就活準備を進めていると、「自己分析をした方がいい」と耳にすることもあるのではないでしょうか。とはいえ、「自分を分析するってどういうこと?」「具体的に何をするといいの?」と思った人に向けて、就活で自己分析が必要とされる理由、就活を経験した先輩たちのどれくらいの割合が自己分析をしたのか、どんな方法で自己分析をしたのかを紹介。それぞれの自己分析の方法についても解説していきます。
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目次
そもそも「自己分析」とは何でしょうか。また、就活に臨む上で自己分析をしておくとよいと言われるのはなぜか、解説します。
「自己分析」とは、自分の特徴を理解するために、これまでの経験や考え方を振り返り、整理することを指します。
例えば、進学先や部活・ゼミに入る、アルバイトを始めるなど、選択をする場面で何を重視して決断してきたのか。感情が大きく揺さぶられ、喜びや悲しみ、悔しさを感じたときはどんな瞬間だったのか。これまでの人生の出来事を一つひとつ振り返ることで、自分は何に喜びを感じ、何を大切に取捨選択しているのか、何が好きで、何が嫌いなのかといった自分の性質が見えてきます。こうした自分の特徴を理解していくことが、自己分析の主な目的です。
エントリーシートでも面接でも、企業から選考で聞かれる問いは、すべては「あなたはどんな人か?」にひもづいています。自己分析によって、自身の特徴や性質を言語化しておくことで、自分のことを知らない企業の人に「自分はこんな人間です」とわかりやすく伝えることができるのです。
また、自分について客観的に理解できていると、自分に合う場所を選ぶときにも役立ちます。自分がどんな環境で力を発揮しやすいか、喜びを感じやすいかということがわかっていると、それを軸として、業界や企業、仕事選びができるからです。
自己分析について詳しく知りたい人は、こちら↓
“自己分析”は就活でどうして必要なの? 方法は?
Stepで解説! 「自己分析」の方法
では、実際に「自己分析をやっておいてよかった」と感じたのは、どんなときなのでしょう。
就活を経験して新卒採用で入社した社会人の先輩500人に、就活中に自己分析をしたか、自己分析が役に立ったと思ったのはどんなときか、アンケートを実施しました。
■就活中、自己分析をしましたか?(n=500、単一回答)
「就活中、自己分析をしましたか?」という質問に「はい」と答えたのは63.0%。半数以上の先輩たちが、自己分析をしていたことがわかります。
続いて、自己分析をした先輩たちに就活中に自己分析が役に立ったのはどんなときだったのかを聞きました。
■就活中、自己分析が役に立ったのはどんな機会ですか?(n=315、複数回答)
最も多かったのは、「採用選考に応募する企業を選ぶとき」で44.1%。次いで「選考のとき」が40.3%という結果になりました。そのほか「インターンシップに応募するとき」(17.8%)、「内定承諾のとき」(4.4%)という声もありました。具体的にどのように役立ったのか聞いたところ、次のような声が寄せられました。
・「人と話す機会が多い」という軸で企業を選ぶことができた(百貨店業界)
・自分のやりたいことを見つめ直すことができた(総合商社)
・自分の軸がはっきりしていたので、企業選びに迷わなかった(自動車業界)
・自分のタイプに企業の社風や業務内容が合っているか考えるときに参考になった(教育業界)
・自分向きの職種なのかどうか、仕事内容が合っているかどうかを判断するために、自己分析の内容を活用した(不動産業界)
・企業が求めている人材と自分が合うか(電機業界)
・自分自身の考えと企業理念を照らし合わせるのに役立った(アパレル業界)
・エントリーシートでも面接でも、今まで自分がどのようなことをやってきてどのような人間なのか、ということは常に問われていたため(銀行業界)
・エントリーシートの自己PR欄記入に役立った(百貨店業界)
・面接のとき自分について聞かれたときにしっかり答えられた(銀行)
・自分のことを把握し、しっかりと自分について面接などで話すことができた(紙パルプ業界)
・面接で自分の強みや弱みを伝えやすかった(アパレル業界)
・自分のことをよく知っておくことで、企業に合うというアピールが確実にできた(航空業界)
・自分がどんな人間であるかを企業に伝える材料となった(食品メーカー業界)
・インターンシップ先の選択に役立った(インターネット業界)
・インターンシップを受ける際の参考になったため(教育業界)
・エントリーシートに記載する必要があったため(損害保険業界)
・自分が共感できる理念も持っている会社を選べた(放送業界)
・インターンシップ先の絞り込みや、働く前と実際に働いてみてからの比較に役立った(専門商社)
・複数の企業から内定をもらったとき、事業内容と自分の興味とを照らし合わせ、より自分が活躍できそうな企業を選ぶことができた(電機メーカー業界)
・自己分析をしっかりやって自分で決めたので、内定を承諾することに納得感があった(インターネット業界)
・内定承諾の決め手を聞かれるので、その際に自己分析した結果と照らし合わせて答えた(ソフトウェア業界)
一方、自己分析をしなかったと回答した先輩たちは、就活中困ったことがあったのでしょうか。「特にない」という回答もありましたが、アンケートでは以下のような回答もありました。
・自分自身がよくわからなかった(情報システム業界)
・面接時に答えられないことがあった(電機業界)
・結局自分が何をしたいかよくわからなかった(情報システム業界)
就活中、自己分析をした先輩たちは、どんな方法で自分の特徴や性質の理解を深めていったのでしょうか。
■どんな方法で自己分析をしましたか?(n=315、複数回答)
先輩たちにアンケートで聞いたところ、自己分析の方法として最も多かったのが「Webサイト上で自己分析ができる診断ツールを活用した」で、54,0%という結果に。次に「学内のガイダンスや授業、就活系のイベントで自己分析セミナーに参加した」が46.0%。「自己分析に関する書籍やWeb記事を参考に自己分析をした」という人も30.8%いたという結果になりました。
それぞれの手段について、具体的にどんなふうに自己分析を進めたのかを回答してくれたコメントを以下に紹介します。
・就活サイトの診断ツールをいくつか使って、自分なりに結果を総合して活用した(不動産業界)
・自己分析の診断アプリを使った(電機業界)
・自分で自己分析をするのは難しいから、参考にした(鉄道業界)
・自分が知らない自分の一面を知るために診断ツールを活用した(警備業界)
・学内ガイダンスで自己分析シートなどを使用して自己分析をした(教育業界)
・キャリアデザインという授業があり、自己分析の仕方を教えてもらった(ソフトウェア業界)
・就活ナビサイト主催のイベントの自己分析セミナーに参加した(教育業界)
・自己分析についての本を買った(法律業界)
・大学のサイトで自己分析の方法について読んだ(流通業界)
・自己分析に関するネット記事を読んだ。記事で紹介されていた診断サイトもチェックした(専門商社)
そのほかにも「心理学系の授業の教材を活用した」(専門商社)、「就職課の職員さんに相談した」(アパレル業界)、「OBの方から過去の自分の写真を集めて、その時の性格などを書き起こしていく自己分析のやり方を聞いて、実践した」(情報システム業界)「身近に新卒1年目の先輩が多かったので、自己分析のやり方を聞いた」(介護・福祉業界)という声もありました。また、「自己分析の結果を友達と見せ合って意見を交換した」(公務員)といった声もありました。
ここからは、自己分析の方法として、(1)診断ツールを使う、(2)過去の経験を振り返る、(3)自己分析ができるイベントに参加するについて、それぞれ具体的な方法を紹介します。自己分析をする際の参考にしてみてください。
自己分析の方法に迷ったら、診断ツールを使って進めるのも一つのやり方です。自己分析をした先輩たちも診断ツールを利用した人は半数以上いました。リクナビでは、「リクナビ診断」で自己分析をすることができます。
リクナビの自己分析ツール「リクナビ診断」は、日常の行動や考えに関するさまざまな質問に答えることで「向いている仕事のタイプ」と「個人としての特徴」を診断してくれます。
質問数は約100問で所要時間は約5分。質問内容に対して「あてはまる」「あてはまらない」のどちらに近いかなどを選択式で答えていきます。
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過去の経験を振り返り、自分を知る方法の一つとして、「モチベーショングラフ」を書くことが挙げられます。
モチベーショングラフとは、自分がこれまでやってきたことの中で印象に残っていることについて、その当時の心境をグラフにして、印象に残っている理由を探っていくものです。
以下のように、横軸には時間を、縦軸には今まで身に起こった印象に残っている出来事とそのときの心の充実度が「+」寄りか「-」寄りか印をつけて線で結んでみてください。
生まれてから今までのことを振り返ってもいいですが、出来事が多すぎてグラフを書く手が止まってしまう人は、まずは高校卒業後から直近の学生時代までに限定して振り返ってみましょう。
モチベーショングラフを書いたら、感情が大きく揺れ動いた出来事について「その経験から自分は何を得たのか」を振り返ってみましょう。最初は「〇〇が楽しい」だけでも、「なぜ楽しいと感じたのか?」と掘り下げて考えていくことで、自分なりのこだわりや価値観、強みや得意・不得意などの共通点が見えてくるはずです。
また、モチベーショングラフで取り上げる出来事は、「部活の大会で○賞を取った」「アルバイトでリーダーを任された」といった、華やかな実績や経験でなくても大丈夫。就活の選考においても、企業はそういったものでなく、学生の特性や強みを知りたいと思っています。「取り上げるエピソードがない」と不安にならず、まずは自分の感情が揺れ動いた経験を書き出してみてください。
モチベーショングラフの書き方、自己分析の方法について、詳しくはこちら↓
“自己分析”は就活でどうして必要なの? 方法は?
実際に就活時に、モチベーショングラフを書いて自己分析をした先輩の例です。この先輩は、
インターンシップに参加した企業の人事担当者にオススメの自己分析の方法として教えてもらい、就活ノートにモチベーショングラフを書きました。
詳しくはこちら↓
【先輩たちのノートも公開!】就活ノートを作るときのポイント
モチベーショングラフという形ではなくても、これまで経験した出来事やエピソードを書き出すのも一つの方法です。
ただ、出来事だけを書き連ねても自分の具体的な特徴は見えてきません。このとき、頑張ったこと、自分で選択したこと、楽しかったこと、挫折したこと…生まれてから今までの経験を振り返ったら、「なぜそれを選んだの?」「何が苦しかったの?」と繰り返して問いかけて考えてみましょう。
深掘りの詳しい方法については、こちら↓
Stepで解説! 「自己分析」の方法
自己分析をテーマにした学校内外のイベントへの参加も自己分析のヒントを得られるでしょう。
「合同企業説明会」や「会社説明会」など就活に関するイベントでは、自己分析だけでなく、業界・企業研究の方法、エントリーシート(ES)の書き方などを解説するセミナーが開かれることがあります。
学校では、就活準備のためのガイダンスやセミナー、授業の一環で自己分析について学べる機会を設けたりしています。積極的に情報収集をしてみましょう。
リクナビのイベントでは、自己分析に関するセミナーを実施していることもあります。イベント、開催時期ごとにプログラム内容や参加方法が異なることがあるので、日程と併せてチェックしてみましょう。
リクナビのイベント一覧はこちらから。気になるイベントに参加してみませんか?
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学内で行われる就活に関するイベントは、キャリアセンターや就職課が主催していることもあります。学校のホームページや掲示物などをチェックしてみましょう。
キャリアセンターについては、詳しくはこちら
就活の強い味方、大学のキャリアセンターってどんなところ?
自己分析は「いつから始めた方がいい」「いつまでに終わらせておかないといけない」というものではありません。面接に進んだ段階でも、自己分析は深めていくことができるものです。「就活準備が遅れているのではないか」「でも何から始めればいいのかわからない」と不安に思っている人は、まずは自己分析から就活準備を始めてみませんか?
就活準備について詳しく知りたい人は、こちら↓
就活準備は何から始めたらいい?始め方を解説!
【アンケート概要】
調査期間:2019年5月10日~13日
調査サンプル:就活を経験して新卒採用で入社した社会人500人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング
性格検査や適職診断など、自己分析に役立つツールを活用してみましょう!
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【自己分析のやり方】手軽にできる9つの方法や目的・志望動機の作り方まで
就活準備に「自己分析をやっておこう」とよく言われます。自己分析の9つの方法について、事例やポイントを
「就活の軸」って何のこと?見つけ方、面接で聞かれたときの答え方の例を紹介
内定した先輩たちが「私の就活の軸は、〇〇でした」と話していたり、就活準備を進めていると、「就活の軸を