インターン(インターンシップ)に行った場合、給料・報酬が出るかどうか気になる就活生も多いのではないでしょうか。給料・報酬が出るインターンはどのくらいあって、いくらぐらいもらっているのでしょう。給料・報酬ありのインターンに参加した先輩たちのアンケートと企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける曽和利光さんのお話から、報酬額やプログラム内容の違いを紹介します。
リクナビ2026では、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム4タイプの総称を「インターンシップ&キャリア」と呼びます。
この記事では、アンケート実施当時の「インターンシップ」について紹介します。
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目次
給料とは、ある期間の労働に対して雇い主が支払う賃金のこと。雇用契約を結んでいることが前提になります。リクナビに掲載しているインターンは雇用契約が発生しないため、給料を支払われるものはありませんが、「報酬あり」のインターンは掲載しています。
※この記事では、参加した学生にお金が支払われるインターンを「給料・報酬ありのインターン」として、解説していきます。
では、実際にインターンで給料・報酬をもらった先輩たちはどれくらいいるのでしょうか。
社会人1~2年生、および2020年4月新卒入社予定の学生1321人に向けて実施したアンケートによると、「インターンに参加した経験がある」と回答した774人のうち、「給料・報酬ありのインターンに参加したことがある」人は16.4%でした。
■給料・報酬ありのインターンシップに参加したことはありますか?(n=774、単一回答)
給料・報酬ありのインターンに参加した先輩たちはいくらぐらいもらったのでしょうか?引き続き先輩たちに聞いてみました。
最初に給料・報酬の支払い形態を聞いたところ、「時間単位」が最も多く41.7%、次いで「日単位」(35.4%)、「成果報酬」(11.8%)、「月単位」(5.5%)という結果になりました。
併せて金額を聞いたところ、時間単位では「1000円」が全体の43.3%と最多、日単位は5000円が全体の17.7%で最多という回答になりました。中には日単位で1万円以上と答えた人もいました。
「給料・報酬あり」のインターンはどれくらいの日数のプログラムなのでしょうか?先輩たちの回答を見ると、数日間のものから1年にわたるものまでさまざまあるようですが、中央値は「5日」となりました。
割合を見ていくと、半数近い45.7%が4日以内のインターンで、続いて5~14日が27.6%、15~30日と31日以上の長期がそれぞれ13.4%ずつになっています。
■参加した「給料・報酬ありインターンシップ」のプログラム全体の開催日数を教えてください(n=127、単一回答)
具体的にどんなプログラムに参加して、何日間で合計いくらの報酬があったのか、報酬をもらった先輩たちのインターンのプログラムの内容と開催日数、報酬額を紹介します。
・1週間、実務を体験するプログラムに参加した(日数:5日、報酬:交通費として4620円、23歳・インターネット業界)
・建設コンサルタントで強度計算の補助をした(日数:10日、報酬:日単位で合計5万円、23歳・シンクタンク)
・サービスエンジニアとして、資格なしでできる仕事のすべてを行った(日数:20日、報酬:時間単位で合計15万円、21歳・自動車業界)
では給料・報酬が出るインターンと出ないインターンの違いや、時間単位や日単位で金額を設定する違いはどこにあるのでしょう。
多くの企業に人事や採用のコンサルティングをしている曽和利光さんは、「インターンで給料・報酬を支払うケースは3つあります」と指摘します。
1つ目は、インターンの参加者に実務に近い作業をさせるケースです。労働法の観点から、実務に近い作業をさせた場合は企業側に利益が発生するため、たとえインターンであっても給料・報酬を支払う必要があるのです。こうしたインターンでは、疑似体験や一部の業務の担当であっても、実際の業務がどういうものか実感を持って知ることができます。
短期のインターンで給料・報酬が支払われるケースが少ないのは、簡単な実務体験や見学などで終わることが多いからだと考えられるでしょう。逆に、社員と同様の実務を何日も行っているのに、給料・報酬が支払われないとしたら、安い労働力として利用している可能性があるので、注意しましょう。
2つ目は、給料・報酬が支払われるインターンは学生に人気があって人が集まりやすいために、より多くの学生に参加してほしい企業が、交通費や給料・報酬を支払うケースです。自社のことを知ってもらうための簡単な実務体験と見学などがプログラムのインターンが中心です。
3つ目は、給料・報酬を払うことで学生の本気度を見たいと考えるケースです。給料・報酬をもらうということは、見合った対価が求められるように感じられて、プレッシャーになる学生さんもいるでしょう。そうした中でも、どれだけパフォーマンスを発揮できるか、企業風土を知ってもらうためにも本気でぶつかってほしいという考え方です。
このケースの場合は、企画コンテストをしたり、現場の開発業務で成果を競わせたりするなど、時間との競争や他者との競争が課されることもあります。
時間単位の金額にするか日単位にするかは、プログラムの内容ではなく、その企業でどの支払い形態かが多く採用されているかという違いによると考えられます。
例えば、アルバイトを多く雇用している企業では時間計算の方が日常的に行われていますし、年度末の繁忙期に派遣社員や業務委託を利用している企業では日給計算の方がスムーズ。交通費の支払いなども、一律にする企業が多いのは、経理などの業務により負担の少ない方法を取られているためです。
交通費が出るインターンについて詳しく知りたい人は、こちら↓
インターンで交通費は出る?交通費支給のインターンを探すには?
「報酬あり」のインターンに興味があれば、リクナビで検索してみましょう。インターンシップの検索画面の「さまざまな条件から探す」から「こだわり検索」を選択して、「報酬あり」にチェックを入れると検索できます。
プログラムや開催日数によって、報酬の形態も金額もさまざまです。いろいろ見て、希望に合うものを探しましょう。
リクナビに掲載されているインターンプログラムの中には報酬が支払われるものもあります。興味のある人はチェックしてみましょう。
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【調査概要】
調査期間:2019年9月27日~9月30日
調査サンプル:就職活動を経験したことがある1~2年目の社会人、大学生、大学院生、専門学校生、短大生の就職内定者1321人
調査協力:株式会社クロスマーケティング
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【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。
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