適性検査とは?テストの種類や受検形式、事前準備などを解説

新卒の採用選考で、適性検査の受検を求められるケースがあります。「何をするの?」「どんな準備をすればいい?」と不安に感じている方もいるでしょう。企業の目的や、いつごろ受検するのか、主なテストの種類や内容、適性検査でよく利用されているSPIの事前準備などを紹介します。

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適性検査とは

適性検査とは、企業が新卒採用の際に、応募者の能力や人柄、性格から、どんな仕事に向いているか、どんな職場が適しているかを知るために実施するテストです。適性検査の種類にもよりますが、一般的に「能力検査」と「性格検査」があります。

能力検査は、一般的には知的能力を測る検査です。言語能力や計算力などのほか、思考力、新しい知識や技能を習得するためのベースとなる能力を測ります。

性格検査は、日ごろの行動や考え方に関する質問からパーソナリティや行動特性を測定し、対人関係の傾向や仕事の価値観、どのような仕事、組織に向いていそうかなどを把握するための検査です。

適性検査の目的

書類選考や面接以外に、企業が適性検査を採用選考に課している目的は、応募者の性格や能力をより客観的に定量的に評価することで、ミスマッチを防ぐためです。
検査結果による客観的な評価を参考情報にすることで、学歴などではわからないその人が持っている知的能力や、短時間の面接だけでは把握することが難しい人柄や持ち味の理解を助けます。

適性検査の結果の活用

適性検査の結果は、企業の採用方針や選考手順などによって異なりますが、「面接前」「面接中」「面接後」の3つの段階で活用しています。それぞれでの活用の目的は以下が挙げられます。

  • 面接前:応募者が多い企業では面接前の応募者を絞り込む
  • 面接中:知的能力や本人の持ち味を多面的に深く理解する
  • 面接後:入社後の配属先を検討する際の参考データや配属先の上司への参考情報とする

就活中に適性検査を受検する可能性はどのくらい?

就職みらい研究所の『就職白書2023』によると、2023年卒の大学生・大学院生の採用および就職活動で、適性検査・筆記試験を受けた人は59.0%。受けた人たちの平均受検社数は10.39社でした。採用する企業側の実施率を見ると、適性検査・筆記試験の実施率は88.5%という結果になりました。

いつ適性検査を受検する?

適性検査による選考のタイミングは、企業の採用スケジュールによって異なりますが、応募者が多い企業の場合は、1次面接への人数を絞り込むために利用する場合もあり、1次面接の前段階に行われることがあります。あるいは1次面接と同日に行われることもあります。

適性検査のために準備をしている学生のイメージ
 

適性検査にはどんな種類がある?

適性検査にはさまざまな種類があります。所要時間も科目数やテストの種類によって異なります。代表的なものを紹介します。

SPI3

リクルートマネジメントソリューションズが開発・提供している適性検査。
「能力検査」は言語問題と非言語問題によって基礎能力を測定します。言語分野は言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できる力を測る問題。非言語分野は、主に計算問題や確率、グラフの読み取りなど数的な処理や、論理的思考力を測る問題が出題されます。また英語や構造的把握力などの能力検査の受検を求める企業もあります。

  • 開発元:リクルートマネジメントソリューションズ
  • 受検形式:テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスティング
  • 受検時間:65分(テストセンター受検の場合)

SPIの言語分野と非言語分野の問題例を紹介します。 

SPI言語分野の問題例

下線部のことばの意味を考え、意味が最もよく合致するものを1つ選びなさい

火を消すこと

A. 火事
B. 火気
C. 消火
D. 発火
E. 放火

答え:C

SPI非言語分野の問題例

つぎの文を読んで各問いに答えなさい

ある書店で、Pさんは400円の文庫本を4冊と300円の雑誌を1冊、Qさんは600円の文庫本2冊と400円の雑誌2冊を購入しました。

(1)Pさんが購入した文庫本はQさんが購入した文庫本より何冊多かったか。

A. 1冊
B. 2冊
C. 3冊
D. 4冊
E. 5冊

(2)Pさんが文庫本の代金として書店に支払った金額はいくらか。

A. 300円
B. 400円
C. 600円
D. 900円
E. 1000円
F. 1200円
G. 1600円
H. 2000円
I. AからHのいずれでもない

(3)Qさんが書店に支払った代金は総額いくらか。

A. 600円
B. 800円
C. 1000円
D. 1200円
E. 1400円
F. 1600円
G. 1800円
H. 2000円
I. 2200円
J. AからIのいずれでもない

答え:(1)B (2)G (3)H 

SPIの問題について詳しく知りたい人はこちら

適性検査「SPI」とは?テスト例題、受検前のオススメの準備方法を紹介

玉手箱III

日本エス・エイチ・エルが開発・提供している適性検査で、「知的能力」と「パーソナリティ」を測るテストです。「知的能力」は、計数、言語、英語の3科目から測定診断します。

  • 開発元:日本エス・エイチ・エル
  • 受検形式: WEBテスト
  • 受検時間:49分

TG-WEB

ヒューマネージが開発・提供している適性検査。性格検査のほか、能力検査では業務で成果を上げるために必要とされる判断推理力(言語・数理)が主に問われます。

  • 開発元:ヒューマネージ
  • 受検形式:オンラインAI監視型WEBテスト方式「TG-WEB eye」、テストセンター、WEBテスト、ペーパーテスト
  • 受検時間:能力検査(言語・数理)30分(テストセンター受検の場合)

WebGAB

新卒総合職の採用を目的に日本エス・エイチ・エルが開発・提供している検査で、「知的能力」と「パーソナリティ」を測る80分のテストになっています。「知的能力」では言語理解、計数理解が診断され、「パーソナリティ」についての測定結果とともに、入社時に見ておくべき「ヴァイタリティ」「チームワーク」などの9特性、将来のマネジメント適性、「営業」「研究開発」などの7つの職務適性について予測するとされています。

  • 開発元:日本エス・エイチ・エル
  • 受験形式:WEBテスト
  • 受験時間:80分

WebCAB

コンピュータ職としての適性診断を目的に日本エス・エイチ・エルが開発・提供している検査で、暗算、法則性、命令表、暗号とパーソナリティを測る72分のテストになっています。SEやプログラマーについての職務適性ほか、入社時に見ておくべき「ヴァイタリティ」「チームワーク」などの9特性についても予測するとされています。

  • 開発元:日本エス・エイチ・エル
  • 受験形式:WEBテスト
  • 受検時間:72分

適性検査の受検形式

適性検査のうちSPIは、4つの受検形式があります。その中から企業が指定した方法で受検することになります。それぞれの形式について紹介します。

  1. テストセンター…専用の試験会場のパソコンで受ける「リアル会場受検」と、自宅などのパソコンで専用のシステムを通して監督者の監督のもと受検する「オンライン会場受検」がある。どちらも監督者の監督のもとでの受検となり、指定された受検期間から都合の良い日程・会場を予約する
  2. Webテスティング…インターネット環境に接続できる自宅などのパソコンから、指定されたWeb画面に入って受ける。指定された受検期間内で都合の良い時間に受検する
  3. インハウスCBT…応募先企業に出向いて、企業内のパソコンで受検する
  4. ペーパーテスティング…応募先企業の用意した会場で、マークシートに回答を記入する形式で受検する

適性検査のために、どんな準備をしたらいい?

適性検査の受検に向けて、具体的にどんな準備をしたらよいのでしょう。ここではSPIの準備について紹介しましょう。

能力検査

能力検査は、問題を正しく理解し、解答を出すために正しくアプローチし、処理できているかを測るテストになるため、付け焼き刃で対策をしても結果はさほど変わりません。対策本を何度も解くことで点数が上がるというものではないのです。書店には数多くのSPI対策本が並んでいますが、いずれも公式のものではありません。開発元のリクルートマネジメントソリューションズが公認している本はありませんのでご注意ください。

ただし、問題数も多いので本番で自分の実力をきちんと出せるように、受検方法や形式に慣れておくとよいでしょう。

1. パソコンでの受検に慣れておく

手元で計算して画面上で答えを選ぶ、次の画面に進むと前の画面には戻れないなど、パソコンで受検するときには独特の回答方法や形式があります。何も準備せずに本番に臨んで戸惑うことがないよう、また、本番で実力を出せるよう、あらかじめパソコン上での適性検査を体験し慣れておくとよいでしょう。

2. 問題を解く感覚を取り戻しておく

四則演算など、落ち着いて計算すれば難なく解けるものも、日ごろ電卓やスマホで済ませていると意外に慌ててしまうもの。出題される問題の形式や分野を事前に把握しておきましょう。語彙(ごい)・文章読解の問題や計算問題など、しばらく解いていない場合は、本番を迎える前に、何らかの形で疑似体験をして問題を解く感覚を取り戻しておきましょう。

日常的な準備として、新聞のコラムや社説、本など多くの文章に触れて語彙力を上げる、論理的な文章に慣れておく、ニュースなどに登場する数字が意味するところを考えるなどのことも適性検査の準備として有益でしょう。

3. 性格検査に回答するときは正直に

性格検査については、準備の必要はありません。回答は、「はい」「いいえ」のどちらか、または4つほどの選択肢から選ぶ形式があり、自分の考えや気持ちに近いものを選びます。大切なことは、回答する際はありのままに答えるように心がけることです。

志望企業の求める人材像に合わせて意図的にコントロールして回答しても良い結果を生みません。その後の面接で違和感やずれが生じてしまいます。仮に希望する企業に入社できたとしても、入社後、企業に合わず、苦労する可能性もあります。

企業によって求める人材は違い、一つの企業が一つのタイプの人材だけを必要としているわけでもありません。自分に合う企業、自分に合う仕事と出会うためにも、性格検査はありのままに回答しましょう。

リクナビでできるSPI受検の準備

適性検査SPI受検の準備として、「パソコン受検に慣れること」が大切と紹介しました。リクナビの言語・非言語Webテストは模擬試験ではありませんが、どんな画面で、どう見えるのか、どう回答するのかパソコン受検に慣れるために活用してみるのも一つの方法です。

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記事作成日:2023年12月13日
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