「やりたいことがない!」と悩む就活生向け。企業探しのヒントをプロが解説!

自己分析や企業研究を進めてみても、「やりたいことがない」「志望企業が選べない」と悩む就活生もいるのでは?やりたいことが明確になっていない人向けに、企業探しのコツ、選考で「入社後にやりたいことは?」と聞かれたときの乗り切り方を、採用のプロ・曽和利光さんに聞きました。

就活するとき「やりたいこと」は考えておいた方がよい?

「社会人になって、どんなことをやりたい?…なんてわからない」「やりたいことがないから、志望の業界や企業が絞れない」――そんな思考に陥って就活を進められなくなったり、「やりたいこと」を具体的に語る友人の様子を見て焦ったりしている就活生もいるのではないでしょうか。
そもそも就活を進める上で、やりたいことは考えておいた方がよいのでしょうか?

「やりたいことを見つけないといけない」という先入観を捨てよう

やりたいことが明確になっていないと、選考に応募する企業を選んだり、エントリーシートや面接で志望動機を答えたりできない、と思っている就活生の方も多いと思います。
けれど、やりたいことを明確にするのは難しいもの。社会人でさえ、何年か働く中で「もしかしたらこの仕事が『やりたいこと』なのかも」とようやくわかる程度。働く前から「これがやりたい」だなんて言えなくても当然です。

「やりたいことがある」人の中には、そう思い込んでいるだけの場合も

選考で「こんなことをやりたい」と話す学生さんもいますが、実はそう思い込んでいるだけだったりもします。

例えば、面接で「多くのサービス事業を手掛ける御社での仕事を通して、多様な価値観が認められる社会をつくりたい」と志望動機を語ったところ、「なぜ多様な価値観が重要だと思うのか?」と面接担当者から聞かれたとします。
このとき「個々人がイキイキと過ごせるようになるから」というような答えや、「なぜそう思うのですか?」と重ねて聞かれても一般論に終始してしまい、自分自身の話に結び付かない場合は注意が必要です。なぜやりたいのか具体的な根拠のないまま「やりたい」と思い込んでいるだけなのかもしれないからです。面接担当者にも「学生が本当にやりたいことなのか?」と思われる可能性も高いでしょう。

自己分析や企業研究などを進めていくと、「自分のやりたいことは何だろう?」という問いに直面する場面が多く、その結果「商社に行きたい」「マーケティングがやりたい」のように、それらしいものを「やりたいこと」と思い込んでしまうのです。

例えば以下の志望動機のように、自分のライフヒストリー(成育歴)や過去の経験、出会った人など、自分と関連した理由を持ってやりたいことを語れる就活生は、少ないのではないかと思います。

例)
私は、多くのサービス事業を手掛ける御社での仕事を通して、多様な価値観が認められる社会をつくりたいと思っています。
理由は、大学の学園祭のイベント企画の経験から、参加メンバーの多様な価値観を認め合うことで、より良い企画が実現できると実感したからです。
イベント内容を企画する際、私は学年問わずメンバー全員に意見を出してもらい、意見を否定することなく聞いた上で検討を進めるように提案しました。
その結果、お互いの興味や価値観を尊重しつつ、みんなが主体性を持って企画・検討、当日のイベント運営に取り組む姿を目の当たりにし、イベントも大盛況に終わりました。
この経験から、御社の事業を通じて、多様な価値観が認められる社会を実現したいと思っています。

「やりたいことがない」は強みになる

むしろやりたいことがないのは、何にもとらわれず、チャンスが訪れたときにさっとつかめるオープンマインドの状態。全然悪いことではありません。

有名なキャリア理論の一つに、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した「計画された偶発性理論」というものがあります。
これは「個人のキャリアの8割は偶発的に決定される」という考え方で、キャリアを予想して積み上げるのではなく、偶然訪れたチャンスをつかんで設計していこうというものです。

やりたいことを決めているより、やりたいことがない方が、良いキャリアを積める可能性の高いポジティブな状態と捉えて、就活に臨んでみてはどうでしょうか。

インターネットで興味のある企業を探している就活生のイメージ

やりたいことがない人は、どう企業を探すとよい?

やりたいことがない状態は就活をする上でマイナスにはならないということはわかりましたが、数多くの中から興味のある企業を探すには、どんな観点で見ていくとよいのでしょうか?

自分が興味のあるキーワードで企業を探してみよう

「やりたいことがなくて企業選びに悩む」という就活生にオススメしたいのは、就活サイトの検索ボックスに企業名や業界、職種ではなく、自分の趣味や興味のあることを表すワードを入れて企業検索をすることです。企業選び…と思うと気構えてしまいますが、最初の切り口は、自分がなんとなく好きなもの、身の回りにあるもので大丈夫。リクナビには「フリーワードから探す」という機能があるので、それを活用してみるのもよいでしょう。

例えば、「ワイン」に興味がある人は、検索ボックスに「ワイン」と入力してみましょう。

検索結果には、ワインの専門商社もあれば、ワイン関連商品のメーカー、ワイン情報を発信するメディアの運営企業など、さまざまな形でワインにまつわる企業が表示されます。
こうやって調べてみると、「ワインに興味があるから食品業界かな」と思って業界から企業を調べたときには出てこなかった企業に出会うことも。

「将棋」「マンガ」「哲学」などいろんなワードで検索して表示された検索結果を見ていくと、自分が関心のあるワードにまつわるビジネスを手掛ける企業やビジネスの全体像も見えてくるでしょう。

そのほかにも、こんな企業との出会いもあるかもしれません。

自分が好きな「将棋」で検索してみたら、将棋サークルがある企業が出てきた。

事業内容は将棋に直接かかわることはないが、事業内容を読んでみたら意外に面白そうだ。

試しに会社説明会に行ってみたら、働くイメージが持て、社員の人柄にもひかれて志望度が上がった。

面接の際に、志望動機や「当社を知った理由は?」と聞かれたら、「将棋が好きで検索していたら、御社を見つけました。事業内容を調べていた際、~という点に興味を抱き、会社説明会で社員の方の仕事のエピソードに共感しました」というように、正直に伝えても嫌な顔をする人事はいないと思いますよ。

これといって興味のあるものがない場合は、例えば「ボールペン」のように身の回りにある目についたものを検索ボックスに入れてみると、思いがけない企業を知ることができるかもしれません。

選考で「やりたいこと」を聞かれたら、どう乗り切る?

最後に、選考で「入社後やりたいこと」を聞かれたとき、やりたいことが明確になっていない人はどう答えるとよいのでしょうか?企業がやりたいことを聞く意図とともに、答え方のアドバイスを紹介します。

企業が「やりたいこと」を聞く意図は?

選考を通して企業が知りたいのは、やりたいことがどれだけ具体的に思い描けているかよりも、学生の仕事選びの軸が自社とマッチしているかどうか。本人のやりたいことに対して、その企業でできる仕事や環境がなければ、入社しても辞めてしまうリスクを懸念して確認していることが考えられます。
そのため、具体的にやりたいことがなくても「その企業でどう働いていきたいか」「社会人としてどうありたいか」などを語れるだけでもよいでしょう。

「やりたいことがない」場合の答え方のヒント

前述のように、やりたいことにとらわれる必要はありません。例えば、「具体的にやりたいことはまだわかりません。ただ、私が役立てる範囲で、お客さまや社内のメンバーに対して貢献できる社会人になりたいと思っています」というような答えだと、与えられた環境に対して柔軟に適応する可能性を感じさせるのではないでしょうか。

——————————————————

曽和利光さんプロフィール写真

【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。最新刊『人事と採用のセオリー』(ソシム)も好評。

——————————————————

記事作成日:2019年3月1日

「自分の強み」や「向いている仕事」が約5分でわかる「リクナビ診断」を使って、就活準備を進めよう!

▼2020年卒向け詳細情報▼

「リクナビ診断」を受ける

合わせて読みたい記事