インターンシップへの応募や参加の際、どんな髪型がよいか迷うケースは少なくないでしょう。そこで、就職・転職支援スクール、我究館にてコーチを務める八木橋育子さんに、インターンシップ時の髪型について、その考え方から判断ポイント、注意したい点まで聞きました。髪型に迷ったときの参考にしてみませんか。
この記事で紹介する「インターンシップ」は、リクナビ2026の名称に基づいた、就業体験のある5日以上のプログラムのことを指します。
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インターンシップとは、企業が学生に向けて提供する「就労体験」の機会です。先輩社員やお客さまと接するケースもあるため、インターンシップに参加している間は、学生であっても、「その企業の一員」とみなされるのです。社会人として働く際には、自分の言動や身だしなみに対しても、相手がどう感じるのかを考えた上で、振る舞うことが必要になります。これらを踏まえ、それぞれの業界や企業にふさわしい髪型で参加することを意識しましょう。
ただ、どのような髪型がふさわしいかは、企業のビジネスモデルや風土によって異なるため、「この髪型をすれば正解」というものではないことを覚えておきましょう。
企業には、それぞれ独自のカラーや文化があるものなので、企業ホームページなどをチェックし、どんな雰囲気なのかをまず理解することが大事です。先輩社員や内定者の写真、職場の写真などから様子を知ることができ、その企業の歴史や文化を知ることもできます。そうした下準備によって、その企業にふさわしい身だしなみや振る舞いなども理解できますし、「自分に合う、合わない」を見極める材料にもなります。より自分にマッチしている企業を見つけることにつながり、インターンシップの選考の際も、企業への理解度が深ければ、参加への熱意をより伝えることができるでしょう。このような視点でふさわしい髪型を考えることは、企業文化や業界のカラーを理解することに役立ち、今後の就活における企業研究につなげていくことができます。
それでは、具体的にどんな髪型でインターンシップや、インターンシップの選考に参加すれば良いのでしょうか。基本となる注意ポイントを2つ紹介します。
ボサボサ、寝癖がついている、オイリー、伸ばしたまま放置しているなど、不潔なイメージがする髪型は、相手に不快感を与えます。清潔感を意識して身だしなみを整えましょう。
「前髪が目にかからない」「おじぎをした時にサイドの髪が垂れない」などを意識して整えましょう。
企業や業界によって文化もカラーも違うため、しっかりと髪を整えることが好まれるケースもあれば、整髪料で適度に整える程度の方が雰囲気に合うというケースもあります。また、無難な就活ヘアにするのも、没個性になり、その人らしさが伝わりにくくなるかもしれません。重要なのは、その企業の職場で働くことを考えた際、相手に違和感を与えるかどうかです。例えば、「個性を失いたくない」と考え、強く自己主張するきつめのパーマをかけている場合、相手に違和感を与える可能性があります。企業の雰囲気を知った上で、その職場で働く人たちに違和感を与えないものであれば、パーマをかけることも、天然パーマを生かした髪型にすることも問題はないといえるでしょう。
ほつれたような髪は不潔感につながるので、ワックスなどの整髪料できちんと整えておくのがオススメです。
ヘアアクセサリーは、華美でないものなら問題ありません。その企業の職場で浮いてしまうような大きなシュシュ、派手な色のバレッタなどは、違和感を与えてしまうので、避けた方がいいでしょう。ポニーテールやハーフアップなどをする場合は、黒や茶色などのヘアゴムでしばった部分に、ひと筋の髪を巻きつける方法もあります。
パーマについては、企業文化や職場の雰囲気に合っているかどうかを基準に判断しましょう。コテの使用については、キレイにまとめるために毛先を軽く巻く程度であれば、逆に、清潔感ある印象を与えることができます。
どんな整髪料やヘアアクセサリーを使うか、どの程度のパーマなら許容範囲なのか迷う場合は、その企業のホームページなどを調べ、企業文化や職場の雰囲気、先輩たちの写真などを参考にするのもいいでしょう。
インターンシップでの髪型については、応募先の企業の文化や社風、インターンシップ参加条件などでも注意するポイントが変わってくるものです。「ビジネスマナーを重視する企業」と「比較的、自由度の高い企業」の傾向や、参加条件による注意ポイントを把握しましょう。
ビジネスマナーを重視する企業は、顧客や取引先から信用度や信頼性を厳しくジャッジされる事業を展開しているケースが多いでしょう。「取引先に堅い企業が多い」「巨額のお金を取り扱う商談を行う」「業務上、顧客対応をすることが多い」「法律に深くかかわるような業務を行う」などの傾向が挙げられます。具体例としては、金融、商社、コンサルティング、不動産などの業界や、医薬品メーカーなどが当てはまるでしょう。特に営業職など、顧客対応を行うことがメインの職種は、ビジネスマナーをより重視する傾向にあります。
比較的、自由度の高い企業には、さまざまな傾向があります。「個性やセンスを生かして販売・接客を行う」「より自由な発想が求められる事業を展開している」「業務上、社内で勤務することが多い」「自由な風土を大切にする企業文化がある」などが挙げられます。具体例としては、アパレル会社や化粧品メーカーなどファッション性の高い業界や、出版、広告、テレビ番組などにかかわるマスコミ業界、内勤の多いIT業界、自由な文化を大切にしているベンチャー企業などが当てはまるでしょう。ただし、顧客対応が多い職種の場合は、ビジネスマナーを重視する傾向があります。
参加条件に「スーツ着用」と書かれている場合は、エントリーシートに添付する写真、選考における面接も、スーツ着用が基本となるため、スーツに合う髪型を心がけましょう。「私服可」という条件の場合は、企業にも「私服を通じて知りたいこと」があるものです。学生の負担を考えて「私服可」とする企業もありますが、学生自身の雰囲気やセンスを知り、自社の文化に合うかどうかを見ているケースも多いのです。そのため、無難にスーツを着用するより、自分らしさを表現できる私服を選ぶこともオススメです。その企業の文化や職場の雰囲気を理解した上で、どんな服装とするのかを考え、それに合わせて髪型も考えてみるといいでしょう。
また、「どんな髪型で行けばいいのか、自分では判断できない」という場合には、学校の先輩や、キャリアセンターの担当者などに相談してみるのもいいでしょう。すでに参加が決定している場合には、企業の担当者に問い合わせ、どんな服装や髪型で行けばいいのかを聞くことも問題ありません。
インターンシップは、社会人と接することのできる一つの機会です。髪型などの身だしなみも含めて、「社会で働くこと」を意識しておけば、今後の就活や社会人生活においても役立つといえるでしょう。また、インターンシップで出会った先輩社員が、採用活動の面接選考などに携わっている可能性も、ないとは言い切れません。インターンシップ時の髪型が選考に影響するかといえば、ケースバイケースですが、人から見られている意識を持っておく方がいいでしょう。
学生の中には、「髪型は自分の個性だから変えたくない」と考える人もいるでしょう。「そのままの自分で勝負したい」という強いこだわりがある場合は、その考え方を受け入れてくれそうな文化がある企業を探してみるのもいいでしょう。自分らしく働ける企業を探すヒントになります。逆に、「そこまで強く主張したいわけではない」と思っているのなら、その場にふさわしい髪型を意識する方が、就活でもプラスに働くはずです。髪型よりも、自分の内面をしっかり見てもらうことが大事だと考えましょう。
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株式会社リクルートにて広告提案営業を経験した後、女性の社会進出に対する問題意識を持ち、女性の再就職・転職に特化した人材会社に転職。女性のみで構成される営業代行チームのマネジメントやキャリアコンサルタントとして、結婚・妊娠・出産などのライフイベントとキャリアの両立に悩む女性2000人以上を支援。自身の結婚を機に、「キャリアデザインを一人でも多くの人にしてほしい」という思いから2011年に我究館コーチに就任。学生、社会人の受講生を担当し、本人のあいまいな夢や、隠れた本音を明確にすることを得意とする。特に、女性の就・転職におけるマーケットに精通している。メイクアップや服装・マナー講座も担当。
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