本格的な就活はまだ先になりますが、大学2年生も企業や業界、仕事について理解を深めることができる「オープン・カンパニー」「キャリア教育」といったプログラムに参加することができます。こうした各種プログラムに大学2年生から参加するメリットをはじめ、注意したいポイントや申込先の探し方、今後に生かすためのコツなどを解説します。
目次
インターンシップをはじめ、大学生向けの就職関連のイベントやセミナーとしてはさまざまなプログラムが実施されており、すべてを総称して「キャリア形成支援プログラム」と呼びます。
「キャリア形成支援プログラム」は、内容や対象学年などに応じて4タイプに分かれており、そのうちの一つにインターンシップがあります。ちなみにインターンシップに参加できるのは、大学3年生以上。大学2年生などの低学年も含めて参加できるのは、「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」と呼ばれるものです。
「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」では、インターンシップと同様に、就業体験などができるプログラムが実施される場合もあります。そのため参加内容によっては、大学2年生からインターンシップに近い経験ができる可能性も。ただ厳密には、大学2年生から参加できる「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」は、インターンシップとは別物なので注意が必要です。
「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」では、どのようなプログラムが行われるのか以下で解説します。
オープン・カンパニーでは、主に企業や就職情報会社などによる、各社や業界に関する情報を発信する説明会やイベントが行われます。一般的には、社会にはどんな企業があり、どういった仕事ができるのか、学生に知ってもらうことを目的に開催されます。基本的には単日やオンラインの短時間で参加できるプログラムが多いですが、中には長期のものや就業体験ができるケースもあります。
オープン・カンパニーでは、幅広い企業や業界について、多分野にわたって知見を広げやすいのが特徴。例えば自分の強みが生かせる分野や、興味のある職種への適性などを知るキッカケにできるプログラムでもあります。
キャリア教育は、主に授業の一環として、大学と企業が連携して実施するプログラムです。一般的には、さまざまな分野の職業理解や就職先選びに向けたキャリアデザインなど、社会に出るための基礎知識を学ぶ講座が行われます。セミナー形式やグループワークなど内容は幅広く、中には一定期間の就業体験をするケースも。またキャリア教育が必修科目になっていたり、自ら希望して受講したり、大学によって参加方法も異なります。なおキャリア教育は大学の講義として受けられるため、学生生活と両立しながら参加しやすいのも特徴です。
またキャリア教育の中には、大学主導ではなく、各企業の社会貢献活動として開催されるプログラムもあります。
では実際に大学2年生の段階で、オープン・カンパニーやキャリア教育に参加することで、どのようなことが期待できるのか解説します。
早くから就活に役立つ情報収集をしておけば、企業の採用選考への応募が始まる前に時間をかけて企業研究や自己分析ができるなど、余裕を持って準備しやすくなるのがメリット。例えばオープン・カンパニーを通じて自分の適性を知り、大学3年生になったらインターンシップに参加して、志望する仕事と自分との相性を確かめることも可能です。より適した就職先の見極めがしやすくなる利点があります。
各プログラムに参加する過程で、志望したい企業が見つかる可能性もあります。各企業主催のプログラムでは、その企業の社風などを実感できるのもメリット。オープン・カンパニーやキャリア教育を通じて、さまざまな企業と接する機会をつくり、各社を比較検討するのもよいでしょう。
早い時期から動き出すことで、より多くの就活関連イベントに参加でき、さまざまなプログラムを経験して幅広い業界や企業の知識を得ることも可能。多数の業界や企業の情報を集めることで、個々を比較しながら自分の適性などを判断できたり、それぞれの動向などを分析したりするのにも役立つでしょう。
プログラムへの参加により、自分と同じ時期に就活の準備をする仲間や、各企業の社員の方と知り合う機会にもできます。例えば同学年の新たな学生仲間ができれば、就活関連の情報交換をしたり、就職に向けた悩みを相談したりも可能。新しく人脈を広げるキッカケにできるのもメリットです。
例えば各プログラムを通じて企業で働く人たちを見たり、コミュニケーションを取ったりすることで、社会人として働くイメージも湧きやすくなります。少しでも社会に出る感覚が持てれば、どのようなキャリアパスを歩みたいのか、理想の将来像を描きやすくなるのもメリットです。
例えば実際の業務体験などをする中で、必要なビジネススキルを実感しやすくなるのも利点です。どのような能力が求められるのか知っておくだけでも、ビジネスに向けた心構えはしやすくなるでしょう。学生時代からのギャップ感も少なく、よりスムーズに社会人生活を始めるための予備知識として役立ちます。
大学2年生からオープン・カンパニーやキャリア教育に参加する際には、次のポイントにも注意しておきましょう。
参加するプログラムが多くなりすぎると、勉強やサークルなどに使える時間は少なくなります。就活を意識した活動に偏りすぎても、学業との両立がうまくできずに、例えば単位を落とすなど本末転倒な事態になる可能性もあるので注意が必要です。
例えば課題やレポートなど、各期限までの時間管理を意識しておきましょう。また無理な日程でオープン・カンパニーなどの予定を入れすぎても、大きな負担になりかねないため、余裕のあるスケジュールを組む方が無難。授業はもちろん、部活・留学・アルバイトなど、学生としての本分との優先順位やバランス感も考えながら計画を立てましょう。
ただ漠然と各プログラムに参加してしまうと、結果的に自分なりの収穫が実感できない可能性もあります。終了後に振り返って何か得られたものがないと感じてしまったら、結局は「時間の無駄だったのでは?」と思えてしまう場合も。有意義な時間にするためには、自分自身の姿勢や心構えも重要です。
確かな目的を持って参加することで、自分に必要な情報や知識などを得ようと意識でき、より多くの学びや気づきを発見しやすくなります。また事前に、キャリア形成支援プログラムに参加したい目的を明確にできれば、より自分に適した内容を選びやすくなります。そもそも今なぜキャリア形成支援プログラムに参加したいのか、少しでもイメージしておくとよいでしょう。
学生気分のまま参加してしまうと、ビジネスの場にふさわしくない言葉遣いや態度が出てしまうことも。気づかないうちに、相手からの印象を悪くしてしまう場合もあるため注意が必要です。
インターネットや書籍などで、基本的なビジネスマナーは知っておくとよいでしょう。相手に失礼のない敬語や所作などは、今後の就活にも役立つため、自分なりに調べて覚えておきましょう。
大学2年生から参加できるプログラムを探すには、大きく分けて次の4つの方法が考えられます。
なおインターネットで検索する方法として、リクナビから探すことも可能。さまざまなキャリア形成支援プログラムを取り扱っているので、ぜひ活用してみてください。
大学2年生から各プログラムに参加して、今後の就活に役立てるためのコツも見ていきましょう。
特にオープン・カンパニーは単日開催のプログラムが多く、さまざまな内容のものに参加できます。やりたいことが明確でなくても、いろいろなプログラムを通じて、自分の志望する方向性が見えてくることも。多くの企業や業界を知ることで、例えば自分の得意・不得意が明確になる、興味を持てる仕事が見つかるなどの可能性も高まります。幅広い業界・職種・企業のプログラムを経験して、どの分野でどんな働き方ができそうなのか比較検討してみましょう。
リクナビでは、開催期間のほかに開催場所、業種などを選んでオープン・カンパニーを探すことができます。
各プログラムの参加後には、その振り返りをすることも大事。参加した感想や、今まで知らなかった新たな学びなど、自分なりにまとめておくと今後の就活にも役立ちます。各プログラムを通じて、自分のやってみたいことや強みなどを知り、より深い自己分析につなげていきましょう。就活に向けてさまざまな経験をすると同時に、自分の理想的な社会人像の解像度を上げることで、より最適な志望先も見つかりやすくなります。
より詳しい情報を集めるのもキャリア形成支援プログラムの一つの目的ですが、多少でも予備知識があると、内容が飲み込みやすく理解度も高まります。また各業界や企業について少しでも知っておくと、自分に適した分野を見極めやすくなり、参加したいプログラムを今後選ぶ際の参考にもなるでしょう。
オープン・カンパニーやキャリア教育などのキャリア形成支援プログラムは、これからの就活をスムーズに進めるための事前準備に活用できます。キャリア形成支援プログラムを通じて、自分が社会人になったときの働くイメージができれば、学生生活の過ごし方を考える際に役立つでしょう。ただ、大学生として学業やサークル活動をおろそかにしないことが大切。その上で、オープン・カンパニーやキャリア教育を有効活用し、本格的な就活に備えておきましょう。
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