今住んでいるエリアから離れた地域の企業などに就職したいと考えているあなた。遠距離を行き来する就活について、「移動にお金がかかる」「スケジュール調整が大変そう」などと感じているのでは? 実際にIターン・Uターン就活を経験した先輩に、進め方を聞きました。
目次
Iターン・Uターン就活とは、どのようなことを指すのでしょうか。
・Iターン就活
生まれ育った地域以外での就職を目指すこと
・Uターン就活
生まれ育った地域とは別の地域の大学へ進学し、再び生まれた育った地域に戻る就職を目指すこと
その他にも、生まれ育った地域とは別の地域の大学に進学した後、いずれの地域とも違う別の地域での就職を目指す「Jターン就活」などもあります。また、地方への就職を目指す以外に、首都圏や関西圏などの都市部での就職を、それ以外の地域から目指すことも「遠距離就活」と言えるでしょう。いずれのパターンも、今、住んでいるエリアとは別の地域と行き来することになるため、交通費や宿泊費といった費用や移動時間がかかるなど、住んでいるエリア内での就活とは異なる点がいくつか挙げられます。
地方へのIターン・Uターン就活を経験した先輩たちに、その理由や活動中に困ったことを聞きました。
■Iターン・Uターン就活をした理由(複数回答)
<先輩の声>
●やりたいことが地元でできるなら、実家のある京都で働きたいと思ったから(京都府在住/法学・政策系4年/コンサルティング業界内定)
●都内は人が多く、就職は厳しそうだと思ったため(東京都在住/薬学系4年/医薬業界内定)
●知らない土地で働いてみたいから(千葉県在住/建築・土木系大学院2年/政府系金融機関内定)
●実家の家族の存在が自分にとって一番大切だったから(神奈川県在住/資源・地球環境系4年/建設業界内定)
●生まれ育った地域の過疎化が深刻であり、何とか力になりたかったため(香川県在住/経済・経営・商学系4年/地方自治体内定)
Iターン・Uターン就活を考えた理由を先輩たちに尋ねたところ、「地元への愛着があるから」が72.5%で最多に。生まれ育った地域に戻るUターン就活のパターンであることが考えられます。次いで「志望企業があったから」が43.7%となり、企業選びの結果、Uターン・Iターン就活となったケースも少なくないことがうかがえます。
■Iターン・Uターン就活で苦労したこと(複数回答)
<先輩の声>
●今住んでいる地域に来て説明会を開いてくれる企業が少ないので、自分から足を運ばなくてはならず、移動が大変でした(奈良県在住/人文系4年/ファッション・アパレル業界内定)
●新卒を採用する企業数が少なく、選考を受けられる企業が限られてしまう(新潟県在住/電気・電子系大学院2年/メーカー内定)
●採用枠が少ない(香川県在住/経済・経営・商学系4年/地方自治体内定)
Iターン・Uターン就活で苦労した点としては、「移動時間」(56.3%)と「金銭面」(50.0%)が半数を超え、「スケジュール調整」も40.8%に上りました。Iターン・Uターン就活を体験した先輩たちからは、採用活動を行う企業が少ないことに伴う選択肢の乏しさや、採用数の少なさを嘆く声も聞かれました。
Iターン・Uターン就活では、移動に伴う費用や時間が通常よりもかかることが先輩の声からもうかがえます。便利な制度やサービスを利用して、お金や時間を節約する工夫をしたいものです 。
鉄道や航空会社では、学生割引や若者向け割引制度を設けていることがあります。また、鉄道・バス各社では、決められた期日の一定区間内なら何度でも乗降できる「フリー切符」を販売しているケースも。説明会や選考スケジュールは直前にならないとわからないことが多いですが、事前に調べておくと、いざ利用する際に便利です。購入の際には、各社の公式サイトを確認しましょう。
また、出費を抑える移動手段としては、高速バスや夜行バスもあります。ほとんどの場合、鉄道よりも安く移動でき、夜行バスなら宿泊費も節約できますが、時間がかかるため、体に負担がかかるのも事実。体力と相談しながら利用を検討しましょう。
泊りがけで説明会や選考に参加したり、就活は外出先で食事を取ったりすることも多くなるでしょう。そんなときは、就活生向けのサービスを活用するのがおすすめ。シティーホテルやビジネスホテルには、就活生向けにリーズナブルなプランを用意しているところもありますので、インターネットなどで探してみましょう。
説明会や選考の合間の時間は、「就活カフェ」を利用するのも手です。無料、あるいはリーズナブルな料金で利用できる就活生用のカフェを利用すれば、説明会や面接の合間の休憩時の飲食費を抑えることができます。パソコンや充電器、更衣室が無料で使えたり、有料でコピー機が使えたりと就活バックアップ体制が整っているところも多いので、説明会会場や面接会場のそばにあるかどうかを調べておくと良いでしょう。
【参考記事】
採用数や選考を実施する企業の数で困ったという先輩たち。実際にどのように調べていったのでしょう。
■Iターン・Uターン就活情報の入手方法(複数回答)
<先輩の声>
●企業の公式ホームページを検索しました(香川県在住/経済・経営・商学系4年/地方自治体内定)
●就職ナビサイトで探しました(北海道在住/生物・生命科学系大学院2年/食品メーカー内定)
●都内にある地方就職の支援センターに行って地元企業の情報を入手しました(神奈川県在住/社会・環境情報系4年/生命保険業界内定)
●地方で就職をしたい人、生活をしたい人向けの支援機関である「移住促進センター」に行き、情報を入手しました(神奈川県在住/農業・農学系4年/団体内定)
●所属している研究室で紹介してもらいました(香川県在住/農業・農学系大学院2年/食品メーカー内定)
Iターン・Uターン就活をする際、就職したいエリアの企業の採用情報を調べる手段は、「志望企業のHP」が一番多くて全体の45.8%。「地元で開催された合同企業説明会」(35.2%)、「就職ナビサイトのIターン・Uターン就職ページ」(30.3%)などを利用している先輩も多く見受けられ、加えて、「大学で開催された合同企業説明会」「親族、知人からの情報」「Iターン・Uターン就職用のサイト」「地元以外で開催された合同企業説明会」「ハローワークなどの公的機関」と、情報の入手先は多岐にわたることがわかります。先輩たちの中には、地方自治体が運営している支援機関などで情報を得たという声も複数聞かれました。
なお、就職したい地域の企業の情報は、リクナビ開催の合同企業説明会でも入手できます。リクナビでは、地元での就職を目指す学生の向けの合同企業説明会も開催しています。上手に活用してみましょう。
また、大学のキャリアセンターでも地方企業の求人情報を教えてくれるかもしれません。一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。
【参考記事】
住んでいるエリアでの就活と比べて、何かと勝手が違い、費用や移動時間のかかるIターン・Uターン就活。とはいえ、都会に比べると物価が安く、通勤時の混雑も少ない地方は、生活・仕事の上でストレスの少ない生活を送れるメリットがあります。また、生まれ育った地元で働くことは、地域に貢献することにもつながります。先輩の体験談を参考にしたり、リクナビのサービスを上手に活用したりして、遠距離就活にかかる負担をなるべく減らしながら、納得できる企業選びをしたいものです。
簡単5分で、あなたの強み・特徴や向いている仕事がわかる、リクナビ診断!就活準備に役立ててくださいね。
▼2026年卒向け詳細情報▼
※記事中のデータは2017卒の就活生に向けたアンケートに基づく
調査期間 :2016年9月28日~10月5日
調査サンプル:2017年4月に入社予定の企業に内定している全国の専門学校生・短期大学2年生・大学4年生・大学院2年生142名、「採用に関するアンケート」
調査協力 :株式会社クロス・マーケティング
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