入社企業を決めても残る漠然とした不安。「内定ブルー」とも呼ばれるこの不安に、どう対処すればよいのでしょうか?リクルートが運営する『リクナビ就職エージェント』で、就活支援を行っているキャリアアドバイザーに聞きました。
入社企業を決め、就活を終えたにもかかわらず心の中に残る「本当によかったのだろうか?」「なんとなくモヤモヤする」などの思い。これらの不安が晴れない状態を、結婚を控えた人が漠然とした不安に襲われるマリッジブルーに似ているとして「内定ブルー」と呼ぶことがあります。
さまざまな学生の就活支援を行ってきたキャリアアドバイザーによると、内定ブルーの原因には大きく2つのパターンがあるそうです。
1つ目は、「この企業で自分はやっていけるのだろうか?」と自分のスキルを不安に思うパターン。選考時や社員・同期と接点を持つ中で、企業が求めるスキルや同期のスキルとの差を感じ、不安になってしまうようです。
2つ目は、「本当にこの企業に決めてよかったのか?もっといい企業があったかもしれない」と、就業決定先への納得感が満たされていないパターンです。入社予定企業の規模や待遇、福利厚生などを他社と比較したり、内定承諾後にネガティブな情報を目にしたりしたことが原因になる場合が多く見られます。
2024年3月卒業の先輩300人に、新卒の就活で内定が決まった後、「内定ブルー」になったかどうかアンケートをしたところ、26.7%の人が「内定ブルーになった」と回答しました。
■内定が決まった後、内定ブルーになりましたか?(N=300)
次に、「内定ブルーになった」と答えた80人に、その理由として最も当てはまるものを尋ねたところ、「入社してからやっていけるかどうか自信が持てなかった」が52.5%、「本当にこの会社でいいのかわからなくなった」が43.8%という結果となりました。(小数第2位以下、四捨五入)
■内定ブルーになった理由として最もあてはまるものは?(N=80)
では、内定ブルーに陥ったときにはどのように対処すればよいのでしょうか?
回答が多かった「入社してからやっていけるか」について不安を持った場合について、先輩たちの対処法とキャリアアドバイザーのアドバイスを紹介します。
■入社後やっていけるかどうか自信が持てなかったとき、どのようにして解消しましたか?(N=42、複数回答)
入社後やっていけるかどうか不安な場合の先輩たちの対処法として最も多かったのは、「内定先企業の同期と話して、モチベーションをあげた」で45.2%でした。次に、キャリアアドバイザーのアドバイスを紹介します。
ほかの同期と仲良くなるにつれて「このメンバーとなら一緒に頑張れるかも」と前向きになれる可能性が高いので、ぜひコミュニケーションを取ってみてください。自分のスキル面で不安があるのであれば、入社に向けてどんな準備をしているのか同期に聞いて参考にすることもできると思います。
また、4割近くの人が人事に自分の評価を確認したように、人事とコミュニケーションを取ってみるのもオススメです。 自分の評価を聞くときは、内定者懇親会など、人事と気軽に話せる場があれば、そこで聞いてみると、身構えずに聞くことができるでしょう。また、「入社までに準備しておいた方がよいことがあれば教えてください」など、これから磨くべきスキルや知識を聞き、入社に向けて備えておくのもよいでしょう。
続いて「本当にこの企業でいいのかわからなくなった」という人向けに、キャリアアドバイザーのアドバイスを紹介します。
福利厚生や待遇など、気になることがあれば、人事に直接問い合わせてみるのもよいでしょう。内定しているからには待遇面や福利厚生などに関する詳しい情報を聞く権利がありますし、企業としても、内定者が不安を抱いたまま入社するのは本意ではないでしょう。メールでも電話でも構わないので、「待遇に関して△△という話を聞いたのですが、正しい情報を教えてもらえませんか?」などと尋ねてみましょう。大半の企業は真摯(しんし)に答えてくれるはずです。
また、保護者や学校のキャリアセンターの職員など身近な社会人に相談してみるのもよいでしょう。内定を承諾した経緯など、自分のことをよく知る人に相談してみるのがオススメです。また、人事以外で内定先企業の社員を知っている場合、相談してみてもよいでしょう。内定先のどこに魅力を感じていたのかなど、あなたが抱いていた思いを思い起こすことができるかもしれません。
大なり小なり内定承諾後に不安になることは、誰にでもあり得ることです。そんなときは、今一度、企業を選ぶに当たって自分が一番大事にしていたことや、その企業を志望した理由を振り返ってみるのも効果的です。
大事にしていたことや志望理由を思い出した上で、「もし、もう一度就活をすれば、今以上の何かを得られるかどうか」を考えてみてください。得られそうにない、あるいは、今以上にマイナスに感じる点が出てきそうだと思ったなら、自分が大事にしていることと入社予定企業がマッチしているということ。自信を持ちましょう。
もし、自分の選択に何かしら不安が残っていて、かつ、行動することでそれを解消できそうなら、納得できるだけの情報を取りに行きましょう。
また、ある程度自分の進路に納得できたなら、あとは残りの学生生活を充実させることに意識を向けてほしいです。就活が終わって気が抜けてしまう人もいると思いますが、気持ちがぽっかり空くからこそ不安が募る面もあると思います。気持ちを前向きに切り替えて、残りの学生生活を充実させることを考えましょう。そうすれば、悔いなく社会人生活に移れると思います。
リクナビには給与・福利厚生などの企業情報など、さまざまな情報が掲載されています。自分の選択に不安が残る人は、納得がいくまで、あらためて企業の情報を収集してみるのもよいかもしれません。
『リクナビ就職エージェント』とは
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【調査概要】
調査期間:2024年3月14日~3月19日
調査サンプル:2024年3月卒業予定で、企業から内々定を得た全国の専門学校生・短大生・大学生・大学院生300名
調査協力:株式会社クロス・マーケティング
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