就活について先輩たちに話を聞くと、「自己分析は大事だよ」と言われることが多いはず。でも、自己分析ってどうしてそんなに大事なんだろう? そもそも、自己分析って何をすればいいの? そんな素朴な疑問に答えます。
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自己分析をする目的は、大きく2つ挙げられます。
これまでも、進学先の学校、勉強したい専攻分野、部活やアルバイト、習い事など、さまざまなことを選択してきたと思います。
そこには、自分なりのこだわりや思いがあったり、何気ないことから選択したりと、さまざまな人がいると思いますが、それでも数多くの選択肢がある中、それを選択した理由はどこにあったのでしょうか。あらためて考えてみてください。
そして、仕事選びや会社選びも、そんな人生の選択の一つ。自分なりの考えや価値観を大切にすることで、“あなたに本当に合う会社”を選び抜くことができるでしょう。そしてこれが、最近面接でも聞かれることの多い「自分なりの企業・仕事選びの軸」ともつながるのです。
では、次は○○に当てはまる言葉を口にしてみましょう。
「自分は今までいろんなことを○○という価値観で選択してきたから、仕事でも○○を大事にしたい!」
どうですか? そう言われても簡単には答えられないのではないでしょうか。
そこで、自分が今までやってきたことを自分なりに振り返ってみて、自分が大事にする(したい)価値観を明確にしていくことが大切なのです。
就活では、自分のことをまったく知らない人に、自分はどんな人で、何を考え、どういう個性があるのかを、短時間に伝える必要があります。
ところが、これがやってみると意外に難しいものです。自分のことは自分が一番わかっているつもりでも、いざ明確に伝えようとすると、何から言えばいいかわからなくなってしまいがちです。
また、「自分なんて大したことをしてこなかったから、何も言えない」と戸惑う人もいるでしょう。
しかし、就活で求められるのは、出来事の大小ではなく、「自分がどういう人なのか」を伝えること。そのためには、日常のさまざまな場面に表れている「自分」を把握しておくことが何よりも大事なのです。
そこで、自分を客観的に整理して、理解しておくことが必要になります。社会に出るにあたって「日ごろの自分がどんな人なのか」を自分で明確にしておく。それが自己分析の大きな目的の一つです。
では、自分を客観的に理解し、価値観なども明確にしていくためには、どんなふうに自己分析をすればいいのでしょうか。
オススメの方法は3つあります。
最も一般的なのは、自分自身で自分がこれまでやってきたことや印象に残っていること、うれしかったこと、悲しかったこと、頑張れたこと、つまらなかったことなど、いろんな出来事やエピソードをたくさん思い出し、書き出していく方法。
振り返り方は、人それぞれでいい。年代順に何があったか、「自分史」のように書き出す人もいれば、喜怒哀楽などの感情で印象に残っていることを出していく下記のような「モチベーショングラフ」を作る人もいます。
モチベーショングラフの作り方のポイントは、今までの事実や出来事をたくさん思い出し、まずは書き出す。その時、「これは面接で役立つエピソードかどうか」などは考えないことが大事です。日常の些細(ささい)なことを、丁寧に思い出していくように心がけましょう。
そして、出来事がたくさん並んだら、なぜそれらをやったのか、どうして印象に残っているのかなど、「なぜ?」を考えてみましょう。
当時は、ただ「楽しそうだったから」くらいの理由だと思っても、なぜ楽しいと思ったのか、何があると楽しいのかなど、言葉にしてみてください。そうすると、出来事や事実はさまざまでも、自分なりのこだわりや価値観、強みや得意・不得意などの共通点が見えてくるはずです。
このようにして出てきた「自分」をこのようなグラフで表してみると、一目で「自分はどんな時に楽しいと感じてきたのか」「何をしている時が辛かったのか」など、あなたが人生の中で大切にしていることが具体化されてくるでしょう。
今回は、生まれてから今までのことをグラフにしてみましたが、始まりはいつでもいい。例えば、高校入学から今までのこと、大学入学から今までのことなど、あなたの好きな「時」から始めてみましょう。
また、書店に並んでいるいわゆる「自己分析本」なども、同じようにいろいろな角度で自分を振り返ったり、「なぜ?」を深めたりするための仕掛けを、さまざまな角度から工夫して提供しています。上手に活用すれば、自分ではなかなか振り返りづらかった項目を思い出せたり、「なぜ?」を深めたりするのに役立つでしょう。
自分ひとりで考えていると、意外と忘れてしまっているエピソードがあったりします。
そこで、保護者、兄弟姉妹、友達などの身近な人と話してみるのも一つの手段です。思わぬエピソードが出てきたり、ほかの人からの自分の印象を話してもらえたりするので、自分を客観的に見られる良い機会です。
また、学生の皆さんにとって、身近な人は同年代が多いかもしれません。
しかし、同年代以外にもあなたの身近な人はたくさんいます。ゼミや授業の先生、普段お世話になっている大学の職員の方など、同年代以外の人にも、勇気を出してぜひ話しかけてみてください。同年代の人とは違った視点での意見がもらえるはずです。
自分を振り返るための道具として、リクナビにもある「リクナビ診断」のような性格診断や適職診断などを生かす方法もあります。
例えば、「物事に主体的に取り組む行動力がある」というような結果が出たとして、どんなときにそんな行動力を発揮しただろう? 主体的に取り組んだのは、どういうときのどんなことだっただろう?と、自分の事実を思い出すキッカケにしてみてください。
設問に回答していく際には、今までのいろいろな場面を思い出していたはず。
例えば、「スケジュール通りに物事を進める」に「その通り」とチェックしたとき、「大学1年の夏休みに、旅行や部活、アルバイトなど、たくさん予定が詰まっている中で、英語の勉強だけはやっておきたいと思い、計画的に時間を捻出して英語の試験の成績を上げるために頑張ったな」なんて姿を思い出したりしませんでしたか?
これらの診断結果も、単にその診断結果の言葉だけをうのみにするのではなく、そこから自分の振り返りに役立てていけると、より自分らしさに気づけるようになるでしょう。
また、性格診断や適職診断をすると、「こんな職業が向いている」という結果も出てきます。
「やっぱり」もあれば、「何で?」と思うような職業が出てくることもあるでしょう。そんなとき、なぜその結果が出ているのかを考えてみましょう。
自分自身を振り返るためのきっかけやチャンスは、気づいていないだけでいろいろな場面に転がっています。
どの手法を取るかは、自分が自分のことを思い出しやすい、事実を出しやすい、考えを深めやすいものを選びましょう。
大事なのは、そこから「考える」ということ。自分の振り返りをして、「使えるエピソード」を選ぶのではなく、その事実の中に出ている「自分の個性」「価値観」を考えてみることが大事なのです。
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