インターンシップとは?参加のメリット、探し方を紹介

「インターンシップって具体的にどんなことをするの?」「参加するメリットは?」など、疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。そこで、プログラムごとの目的や就業体験の有無、参加のメリットなどについて気になることを解説。実際に参加した先輩たちの声や、選考にかかわっている人事担当者のアンケート結果を併せて紹介します。プログラムに参加するときに気をつけておきたいマナーや持ち物についてもお伝えします。

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インターンシップとは、仕事の現場を知るための機会

インターンシップとは、ひと言で言うと「社会に出る前に仕事の場を体験してみること」。企業で実際の仕事をしている人から直接話を聞いたり、仕事を体験してみたりすることで、自分のキャリアを考える機会となります。
また、会社説明会やOB・OG訪問などで話を聞く場合よりも、さらに現場の空気を肌で感じることができるため、業種や職種、企業による仕事内容の違いや働いている人たちの雰囲気、企業風土の違いを知ることができます。

アルバイトとの違いは?

仕事を経験するという点ではアルバイトと同じように感じますが、アルバイトで経験できるのは、募集がある業種や職種に限られます。
これに対し、インターンシップは、学生に社会や企業を知ってもらうために企業が開催しています。このため、普段学生が接する機会のない幅広い業種や職種でも募集しています。また企業が大切にしている理念、仕事内容、やりがいなどを知ってもらうためにプログラムが工夫されていて、業界研究や職種研究に役立てることができるのです。

インターンシップは報酬が出る?

アルバイトでは報酬が支払われますが、インターンシップでは必ずしも報酬が支払われるとは限りません。報酬のほか交通費などが支払われるかどうかもプログラムによるので、応募要項を確認してみましょう。

2023年度から「産学協議会基準に準拠したインターンシップ」が始まった

2023年度に、経団連と大学が直接対話する枠組みとして発足した「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(以下「産学協議会」)が、従来のインターンシップを「学生のキャリア形成支援活動」として以下の4タイプに分けました。
それによって、特定の要件(就業体験、実施期間等)を満たしたタイプのみをインターンシップと呼ぶことになりました。
なお、企業はインターンシップで取得した評価を含む学生の情報を卒業・修了前年次の3月1日以降は広報活動に、卒業・修了年次の6月1日以降は選考活動に生かしてもよいとされています(※)。

就業体験がないなど要件を満たさないものは、「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」などの別名称になります。「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」で得た学生情報は、採用選考活動に生かすことはできません。

※卒業・修了前年次とは、大学3年生、大学院1年生、短大1年生など。卒業年次とは、大学4年生、大学院2年生、短大2年生などを指します。

インターンシップの定義

 

インターンシップの定義

どのタイプに参加するのがいい?

タイプ3の「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」は、時間をかけて社員指導の下で就業体験ができるため、仕事について具体的にイメージできる機会になります。また、職場の雰囲気や社内の人間関係など、自分が知りたい情報を得るチャンスが広がるでしょう。
一方で、就業体験が必須のため、参加人数が限定される可能性もあります。中には、エントリーシート提出や面接などの選考を行う企業もあり、参加倍率が高くなる可能性もあります。また、半日や1日のものではないので、複数社への参加は難しくなるかもしれません。

そこで、活用したいのが参加日数や対象学年の制限がないタイプ1「オープン・カンパニー」。こちらは、就業体験こそないものの、業界動向や具体的な仕事内容などについて話を聞けるほか、そこで働く社員の方の雰囲気、カルチャーに触れられる絶好の機会になるでしょう。
内容や自分のスケジュールなどを確認しながら、気になるプログラムを探してみてください。

「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」のポイント
【対象】卒業・修了年次または卒業・修了前年次が主な対象
【開催時期】夏休み、冬休み、入試休み・春休みといった長期休暇のみ開催
【参加期間】
・学生の適性や汎用的能力を重視する汎用的能力活用型インターンシップは5日間以上
・専門性を重視した専門活用型インターンシップは2週間以上
【ポイント】
・参加日程の半分を超える日数を、職場で就業体験をする
・テレワークが常態化している企業では、テレワークによる就業体験も可
・職場の社員が指導し、インターンシップ終了後はフィードバックを行う
・就業体験を行う際に必要な(求められる)能力など、必要な情報を募集要項で開示

リクナビ2026では、4類型の総称を「インターンシップ&キャリア」と呼びます。
また、タイプ1とタイプ2については「オープン・カンパニー&キャリア教育等」、タイプ3と4は「インターンシップ」と呼びます。

インターンシップ&キャリアについて、詳しくはこちら

インターンシップに参加中の学生たちのイメージ

続いて、インターンシップの参加目的やプログラムの内容、参加時期など、2024年卒の先輩たちにアンケートで聞いた結果を紹介します。
※2024年卒の先輩は、4類型が定められる以前にインターンシップに参加しています。そのため、アンケートの結果はタイプ1、2も含めて「インターンシップ」と記載して紹介します。

インターンシップに参加する目的・メリットは?

インターンシップの参加目的

2024年卒の先輩たちにインターンシップに参加した目的を聞いたところ、最も回答が多かったのは、「業界・企業・職種理解を深めるため」で79.3%。次いで「自己分析を深めるため」(48.3%)、「就活の予行演習のため」(44.7%)という結果になりました。

■インターンシップにはどんな目的で参加しましたか?(n=300、複数回答)

インターンシップにはどんな目的で参加しましたか?

具体的な目的について回答してくれた先輩の声を紹介します。

業界・企業・職種理解を深めるため

  • 企業の実際の業務を体験し、企業の人の雰囲気や人柄、社風を知るため
  • 自分に合う業界や職種を探す前に、まずそもそもどういった業界や職種があるのかという現状を幅広い業界のインターンなどに参加することで興味関心に関係なく知りたいと思ったから
  • 自分の就きたい職業は定まっていたが、社会人になる前に幅広く社会のことを知っておきたいと感じたため、インターンシップに参加した

自己分析を深めるため

  • 自分の適性を知るため
  • 就職してから退職するまでのビジョンを描くため
  • 自分のキャリアを想像するため

就活の予行演習のため

  • 就活生と対面で会い刺激を受けるためと、グループディスカッション等の選考で行われる面接形式の経験を積むため
  • プログラムで行われるグループワークを通じて、コミュニケーションスキルを高める目的で参加した
  • 就活とはどのようなものか、面接とはどのようなものか知るため

「社会人とのコミュニケーションに慣れるため」(36.3%)、「ビジネスに必要なスキルを知るため」(30.7%)、「人脈を広げるため」(15.0%)、「その他」(1.3%)と回答した先輩たちの声の中には、「客観的に自分を観察し、欠けているものや、必要なスキルを熟考するため」「上の年代の人と話す練習のため」「早期選考参加のためには必須であったため」という意見もありました。

インターンシップ参加のメリット

インターンシップに参加することには、どんなメリットがあるのでしょうか。
先輩たちの声を見てみると、1つは「仕事の現場」を経験し、その企業や業界で働くことを具体的にイメージしやすくなることが挙げられます。

  • 職場のイメージをすることができた
  • その企業の働き方や職場の雰囲気を知ることができた
  • 自分の行きたい企業、業界が定まった

2つ目は、自分に足りないスキルに気がついたり、やりたいことが見つかったりと自己分析を深める機会につながりやすいことが挙げられます。

  • コミュニケーションを取る機会がすごく多くて、自分の意見をしっかりと持つことが大切だと学びました
  • 志望業界に対する自分の適性、必要な力などを得ることができた
  • 自分のしたいことを見つけることができた

さらに、学校やアルバイトとは違う社会に飛び込んでみることで、学生生活の過ごし方を考えたり、将来の進む道を模索したりするきっかけにもなります。

インターンシップの参加目的・メリットについて詳しく知りたい人は、こちら↓

インターンシップに参加する意味・目的とは?必要性はある?【先輩たちにアンケート】

インターンシップの内容や期間、参加時期は?

インターンシップの内容

2024年卒の先輩たちに「参加したインターンシップのうち、特に印象に残っているプログラム内容について、具体的に教えてください」とアンケートしたところ、以下のような回答がありました。

  • 2日間のプログラムで、段階をふんでコンサルタント業界の仕事観を学んだり、具体的なコンサル業務(ヒアリング、提案内容作成、実際に友達や家族に営業をかけるなど)を体験するだけでなく実際に行ったりすることができた
  • アパレル業界のインターンシップ。アパレルを当時志望していたため、実際に販売戦略や、購入につながるコツについて、アイテムのアピールポイントを他チームに伝えるという内容の活動は凄く意義を感じた
  • 塾経営を行う企業に参加し、低学年向けの60分授業の構成を考えるというグループワーク。講師目線、生徒目線の双方から物事を考える重要性を感じた

インターンシップの期間

インターンシップの期間は、どれくらいでしょうか。2024年卒の先輩たちのアンケート結果を見ると、1日のプログラムが最も多く71.3%という結果になりました。また約5人に1人が、4日以上1週間未満のプログラムに参加しています。
なお、2025年卒からはインターンシップの定義が変わり、参加期間が変わりました。
学生の適性や汎用的能力を重視する汎用的能力活用型インターンシップ期間は5日間以上、専門性を重視した専門活用型インターンシップ期間は2週間以上となります。アンケートの結果では約3人に1人が、5日以上のプログラムに参加していました。

■参加したインターンシップの期間を教えてください(n=300、複数回答)

参加したインターンシップの期間を教えてください

インターンシップの参加時期

先輩たちはいつからインターンシップに参加したのでしょうか?先輩たちのアンケート結果によると、参加時期は、8月が48.7%と最多、次いで9月に参加した人が34.0%でした。学校が夏休みに当たる時期の参加が多くなっています。

■先輩たちがインターンシップに参加した時期(n=300、複数回答)

先輩たちがインターンシップに参加した時期

インターンシップの申し込み時期

インターンシップの申し込みを受け付ける時期は、企業によってさまざま。ただ、2024年卒の先輩たちのアンケートでは、申し込み時期は、多い順に8月(39.7%)、7月(37.3%)、6月(37.0%)となっています。
参加者の多い8月に開催されるインターンシップの申し込みを6~8月に行っている傾向が読み取れます。

インターンシップの参加時期・申し込み時期について、詳しくはこちら↓

インターンシップいつから始める?参加時期・申し込み時期は?【先輩アンケート】

インターンシップの探し方・選び方は?

どのインターンシップに応募したらいいのか迷ったら、選び方には次の3つの考え方があります。

(1)興味のある業界や企業が決まっているなら、「業界・企業で選ぶ」

気になっている企業がインターンシップを実施していない、募集時期が終わっているなどの場合には、同じ業界内で探してみるのもよいでしょう。

(2)興味のある業界や企業が特にない人は、「実施期間で選ぶ」

参加可能な時期に実施予定で、短期や長期などスケジュールが合うものにまず参加してみるのも一つの方法です。

(3)興味のある業界や企業は特にないけれど、インターンシップを通じて体験したいことがある人は、「プログラム内容で絞り込む」

職場体験をしたい、グループワークをしたいなど、目的に合うものを探しましょう。
インターンシップの実施企業や内容を調べる方法としては、リクナビなどの就職準備サイトや企業のホームページ、インターンシップの合同企業説明会、学校のキャリアセンターなどがあります。

インターンシップの選び方について詳しく知りたい人は、こちら↓

どうやって決めたらいい? インターンシップの選び方

インターンの探し方は?目的に応じた選び方も解説

インターンシップの申し込み方法・選考方法は?

インターンシップの申し込み方法

インターンシップにはどのように応募するとよいのでしょうか?先輩たちにアンケートしたところ、申し込み窓口としてよく利用したのは、「インターンシップ・就活準備情報サイト」と回答した人が一番多く52.0%と全体の約2分の1となりました。「企業のホームページ」も18.3 %と2割弱を占め、次いで「学校のキャリアセンター」が15.0 %で続きました。

■インターンシップに申し込む際に、最も利用した窓口は?(n=300、単一回答)

インターンシップに申し込む際に、最も利用した窓口

インターンシップの申し込み方法について、詳しくはこちら↓

インターンシップの申し込みはいつから?どうやって申し込むもの?

インターンシップの選考方法

インターンシップは、企業が受け入れられる人数に限りがあるため、参加人数を絞るための選考が行われる場合もあります。
企業で「人事・採用」を担当し、過去1年以内にインターンシップの選考に携わった300人にアンケートで聞いたところ、以下のような結果となりました。

■インターンシップの選考方法はどのように実施しましたか?(n=300、複数回答)

インターンシップの選考方法はどのように実施しましたか

インターンシップでの選考方法は、「エントリーシート」(64.7%)が最も多く、次いで多い「面接」(51.0%)、「履歴書」(49.3%)も、約5割の企業が実施していました。「適性検査」(32.7%)、「筆記試験」(27.3%)も約3割の企業が実施しています。
企業が選出方法として最もよく利用しているエントリーシートには、一般的に「志望動機」や「自己PR」「インターンシップで学びたいこと」「学生時代に力を入れて取り組んだこと(ガクチカ)」などの項目が設けられていることが多く、作成には意外に時間がかかるもの。応募の締め切り期日より前から準備をしておくと安心でしょう。

インターンシップに参加するときに気をつけたいことは?

実際にインターンシップに参加するとき、どんなことに気をつけるとよいでしょうか?ここでは、「マナー」「持ち物」「参加中の質問」について紹介していきます。

インターンシップ参加中のマナー

インターンシップに参加するときは、受け入れてくれる企業への感謝の気持ちとマナーを持って参加しましょう。
実は、インターンシップに参加する学生のマナーが「気になる」と回答した人事担当者は全体の約8割に上っています。
具体的に気になったマナーについて質問したところ、「言葉遣い」、「あいさつ」、「服装」という回答が多く見られました。正しい敬語や相手の目を見て行うあいさつ、清潔感のある身だしなみなどを普段から心がけておきたいものです。
そのほか、「個人で所有しているスマートフォンなどはOFFにするよう事前にも当日にも伝えているにもかかわらず、鳴らしたり、操作をしたりしている者が身受けられる事が気になった。」「インターンシップは、遊びではなく、選ばれて実施するものなので、真剣に対応してほしい」という声もありました。

参加中のマナーで人事が気になることについて、詳しくはこちら↓

インターンシップ中のマナー、人事が気になるポイントは?

参加に際しては、人事担当者とメールのやりとりをする場面も出てきます。友人とのSNSと違い、メールにもビジネスマナーが必要。件名や宛名、本文の書き方など基本の型を押さえておきましょう。

メールのやりとり、マナーについて、詳しくはこちら↓

企業とのやりとりに役立つ! インターンシップに関するメールの書き方とマナー【例文あり】

インターンシップに参加するときの持ち物

インターンシップ中に役立った持ち物として先輩たちが挙げたのは、見聞きしたことを記録するための「筆記用具」や「ノート、メモ帳」と、時間の確認や調べ物などマルチに活用できる「スマートフォン」でした。ただしスマートフォンは、インターンシップのプログラムによっては使用禁止の場合もあるので、スマートフォンを取り出さなくても時間を確認できる「腕時計」も持っていくと良いでしょう。

インターンシップ時の持ち物について、詳しく知りたい人はこちら↓

【当日までに確認!】インターンシップ参加時に役立つ持ち物は?

インターンシップ参加中の質問

仕事の内容ややりがいなどについて、直接社会人の先輩に話を聞けるチャンス。事前に自分が聞きたいことを整理しておきましょう。複数の社員に同じ質問をしてみると、企業や仕事についての理解も深まるかもしれません。

先輩たちがインターンシップ参加中にどんな質問をしたか、以下の記事で聞きたいテーマ別に質問例を紹介!↓

インターンシップではどんなことを質問したらいいの?質問例公開

インターンシップ参加後にしておきたいことは?

振り返りをする

参加後は、インターンシップについて振り返りをしておくことが重要です。実際、人事担当者へのアンケートでは、「インターンシップ終了後、参加学生に感想文の提出を求めた」が48.3%となっています。プログラムを通して何を感じたのか、企業や働いている社員にどんな印象を持ったのか、自分はどんなときに面白いと感じたのかなどを振り返り、記録しておくことは、その後の就活にも役立ちます。

別のプログラムに参加してみる

参加後スケジュールに余裕があったら、別のプログラムも経験してみましょう。
オススメは思い切って違うタイプの企業のプログラムに参加してみること。例えば、今までノーマークだった企業や、興味がなかった業界、あるいは前回とまったく違う企業規模の会社など。学生の皆さんが知らなくても実力のある企業は、世の中にたくさんあります。「逆」の会社や「別」の業界を見ることで、自分はなぜその会社や業種に興味を持っているのかを明確化できます。
もちろん、興味を持った業界について掘り下げるために、同業他社のプログラムに参加して、企業による仕事の進め方や風土の違いを実感してもよいでしょう。

【調査概要】
先輩アンケート
調査期間:2023年12月25日~2024年1月4日
調査対象:2024年3月に卒業予定の大学生、大学院生、短大生、専門学校生300人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング
人事アンケート
調査期間:2023年12月25日~2024年1月4日
調査対象:過去1年以内にインターンシップの採用選考に携わったことがある人事担当者300人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング

 

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記事制作日:2019年5月24日 記事更新日:2024年2月5日
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