就活時の選考で課される適性検査。中でもSPIは多くの企業の選考で利用されています。「どんな問題が出されるの?」「受検前にできることは?」など、不安に感じている方もいるでしょう。今回はSPIの言語分野について問題例と解答例を一緒に紹介します。
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「言語・非言語Webテスト」を受検する
SPIとは、リクルートマネジメントソリューションズが開発したテストで、Synthetic Personality Inventoryの略です。
書類選考や面接だけでなく、選考する学生の能力や人となりを知るための公平で客観的なデータとして、適性検査と呼ばれるテストが活用されています。その適性検査の一種がSPIです。
テスト内容は、学歴や学校の成績だけではわからない、その人が持っている知的能力を測定するための「能力検査」と、短時間の面接では把握することが難しい、人となりや持ち味を理解するための「性格検査」に分かれます。
SPIの受検方法は、以下の4つがあります。どの方法で受検するのかは応募先企業によって異なります。
SPIの「能力検査」には、「言語分野」と「非言語分野」の2種類の問題があります。
「言語分野」では、言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できるかどうかを問う問題が出題されます。
対する「非言語分野」は、数的な処理ができるか、論理的思考力があるかどうかを測る問題が出題されます。
実際に、SPIの言語分野ではどんな問題が出題されるのでしょうか。下記に例題を紹介します。
●問題例1 語彙(ごい)
下線部のことばの意味を考え、意味が最もよく合致するものを1つ選びなさい
火を消すこと
A. 火事
B. 火気
C. 消火
D. 発火
E. 放火
答え:C
実際のパソコン画面上では以下のように表示されます。
●問題例2 文章理解
つぎの文を読んで各問いに答えなさい
豊かな森林土壌は、小動物や微生物によって粉砕され分解された枯葉や枯枝が堆(タイ)積しており、隙間が多くスポンジ状である。このスポンジ状の土壌は、一時的に雨水をその中にため込むことができる。雨が降ると、土壌表面の枯葉・枯枝が上から落ちてくる雨の勢いを止めるクッションの役割を果たし、水はどんどん土壌に吸収されてゆく。雨がやむと、森林土壌は吸収した水をゆっくりと放出し、その水はやがて河川に供給される。森林がしばしば「緑のダム」と呼ばれるのは、雨水を一時的に貯える機能が、河川の流量の平準化に役立っているからである。
樹木が水を消費するので、流域に森林があると利用できる水資源が少なくなる、と考える人もいるだろう。確かに、森林が失われると河川の総流量自体は増加する。しかし、大雨のときには洪水になりやすく、雨が降らなければ渇水になりやすく、安定的に水を利用していくことが困難になるのである。
(1)森林が多量の雨水をためることができるのはなぜか。
A. 森林には小動物や微生物が多いから
B. 森林土壌がスポンジ状であるから
C. 森林の樹木が水を消費するから
D. 森林から雨水が徐々に河川に流れるから
(2)森林が失われるとどうなるか。
A. 河川の総流量が減少する
B. 大洪水がおこりにくくなる
C. 渇水になりにくくなる
D. 安定的な水利用が困難になる
答え:(1)B (2)D
SPIの能力検査は、暗記量や記憶力を試すものではありません。学力テストで測るような表面的な属性ではなく、
など、思考のプロセスを見るテストになっています。
このため、例えば「言語分野」のために短期集中で漢字や熟語の直前対策をしたからといって、得点結果に結びつくとは言い難いのです。
書店には数多くのSPI対策本が並んでいますが、いずれも公式のものではありません。開発元のリクルートマネジメントソリューションズが公認している本はありませんので、ご注意ください。また、短期で対策本をやっても、結果にほぼ違いはないことが、多くのデータをモニタリングして明らかになっています。
ただし、まったく初めてでは戸惑うこともあるでしょう。本番で自分の実力をきちんと出せるように、受検までに以下のことを心がけておくとよいでしょう。
能力検査で出題される「言語分野」の問題は、問題自体は難しくなくても、語順の並べ替え、空欄を補充する穴埋め問題、長文問題など形式も多様なため、回答の仕方に戸惑ったり、慌てたりすることがあるかもしれません。本番を迎える前に何らかの形で疑似体験をして問題を解く感覚を取り戻しておきましょう。
「言語分野」で問われる語彙力や読解力など知的能力を上げるためには、日ごろから本や新聞を読んで多くの文章に触れることが有効です。新聞の社説や新書など、1つのテーマを掘り下げて論理的に展開する長い文章にも慣れておきましょう。
直前の準備はあまり意味がないと前述しましたが、よくある疑問や、知っておきたい傾向などについて紹介します。
合格の基準は企業によってさまざまなので、一概に言うことはできません。ただ、すべての問題を正解しなければ合格ラインに到達しないというわけではありません。解ける問題をしっかり正解できるように落ち着いて回答しましょう。
テストセンター受検や自宅パソコンでのWebテストで出題される問題は、「問題ごとの制限時間」と「全体の制限時間」が設けられています。「問題ごとの制限時間」がくると、自動的に次の問題に進みます。時間内に解けない問題があっても、気持ちを切り替えて次の問題に集中しましょう。「全体の制限時間」内に出題される問題数は、それまでの回答状況次第で人によって異なります。焦ってすべて解こうとせず、解けるものを着実に回答しましょう。
マークシート用紙に記入するペーパー受検でもパソコン受検でも、結果に差はありません。また、テストは繰り返し受検しても得点に違いはほとんど見られません。SPI受検を求められる企業であれば、テスト結果を流用することが可能ですので、何度も受検するより、貴重な就活時間を有効に使ってください。
テストセンターやWebテスティングの際に出題されることがあります。ただ、「言語分野」には長文以外にも「語彙」「語順の並べ替え」などさまざまな形式があり、形式ごとに幅広いレベルの問題が用意されています。その中から受検者の回答状況に応じて問題が出題される仕組みになっているため、必ず出題されるとは限りません。
また、「長文問題が出たから合格ラインに達している」といったものでもありません。
日ごろからさまざまな分野・テーマの文章を読んでおきましょう。長文問題で問われているのは、長い文章を読んで内容を理解し、要旨をつかむ力などです。回答するために必要な情報はすべて本文中に書かれているため、前提知識などは求められません。
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