志望動機の例文を、就活生が伝えたい「内容別」12例、企業に興味を持たれる「書き出し」6例、読む気をなくす「書き出し」3例、熱意が伝わる「締めくくり」3例、逆効果な「締めくくり」2例と、幅広く紹介。人事が見ているポイントを踏まえて、説得力のある志望動機の作り方や構成、思いつかないときの対処法を徹底解説。就活のエントリーシート(ES)や履歴書のための「志望動機」について、人事として新卒採用を20年担当し、現在はさまざまな企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんにうかがいました。
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目次
そもそも企業は新卒採用では、志望動機の何を見ているのでしょうか?曽和さんに、企業が志望動機から知ろうとしていることや、志望動機を書く際の注意点などをうかがいました。
志望動機で企業が着目しているは主に以下の2つです。
志望動機は、大きく「その企業の何に魅力を感じたのか(=what)」と、「それはなぜか(=why)」の2つで構成します。その際に就活生が陥りがちなのは、「what」に重きを置いてしまうこと。ところが、企業は「what」にはさほど注目していません。企業が志望動機を見る際に注目しているのは、「why」なのです。
企業に対して魅力を感じた理由には、その人のなんらかの価値観や判断基準が必ず存在します。その価値観や判断基準に至った背景や経緯が、本人のライフヒストリー(成育歴)に基づいているような、根っこの確かなものかどうかを企業は確認しています。
新卒採用において、企業が志望動機を通して知りたいのは、「この企業で働くに当たって十分なモチベーションを持っているか」ということです。仕事の成果は、能力とモチベーションの掛け合わせで最大化されるもの。企業は志望動機を通して、本人の能力を最大限発揮できるくらい、その企業の事業や業務に動機づけされているかを知ろうとしています。
「なぜその企業に魅力を感じたか」に企業が着目するのは、その価値観や判断基準に至った背景や経緯を基に、仕事で大変なことがあっても踏ん張って頑張ってくれそうかどうかを判断しているからです。「ちょっとした興味で」のようなものだと、踏ん張りが利かないのではないか、という評価になるのです。
以下に、魅力を感じたポイントごとの志望動機の例文と、書類選考をする人事やES・履歴書を基に質問をする面接担当者から見たときの印象を紹介します。自分の志望動機を書く上でのヒントにしてみてください。
企業に魅力を感じる要素 | 紹介している志望動機 | |
構成員 | 社風、経営者、社員など | 1. 先輩社員に引かれた例文 |
活動内容 | 事業・商品の特徴、仕事内容、タスクなど | 3.形のある商品に引かれた例文 |
目標 | 企業理念、ビジョン、事業戦略など | |
特権 | 評価・教育制度、勤務場所など | 10.評価制度に引かれた例文 |
貴社の説明会で話をうかがった社員の皆さんが、共通して「お客さまを支援したい」という熱い思いを持っていらっしゃることに魅力を感じました。私は留学生支援サークルで、来日後間もない留学生のサポートに取り組んでいます。外国籍の友人から、日常会話はできても、書類手続きなどで困ることがあるという話を聞き、自分にできることを手伝いたいと思ったのがきっかけです。留学生が感じる不便や疑問を聞き出して必要な支援をしていくのは根気がいりますが、「日本での生活をできるだけ快適に始められるように」という思いで向き合ってきたので、貴社の社員の皆さんのお客さまに対する思いに共感しました。
社員の方々の熱い思いにどうして魅力を感じたのか、留学生サポートに取り組んでいるという、自身の具体的な行動を絡めて語っているのが良い点ですね。加えてなぜ留学生サポートに取り組もうと思ったのか、どのような価値観があったから行動できたのかなども具体的に書いてあるので、社員の人たちのお客さまへの思いに共感した理由の説得力が高まります。
貴社の「年次や年齢に関係なく互いに意見を出し合い、より良いサービスをつくっていく」という社風に魅力を感じました。所属していた学園祭実行委員会で、学年を問わず意見を出し合い、出た意見はまずは否定せずに検討し、さらに意見を出し合ってより良い結論を出すという環境で、1人ではできないことも皆でアイデアを出し合えば来場者に喜んでもらえる企画を実現できることを目の当たりにしました。そこで、働く上でも同様の環境で頑張りたいと考えています。
相手を尊重しつつ、自分の意見を伝えられる「アサーティブコミュニケーション」を、学園祭実行委員会の活動の中で身につけてきたのですね。企業でやる仕事のほとんどにチームワークが必要とされる今、集団の中で生かせる能力・習慣・性格を盛り込むのは一つの手です。自社においても活発に意見を出し合いながら、チームワークの醸成にひと役買ってくれる人物だということが伝わるでしょう。
土地開発やビル・施設造りを通してまちづくりに携わりたく、貴社を志望します。高校時代、私の地元駅の前に、再開発によって多数の店舗や行政機関、保育園などが入った複合施設が建てられたことで、街が活気を取り戻す様子を目の当たりにしました。通勤・通学の人だけでなく、子どもからお年寄り、中高生、家族連れまで人の往来が増えてにぎやかになり、行き帰りが楽しくなったことを覚えています。貴社がこれまで手掛けてこられた土地開発は、地元の既存商店とも連携し、地域一帯が活性化する仕掛けに富んでいる点に魅力を感じました。私も、貴社のまちづくりに携わり、人々の暮らしを豊かにすることに貢献したいと思います。
ただ建物が建てられるだけではなく、そこに暮らす人々や訪れる人の満足をかなえるまちづくりを肌で感じられてきたのですね。まちづくりに興味を持った理由が実体験に基づいていることが伝わります。さらに、どんなまちづくりにかかわれると思ったのか、志望する企業ならではの魅力が書かれているので、その企業への本気度がより伝わるでしょう。
企業の抱えるリスクに応じて、最適な保険商品や、時にはニーズに合わせて新しい保険サービスを検討し、提案するというビジネスに魅力を感じ、貴社を志望します。私は、テニスサークルで練習メニュー作りを担当しています。初心者と経験者両方の意見を聞いてメニューを組み、数カ月後に初心者から「上達した」、経験者から「実戦経験が積めた」などと喜んでもらえたときにやりがいを感じます。この経験を生かして、お客さまと社内をつなぐ役割を果たしたいと思います。
初心者からも経験者からも好評な練習メニューを考えられてきたのですね。何が求められているのか細部までヒアリングし、それをしっかりとかみ砕いた上で最適な答えを出せるという、保険の提案で必要とされるスキルが備わっていることがよく伝わりました。
個人のお客さま一人ひとりのニーズに応えて最適な住まいを提案する提案営業の仕事に魅力を感じて貴社を志望します。私は、テーマパークの案内係のアルバイトを通じて、お客さまのご要望やお困りの状況に的確にお応えすることで、お客さまが笑顔を取り戻されることにやりがいを感じていました。貴社においても、お客さまのニーズを丁寧にヒアリングし、より良い提案ができる営業として、お客さまの笑顔を生み出す仕事をしたいと思います。
あなたの丁寧な対応と笑顔が、テーマパークに行くというお客さまの特別な日の演出にひと役買っていたのですね。具体的なやりがいを明示しているので、自社においても同様に、お客さまのために頑張ってくれる人物だろうという期待が持てます。
医療機器の開発に携わりたく、貴社を志望します。私は大学院で光に関する研究に取り組んできました。学会などで話を聞く中で、光に関する知識・技術の医療分野への応用の可能性がまだまだ広がっていること知り、医療機器開発という分野でこれまで学んだ知識や、研究を通して培った粘り強さを生かしたいと思いました。最新の知識・技術を追求しながら、より使いやすく、高性能な製品の開発や、新しい製品の開発に貢献したいと思います。
研究を進めていく中でさらに知識・技術を追求したいと思われたというお話から、入社してからも再現可能な学習意欲の高さが伝わりました。人間の価値観は、長い時間の中で繰り返されることで作られるものです。就活生は特別なイベントや期間の短い話を取り上げがちですが、このように継続して長くやってきたことから考えると良いでしょう。
誰もが利用しているインターネットサービスを、裏で支えているSEという仕事に魅力を感じて貴社を志望します。私は、幼いころからものづくりが好きで、現在は趣味でイラストを描いています。ある時、簡単なプログラミングを覚えて作品の紹介サイトを作成したところ、海外からも多数の賞賛コメントをもらい、距離や言語の壁を超えて人と人とをつなぐことができるインターネットの仕組みに興味を持ちました。国内だけではなく、海外の顧客に対しても多数のWebサービス提供をしている貴社でSEとして働くことで、より多くの人を笑顔にするようなものづくりに携わりたいと考えています。
業界と職種を志望した理由と、応募企業に引かれた理由が明示されています。プログラミングを覚えてサイトを作成したという具体的なエピソードによって、すでにSEとしての初めの一歩を踏み出していることがわかり、行動力を印象づけることもできています。
個人の意思を尊重して仕事を進めている環境に魅力を感じたため、貴社を志望しました。私は大学で所属している演劇サークルで、集客のためにSNSの運用を提案しました。公演の告知のみではなく、配役の解説や作品の1シーンを演じた短い動画の配信を続けたところ、興味を持ってくれた方がチケットを購入してくれるようになりました。この経験を通して、顧客の行動を分析しアイデアを形にしていくことに面白みを感じました。貴社は、見た人が楽しめる広告を制作するために、社員一人ひとりが考え行動しているというお話を聞き、私もそんな環境で顧客に届く広告制作に励んでいきたいと考え貴社を志望しました。
「なぜ広告業界を目指しているのか?」を、本人の価値観と共に書かれているため、志望の本気度が伝わります。自分なりに工夫した経験を、具体的なエピソードで伝えているのでイメージしやすい点も良いですね。
「既存の商品に追随するのではなく、新しさのある商品を積極的に生み出す」貴社の理念に共感しました。私は、イベント企画サークルで「前例を踏襲するのではなく、何かしらの改善や、新しいことを」という考えで活動しています。例えば、新入生歓迎イベントでは例年バーベキューをしていたのですが、友人同士で固まってしまい、新しい交流が生まれないことを課題に感じていました。そこで私は、参加者全員と必ず1回は話すように仕掛けたゲームを取り入れるようにしてみました。結果、参加者からも好評で、ひと工夫することでより良くできることを実感しました。貴社においても、この姿勢を生かして仕事に臨みたいと思います。
新しいことに取り組んだ背景にある課題や、取り組みの導入までに至ったプロセスも書いてあることで、あなたがどんな価値観を持っている人物かが伝わり、企業理念に共感したことの説得力が増しています。
個人の成果に応じた評価・報酬に重きを置いた評価制度に魅力を感じ、貴社を志望します。私は量販店での携帯電話販売のアルバイトで契約件数に応じて時給が上がり、さらには、より責任のある役割を任せてもらえることにやりがいを感じてきました。結果を出すことで高く評価されるとともに、より高い目標に挑戦する機会を得られることが、私のモチベーションの源泉です。貴社においても、積極的に技術や知識を吸収しながら、評価される新しい技術の開発に貢献していきたいと思います。
アルバイト先での状況やその時の心情を具体的に盛り込むことで、自分がどんな時に頑張れるのかを明示できていていいですね。企業が用意してくれる環境とあなたのモチベーションが高まる環境が一致していることがわかり、自社において十分にパフォーマンスを発揮してくれる人物であると判断できます。
自らの意思で受講選択できるスキルアップ研修や、社員による自主的な勉強会が盛んな点に魅力を感じ、貴社を志望します。私は、幼少期から図鑑を読むのが好きで、知識を得て、誰かの役に立つことに喜びを感じていました。保険業界で働くことを希望してからは、ファイナンシャルプランナーの勉強に励んでおり、昨年3級を取得し、現在は2級のための勉強を行っております。成長支援に力を入れている貴社で、継続的なスキルアップを図ることで、今後も継続して、保険・金融関連の資格を取得し、得た知識をお客さまに還元したいと考えております。
教育制度に魅力を感じたという志望動機は、ともすると「教えてもらうこと待ち」という、受け身な印象を与えかねませんが、すでに自主的に勉強をしている様子とその理由を伝えているので、自己研さん意欲が高いことが伝わります。教育制度を活用して、どうなりたいのか、具体的なイメージを伝えていることも良いですね。
私の出身地である○○県の活性化に資金面から貢献されていることに魅力を感じ、貴行を志望します。私は、高校卒業まで育った○○県に非常に愛着を持っており、振興・活性化の助けになりたいと考えています。また、私自身、奨学金の受給がなければ大学生活を送れなかったことから、お金のありがたみを強く感じています。ぜひ貴行の一員として資金面から地元企業を支え、○○県の活性化に貢献したいと思います。
〇〇県への愛だけでなく、なぜその銀行なのか、さらにどう貢献していきたいのか、自身の経験を顧みて具体的に伝えることができています。その地域の活性化にどう貢献しているのかサービス面にも触れ、その企業ならではのポイントにも注目できていていいですね。
ES・履歴書の志望動機の書き出しで人事に興味を持ってもらうためには、結論から書き始めましょう。
特に、企業が魅力を感じてほしいと感じている、「1.理念」「2.文化」「3.社風」「4.経営理念や事業上の目標」など、普遍的で変わらないコアな部分について魅力を感じたと言われると、興味を持って読み進めたくなる人事は多いでしょう。
ほかにも、企業に魅力を感じた理由から書き始めるパターンも有効です。「5.過去の経験に基づく価値観」「6.企業選びの基準」など、志望動機の中でも特に人事が注目する部分から書き出すのも良いでしょう。
ここでは、それぞれのパターンの書き出し例文を紹介します。
貴社の〇〇という理念に、△△な観点から魅力を感じました。
貴社の〇〇という文化に、△△な観点から引かれました。
社員の皆さんからお話をうかがった際に、〇〇な社風に魅力を感じました。
貴社の経営理念である〇〇に共感し、貢献したいと考えました。
これまでの〇〇した経験から、△△という理由で魅力を感じました。
自身の〇〇(特技や知識、スキルなど)を生かせると考えました。
ESや履歴書用に「志望動機の書き出し」について詳しく知りたい人はこちら↓
志望動機の「書き出し」ポイントと例文。人事が読む気をなくす書き出しは?
ES・履歴書の志望動機で、人事が読む気をなくしかねない書き出しは、以下の3パターンです。
<人事が読む気をなくす書き出し3パターン>
こういった書き出しは、企業そのものに対して深く魅力を感じているように思えないケースが多く、ほかとの差別化も難しいため、避けた方が良いでしょう。
ここでは、それぞれのNGパターンごとに書き出し例文を紹介します。
説明会で話を聞いた社員の〇〇さんに魅力を感じました。
一個人の情報を基に「魅力を感じた」と言われても、「その社員は辞めるかもしれない」という懸念を持つ人事もいるでしょう。さらに、よくある書き出しなのでほかと差別化するのが難しく、「あぁ、またこれか」という感想を抱きかねません。
(試験的に始めた)事業や制度に魅力を感じました。
「世の中の注目を浴びているけれど、まだ始まったばかりの事業や制度」というのも、人事にとっては、「ここを一番の魅力に感じられても困る」というポイントと言えます。
企業は「今後変わるかもしれない」「世間で話題になっているような会社の一部しか見てくれていないのでは?」などと、本当に魅力を感じているのか不安に感じる場合があるでしょう。
(具体性なく)貴社の商品にとても興味があったので志望しました。
「どんなふうに魅力を感じたのか」や「商品のどんなところに興味を持ったのか」などを併せて伝えなければ、「中身がない」と判断されてしまうかもしれません。場合によっては、志望動機を最後まで読んでもらえない可能性もあるので、注意しましょう。
志望動機の締めくくりでは、「入社したらどんなことに挑戦したいのか、どのような強みが仕事で生かせるのか」を伝えるケースが多いでしょう。企業は、志望動機の締めくくりを通して、就活生の思いを自社のリソースでかなえられるかどうかを判断しようとしています。
そのため、志望動機の締めくくりでは、以下の3つを伝えると良いでしょう。
<熱意が伝わる締めくくり3パターン>
ここでは、それぞれのパターンごとに締めくくり例文を紹介します。
なお、文字数制限がある場合は、「何に魅力を感じたか」「それはなぜか」という志望動機の要を削ってまで、締めくくりを入れる必要はありません。
「入社したらどんなことに挑戦したいのか」「どのような強みが仕事で生かせるのか」といった情報は必須ではないので、文字数が許せば最後に入れましょう。
例えば、〇〇事業の営業部門などで活躍してみたいという思いを持っています。
この経験を生かして貴社で活躍し、将来的には〇〇のような仕事で力を発揮できるようになりたいと思っています。
現場で経験を積み、貴社の企業理念である〇〇〇なサービスを、いつか提供できるようになりたいと思っています。
ESや履歴書用に「志望動機の締めくくり」について詳しく知りたい人はこちら↓
【例文あり】志望動機の締めくくりはどうすればいい?考え方のポイントと注意点
ES・履歴書の志望動機で逆効果になりかねない締めくくりとして、以下の2パターンの例文を紹介します。
<逆効果になりがちな締めくくり2パターン>
こういった締めくくりは、企業が応募者の希望をかなえられないと感じたり、根拠もなく、うわべだけで語っていると誤解されたりする要因になるので避けた方が良いでしょう。
(志望企業の中のマイナーな部門だけに絞って)必ず、〇〇事業に携わりたいです。
本人の意向は知りたいものの、あまりに狭い範囲の希望を伝えられてしまうと、「入社後はいろいろなことに挑戦してほしいのに、この一部分しかやりたくないようでは困る」と思われてしまう可能性があります。
ストライクゾーンはあまり狭めすぎないように気を配りましょう。
自分をできるだけアピールしたいという思いからなのでしょうが、高い目標に見合うだけの裏付けを伝えられないと逆効果になりかねません。自分なりの意見がなく、実現に向けた行動も始めていない場合には、「自分を良く見せるためのハッタリか」と思われてしまうかもしれません。
無理に良く見せようとせず、今の自分に見合った締めくくりを考えましょう。
志望動機を書くときは、以下の2点に注意しましょう。
自分の考えや、思いを伝える志望動機では、“こそあど言葉”は使わないようにしましょう。
例えば、「世の中に“これだけ”影響を与えている企業は貴社だけです」など、具体性に欠ける形容詞や比喩表現、「これだけ」などの“こそあど言葉”は、何も言っていないのと同じです。具体的な表現に置き換えるようにしましょう。
そのほか、よくある間違いが「貴社」と「御社」の混同です。ESや履歴書で企業について書くときは、「貴社」と書くようにしましょう。「御社」は面接で話すときに使う言葉です。
言葉の使い分けについて、詳しく知りたい人はこちら↓
「御社」と「貴社」の違いとは? 面接やエントリーシートではどちらを使う?例文付きで解説
志望動機の書き方に悩んでいる人向けに、具体的な構成と、3ステップで完成できる志望動機の作り方を紹介します。
企業が注目するのは「なぜ魅力を感じたのか(why)」なので、志望動機を書く際は、「why」を丁寧に説明するために、「何に魅力を感じたのか」2~3割:「それはなぜか」7〜8割くらいで構成しましょう。なお、「入社したらどんなことに挑戦したいのか」「どのような強みが仕事で生かせるのか」といった情報は、文字数が許せば最後に入れてもいいと思いますが、必須ではありません。まずは、どれだけ根強い動機を持っているかを伝えることを第一に考えましょう。
わかりやすく相手に伝えるためには、まずは端的に結論を伝えることが大切になります。その企業のどこに魅力を感じたのか、志望した理由を最初の一文で簡潔に伝えましょう。
次に、魅力を感じた理由・根拠を伝えることで説得力のある志望動機になります。その際、「仕事選びの軸」として大切にしている自分の価値観とその企業との接点を、「魅力を感じたポイント・理由」として伝えることができれば、自分ならではの志望動機になるでしょう。
その上で、文字数が許せば「入社したらどんなことに挑戦したいのか、どのような強みが仕事で生かせるのか」を伝え、全体をまとめましょう。そうすることで、あなたの「やる気」が伝わるとともに、企業側があなたと一緒に働くイメージを持ちやすくなるでしょう。
志望動機で人事や面接担当者の目を引くためには、以下の4つを押さえましょう。
商品に魅力を感じた、社風に魅力を感じたなどと伝えたい場合は、「どんなふうに魅力的だったのか」など、できるだけ具体的に書きましょう。
書類選考の時点では、就活生の意図を親切に問い合わせてくれる企業はありません。ESで選考を行う企業に対して具体性に欠けた内容を提出していては、「何も得られる情報がなかった」と判断され、面接に進めない可能性もあるでしょう。
また、ESでの選考がない場合も、具体的に書いておけば、面接ではESで書いた内容をさらに深めて詳細にアピールすることができるでしょう。
その企業でないといけない理由を無理やり作る必要はありません。それよりも、自分のこれまでの経験やライフヒストリーに基づいた「その企業に引かれる理由」を伝えることを重視しましょう。
学生の皆さんが陥りがちなのは、「入りたいのは貴社だけです感」を出そうとして、その企業でないといけない唯一無二の理由を無理やり作ること。これは、志望動機に延々と事業説明を書いてしまう一因でもあります。自分の価値観や判断基準に合う企業は複数あって当然です。仮に、面接で「この動機なら他社でもいいのではないですか?」と質問する企業があったとして、「確かにそうかもしれません」と答えた学生に、「なんだと!」と怒りをあらわにする企業は少ないと思います。
人が外見を好まれるよりも内面を好まれた方がうれしいように、企業にも「ここを魅力に感じてほしい」というポイントがあります。それは、企業の理念や文化、社風、事業上の目標など、普遍的で変わらない、コアな部分についてです。したがって、志望動機で「何に魅力を感じたのか」を挙げる際は、できるだけこれらの企業のコアな部分にフォーカスを当てることをオススメします。
逆に、世の中の注目を浴びているけれどまだ始まったばかりの事業や制度、説明会で会った社員個人など「可変的なもの」は、企業にとっては「一番の魅力として捉えられても困る」ポイントです。もしも、可変的なものに魅力を感じている場合には、それを「きっかけ」として捉えて、それがどんな企業のあり方につながっているのかを深掘りしていくと良いでしょう。
例えば、出会った社員から企業の姿勢を感じたならその姿勢を、制度に魅力を感じた場合はその制度から見える企業の文化や社風、例えば「実力主義の社風に魅力を感じた」として伝えると、説得力が高まります。
なお、職種別採用の場合は、特定の事業や仕事にフォーカスを当てて伝えても問題ありません。
「なかなか志望動機が整理できない…」という人は、人が企業に魅力を感じる4つのポイントに着目して整理しましょう。
<企業について注目してみるポイント>
あなたが、特に興味や魅力を感じた点があれば、以下の観点から深掘りしてみましょう。
<自分について深掘りするポイント>
企業について魅力を感じた内容と、自分についての深掘りを組み合わせると、ライフヒストリー(成育歴)に基づいた志望動機を作る参考になるでしょう。
ぜひ、自分の志望動機を書く上でのヒントにしてみてください。
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【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。
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