エントリーシートに志望動機を書こうとしても、「志望動機が思いつかない」「書いたけれど文字数が全然足りない」と手が止まってしまうことはありませんか?どうしても志望動機を思いつかないときに何をすればいいか、対処法をプロが解説します。
志望動機が思いつかない原因は?
企業の採用活動が始まり、エントリーシートや履歴書の提出準備をする際、「志望動機が思いつかない」「文字数が足りない」と悩んでしまう人もいるでしょう。
志望動機が思いつかない原因は「書くべきことがわかっていない」と「整理しておかないといけないことが不十分」に大きく分けることができます。
A. 志望動機に書くべきことがわかっていない
志望動機は、どのくらい本気で入社したいと思っているかを伝えるものです。しかし、その本気度を伝えるために何を書けばいいのか、具体的にわかっていない学生も多いでしょう。
志望動機に書くべきことは、「その会社の何に魅力を感じたのか(=what)」と、「なぜ魅力を感じたのか(=why)」の2つです。
なお、企業について勉強したことだけを伝えて、「だから志望している」とまとめている志望動機を見かけますが、この場合、企業は入社意欲の高さを判断できないため、注意しましょう。
B. 志望動機を書くに当たって、整理しておかないといけないことが不十分
企業のどこに、なぜひかれるのかを自分の価値観と本気度に基づいて説明するために整理すべきことが不足していて、志望動機を書けないケースもあります。
考えられるのは、以下の3つです。
B-1 企業研究が不十分
企業研究は、志望動機の「その会社の何に魅力を感じたのか(=what)」を書くために必要です。社風や事業内容、企業理念、働く環境など特徴を調べて、自分が魅力を感じるポイントを整理する必要があります。
B-2 自己分析が不十分
自己分析は、志望動機の「なぜ魅力を感じたのか(=why)」を書くために必要です。自分の能力・性格・価値観を正しく認識して言語化する必要があるでしょう。
B-3 自己分析と企業研究は十分でも、「志望動機」になる自分と企業との接点が見いだせていない
企業の特徴と学生の価値観とに接点がないと、「志望動機の本気度」は伝わりません。
企業にとっても、「この学生を採用したいと評価する理由」「当社でなければいけない理由」が見えてこないでしょう。
原因別に解説|志望動機を書くために押さえておきたいことは?
ここからは、それぞれのパターン別に志望動機を書くために整理しておいた方が良いことをアドバイスします。自分が陥っている状況に似ているものはどれかを考え、どう整理しておくといいのか参考にしてみましょう。
A. 志望動機に書くべきことがわかっていない
志望動機に書くべきことがわからない人は、まず志望動機で人事が見ている観点を理解し、志望動機の構成に沿って志望動機を作ってみましょう。
志望動機で人事が見ている観点
志望動機で企業が見ているのは、主に以下の2つです。
- 「なぜ」その企業に魅力を感じたか
- その企業で働きたいと本気で思っているか
志望動機の構成
- 「何に魅力を感じたのか(=what)」、最初の一文で簡潔に語る
- 「それはなぜか(=why)」、きっかけ、自身の価値観や意見、行動によって本気度を伝える
- 文字数が余れば、入社後どのような挑戦をしたいか伝えて全体をまとめる
志望動機の作り方を解説
企業に魅力を感じた点から逆算して志望動機を作る方法と、将来のビジョンから志望動機を作る方法を解説します。
▼「魅力を感じた企業の特徴」から逆算して、自分の価値観を考えるやり方
- 企業の特徴をリストアップして、自分がひかれるものを選ぶ
- 自分の中のどんな価値観が理由で、その特徴にひかれているのか考える
- 企業選びに影響を与えた価値観は、いつ何がきっかけで芽生えたものか深掘りする
- その価値観が基になっている、自分なりの意見や行動をまとめる
▼将来のビジョンから「なぜこの企業に魅力を感じるか」を順に考えるやり方
- 自己分析によって将来の目標や働き方のビジョンを明確にする
- 企業研究シートなどを活用して、志望する企業の特徴や強みを洗い出す
- なぜその企業がいいのか、自分がその企業でどう活躍できそうか考える
B. 志望動機を書くに当たって、整理しておかないといけないことが不十分
志望動機を書くための整理が不十分な人のために、「企業研究のやり方」「自己分析のやり方」「企業と自分との接点の見つけ方」を解説します。
B-1 企業研究が不十分→企業研究のポイントを解説
志望動機の「その企業の何に魅力を感じたのか(=what)」を書くために、企業研究では、企業の特徴をリストアップし、自分が魅力を感じるポイントを探してみましょう。企業が公表している情報は、企業ホームページや採用サイト、採用向けパンフレット、四季報などで確認することができます。
以下の4つの観点のうち、どれに当てはまるかを考えると、調べ忘れがなくなり、その後に自分の価値観も整理しやすくなります。
- 構成員の魅力 … 社風、経営者、社員など
- 活動内容の魅力 … 事業・商品の特徴、仕事内容、タスクなど
- 目標への共感 … 企業理念、ビジョン、事業戦略など
- 特権の魅力 … 評価・教育制度、勤務場所など
B-2 自己分析が不十分→自己分析のポイントを解説
志望動機の「なぜ魅力を感じたのか(=why)」を書くためには、自己分析が必要です。「企業に魅力を感じたのは自分にこんな特徴があるからだ」と、説明できるように、自分の能力・性格・価値観を整理しましょう。その際に役立つのが、以下の3つの自己分析手法です。
- Will・Can・Must
Will・Can・Mustとは、Will(やりたいこと)、Can(できること)、Must(入社後に求められること)をそれぞれ洗い出す自己分析手法です。自分ができることを整理しやすくなるので、能力や性格に気がつきやすくなるでしょう。

▼モチベーショングラフ
今までにあった出来事を振り返り、モチベーションが上がったとき、下がったときをグラフ化し、その時にあった出来事や当時の気持ちを書き出します。グラフにすると、ひと目で「自分はどんなときに楽しいと感じてきたのか」「何をしているときがつらかったのか」などを把握できるので、大切にしている価値観に気がつきやすくなります。

▼直感で企業を分類して共通点を探す
業界地図などの企業名が載った書籍や、リクナビなどの就活準備サイトの複数の企業を一覧でを眺めて、「興味がある」「興味がない」の2つに分類しましょう。興味があるに残った企業群を再度、興味のあり/なしで分類します。これを繰り返して、最後に残った3〜5社の共通点を言語化しましょう。
「海外で働ける」「教育制度がしっかりしていて安心できる」「歩合制でやりがいを感じる」など、自分の本音の価値観に気がつけるでしょう。
B-3企業との接点が見いだせていない→接点を見いだすためのポイントを解説
志望動機で「本気度」を伝えるためには、魅力を感じる企業の特徴と自分の能力・性格・価値観との接点を「きっかけ」「意見」「行動」で示す必要があります。
企業研究と自己分析をかけ合わせて、「過去のどんな体験や価値観が影響して、企業に魅力を感じたのか」きっかけを整理します。
次に、本気でひかれているからこそ生じた「意見」と「行動」を整理してみましょう。
例
魅力を感じた点:環境改善プロジェクトに力を入れている
きっかけ:授業で環境先進国のドイツの取り組みを知り興味を持った
意見:ドイツ支社に赴任し、再生可能エネルギーのプロジェクトに参加したい
行動:ドイツ語検定に向けて勉強中、クリーンエネルギーについての卒論を執筆中
スカウトを受けた企業など、まだ志望度が低いときの対処法
志望動機に必要な要素や、企業研究・自己分析の方法がわかっても、「やっぱりまだ書けない」という人もいるでしょう。それは志望度のせいかもしれません。
最近の新卒市場では、企業は少子化の影響で採用意欲は高くても希望する採用人数を集めることが難しくなっており、企業から学生にアプローチすることも少なくありません。
そのため、選考の初期段階などでは「企業からスカウトされて、選考に応募してみた」「まだ明確に志望していない」といった状況の学生もいるでしょう。まだ志望度が低い状態のときは、その企業を志望する個別の理由ではなく、企業選びの軸や就活の軸を答えるのがおすすめです。
例
大学で学んだ専門知識を生かせて、人のために働ける企業で働きたいと考えており、それに貴社が当てはまると考えました。
企業からアプローチした場合、選考初期には学生の志望度が高まりきっていないことを人事も理解しているはずです。選考を受けながら企業についての理解を高め、その企業に対する個別の志望動機を作っていくのも悪いことではありません。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。
