インターン(インターンシップ)の参加後、感想文の提出を求められたとき、「どんなことを書けばいいのかわからない」「人事担当者が読んで好印象な感想文にするにはどうしたらいいのか」など、悩む人は多いかもしれません。そこで、採用のプロ・曽和さんに聞いた、企業がインターンの参加者に感想文を求める意図や、人事担当者の印象に残った感想文がどのようなものだったかのアンケート結果を紹介。インターンの感想文の例と、書き方のポイントも解説します。
リクナビ2026では、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム4タイプの総称を「インターンシップ&キャリア」と呼びます。
この記事では、アンケート実施当時の「インターンシップ」について紹介します。
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インターンに参加した学生に、企業はなぜ感想文の提出を求めるのでしょう?また、書くときはどんなことに気をつければ良いのでしょうか?人事として新卒採用を20年担当し、現在はさまざまな企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんに聞きました。
企業がインターンの感想文提出を求める主な理由は、2つ考えられます。
1つは、意図したインターンプログラムの趣旨が学生にきちんと伝わり、学びにつながったかどうかを知るためです。学生に狙い通りの趣旨が伝わっていれば、プログラムは成功といえますし、思ったように伝わっていなければ、次年度に向けてプログラム内容を変更しなければいけない。学生が参加したいと思うインターンにしていくために、企業はマーケティングの一環として参加者の声を知りたいのでしょう。
もう1つは、参加者の学習能力を見るという狙いもあるでしょう。同じプログラムのインターンに参加し、同じ経験をしていても、そこから多くのことを学んでいる学生もいれば、そうでもない学生もいます。企業は感想文を通して、参加者の学習能力の程度を見極めるのです。
企業はインターンのプログラムを考えるとき、「学べる」「楽しめる」内容を意識しています。そのため、感想文でもその2点に触れるのが望ましいでしょう。
ただし、字数制限がある場合や長文になり過ぎる場合には、インターンの主な目的である「何を学んだか」を記載し、「何が楽しかったか」については省いて構いません。くれぐれも、楽しかったという感想だけで終わらないように注意してください。
「こんなこともインターンで体験できたら、もっとためになる」などの提案を加えるのもよいですが、これはかなりハードルが高いといえます。企業は、十分にプログラムの検討を重ねた上でインターンを実施しているので、説得力のある提案でないと逆効果になる可能性があるからです。しっかりと書けると良い印象を残せますが、無理に書く必要はありません。
担当者が知りたいのは“感想”がメインです。志望動機や学びたいことは、エントリーシートで聞かれることですし、謝意や賛辞、参加後の決意表明などを入れて長文になるよりは、聞かれたことにストレートに答える方がよいでしょう。
その際、「どんな場面や出来事、体験から、どんなことを学んだのか」というように、経験と教訓を書くのがポイントです。「人をリードする大切さがわかりました」や「アイデア創出の大変さがわかりました」といったフレーズは感想文にありがちですが、これらには「人をリードするには、どうすればいいのか」「アイデア創出において、どんな点が大変だったのか」が書かれていません。感想文で経験と教訓を書く際は、この部分を具体的に書くように意識しましょう。
また、参加後に感想文の提出を求められても困らないように、インターン参加中は、その日にやったことを日々書き留めておくことをオススメします。まず「どんなことをやったのか」という「事実」を記し、それに対して自分が感じたこと、学んだことなどを付け加えていきましょう。短期間のプログラムであっても、あとから思い出そうとすると意外に記憶が抜け落ちてしまうものなので、その都度書き留めておくことを心がけておきましょう。
それでは、実際にどのように感想文を書いていくとよいのでしょうか。ここでは感想文の例を紹介していきます。
今回のプログラムでは、貴社の主要3事業部で働く社員の方々との営業同行や提案資料作成、生産工場での打ち合わせなどを経験しました。異分野だと思っていた事業が実は同じ技術を応用していることや、システムで連携していることを知り、勉強になりました。また、違う職種で活躍する社員の方々から、仕事内容ややりがい、苦労などについて直接お話をうかがい、そのときに初めて知った「生産管理」という職種に興味を持つようになりました。今回のインターンシップで、これまで漠然としか考えていなかった職種についても強く意識するようになり、将来のキャリアを考える上で大変貴重な経験となりました。
商品開発部門の社員の方と一緒に、新商品のプランを考えていきました。初日は生産部門や販売部門との打ち合わせに同席し、マーケティング部門の担当者とやりとりを重ねながら商品案を何度も練り直していきました。最終日は成果発表でしたが、原価計算が甘くコストが高くなってしまったり、開発スケジュール上無理があったりとさまざまな点で指摘を受け、とても勉強になりました。また、一つの商品が生まれるまでに、いかに多くの部署の方とコミュニケーションが必要なのかを実感しました。世の中のあらゆる商品に対して、見る目が変わるような貴重な体験でした。
続いて、実際にインターンの採用・受け入れを担当したことがある人事担当者に、「印象に残ったインターンの感想文はあるか?」アンケートで聞きました。良い印象が残っている・残念な印象を抱いた感想文それぞれについて人事のコメントを紹介するので、書く際に、参考にしてみてはいかがでしょうか。
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【調査概要】
調査期間: 2023年12月25日~2024年1月4日
調査対象:過去1年以内にインターンシップの採用選考に携わったことがある人事担当者300人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング
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【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。
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