夏休み期間に実施されるサマーインターン(サマーインターンシップ)は、興味のある業界や自分のやりたい仕事について詳しく知ることができる、就活準備にもってこいの機会。これから準備を始める人の中には、サマーインターンへの参加を検討している方もいるのではないでしょうか?サマーインターンの内容や選考のポイントなどについて紹介します。
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目次
企業で実際の仕事をしている人から直接話を聞いたり、仕事を体験してみたりすることで、仕事や企業、業界、社会への理解を深めることができるインターンシップ(インターン)。
明確な時期の定義はありませんが、学校の夏休み期間に当たる7〜9月ごろに実施されるものを「サマーインターン」と呼ぶ場合が多いようです。
2023年度に、経団連と大学が直接対話する枠組みとして発足した「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(以下「産学協議会」)が、従来のインターンシップを「学生のキャリア形成支援活動」として以下の4類型に分けました。それによって、特定の要件(就業体験、実施期間等)を満たしたタイプのみをインターンシップと呼ぶことになりました。
なお企業は、インターンシップで取得した評価を含む学生の情報を卒業・修了前年次の3月1日以降は広報活動に、卒業・修了年次の6月1日以降は選考活動に生かしてもよいとなりました(※)。
就業体験がないなどの要件を満たさないものは、引き続き、学生情報を採用選考活動に生かすことはできず、「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」などの別名称になります。「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」で得た学生情報は、採用選考活動に生かすことはできません。
※卒業・修了前年次とは、大学3年生、大学院1年生、短大1年生など。卒業年次とは、大学4年生、大学院2年生、短大2年生などを指します。
タイプ1:「オープン・カンパニー」
・個社や業界に関する情報提供・PRが目的
タイプ2:「キャリア教育」
・働くことへの理解を深めるための教育が目的
タイプ3:「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」
・卒業・修了年次または卒業・修了前年次(学部3・4年/修士1・2年など)が主な対象
・就業体験が必須
・学生にとっては自らの能力の見極め、企業にとっては学生の評価材料の取得が目的
タイプ4:「高度専門型インターンシップ」
・博士課程や修士課程の学生が主な対象
・就業体験が必須
・学生にとっては実践力の向上、企業にとっては学生の評価材料の取得が目的
【ポイント】
上記の4類型のうち、タイプ3とタイプ4のみを、これからは「インターンシップ」と呼び、採用選考活動に情報を活用することができる
リクナビ2026では、4類型の総称を「インターンシップ&キャリア」と呼びます。
また、タイプ1とタイプ2については「オープン・カンパニー&キャリア教育等」、タイプ3と4は「インターンシップ」と呼びます。
インターンシップ&キャリアについて、詳しくはこちら
タイプ3の「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」は、時間をかけて社員指導の下で就業体験ができるため、仕事について具体的にイメージできるようになるほか、職場の雰囲気や社内の人間関係など、自分が知りたい情報を得るチャンスが広がるでしょう。
ただし、就業体験が必須のため、参加人数が限定される可能性もあります。中には、エントリーシート提出や面接などの選考を行う企業もあり、参加倍率が高くなる可能性もあります。また、半日や1日のものではないので、複数社への参加は難しくなるかもしれません。
短期のキャリア形成支援プログラムにたくさん参加し、さまざまな業界や企業を知るきっかけにするのもよいでしょう。タイプ1「オープン・カンパニー」の実施期間は半日や1日のものも多くあります。タイプ2「キャリア教育」はプログラムによって1日から数日間、数週間のものまで幅広く実施されます。
プログラム内容や自分のスケジュールなどを確認しながら、気になるプログラムを探してみましょう。
【対象】卒業・修了年次または卒業・修了前年次(学部3・4年/修士1・2年など)が主な対象
【開催時期】夏休み、冬休み、入試休み・春休みといった長期休暇のみ開催
【参加期間】
・学生の適性や汎用的能力を重視する汎用的能力活用型インターンシップは5日間以上
・専門性を重視した専門活用型インターンシップは2週間以上
【ポイント】
・参加日程の半分を超える日数を、職場で実務体験する
・テレワークが常態化している企業では、テレワークによる就業体験も可
・職場の社員が指導し、インターンシップ終了後はフィードバックを行う
・就業体験を行う際に必要な(求められる)能力など、必要な情報を募集要項で開示
次に、サマーインターンの参加時期・申し込み時期について2022年卒の先輩たちにアンケートで聞いた結果を紹介します。
※2022年卒の先輩は、4類型が定められる以前にインターンシップに参加しています。そのため、アンケートの結果はタイプ1,タイプ2も含めて7~9月に参加したプログラムを「サマーインターン」として紹介します。
インターンシップに参加した2022年卒の先輩たちのアンケートでは、8月に参加した人が59.2%と最多で、次に多かったのが9月(49.0%)という結果になりました。
■先輩たちがインターンシップに参加した時期(n=500、複数回答)
サマーインターンの申し込みを企業が受け付ける時期は、さまざまです。ただ、2022年卒でインターンシップに参加した先輩たちのアンケートでは、申し込み時期は多い順に6月(45.6%)、7月(41.4%)、8月(36.4%)となっています。同調査によると、サマーインターンの参加時期のピークが8月になっていることから、8月に開催されるサマーインターンの申し込みを6~8月に行っている傾向が読み取れます。
■先輩たちがインターンシップに申し込んだ時期(n=500、複数回答)
2023年度からは、サマーインターンに限らず、従来のインターンシップはすべて「学生のキャリア形成支援活動」として、前述した4つのタイプに分類されます。
タイプ3、タイプ4の新たなインターンシップは就業体験が必須のため、例えば、営業同行をして実際のクライアントを訪問するといった業務遂行が含まれているプログラムや、グループワーク、プロジェクトを組んで研究や新規事業提案を行うなど、仕事の疑似体験ができるのが特徴です。
タイプ1「オープン・カンパニー」、タイプ2「キャリア教育」は、企業によってさまざまなプログラムが開催されることが予想されます。それぞれのプログラムを通して、得られる知識やスキルは異なるので、さまざまなタイプに参加してみるのもよいでしょう。
2022年卒の先輩たちに聞いた、7~9月に参加したインターンシップで、特に印象に残っているプログラムを開催形式別に紹介します。
●対面開催のプログラム
●オンライン・Web開催のプログラム
サマーインターンに参加するメリットはなんでしょうか。7~9月とそのほかの時期のインターンシップ両方に参加した先輩たちに、そのほかの時期と比較して、サマーインターンのどんなところにメリットを感じたのかを聞きました。
実施したアンケートでは、多い順に「就活準備が早めにできた」(63.4%)、「インターンシップの選択肢が豊富にあった」(53.2%)、「スケジュールの融通がつきやすい」(34.7%)、「就活を進めるにあたっての人間関係ができた」(18.1%)という結果になりました。
■サマーインターンに参加するメリット(n=265、複数回答)
次に、それぞれのメリットについて、具体的な先輩たちのコメントを交えて紹介します。
インターンシップに参加して実際の業務を体験することで、仕事や企業、業界、自分自身の志向への理解が深まります。サマーインターンに参加して、より早いタイミングで仕事に対するイメージを持てたことが就活準備に役立ったと感じた先輩が最も多かったようです。
ほかの時期よりプログラムの種類、募集人数、実施期間などのバリエーションがあったと感じた先輩たちの声もありました。
7~9月は学校が夏休みのことが多く、スケジュールの調整がしやすかったという先輩の声もありました。これはサマーインターンならではのメリットだと言えるでしょう。
では、サマーインターンに参加したいと思ったら何をしたらよいでしょうか?ここでは、サマーインターンを探して応募し、参加するまでの流れを紹介します。ほかの時期のインターンシップも同じ流れになるので、ぜひ押さえておきましょう。
サマーインターンを探し始める前に、まずは自分の興味のあることは何か、自分が向いている仕事はどんなものか、などを考えてみましょう。自分が働く上で大事にしたいことや企業選びで重視したいことに気づくかもしれません。
上述したように、先輩たちアンケート結果では、サマーインターンの申し込みを6~7月にした人が多いようです。リクナビなどの就活準備サイトや企業ホームページ、合同企業説明会などでサマーインターンを探してみましょう。
実施期間やプログラムの内容は、サマーインターンもほかの時期のインターンシップも企業によってさまざま。募集要項を見て、気になるプログラムを探してみましょう。学校のキャリアセンターに募集要項が届いている場合もあるので、確認してみるとよいでしょう。
サマーインターンの選考内容には、書類選考、適性検査・筆記試験、面接などがありますが、選考方法は企業によって異なるので、募集要項をチェックしましょう。新たに始まる「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」は就業体験が必須のため、参加人数が限定され、参加倍率が高くなる可能性もあるので、「タイプ1:オープン・カンパニー」にも参加して企業理解を深めると良いでしょう。大学1・2年生などは、大学等が低学年向けに開催し、大学のカリキュラムとして単位認定される「タイプ2:キャリア教育」などを調べて応募してみるのも一つの手です。
選考方法は、新型コロナウイルス感染症の流行以降、Web面接を行う企業が増えました。面接では、話す内容だけでなく、話す際の姿勢やしぐさ、表情など、非言語コミュニケーションも見られます。面接に慣れていない場合には、選考を受ける前に、友人や家族などと模擬面接をしてみるのも一つの方法です。自分の考えがしっかり伝わったか、客観的な感想を聞いてみるといいでしょう。
インターンの選考について詳しくはこちら↓
サマーインターン当日までに、服装や持ち物などを確認しておきましょう。また、インターンシップ参加時に先輩社員にどんな質問をしたいかを事前に整理しておくのもよいでしょう。
詳しくはこちら↓
インターンシップにどんな服装で参加した?先輩たちのコーディネート例を紹介!
インターンシップではどんなことを質問したらいいの?質問例公開
実際にサマーインターンに参加する際に心がけておきたい3つのポイントを紹介します。
「できるだけ多くの社員と話す」「サマーインターン中に接した社員に仕事のやりがいを必ず聞く」「自分に足りない力、伸ばすと良い力を知るために、毎日その日の業務の振り返りをする」など、参加することで得たいものを明確にし、自分なりに目標を立てて参加しましょう。
サマーインターン中は、人事担当者や社員が仕事の説明をしてくれたり、職場の雰囲気を体感したり、たくさんの情報が受動的に入ってきます。一方で、情報の波にのまれてしまうことも。自分の得たい情報を意識して、積極的に聞くように心がけてみましょう。
参加しておしまいではなく、サマーインターンで経験したことから何を学び、経験を基に今後どのように成長していきたいと考えているのかを振り返ってみるのがオススメです。ここで紹介したポイントは、ほかの時期のインターンでもぜひ心がけてみてください。
サマーインターンに参加することで、早くからやりたい仕事・やりたくない仕事や、興味のある業界・企業などについて考え、自分なりの企業選びの軸を見つけることができます。ぜひ目的意識を持って参加し、就活準備に活用してください。
性格検査や適職診断など、自己分析に役立つツールを活用してみましょう!
▼2026年卒向け詳細情報▼
【調査概要】
調査期間:2022年9月13日~9月16日
調査サンプル:インターンシップに参加したことがある大学生・短大生・大学院生500名
調査協力: 株式会社クロス・マーケティング
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