傾聴力を自己PRで伝えるときのポイントとエピソード例

エントリーシートや面接で、「傾聴力」を自身の強みとして企業に伝える際、どんな点に注意するといいのでしょうか。
人事として新卒採用を20年担当し、現在はさまざまな企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんに聞きました。

企業が自己PRを聞く意図は?

エントリーシートや面接で問われるあらゆる質問は、「あなたはどういう人か」を知るためのものです。自己PRは、それを最もダイレクトに聞く質問であり、企業は自己PRを聞くことで、あなたの「能力・性格(何ができるか)」が、「自社で仕事をしていく上で合っているか」という点を見ています。
ただ、一方的に自分がアピールしたい能力や性格を伝えても、それを企業が求めていなければ意味がありません。業務上の特徴や会社のカルチャー、どういう要素が求められているかを整理した上で、その環境で発揮できる強みは何かを考えるといいでしょう。

 

企業が自己PRを聞く意図について、詳しく知りたい人はこちら↓
【例文付き】就活で自己PRを聞く意図は?人事に評価される書き方・話し方のポイントは?

企業が評価する「傾聴力」とは?

自己分析で「友達と話していると、聞き役に回りがち」「周りの人から相談されることが多い」というところから、自己PRで「傾聴力」を伝えようと思った就活生もいるのでは?そもそも「傾聴力」とは何なのでしょうか。

「傾聴力」とは?

「傾聴」とは、読んで字のごとく、身体や耳を“傾”けて“聴”く姿勢のことを言います。普通に話を聞くときよりも、相手のことを理解するために言葉の真意を考えながら聞いたり、相手に信頼感を持ってもらうように熱心に聞く姿勢を示したりすることを指します。相手を受け入れ、肯定することを必要とするカウンセラーなど、一定の専門職には必須の能力と言えるでしょう。

企業が求める「傾聴力」とは?

カウンセリングの現場などで使われる「傾聴」は、相手に提案やアドバイスをすることなく、聞くに徹することを意味します。誰かに話を聞いてもらうことは、自分はありのままで受け入れられていると感じ、精神的に安心感をもたらす大切な行為です。

ただ、効率的な課題解決を求められることが多いビジネスの世界では、「傾聴」するだけでは物事が前に進まないのも事実。相手の話をしっかり聞いた上で、「どんな提案ができるか」「改善につなげられるか」を客観的、物理的に見える成果を交えて語れると良いと思います

自己PRで「傾聴力」を伝えるときのポイント

就活の自己PRで「傾聴力」を伝えるのならば、あなたが話を聞いたことで周りにどんな影響、行動の変化をもたらしたか、「傾聴力+対人影響力」をセットで伝えられるように考えてみましょう。傾聴によって相手の情報を収集できるだけでなく、それを課題解決につなげる力を企業は求めているからです。

もし、友人から相談を受けることが多かったのであれば、話にじっと耳を傾けたことで相手がどう変わったのでしょう。どんな対人影響力を発揮できたのか、具体的なエピソードを伝えられると、企業は「社会人として仕事をする上でもスキルを発揮してくれるだろう」と評価するでしょう

友人の話をじっくり聞く学生のイメージ

エントリーシートの自己PR欄に「傾聴力」を書くときの例

エントリーシートの自己PR欄に書く際は、「アピールしたいポイントから書くこと」「数字や実績などを具体的な事実とともに伝えること」を意識しておきましょう。

例 【傾聴して情報収集した内容を、改善につなげた】

周りの人から聞いた声を基に、提案する力があります。大学で4年間続けた衣料品店のアルバイトで、複数のスタッフから「お客さまと会話する時間をもっと取りたい」と打ち明けられる機会がありました。理由を個別に聞いたところ、お客さまとしっかり会話できているときはお客さまの満足度が高いとスタッフが感じていることがわかりました。そこで、お客さまとのコミュニケーションの量を増やすことで購入数やお店への再訪率が上がるのではと考え、みんなの意見と具体的な接客スタイル案をまとめてマネージャーに提出。その結果、店舗スタッフの配置や接客マニュアルの変更が実施され、地区でリピート顧客が最も多い店舗になることに貢献しました。

面接で「傾聴力」をアピールするときの例

面接でも、「最初に結論を伝える」「エピソードの中に数字や実績など“事実”を具体的に入れる」ようにしましょう。
集団面接などでは、面接担当者との質問のやりとりがない「プレゼンテーション型の自己PR」も少なくありません。その場合は、エピソードをすべて言い切れるよう、伝えたい内容を整理しておくといいでしょう。

例 【傾聴したことで、チームワークに影響を与えた】

意見が対立している人の声に耳を傾け、双方が納得いく方法がないか働きかける力があります。所属していた競技ダンスサークルでは、主張が対立しており、練習中のムードが良くないことが続いていました。それぞれの話を聞くと、一方は「後輩のスキル向上のために練習時間をもっと使うべきだ」と話し、もう一方は「もっと自分たちが練習して、大会で成果を上げることで後輩が誇りを持てるサークルにすべきだ」ということでした。両者とも「後輩のために」と考えていながらも、観点が異なることで対立していたことがわかったため、これまで学年ごとに練習時間を設定していたのを、後輩指導のメンバーと大会出場メンバーに分けて、それぞれで練習時間を設定するように提案しました。それにより、みんなが満足のいく時間で練習したり、指導することができ、自分の代と後輩の代ともに、入賞者を出すことができました。

 

「傾聴力」のほかにも自己PRで伝えるアピールポイントがあるかも?気になる人はリクナビ診断を活用して、自分の強みや特徴を調べてみましょう。

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曽和利光さんプロフィール写真

【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。最新刊に『人事と採用のセオリー』(ソシム)がある。

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記事作成日:2019年12月20日

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