就活の面接は今までにない緊張の連続。面接担当者からどんな質問をされるのか、周りの学生はどんな人なのかをいろいろ考えると夜も眠れないほど緊張することもあるでしょう。さらに面接当日は、緊張が増して、自分の言いたいことが伝えられないということもあるかも…。今回は、前日~面接中でもできる緊張をほぐす方法を、北千束整形外科 院長の神田良介先生に教えてもらいました。
緊張をすると、まず1つ目の見た目でわかる変化として汗が出ます。額だったり手のひらだったりしますが、過度に緊張すると大汗になり、衣類に汗染みができたりもします。 そして2つ目は、表情にでてくることです。緊張のあまり、まばたきができなくなったり、表情が固まってしまったりすると笑顔が作れなくなり、面接担当者に良い印象を与えません。 これらは、緊張というストレスにより交感神経が働き、自律神経が乱れ、アドレナリンの分泌量が増えることが原因だといわれています。アドレナリンはストレスホルモンの一種で、ストレスに立ち向かって戦い始めます。緊張というストレスが発生するとアドレナリンが多量に分泌し、さまざまな症状を引き起こします。 汗が止まらなかったり、ドキドキ、バクバクと心臓の鼓動が速くなったりするのはこのためで、時には過換気の状態が続き二酸化炭素が最適な値から低下します。過換気になると息苦しさを感じたりすることも。また、緊張して夜眠れなくなるのも、このアドレナリンの分泌によるものと言われています。
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緊張して眠れない夜は、寝る前に体を温めるといいと思います。体を温めると、副交感神経が働き、脳がリラックスした状態になり、休息のホルモンが出ます。熱すぎると逆に刺激をしてしまいますので、ぬるめのお湯を張ったお風呂に少し長い時間入ると体がポカポカと温まって眠りやすくなります。 お風呂がない場合は、ぬるめのシャワーを長めに使ってもいいと思います。私は、シャンプーをするときに、頭のマッサージを丁寧に時間をかけて行っています。そうすることで頭の血の巡りが良くなって、頭がすっきりとする気がします。マッサージのほか、長い時間をかけてシャンプー剤をすすぐのも有効だと思います。
緊張を感じたときには全身を使った「おまじない」が有効だと思っています。手のひらに「人」という文字を書いて飲むと緊張がほぐれると昔から言われていますが、あれは全身を使わない単なるおまじないです。体の緊張をほぐすためには、全身を使って体の症状を取ることがとても大切。 例えば座っている状態で手を組んで頭の上に伸ばしたり、立ち上がって腰を伸ばしたり体を曲げたりすると血の巡りが良くなりとてもリフレッシュできると同時に体がリラックスできます。ただし、これを待合室でするとなると面接担当者や係の人が見ている可能性もあって現実的ではありません。 そんな時、参考になるのが、エコノミー症候群を予防する体操です。この体操は足先だけを動かすものもあって、非常にリラックスできるようになっています。ぜひ試していただきたいです。
■エコノミー症候群を予防する体操
次は、面接中にもできる「手」だけを使った方法を紹介します。 手の親指と人差し指の骨の合流するところにあるくぼみ(合谷とよばれるツボで緊張をほぐすほか、肩こりや疲れ、美容にも効果があると言われています)に爪をたてて押してみてください。眠気も飛んでシャキッとし、同時に緊張もほぐれます。 手にはさまざまなツボはありますが、刺激を入れることが大切なので、日ごろから探してみるといいと思います。ポイントはあとが残らない程度に穏やかに刺激をすること。少し押すだけでもすっきりするところもあります。この方法だと待合室で座っているときに誰にも気がつかれずにできますし、面接の最中に、緊張感が増してきたときにも使えます。
先輩たちが面接で緊張を抑えるために実際にやっていた方法とは?気になる人は、こちらの記事を読んでみましょう↓
『【先輩に聞く】面接で緊張を抑える方法』
基本的に緊張をするというのはその人のモチベーションがどれだけ高まっているか、どれだけ気合が入っているかという証拠だと思っています。私の病院にはプロのスポーツ選手も来ますが、「緊張しないと試合ができない」と言っている人もいます。緊張は誰でもするもので、それは世界を舞台に戦っている人も同じで、どれだけ練習を積んできたかということが緊張につながるのだと思います。 実は私も人見知りが激しくて、初めての人は苦手。だから患者さんにも「どうしました?」という言葉から入るようにしています。皆さんも日ごろからあいさつの練習をしたり、最初に言う言葉を決めておいたりすることで、面接中に緊張してしまっても話せるようになると思います。また、緊張しているかなと思ったときに体を動かすことは有効ですから、ぜひ試してみてくださいね。
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神田良介 院長 北千束整形外科(東京都大田区/大岡山)
大学卒業後、約12年間勤務医を経験し、その後開業。整形外科を専門とし、リウマチや形成外科の診療も行う。また、内科診療の経験と知識も豊富で幅広い診療を手がけており、頼れる「かかりつけ医」として住民から愛されている。趣味は、ドラム。ドクター仲間でバンドを結成しライブも行っている。すべての患者さんに信頼される医師を常に目標としている。
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