業種とは?職種との違いは?業種一覧や業界研究のやり方も要チェック!

この記事でわかること

・「業種」とは「水産・農林業」「建設業」などの事業の種類の区分であり、業種をさらにいくつかに区分したものが「業界」です。
・就活のためにどんな業種があるかを知りたい場合は、証券コード協議会が定める「業種別分類項目」の中分類33種を見るのが、多すぎも少なすぎもせずおすすめです。
・業界研究は、①幅広く情報を集めた後に②興味のある分野を深く調べ③いいと思う業界を比較検討するという3ステップで行ってみましょう。

どんな仕事に就きたいかを考える際、まずは業種や業界、職種といった職業の区分について理解しておくと、就活準備を進めるときに役立つでしょう。

「業種」「業界」「職種」の意味やそれぞれの違いを解説します。加えて、身近なものを例に、それにかかわる業界と職種を紹介します。最後に業種・業界研究のやり方も3ステップで挙げているので、参考にしてみてください。

「業種」とは?「業界」や「職種」との違いは?

「業種」と「職種」の違い、さらに業種と似た「業界」「業態」のそれぞれの意味を紹介します。

業種とは

「業種」とは、事業の種類のことで、世の中のさまざまな事業・ビジネスを区分するために用いる言葉です。具体的な区分の仕方はいくつかあり、広く知られているのは、総務省が定めている「日本標準産業分類」や、証券コード協議会が定める「業種別分類項目」です。

「日本標準産業分類」では、最も大きな区分である大分類(20種類)、より細かな区分として中分類(99種類)、小分類(数百種類)、細分類(1000種類以上)を設定しています。

証券コード協議会が定める「業種別分類項目」では、大分類10種類、中分類33種類の分類を設定しています。

「どのような業種があるのだろう」と知りたい人は、業種を網羅的に把握するために、まずは上記の大分類や中分類に目を通してみると良いでしょう。

以下で、証券コード協議会が定めた業種分類を紹介します。

<業種区分の例1:証券コード協議会が定めたもの>

業種区分の例1:証券コード協議会が定めたもの

※証券コード協議会の業種分類表を基に作成

リクナビでも業種区分を設定しており、業種を「製造・メーカー」「小売・卸売・商社」「運輸・交通・物流」「金融」「広告・メディア・マスコミ」「官公庁・行政・警察」などの25種類に区分した上で、さらに細分化した138種類の区分を設定しています。

<業種区分の例2:リクナビが定めている企業検索軸より>

業種区分の例2:リクナビが定めている企業検索軸より

業界とは?業種との違いは?

「業界」は、業種をさらに細分化したものを指すことが一般的です。証券コード協議会が定める「業種別分類項目」を例にすると、製造業の中分類(業種)にある「輸送用機器」は、より細かく「自動車」「鉄道」「船舶」「航空機」などに区分でき、多くの場合はこれらが「業界」と呼ばれています。

就活においては、業種と業界の違いをそこまで明確に意識する必要はありません。「業種」が、「業界」よりも大きい概念だと理解できていれば大丈夫です。

業態とは?

「業態」とは、ビジネスの手法の違いを指します。主に小売業や飲食業で使われる用語です。例えば、同じ「小売業」という業種であっても、商品ラインナップや商品の価格帯、接客の方針によって、スーパー、コンビニエンスストア、百貨店、ディスカウントストアといった業態に区分できます。

職種とは

「職種」とは、仕事の種類を指します。事業を手がけるには複数の役割が必要なため、1つの企業の中でも、部署や部門によって担当する仕事の種類が分かれています。

例えばリクナビでは、商品を売る仕事にかかわる職種を「営業・販売・サービス系」と大まかに分類しています。そして、分類をさらに細分化した「営業」「サービス/接客」などを、「職種」と呼びます。以下に、リクナビの職種の大まかな分類を紹介します。

職種の大まかな分類

業種と職種の具体例を紹介

お菓子や雑誌など身近なものを例に挙げながら、それらにかかわる業種と関連する職種を紹介します。挙げている以外にも、多様な業種や職種がかかわっていますが、1つのものにいろいろな業種・職種がかかわっているので、自分が興味のあるものに関連している業種・職種を考える際の参考にしてみてください。

※ここでは業種・職種はリクナビの分類に基づいて紹介します。

お菓子に関する業種と職種

 関連する業種関連する職種
お菓子食品メーカー企画、営業、生産管理など
 卸売営業、物流、事務など
 小売業マーケティング、販売、事務など

雑誌に関する業種と職種

 関連する業種関連する職種
雑誌出版社企画、クリエイティブ、営業など
 編集プロダクション(その他広告・メディア・マスコミ)クリエイティブ、ものづくりなど
 印刷業技術、物流など

家電に関する業種と職種

 関連する業種関連する職種
家電家電メーカー開発、ITなど
 家電小売  販売、事務、サービスなど
 修理業技術、サポートなど

バスに関する業種と職種

 関連する業種関連する職種
バス車両メーカー開発、製造、インフラなど
 運送業物流、インフラなど
 旅行業企画、マーケティング、サービスなど

マンションに関する業種と職種

 関連する業種関連する職種
マンション建設土木、技術、営業など
 不動産仲介不動産、営業など
 不動産管理不動産、事務、技術など

スマートフォンに関する業種と職種

 関連する業種関連する職種
スマートフォン電子機器メーカー研究、IT、マーケティングなど
 ソフトウェア開発IT、メディア、技術など
 通信事業者販売、インフラ、サービスなど

花に関する業種と職種

 関連する業種関連する職種
花き生産農林水産、研究、ものづくりなど
 生花店(その他小売・卸売・商社)販売、サービス、事務など
 造園技術、農林水産など

学校に関する業種と職種

 関連する業種関連する職種
学校教育機関教育、事務、福祉など
 給食(その他飲食)技術、ものづくり、物流など
 教材開発(その他広告・メディア・マスコミ)企画、販売、ITなど

お金に関する業種と職種

 関連する業種関連する職種
お金銀行金融、企画、営業など
 金融取引取扱金融、IT、事務など
 証券取引金融、IT、サービスなど

薬に関する業種と職種

 関連する業種関連する職種
製薬医療、研究、ものづくりなど
 ドラッグストア医療、販売、マーケティングなど
 病院医療、福祉、サポートなど

業種・業界研究のやり方3ステップ

業種・業界研究は、以下の3ステップで進めるとスムーズです。

ステップ1. 業種・業界について幅広く情報を集める

ステップ2. いいなと思う業種・業界について深く知る

ステップ3. いいなと思う業種・業界を比較検討する

それぞれのステップについて、詳しく紹介します。

ステップ1. 業種・業界について幅広く情報を集める

まずは、世の中にはどのような業種・業界があるのかを広く浅く知ることが大切です。総務省の「日本標準産業分類」や、証券コード協議会の「業種別分類項目」、リクナビの業種区分などから、世の中にある業種・業界の全体像をつかみましょう。

普段生活している中で接する機会が少ない業種・業界の場合、どのような仕事をしているのかをよく知らないこともあるでしょう。「どんな仕事をするのかわからないから」という理由で、志望業界・企業の候補から外れてしまうのはもったいないことです。多くの業種・業界を知れば、自分に合う企業を考える際の選択肢が広がります。

ステップ2. いいなと思う業種・業界について深く知る

各業種・業界の概要を理解した上で、気になる業種・業界があれば、インターネットや書籍を活用して詳しく調べてみましょう。インターネットで調べるなら、業界団体や業界の大手企業のホームページを見てみると、その業界への理解が深まります。書籍の場合は業界研究本・業界解説本が役立ちます。各業界のビジネスモデルなどが書かれているため、働くイメージが湧きやすくなるでしょう。

情報を集める中で疑問に思うことがあれば、就職した先輩や保護者など身近な大人に質問や相談をしてみるのも良いでしょう。就活やこれまでの仕事の経験を基にした、各業界についての見解を得られるかもしれません。企業によっては、就活生向けに社員と会話する場を設けているケースもあります。そのほか、学校のキャリアセンターなどを通じて、気になる業種・業界で働いている先輩を探してOB・OG訪問を申し込むのも一つの手です。

また、インターンシップやアルバイトなどで、入社後の業務に近い経験ができるケースもあります。気になる業種・業界に属する企業のインターンシップ情報やアルバイト情報に目を配っておくのも良いでしょう。

業種・業界への理解が深まると、エントリーシート(ES)や面接で志望動機を回答する際に説得力が増します。

業種・業界について調べる手段をまとめました。

  • 業界団体のホームページ
  • 業種・業界の中での主要な企業のホームページ
  • 業界研究本、業界解説本などの書籍
  • OB・OG訪問
  • インターンシップ参加、アルバイトなど
  • 学校の先輩や、保護者などの身近な大人に質問や相談をする

ステップ3. いいなと思う業種・業界を比較検討する

興味を持った業種・業界が見つかったら、ほかの業種・業界と比較してみましょう。この際、最初から業種・業界を絞り過ぎないことが重要です。

強い興味には至らなくても、関心を持つことができた業種・業界があれば、検討対象として残しておきましょう。検討を重ねる中で、自分に合った業種・業界の捉え方が変わってくるかもしれません。

また、異なる業種・業界の比較検討は、より深い業種・業界分析をすることにつながります。各業種や業界を比べることで、それぞれの良い点や自分に合わない点、業界の課題などに今まで以上に気づくことができるようになります。

業種・業界研究に役立つ情報はこちらから

吉田賢哉さんプロフィール写真

監修

吉田賢哉(よしだ・けんや)さん

株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 上席主任研究員/シニアマネジャー
東京工業大学(現:東京科学大学)大学院社会理工学研究科修士課程修了。新規事業やマーケティング、組織活性化など企業の成長を幅広く支援。従来の業界の区分が曖昧になり、変化が激しい時代の中で、ビジネスの今と将来を読むために、さまざまな情報の多角的・横断的な分析を実施。

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。