大学1年生向けのインターンシップはある?参加できるプログラム内容やメリット、選び方のポイントを解説

大学1年生の時点では、インターンシップではなく、オープン・カンパニーやキャリア教育といったプログラムに参加することができます。そこで実施されているプログラム内容をはじめ、大学1年生から活用するメリットや探し方のポイント、参加すると効果的なパターン例などをご紹介。就職や採用の実態に関する調査・分析などを手がける「就職みらい研究所」所長の栗田貴祥さんが解説します。

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大学1年生が参加できるのは「オープン・カンパニー」と「キャリア教育」の2つ

学生向けの就活準備関連のイベントやセミナーとして、企業説明会や職場見学など、大学1年生も参加できる幅広いプログラムが開催されています。そしてこれらをまとめた総称は、一般的に「キャリア形成支援プログラム」と呼ばれています。

そのうち就業体験が必ず含まれるインターンシップは、大学3年生・4年生や大学院生が参加できます。なお大学1年生の低学年も含めて参加できるのは、オープン・カンパニーやキャリア教育と呼ばれるプログラム。オープン・カンパニーやキャリア教育では、インターンシップと似たように就業体験ができるプログラムも一部ありますが、多くは業界・企業に関する説明会やセミナーなどが一般的です。なおオープン・カンパニーとキャリア教育は、それぞれで次のようなプログラムが実施されます。

オープン・カンパニー

オープン・カンパニーでは、主に各企業や業界に関する、情報発信を目的とした説明会やイベントが実施されます。さまざまな企業や就職情報会社が主催となり、各業界や職種に対する理解を深めるプログラムを行うのが一般的です。単日・短時間やオンラインで開催されることが多く、気軽に参加しやすいため、幅広いプログラムを経験しやすい特徴があります。

オープン・カンパニーとは?実施内容や特徴、インターンシップとの違いを紹介

キャリア教育

キャリア教育では、働くことへの理解を深めるための教育プログラムとして、より良い将来設計に向けたキャリアデザインなどの講座やセミナーが行われます。一般的には大学と企業が連携し、学校の授業の中で、学生の就職先選びなどをサポートする目的で実施されます。また各企業単独で、社会貢献活動の一環として、社会人の心構えやビジネスの基本などを学べるプログラムを提供している場合もあります。

リクナビでは、さまざまな「オープン・カンパニー&キャリア教育等」のプログラムをみることができます。気になるプログラムがあるか見てみましょう。

 

オフィスのデスクで笑顔を見せている学生のイメージ

大学1年生からキャリア形成支援プログラムに参加するメリット

では、大学1年生からキャリア形成支援プログラムに参加しておくと、具体的にはどのようなメリットが得られるのか見ていきましょう。

さまざまな業界や仕事について知ることができる

大学1年生の段階であれば、本格的な就活までにはまだまだ時間があります。そのため就活本番までに、数多くのキャリア形成支援プログラムに参加しやすく、幅広い内容のものを経験できるのは大きなメリットです。

ちなみにオープン・カンパニーは、短時間やオンラインのプログラムが多く、気軽に参加しやすいのも特徴。予定の空く隙間の時間を使って、興味のあるプログラムにどんどん参加して知識を増やしていくことも可能です。

またキャリア教育は、大学の講義として実施されることが多く、学業の中で参加できる利点があります。プログラムによって必修か選択制か異なりますが、就活に役立つ知識を習得すると同時に、単位取得につながるものもあります。プログラムの内容もさまざまですが、例えば同じ職種でも各企業でどう働き方が違うのか、複数社を回りながら職業見学・体験をして比較できるケースも。特に大学の授業の一環で行われるキャリア教育は、いろいろと忙しい学生生活の中で、より効率的に就活へ向けた知識を深められます。

自分にとっての適性の感覚がつかみやすくなる

キャリア形成支援プログラムを活用して、幅広い業界や職種について調べることで、どのような選択肢があるのか知ることができます。そうした中で、自分の得意分野が生かせそうな仕事や、希望する働き方ができそうな業界・企業が見つかることも。各プログラムを通じて、どの仕事が合っていそうなのか、自分の適性の見当がつきやすくなります。反対に、自分の認識として「この業界や職種は合わなさそう」と感じていても、調べてみると実は自分に向いている仕事だと気がつく可能性もあります。今までには見えてこなかったポテンシャルを発見できるチャンスにもつながります。

新たな人脈ができる可能性がある

オープン・カンパニーやキャリア教育は、採用に直結するものではありませんが、各企業の担当者と接するいい機会にはなります。企業側として、オープン・カンパニーやキャリア教育における学生の情報は、採用活動に活用できないとされていますが、プログラムの中で、何か印象に残ることがあれば、名前や顔を覚えてもらえる可能性もあります。またオープン・カンパニーやキャリア教育に参加することで、自分と同じように、大学1年生から就活を意識している仲間ができることも。各プログラムを通じて、いろいろな人に出会う機会がつくれるのもメリットの一つです。

大学1年生からオープン・カンパニーやキャリア教育に参加する際の注意点

キャリア形成支援プログラムに参加する場合には、次のような部分にも注意しながら、今後の就活準備につながるように備えておきましょう。

各プログラムに参加するための時間を確保する必要がある

特にオープン・カンパニーは、自分で希望のプログラムを選んで、日程を調整して参加することになります。そのため学生生活とは別に、各プログラムに参加するためのスケジュールを確保する必要があります。さらにキャリア形成支援プログラムに時間を割き過ぎると、学業や課外活動などとの両立が難しくなり、大きな負担になってしまうケースも。例えば就活準備の予定を詰め過ぎて、授業やアルバイトを休んだり部活の練習ができなかったりなど、学業や課外活動がおろそかになるのは本末転倒です。まだ就活が始まる前のうちは、貴重な学生時代だからこそ取り組めることに、全力で励んで学生生活を充実させるのを優先しましょう。

とはいえ将来の働くイメージを少しでも持っておくと、学生生活で何を学んだり経験したりすべきなのか、今やるべきことの意識はしやすくなります。講義・サークル活動・部活動・アルバイト・課題など、学生生活の中でやりたいこと・やるべきことのバランスを考えた上で、キャリア形成支援プログラムも活用していくのがベストです。普段の学生生活を中心の軸にしつつ、手の空くタイミングを見計らって、自分の将来を考える時間もつくってみるのが良いでしょう。

最低限のマナーを意識する

例えば遅刻や無断欠席など、基本的なマナーに違反する行動をしてしまうと、マイナスな印象になってしまう可能性もあります。しっかりと時間や労力をかけて、就活に役立つ機会を提供してもらうからこそ、きちんと感謝の気持ちを忘れないことも大切。あいさつやお礼の言葉など、最低限のマナーは意識しておくようにしましょう。また企業の担当者などと接することを考えるなら、あらかじめ言葉遣いや礼儀作法など、ある程度のビジネスマナーは知っておいた方が無難です。事前に書籍やインターネットで調べておくと安心でしょう。

企業都合のプログラムに参加してしまう可能性がある

例えばSNSで探した場合、中には公開されている情報とは異なる内容が実施される、悪質なプログラムが出てくることも。就業体験と称しつつも業務繁忙に伴う作業要員だったり、無報酬でほぼ社員と同等の仕事が与えられたりするケースも少なからずあります。特にプログラム内容や企業情報が詳細ではなく、あいまいになっている際には注意が必要です。

こうした悪質なプログラムを避けるには、就活用の口コミサイトなどで評判を確認したり、SNSで過去に同じような事態に遭遇している人がいないか調べてみたりするのがベターです。

大学1年生からキャリア形成支援プログラムに参加した方がいい? 

各プログラムに参加するかどうかは、当然ながら本人の判断で自由に決められます。ただキャリア教育に限っては大学の必修科目になっているケースも見られますが、そのほかは基本的に必須ではありません。また大学1年生の時点では、学生生活に不慣れだったり必修科目が多かったり、なかなか余裕がないことも。キャリア形成支援プログラムは、無理に参加するものではないため、自分の状況を見ながらどう活用するのか検討してみましょう。

もちろん昔から興味があって、調べてみたい業界や企業があるなら、積極的に参加するのがオススメ。もしくは余力があるなら、多少でも、キャリア形成支援プログラムに割く時間をつくるのがベターです。大学1年生のうちから、ぼんやりでも自分の将来像が意識できると、学生生活との向き合い方も変わってきます。「こんな仕事がしてみたいから、今はこういうことを学んだり経験したりしよう」というように、現時点で取り組むべき方向性もわかりやすくなるためです。将来につながるような充実した学生生活を過ごすためにも、キャリア形成支援プログラムを通じて、少しでも働くイメージを持っておくと良いでしょう。

大学1年生から参加できるキャリア形成支援プログラムを探す方法

大学1年生から参加できる、オープン・カンパニーやキャリア教育を調べる方法として、代表的なのは次のような4つのパターンです。

  • インターネット(就職情報サイトなど)
  • 大学のキャリアセンター
  • 知人や友人
  • 各企業のホームページ

ちなみにインターネットでの検索方法として、リクナビから探すことも可能。大学1年生から参加できる、各種キャリア形成支援プログラムを探したいときには、ぜひチェックしてみてください。

大学1年生から有意義にキャリア形成支援プログラムへ参加するためのポイント

より有意義にキャリア形成支援プログラムを活用して、今後の就活に役立てるためには、次のようなポイントを意識しておきましょう。

何を知りたいのかイメージしながら参加する

ただ参加するだけでは、時間がたつうちに内容を忘れてしまい、結局は情報収集につながらないことも。キャリア形成支援プログラムを有効活用するには、まずはどのような目的で参加するのか頭で整理しておき、メモや感想などを記録していくのが良いでしょう。例えば、業界や職種を知りたいならその仕事で魅力に感じたことや気になったこと、各企業に関して調べたいなら担当者の様子や社風など。キャリア形成支援プログラムを通じて何を得たいか次第で、注目すべきポイントも変わってきます。やみくもに参加する前に、なぜそのキャリア形成支援プログラムを選んだのか、自分の中で目的を明確にしておくことも大切です。

プログラム内容を十分に確認した上で参加する

キャリア形成支援プログラムとうたいつつも、人員確保などの不当な目的で参加者を集めているケースもあります。人件費削減のために、報酬を支払わずに労働を強制するような例もあるので、何か不審な点が見られるときには避けた方が無難。なるべく信頼性の高い就職情報サイトや、大学で紹介しているプログラムに参加するのが安心でしょう。

またキャリア形成支援プログラムの中でも、特にキャリア教育は、大学の講義として受講できる場合があります。参加することで単位が取れることもあるので、こうしたキャリア教育のプログラムを活用して、履修と同時に就活に向けた準備を進めるのもいい方法です。自分の状況に応じて、どのようなタイプのキャリア形成支援プログラムが適していそうなのか、あらかじめ実施内容も十分に確認して参加するものを選んでいくと効率的です。

こんな人は大学1年生からキャリア形成支援プログラムに参加するのがオススメ

就活までに時間がある大学1年生のうちは、数多くのプログラムに参加して、知っていることを増やせるいいタイミングです。もし何か興味を持てるプログラムがありそうなら、どんどん積極的に参加してみるのがオススメ。特に以下のような場合には、大学1年生のうちからキャリア形成支援プログラムに参加しておくと、就活の準備を進めやすくなります。もちろん次のようなパターンに当てはまらなくても、就活準備に向けた余力や意欲がありそうなら、前向きに各種プログラムを活用していきましょう。

やりたいことが決まっていない

学生のようにまだ社会に出ていない段階では、そもそもどのような選択肢があるのか、把握できていない場合も珍しくありません。そこでさまざまなプログラムに参加して、数多くの業界や企業について知るうちに、やりたいことが見えてくることもあります。積極的に視野を広げていくと、「こんな仕事があったんだ」というように、新たな発見や気づきが得られることも。新しい選択肢を発掘すればするほど、「これなら自分にも合っていそう、やってみたい」と思える仕事が見つかる可能性は高くなります。キャリア形成支援プログラムを通じて、自分の将来像が見えやすくなる効果が見込めます。

社会人になるイメージをつくっておきたい

例えば「アルバイトをする予定がない」などの場合、社会人と接する機会が少なく、自分の働く姿が想像できないこともあるでしょう。社会人になる心構えができずに、なんとなく不安を感じているときには、さまざまなプログラムに参加してビジネスのイメージをつくっておくのもオススメ。キャリア形成支援プログラムを通じて、幅広い業界や企業に対する知見を深めることで、社会に出るための心の準備もしやすくなります。また企業の担当者など、現役の社会人と接する機会にもでき、仕事をする様子も思い浮かべやすくなるでしょう。

なるべく多くの情報を集めて志望先を決めたい

大学1年生のうちなら、本格的な就活まで期間に余裕があり、より多くのキャリア形成支援プログラムに参加できます。こうして時間をかけて情報収集ができるため、幅広い選択肢を見つけることができ、比較検討して志望先を決めることが可能。希望の業界や企業の候補をいくつか挙げておき、それぞれのメリット・デメリットやどのような部分に魅力を感じるのかなど比べてみることで、より最適な志望先を見極めることにつながります。また自分のやってみたいと思えることがたくさんあるなら、時間がつくりやすいうちに網羅的に調べてみて、志望先を絞っていくのもいい方法でしょう。

【まとめ】大学1年生からキャリア形成支援プログラムに参加するのも就活準備の一つの方法

大学1年生の段階では、これから社会に出て働くイメージがなかなか湧きにくい時期でもあり、就活はまだまだ先のように感じるかもしれません。もちろん就活のためだけに、学生生活を送るのは本末転倒ですが、早いうちから社会に出てからの将来を想像しておくこと自体は重要。少しでも社会人としての理想像を思い浮かべておくだけで、今後に役立つ経験を積もうとする姿勢につながり、学生生活も充実していくでしょう。何をしているときが楽しいのか、どんな瞬間に手応えを感じるのか見つけ出しながら、多少でも自分なりの人生設計を考える時間があると、より有意義な学生生活にできます。そして、こうした未来に対する意識を高めるのに活用できるのが、今回ご紹介したキャリア形成支援プログラムです。キャリア形成支援プログラムでは、実際に社会人としてどのような選択肢があるのか知り、視野を大きく広げることが可能。就活の方向性や軸を決めるための準備として、ぜひ活用してみましょう。

 

監修:リクルート 就職みらい研究所所長 栗田貴祥

記事作成日:2025年2月10日

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