協調性を自己PRで伝えるときのポイントとエピソード例

エントリーシートや面接で、「協調性」を自身の強みとして企業に伝えるとき、どんな点に注意するとよいでしょうか。人事として新卒採用を20年担当し、現在はさまざまな企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんに聞きました。

企業が自己PRを聞く意図は?

エントリーシートや面接で問われるあらゆる質問は、「あなたはどういう人か」を知るためのものです。自己PRは、それを最もダイレクトに聞く質問であり、企業は自己PRを聞くことで、あなたの「能力・性格(何ができるか)」が、「自社で仕事をしていく上で合っているか」という点を見ています。

ただ、一方的に自分がアピールしたい能力や性格を伝えても、それを企業が求めていなければ意味がありません。業務上の特徴や会社のカルチャー、どういう要素が求められているかを整理した上で、その環境で発揮できる強みは何かを考えるといいでしょう。

 

企業が自己PRを聞く意図について、詳しく知りたい人はこちら↓
【例文付き】就活で自己PRを聞く意図は?人事に評価される書き方・話し方のポイントは?

企業が評価する「協調性」とは?

「協調性が高い」という表現は、人を評価する際によく使われます。「協調性」とは具体的にどんな力なのか。社会人として求められる協調性とは何なのでしょうか。

「協調性」とは?

協調性とはその文字通り「協力して調和する力」を意味します。いろんな価値観や考えを持つ人たちと折り合いをつけ、時に周囲を説得しながら、一つの目標に向かっていく力を指します。

「協調性」は、経団連(日本経済団体連合会)が毎年発表している「新卒採用に関するアンケート調査」の中で、企業が選考に当たって特に重視する点の項目として、「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」などとともに、多くの企業が回答しています。

企業はどんな「協調性」を求めている?

では、企業が求める「協調性」とは具体的にどういうものなのでしょう。

「協調性」を大きく分けると、周りの意見に従い空気を読んで調和していく「従順的な協調性」と、自ら周りに働きかけ巻き込みながらゴールを目指す「主体的な協調性」があります。

「主体性」は本来「協調性」の反対の意味を持っていますが、主体性を「主体的に周りと協力して物事を成し遂げる力」と定義して、協調性とほぼ同じ意味で使われるケースもあります。また、「主体性」が、企業が選考に当たって特に重視する点で上位に挙げられていることからも、「主体的に自ら発信していく」人材を求める傾向があると言えるでしょう。

このように主体的な協調性が求められる背景には、働き方の変化があると考えられます。かつての日本企業は、製造業の工場のラインに代表されるような「チーム全員が一丸となって同じ船をこぐ」一律的な働き方が主流でした。しかし、今では得意領域の異なるメンバーがチームで仕事をしたり、プロジェクトベースで働いたりする仕事の仕方が増えています。

同じチームでも、個性を持った相手とやりとりをしながらゴールを目指すためには、指示を待って動くだけの従順的な協調性では戦力になれません。そうした意味で、「同質的な協調性」ではなく「異質補完型の協調性」を求める企業が多くなっていると言えるでしょう。

自分が志望する企業が、真面目さや誠実さなど「従順的な協調性」を重視するのか、「主体的な協調性」を重視するのかは、会社説明会やOB・OB訪問などの場で仕事内容や仕事を遂行していく上で求められる意識や役割を聞いてみて、どんな協調性を求めているか見極める必要があります

友人たちと協力して課題に取り組んでいる学生のイメージ

協調性を自己PRで伝えるときのポイント

自己PRする際には、「協調性」をネガティブに受け取られないように注意しましょう。周りとの調和を重視していることを主軸にアピールポイントとして伝えると、「従属的」「指示待ち族」「自分の軸がない」「意見を出さない」など、チームで仕事を進める上で好ましくない特徴があると判断されてしまうかもしれないからです。

それを避ける手段としては、協調性に加えて「アサーティブネス」なコミュニケーションができることを盛り込んで伝えるのも一つの方法です。アサーティブネスとは、相手を尊重した上で、対等に自分の要望や意見を相手に伝えるコミュニケーションの方法論のこと。相手とけんかしたり非難したりすることなく、適切に主張して合意形成を図るやり方を指します。アサーティブネスはまさに、「主体性と協調性のバランスが良い状態」。自己PRでは、このバランスを意識することが大切です。

また、「協調性がある」「協調性が高い」のどちらで表現するかについては、どちらを使っても問題ありません。ただ、「高い」「低い」などの程度は相手が判断するものなので、「ある」という方がよいかもしれません。

エントリーシートの自己PRに「協調性」を書くときの例

エントリーシートでは相手の読みやすさを考え、最初にアピールしたいポイントを明記しましょう。具体的にどのような行動を取ったのか、事実を伝えることが大切です。

【例】

私には、相手の考えを尊重しながら同じ目標を目指すために行動できる「協調性」があります。所属している国際協力の学生団体は、さまざまな大学に通うメンバーがいます。年に1度、国際協力の課題と提言を学年ごとに発表するイベントがあるのですが、実際に会う機会が限られることから、スケジュール調整や温度感の調整に苦労していました。そこで、メンバー20人それぞれに学業やアルバイトなど団体活動以外の優先順位を聞き、その中でできる業務の分担を提案。オンラインで状況報告など時間の効率化も図り、メンバーが自分のやりたいことをあきらめずに活動を続けられる方法を実践しました。無事、全員が協力する形で発表することができました。

面接の自己PRで「協調性」を伝えるときの例

面接でも、「最初に結論を伝える」「具体的な事実を伝える」点は同じです。集団面接などでは、面接担当者との質問のやりとりがない「プレゼンテーション型の自己PR」も少なくありません。その場合は、エピソードをすべて言い切れるよう、伝えたい内容を整理しておくといいでしょう。

【例】

私の強みは、周りと協力して目標に向かう「協調性」です。
大学では映画製作サークルに所属し、大学横断の映画祭での賞を目指して活動していました。私は撮影担当として、監督を務めるメンバーの意向を尊重しながらも、気になった点をその場で意見することも大切にしました。演者を撮る角度や寄り引きのバランスなど、撮影担当だからこそできる提案がないか、監督や脚本担当などほかのメンバーが気づいていない観点はないかを意識して意見し、全員で試行錯誤しながら作品づくりを進めました。その結果、映画祭で特別賞を受賞することができました。

「協調性」のほかにも自己PRで伝えるアピールポイントがあるかも?気になる人はリクナビ診断を活用して、自分の強みや特徴を調べてみましょう。

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曽和利光さんプロフィール写真

【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。最新刊に『人事と採用のセオリー』(ソシム)がある。

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記事作成日:2020年1月22日

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