【例文付き】人事の目を引く志望動機の「書き出し」とは?

せっかく志望動機を書いたら、人事の目を引く書き出しにしたい!そう考えている人も多いのではないでしょうか。採用のプロ・曽和利光さんに人事は志望動機の書き出しに注目しているのか、志望動機に盛り込んでおきたいポイントなどを聞きました。

【人事のプロに聞いた】人事は志望動機の「書き出し」をどう見ている?

人事は「書き出し」を重視していない!?

率直に言うと、志望動機の「書き出し」を人事はさほど重視していません。というのは、志望動機は、大きく「その会社の何に魅力を感じたのか(=what)」と、「なぜ魅力を感じたのか(=why)」の2つを伝えるものですが、人事が注目するのは「why」であり、書き出しがなんであれ、文章のどこに「why」が書かれているかという視点で読み進めるからです。

人事がなぜ「why」に注目するかというと、そこに、その人のなんらかの価値観や判断基準が存在するからです。そして、その価値観や判断基準に至った背景や経緯が、本人のライフヒストリー(成育歴)に基づいているような、根っこの確かなものであれば、仕事で大変なことがあっても踏ん張って頑張ってくれると判断できるのです。

つまり、企業が志望動機を通して知りたいのは、「何に魅力を感じたのか」や「どれだけその企業のことを知っているか」ではなく、「この会社で働くに当たって十分なモチベーションを持っているか」という点。したがって、書き出しも、「what」と「why」のどちらから書き出しても構いません。

ただし、読む気をなくす「書き出し」はある

内容面に踏み込んだ話になりますが、「what」で書き出した場合に、人事が読む気をなくしかねない「what」が2つあります。

1. 説明会で話を聞いた社員に魅力を感じたという「what」

「説明会で話を聞いた社員に魅力を感じた」が人事の読む気をなくしてしまう理由は、以下2点です。

1)このように書く学生が非常に多い
2)1社員の情報を基に「魅力を感じた」と言われても、会社に魅力を感じているように思えない

先ほど、人事が注目するのは「why」であり、「what」はさほど重視していないと述べましたが、それでも、人が外見を好まれるよりも内面を好まれた方がうれしいように、企業にも「ここを魅力に感じてほしい」というポイントがあります。それは、企業の理念や文化、社風、事業上の目標など、普遍的で変わらない、コアな部分についてです。

逆に、「世の中の注目を浴びているけれどまだ始まったばかりの事業や制度」「説明会で会った社員」など「可変的なもの」を「what」として提示されると、企業は「今後変わるかもしれないし…」「社員は辞めるかもれないし…」「この会社の一部しか見てくれていないのでは?」などと、本当に魅力を感じているのか不安に感じる場合があります。

2. 何も言っていない「what」

例えば、「説明会で話を聞いた社員に魅力を感じた」や「貴社の商品にとても興味があったので志望した」などは、「どんなふうに魅力を感じたのか」や「商品のどんなところに興味を持ったのか」などがまったく伝わってこず、「中身がない」と判断されて最後まで読んでもらえない可能性があります。「このような」といった“こそあど言葉”や比喩を用いた内容も同様です。情報はできるだけ具体的に書きましょう。

志望動機をESや履歴書に書こうとして書き出しで悩んでいる就活生

【例文で解説】志望動機の「書き出し」を考えるときのポイント

先述したように、書き出しは、基本的には「what」からでも「why」からでも構いません。ただし、「what」から書きだした方が最初に結論がわかり、読み手にとっては読みやすい志望動機になるでしょう。いずれの場合も、人事が注目するのは「why」の部分ですから、「why:what=8:2または7:3」くらいの割合で構成し、「why」を丁寧に説明することに重きを置きましょう。

なお、「入社したらどんなことに挑戦したいのか」「どのような強みが仕事で生かせるのか」といった情報は、文字数が許せば最後に入れてもいいと思いますが、必須ではありません。

「what」から書き出す場合の例

貴社の説明会で話をうかがった社員の皆さんが、共通して「お客さまを支援したい」という熱い思いを持っていらっしゃることに魅力を感じました。私は、留学生支援サークルで、来日後間もない留学生のサポートに取り組んでいます。留学生が感じる不便や疑問を聞き出して必要な支援をしていくのは根気が必要ですが、「日本での生活をできるだけ快適に始められるように」という思いで向き合ってきたので、貴社の社員の皆さんのお客さまに対する思いに共感しました。

***曽和さんからのアドバイス***
この志望動機の場合、「説明会で話を聞いた社員」を「what」に挙げていますが、社員のどんなところに魅力を感じたかまで書かれており、人事としては、whatについての具体的な情報が得られたため、違和感なくwhyを重点的に読み込む段階に進めると思います。

「why」から書き出す場合の例

高校時代、私の地元駅の前に、再開発によって多数の店舗や行政機関、保育園などが入った複合施設が建てられたことで、街が活気を取り戻す様子を目の当たりにしました。通勤・通学の人だけでなく、子どもからお年寄り、中高生、家族連れまで人の往来が増えてにぎやかになり、行き帰りが楽しくなったことを覚えています。そんなまちづくりに自分も携わり、人々の暮らしを豊かにすることに貢献したいという思いから、土地開発やビル・施設づくりなど幅広い分野でまちづくりに取り組んでいる貴社を志望します。

***曽和さんからのアドバイス***
過去の経験に基づく価値観や企業選びの基準が「why」の部分に詳しく書かれています。

 

その他、志望動機の例文を知りたい人はこちら↓
プロに聞く!志望動機を書くときのポイント【例文あり】

志望動機の書き方について、詳しく知りたい人はこちら↓
プロが教える!志望動機の書き方【例文あり】

 

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曽和利光さんプロフィール写真

【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。

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記事作成日:2019年1月31日

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