「面接で失敗したくない」という思いはみんな同じ。失敗を回避するにはどのような準備をしておくとよいのでしょうか。面接でよく聞く失敗談を基に、人事として新卒採用を20年担当し、現在はさまざまな企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんに回避方法を聞きました。
まず、先輩たちは面接で失敗したと感じたことはあるのでしょうか?新卒の就活を経験した社会人1〜5年目の331人にアンケート調査を実施して聞いてみました。その結果、「失敗したと感じたことがある」と回答した人は78.9%。約8割が失敗を経験していることがわかりました。
■新卒の就職活動の際の面接で、失敗したと感じたことはありますか?(n=331)
では、面接本番での失敗を回避するためには、どのような準備をするのとよいのでしょうか。よくある面接の失敗談をもとに、曽和さんからアドバイスを頂きました。
緊張は、適切な対処や準備をすれば和らげられるものです。例えば、緊張していることを面接担当者に伝える、ゆっくりと動く・話すといった行動には、気持ちを落ち着けたり、コントロールしたりする効果があります。苦手意識の払拭(ふっしょく)方法について紹介した記事で、緊張を引き起こす原因ごとに対処法を紹介しているので参考にしてみてください。
【プロに聞く】面接が苦手な場合はどうしたらいい?今すぐにできる対処法
また、話が飛んでしまうなら、話したいことのポイントを小さなメモにまとめ、それを見ながら話してみるのもオススメです。その際は、面接の冒頭などに「質問にしっかりと答えたいので、メモを見ながら話していいですか?」とひと言断りを入れましょう。面接担当者も資料や質問のリストを手元に置いて質問しているのですから、メモを見ながら話すのは問題ないと判断する企業も多いと思います。
これは、あらかじめ調べて準備しておくほかありません。社名や事業内容、商品名など、企業のホームページを見ればわかる基本的な情報は、企業研究を兼ねて頭に入れておきましょう。
落ち着いて面接担当者の質問を聞き、何を聞き出そうとしているのかを理解して、話すよう心がけましょう。質問と異なる回答をするのは、質問の意図を理解していないということなので、マイナス評価になってしまいます。話している途中に質問の答えになっていないと気づけたなら、軌道修正してそのまま話すべきことを話しましょう。
なお、質問に答えた上で余談をたくさん話してしまった場合は、その余談がその人の人となりや考えがわかるものになっていたならば、マイナス評価にはなりません。面接の最終目的は学生の人となりを知ることですから、どうしても付け足したいことがあれば、質問に答えた上で「ちなみにこの関連で言うと…」「ご質問に答えられていないかもしれませんが…」などと前置きした上で伝えたいことを付け足しても構わないでしょう。
意図のわからない突飛な質問をするのは、面接担当者の面接の仕方としてあまり良いものではないので、気にする必要はありません。答えられないときは「すみません、わかりません」と言えば、面接担当者も「ああ、変な質問しちゃったな」と思うことも多いです。それに、面接での質問の一つひとつに配点があるわけではないので、あわてて本意ではない回答をするよりは、「申し訳ございませんが、その質問は答えが思い浮かばないです」と次の質問をうながす方がよいでしょう。
また、一つ、突飛な質問に対応するために意識しておくとよいのは、面接での質問はすべて、「あなたはどんな人?」ということを知るためのものであるということです。したがって、「あなたを果物(色、動物など)に例えると?」など唐突に感じるような質問を受けたときは「与えられたお題を使って自分を表現するんだ」と思って答えを考えるのがオススメです。
まず、携帯電話の電源はあらかじめ切っておく。これは忘れずにするしかありません。万が一鳴ってしまったら、そのときはおわびしましょう。無断で遅刻もするのももってのほかですから、事前に必ず連絡しましょう。
ただし、遅刻の連絡をする際の注意点が2つあります。1つ目は、遅刻がわかった時点ですぐに連絡すること。連絡が早ければ早いほど、面接時刻を再調整するなど、人事ができる対処の幅が広がります。ギリギリまで連絡をしないのはやめましょう。
2つ目は、遅刻する場合は、到着までの所要時間を多めに伝えるようにしましょう。「5分」と言っておきながら「10分」かかるのと、「15分」と言って「10分」で到着するのでは、後者の方が心証は良いものです
また、説明会でも面接でも、あまりに早くから会場に入るのはやめましょう。人事が準備やほかの業務をしていることもあるので、5分前を目安に受け付け・入館しましょう。
このように、事前の準備や心がけで回避できたり、リカバリーできたりする失敗はあります。本番で自分らしさを伝えられるよう、できる準備をしておきましょう。
【調査概要】
調査期間:2018年7月27日~7月28日
調査サンプル:1~5年目の社会人331人
調査協力:株式会社ジャストシステム
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【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。
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