インターンの探し方は?目的に応じた選び方も解説

「インターンシップ(インターン)に参加したいけど、探し方がわからない」という学生に向けて、インターンシップの情報収集術を紹介。参加目的に応じた選び方についても、さまざまな企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんに聞きました。

リクナビ2026では、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム4タイプの総称を「インターンシップ&キャリア」と呼びます。
この記事では、アンケート実施当時の「インターンシップ」について紹介します。

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インターンシップの情報はどこにある?

どの企業や団体が、どのようなインターンシップを開催しているかを知るには、いくつかの情報源があります。
実際にインターンシップに参加した2023年卒の先輩たち500人に、最も利用した窓口について尋ねたところ、「就活準備サイト」が最も多く、全体の4分の3に上りました。「企業のホームページ」も1割強を占め、次いで「学校のキャリアセンター」が続きました。

■インターンシップに申し込む際に、最も利用した窓口は?(n=500、単一回答)

インターンシップに申し込む際に、最も利用した窓口は?に関する円グラフ

次に、こうした情報源のそれぞれの特徴について見ていきましょう。

就活準備サイト・インターンシップ応募サイト

リクナビなどの就活準備サイトや、インターンシップの情報に特化したインターンシップ応募サイトは、数多くの企業や団体のインターンシップの情報が集約されています。業種や実施時期、実施場所といった条件を指定したり、フリーワード入力したりして検索できる場合もあるので、より効率的に条件に合ったインターンシップを見つけることができます。
一方で、多くの学生がこうしたサイトを利用して申し込むため、エントリーシート提出や面接などの選考に通過しないと参加できないインターンシップも多く見られます。

学校のキャリアセンター

学校のキャリアセンターでは、企業や団体から届いたインターンシップ募集の情報を学生に紹介しています。学生専用のサイト内などで閲覧できるようにしていることが多く、中には学校を通して応募する学校経由型のインターンシップも。選考を受ける際のサポートなども受けられる一方で、就活準備サイトなどと比べると、情報の量が少ないという難点もあります。

企業のホームページ

興味のある企業、志望度の高い企業が絞り込めているのであれば、その企業がインターンシップを実施しているかどうかを、企業の公式サイトや採用サイトで直接確認するのが手っ取り早いでしょう。SNSでインターンシップの情報を発信している企業も少なくないので、必要に応じてフォローしておくと良さそうです。

教授や先輩、友人からの紹介

教授や先輩など、「縦のつながり」で企業・団体からインターンシップの情報が届くこともあり、特に理系の研究室では比較的多く見受けられます。教授など学校の先生を通じて申し込むインターンシップでは、単位認定されるものもあり、数は少ないものの、選考が免除されるなど、参加につながりやすい傾向があります。
また、社会人となっている先輩や、インターンシップに参加した友人から個人的に紹介してもらえるケースもあります。

「なお、中小企業やベンチャー企業などでは、インターンシップを実施していない企業でも、採用担当者宛てに連絡を取り、『インターンシップをさせてほしい』と相談すれば、応じてもらえる場合が少なくありません。志望業界の中小・ベンチャー企業、あるいは志望企業と取引がある、あるいは志望企業の出身者が社長や役員を務める企業であれば、インターンシップを通じて、業界や志望企業の社風などの情報を得られる可能性も。ある意味“奥の手”ではありますが、そうした企業に直接コンタクトを取ってみる価値はあるでしょう」(曽和さん)

インターンシップ情報を見て、検討している学生のイメージ

インターンシップの選び方のポイント

インターンシップを通して知りたいことを明確にして、参加しよう

数多くあるインターンシップの中から、自分にとって参加する意義のあるものを選ぶためには、インターンシップに参加する目的を明確にする必要があります。例えば、「業界について知りたい」「志望企業について理解を深めたい」「職種や仕事について知りたい」といった目的があるのであれば、その目的に応じたインターンシップの種類や期間を選ぶと良いでしょう。以下、目的別にインターンシップの選び方を紹介します。

業界理解を深めるには?

興味のある業界があれば、その業界の短期インターンシップに数多く参加するという方法と、同じ業種の中小・ベンチャー企業のインターンシップにも応募するという2つの方法が考えられます。
「同じ業種の中小・ベンチャー企業のインターンシップを選ぶ際には、前述のように業界大手との取引があったり、業界大手の出身者が社長や役員を務めていたりする企業を調べて選ぶのも一案。業界を俯瞰(ふかん)的に理解する助けになるだけでなく、業界大手企業の理解も深まるなど、“一粒で2度おいしい”効果が期待できます」(曽和さん)

企業や職種、仕事の理解を深めるには?

実際の職場で実務経験が積めるプログラムの長期インターンシップを選び、参加すれば、企業のカルチャーや職場の雰囲気を肌で感じることができて、企業の理解が深まります。一方、短期のインターンシップでは、企業の全体像を概念的・網羅的に効率よく理解することが可能。
「企業の理解を深めたい場合は、多少の偏りがあっても職場の雰囲気を生で実感したいのか、あるいは全体像を把握したいのか。いずれかの目的に応じて選ぶと良いでしょう」(曽和さん)
また、実務体験型のプログラムに参加することで、その企業のリアルな業務にかかわることができれば、各職種の業務内容について身をもって知ることもできるでしょう。
「その職種の実際の業務を体験することで、自分の能力や適性がその業務にフィットしているかどうかも確認できます」(曽和さん)

今後のインターンシップの動向

2023年度から、経団連と大学が直接対話する枠組みとして発足した「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(以下「産学協議会」)が定めた、新たなインターンシップの定義が適用となりました。
これにより、従来のインターンシップを「学生のキャリア形成支援活動」として4類型に分けました。また、特定の要件(就業体験、実施期間等)を満たしたタイプのみをインターンシップと定め、企業は評価を含む学生の情報を卒業・修了前年次の3月1日以降は広報活動に、卒業・修了年次の6月1日以降は選考活動に生かしてもよいとなったのです(※)。

※卒業・修了前年次とは、大学3年生、大学院1年生、短大1年生など。卒業年次とは、大学4年生、大学院2年生、短大2年生などを指します。

<学生のキャリア形成支援活動 4類型>
タイプ1「オープン・カンパニー」
・個社や業界に関する情報提供・PRが目的

タイプ2「キャリア教育」
・働くことへの理解を深めるための教育が目的

タイプ3「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」
・学部3年・4年ないしは修士1年・ 2年が主な対象
・就業体験が必須
・学生にとっては自らの能力の見極め、企業にとっては学生の評価材料の取得が目的

タイプ4「高度専門型インターンシップ」
・博士課程や修士課程の学生が主な対象
・就業体験が必須
・学生にとっては実践力の向上、企業にとっては学生の評価材料の取得が目的

タイプ3「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」は就業体験が必須であるため、参加人数が限定されたり、参加者を決めるための選考(エントリーシート提出や面接など)を行う企業も増えたりすることが予想されます。特に学生の知名度が高い大手企業などでは、選考の倍率が高くなる可能性もあるので、応募しても参加できる保証はありません。

「まずは参加することを目標にインターンシップの応募先を検討してみてください。選考の倍率が高そうな企業だけでなく、選考がなかったり選考倍率の低い企業にも申し込んでおくと良いでしょう。それぞれ同じ数ずつ申し込んでおくぐらいのバランスがオススメです」(曽和さん)

インターンシップの申し込みについて詳しく知りたい人は、こちら↓

インターンシップの申し込みはいつから?どうやって申し込むもの?

【調査概要】
調査期間2022年9月13日~9月16日
調査サンプル2023年3月に卒業予定の大学生、大学院生、短大生、専門学校生500人
調査協力株式会社クロスマーケティング

 

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曽和利光さんプロフィール写真

【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。

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記事作成日:2023年3月3日 記事更新日:2024年2月1日

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