エントリーシート(ES)や履歴書などで見かける「長所」「短所」「自己PR」の記入欄。「どんなことを書いたらいい?」「短所って正直に書いてもいい?」「長所と自己PRはどう違う?」などと迷う就活生も多いのでは?企業が学生に長所や短所を聞く意図や、長所・短所の考え方、自己PRと書き分ける際のポイントなどを、“採用のプロ”曽和利光さんにうかがいました。
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長所や短所は、その人の能力や性格、価値観を基に、これまでの行動パターンに共通したその人ならではの行動や思考の特徴のことを指します。
企業は、エントリーシートに書かれた長所や短所を通じて、学生の特徴を知りたいと考えています。なぜなら、どんな特徴を持った人かを知ることで、入社後にどんな状況でどんな特徴を発揮できる人物かを判断するからです。
そして、前提としてお伝えしたいのは、長所・短所は表裏一体だということ。ある状況でプラスに働いた特徴が、別の状況ではマイナスになってしまう可能性もあります。その逆もしかりで、「短所は思い浮かぶけど、長所なんてないな…」と悩んでいる場合は、短所を表す言葉をポジティブな言葉で言い換えてみると、それは長所になったりするのです。
では、実際にどんな長所や短所を書いたらよいのか、具体例を交えながら、考えるときのポイントを紹介します。
長所・短所を考えるときは、「好奇心旺盛」「慎重」「最後までやりきる力がある」などのように、まずは自分の特徴をいくつか書き出してみましょう。
特徴を表現する言葉が思いつかない人は、「リクナビ診断」などの自己分析ツールを活用したり、以下の仕事に求められる特徴の一覧も参考にしたりして考えてみるとよいでしょう。
出典:リクナビNEXT 転職成功ノウハウ「使える!自己PRの書き方と例文サンプル」より
自分の特徴の見つけ方について詳しく知りたい人は、こちら↓
【プロが解説】自己PRで使えるアピールポイントの見つけ方・伝え方
特徴を書き出していったら、それらの中から長所や短所になるものを選んでいきましょう。
人の特徴を表現する言葉には、表と裏があります。例えば、「頑固」は一見すると短所に見えますが、「やりきる力がある」と言い換えて書くと、仕事内容によって大きな強みになり得ます。そのほかの特徴も同様です。
(長所)好奇心が旺盛です⇔(短所)飽き性でいろんなことに手を出してしまいます
(長所)慎重に物事を判断します⇔(短所)ときに優柔不断になります
なかには、短所として「約束の時間をいつも守れない」のように、ポジティブに転換しづらい内容を正直に書こうとしてしまう就活生もいます。しかし、採用選考時に人事担当者に向けて、不採用の決め手になってしまうようなマイナスの情報をあえてさらけ出す必要はありません。
エントリーシートを書く際は、長所や短所を伝えながらも、結果的にすべてが長所としても捉えられるような書き方を目指すとよいのではないでしょうか。
それでは、実際にエントリーシートに長所や短所を書くときに気をつけるポイントを解説します。
エントリーシートを書く際には、最初の一文で特徴を書いてから、特徴を具体的に示すようなエピソードを書くように心がけましょう。
最初に「○○という強みがあります」と特徴を記載し、それを具体的にイメージできるような行動や成果のエピソードを続けていくとよいでしょう。書くときには、「どんな状況でどんな行動を取り、それがどういう成果につながったのか」という流れで説明することが大切です。
例1:
(長所)
私は、自分が決めたことをやり遂げるために主体性を持って動くことができます。学生時代に大会出場を目標にダンスサークルを立ち上げ、ほとんどが未経験者のメンバーだったところ大会出場を果たしました。実現のために、メンバー一人ひとりと地道に意見を交わして意識の統一を図り、その結果4年間誰も辞めることなく全員で出場することができました。
「長所」と「自己PR」両方の記入欄があるエントリーシートの場合は、別の欄が設けられている以上、重複がないように書き分けた方がよいでしょう。
書き分ける際には「長所」欄に特徴を、「自己PR」欄には、特徴にまつわるエピソードを記載するように意識してみて下さい。
例2:
(長所)
私は、自分が決めたことをやり遂げるために主体性を持って動くことができます。
(自己PR)
学生時代に大会出場を目標にダンスサークルを立ち上げ、ほとんどが未経験者のメンバーだったところ大会出場を果たしました。実現のために、メンバー一人ひとりと地道に意見を交わして意識の統一を図り、その結果4年間誰も辞めることなく全員で出場することができました。
ただし、「長所」「自己PR」ともに同じくらいの記入欄がある場合などは、「長所」欄には、例1のように特徴とエピソードを書き、「自己PR」欄には、主体性を持って動くことができた別のエピソードを記載して、あなたが強みを発揮した場面について、企業に伝えるようにしましょう。
例3:
(自己PR)
バイト先の学習塾で、みんなが気持ちよく教室を使えるように、定期清掃の実施を教室長に提案しました。清掃方法を写真付きで載せた手順表を作ったり、バイトメンバーへの協力依頼をしたりして週1回の清掃を実現。生徒や保護者からお褒めの言葉を頂き、教室美化に取り組む教室として、学習塾の社内で表彰されました。
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【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。
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