催されます。ほとんどの説明会は定員制で事前予約が必要です。知名度の高い企業などでは、すぐに予約枠が満員となってしまうこともあるので、応募開始時期を事前にチェックしてカレンダーなどにメモをしておくと良いでしょう。
説明会予約は、企業の採用ホームページやリクナビなどの就職情報サイトで行います。
大学3年生の1〜3月ごろになると、エントリーシートや履歴書の提出が重なります。作成には時間がかかるため、推敲(すいこう)する時間がなくなったり、締め切りに間に合わなかったりしないように余裕を持って取り組みましょう。
事前に、「志望動機」「自己PR」「学生時代に力を入れたこと」などエントリーシートでよくある質問に対して、自分の強みをどうアピールするか複数パターンの文章を用意しておくのも良いでしょう。
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就活では、国語、数学といった能力に関する問題、SPIなどの適性検査、一般常識問題、時事問題、小論文などの筆記試験を行う企業もあります。どんな問題が出題されるかは企業ごとに異なるので、過去の選考を調べて、試験や形式に慣れておくようにしましょう。
就活の面接に、自分らしく自然体で臨むためには、ある程度の事前準備が必要です。面接に備えて、まずは面接の流れとマナーを事前に把握しておきましょう。次に、面接でよく聞かれる質問を調べ、本番でどのような受け答えをするか準備します。身近な人に「模擬面接」をしてもらうのも良いでしょう。
【就活面接で準備しておくことは?】面接マナーとよく聞かれる質問を確認しておこう!
内定と内々定の大きな違いは、労働契約が成立しているかどうかです。
一般的に「内定」とは、学生が企業から「内定通知書」あるいは「採用通知書」という書面を受け取り、学生が企業に「内定承諾書」または「入社承諾書」に署名・捺印(なついん)して提出することによって、相互に意思確認をして労働契約が成立した状態のことを言います。
内定承諾書は入社を誓約したことを示すものなので、複数の企業に内定承諾書を提出するのは避けましょう。
内定承諾書って?内定通知書との違いは?返送時の添え状の書き方ポイント&マナー解説
理系学生の場合、就活が本格化する時期は、実習や卒業研究などが忙しくなる時期でもあります。あらかじめ先輩や先生などに、学業が忙しい時期を確認し、どうやって就活と両立すると良いかアドバイスをもらっておくことをオススメします。
研究や実習など、学業が忙しくなる時期を確認した後は、就活に時間が取れる時期を把握して、就活準備を進めておくと安心です。例えば、エントリーシートの提出時期と長期実習などが重なっている場合は、応募書類の作成に時間が割けないことを見越して、早めに企業研究や志望動機をまとめておくなど、自分なりにスケジュールを組んでみましょう。
理系学生の就活では、教授推薦、研究室推薦、学部推薦などの学校推薦も選択肢に挙がるでしょう。企業への直接エントリーとは選考プロセスが異なり、応募に制限があるので、学校のキャリアセンターなどでしっかり情報を集めましょう。推薦応募は大学と企業の関係性にかかわることから、内定辞退が難しいため、応募前に「本当に入社したい企業かどうか」「ほかに行きたい企業はないか」を見極めることが重要です。
大学院生は、研究や学会への参加・発表などのために、学部生以上に就活に時間を取れないことも珍しくありません。あらかじめ研究室の先輩や先生などに、学会が集中する時期や忙しい期間などを確認しておきましょう。理系の学生と同じように、どうやって就活と両立すると良いか、先輩にアドバイスをもらっておくのも有効です。
大学院生は学部生よりも学業が忙しくなりがちです。そのため、大学院進学後にゼロから就活を始めるのではなく、比較的余裕がある学部生のうちから、コツコツと自己分析や仕事理解などを進めておきましょう。
インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムは、仕事や企業、業界、社会への理解を深めるためにとても有効です。しかし、就業体験を通じて自らの能力を見極められるインターンシップは5日間以上の参加が必要なため、忙しい大学院生には参加ハードルも高くなりがちです。夏休みや冬休みなど、多くの企業がインターンシップを開催する期間は学会も集中しやすいため、なるべく大学3年生のうちに参加しておくと良いでしょう。
一般的な就活スケジュールに沿って動けない状況が早めにわかっている場合は、それを前提にどう就活を進めていくか、自分なりに計画立てて準備すると良いでしょう。例えば、大学3年生以降の時間を確保しづらい場合、大学1〜2年生のうちからオープン・カンパニーなどに積極的に参加して自己分析と企業研究を深め、事前に志望動機をまとめておくのも一つの手です。
例えば、大学4年生の秋までは部活に集中したい体育会系の学生や、夏まで留学している学生などは、大学4年生の秋以降に始まる「秋採用」「冬採用」をしている企業を探してみましょう。ほかにも、時期を定めずに常に採用活動をしている「通年採用」の企業などもあるので、調べてみると良いでしょう。
気になる企業がある場合は、過去の採用スケジュールなどを調べて、選考に参加できそうかどうか早めに確認しましょう。例えば、グループワークや面接をする時期は留学中で日本にいないため選考に参加できないなどの事情がある場合は、企業の人事に相談してみるのも一つの手です。スケジュールが合わないからとあきらめずに、「帰国後まで待ってもらったり、オンラインで選考を受けたりできないか」などを問い合わせてみることで、道が開けるかもしれません。
やりたいことがないときは、「ありたい姿」を考えてみましょう。住みたい場所や一日の過ごし方、どんな人に囲まれて、どんな人生を過ごしたいのかなどをイメージします。そして、その理想を実現するためには、どんな働き方や仕事があるかを逆算してみましょう。
やりたいことではなく、「得意なこと」を生かせる仕事を探してみましょう。得意なことが見つからないという人は、「自分の性格や特徴は、どんな環境でなら強みとして生かせるか」という考え方をしてみましょう。
基本的に企業は、「意欲があるだけではなく、成果も出せる人」を採用したいと考えています。そのため、得意なことや強みが自社とマッチするかを重視する人事も少なくないでしょう。内定がなかなか得られない場合は、やってみたいという意欲ばかりが先行していて、あなたの強みや特性を生かしづらい企業にばかり応募していたのかもしれません。その場合は、これまでに応募してきた業界や企業の周辺で、自分の強みを生かし、説得力を持って伝えられる企業がないか探してみましょう。
自己PRや志望動機などで、自分の得意なことや強み、性格などの特性と、仕事内容・企業環境がマッチしていることをうまく企業に伝えられていない可能性もあります。「入社後に成果を出してくれそうな人だ」と思ってもらえるように、自分と企業との接点を踏まえて、伝え方を見直してみましょう。
まず前提として、就活は誰かと競い合うものではありません。しかし、同年代が一斉に就活をしている状況では「出遅れた」と感じてしまう人もいるでしょう。そういったときは、行動あるのみです。何をしたらいいかわからないときは、自己理解や自己探究から始めてみましょう。自分が好きなこと、興味があること、どんなことに取り組んでいるときに自分らしさを発揮できるかを探り、第三者との対話によって考えを深めていきます。正解かどうかわからなくても問題ありません。「これかな?」と思うものが見えてきたら、企業へのエントリーや説明会参加など、何かしらの行動をしてみましょう。行動をしながら感じたことを振り返り、次の行動に反映させ、繰り返すことが大切です。
監修:リクルート 就職みらい研究所所長 栗田貴祥
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