インターンシップ中は、自己紹介を行う機会が意外に多いものです。周りに自分を覚えてもらい、インターンシップの機会を充実したものにするためにも、自己紹介は重要です。どのように自己紹介すれば好印象を持たれやすいか、人材研究所の曽和利光さんに教えてもらいました。具体的な例文もご紹介します。
この記事で紹介する「インターンシップ」は、リクナビ2026の名称に基づいた、就業体験のある5日以上のプログラムのことを指します。
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目次
ビジネスにおいては、社内やクライアント、取引先などさまざまな立場の人とかかわるため、自己紹介する機会が多くあります。「職業体験の場」であるインターンシップにおいても、企業のインターンシップ担当者や参加者、場合によっては取引先などたくさんの人とかかわります。その際の自己紹介は、第一印象を左右するため非常に重要。好印象を与えることができれば、その後のコミュニケーションが円滑になり、インターンシップで得るものがより大きくなるでしょう。
なお、文部科学省・厚生労働省・経済産業省による「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」の改定により、企業はインターンシップで取得した評価を含む学生の情報を卒業・修了前年次の3月1日以降は広報活動に、卒業・修了年次の6月1日以降は選考活動に生かしてもよいとなりました(※)。
※卒業・修了前年次とは、大学3年生、大学院1年生、短大1年生など。卒業年次とは、大学4年生、大学院2年生、短大2年生などを指します。
したがって、インターンシップの場でリーダーシップを発揮したり、何らかの成果を上げることができたりすれば、本選考にもプラスの影響を及ぼす可能性があります。初めの自己紹介で好印象を与え、かつその後のインターンシップでも活躍できれば、企業の記憶にも残りやすくなるでしょう。
インターンシップでは自己紹介を行う機会が意外に多いものです。例えば、以下のようなタイミングが挙げられます。各タイミングでの自己紹介のポイントをご紹介します。
インターンシップに参加する前に、人事などインターンシップの担当社員と顔合わせするケースがあります。ここでの自己紹介を参考に、インターンシップのグループ分けが行われたり、メンターとしてつく社員が決められたりします。
多くの企業では、インターンシップ初日に社員や参加学生など全員の前で自己紹介を行う機会を設けています。インターンシップを通してかかわることになる人たちに、自分を覚えてもらうことで、インターンシップをよりスムーズに進められるようになります。自己紹介の内容をきっかけに、周りから声を掛けられたりする機会も増えるでしょう。
例えばチームに分かれてグループワークを行う際や、インターンシップ担当者以外の社員などに会ったときにも自己紹介は必要です。特にグループワークでは、自己紹介を通して互いの強みや人物タイプを理解できれば、より効果的な役割分担ができるでしょう。相互理解ができていれば、認識の違いなどで生じるコミュニケーションロスも起こりにくくなり、アウトプットのレベルも高まるはずです。
インターンシップにおける自己紹介の、基本の型をご紹介します。以下の構成要素に沿って自己紹介を組み立てると、自身の人物タイプや強み、持ち味などが伝わりやすくなります。
まずは「初めまして」の言葉と名前、学校名などを簡潔に伝えましょう。自己紹介の冒頭であり第一印象にもつながるので、笑顔を心がけるといいでしょう。
学校生活やプライベート情報など、自分を示す簡単なエピソードで人となりを伝えましょう。勉強やゼミの内容、アルバイトや趣味などもいいでしょう。自分らしさを伝えることで、印象に残りやすくなりますし、コミュニケーションの潤滑油にもなります。
どういう目的で参加したのか、インターンシップを通して何を得たいと思っているのかなどを明確に伝えましょう。何となく参加したのではなく、目的を持って意識高く臨んでいることを示せば、企業に与える印象も良くなるでしょう。
「お世話になりますがよろしくお願いいたします」や「ご指導のほどお願いいたします」など、担当してくれる社員や、共に参加する学生たちに対する言葉を伝え、軽くお辞儀をして締めましょう。
インターンシップの自己紹介では、以下のような点に留意しましょう。
たまに面接の自己PRのように「私の強みは○○です!」などと語り出す人がいますが、目的が異なります。
インターンシップでの自己紹介は、これからお世話になる社員や共に活動する学生に対し、「自分という人はどういう人か」という事実情報を伝える場です。それによって、周囲の人はあなたの「人となり」がわかり、インターンシップをスムーズに進められるようになります。
自分をアピールしたくて長々と話す人がいますが、ほかの参加者の自己紹介もあるので、時間配分には注意を。1分ぐらいを目安として、簡潔にわかりやすく伝えることを心がけましょう。初めに「〇分(〇秒)ぐらいでお願いします」や「簡単にお願いします」などと言われたら、それを目安に行いましょう。
そして、当たり前のことですが、ほかの学生の自己紹介もしっかり聞くこと。今後のコミュニケーションの材料になります。
学生時代は、「初対面の人に自分をわかってもらうために自己紹介する」という機会はそう多くないと思います。大勢の人を前に緊張してしまうかもしれませんが、できれば笑顔で、聞き手が聞き取りやすいようハキハキ伝えることを意識しましょう。緊張すると早口になりがちなので速度にも注意。何度か事前に練習しておくとリラックスできると思います。
近年はオンラインでのインターンシップも増えています。対面で実施するインターンシップであっても、最初の顔合わせだけはオンラインで行うところもあります。
オンラインの注意点は、意図せず表情が乏しくなるところ。対面とは異なり、表情や声のトーンなどで相手を理解する「非言語コミュニケーション」が取りづらいので、つい仏頂面になったり、声のトーンが落ちてしまったり、身振り手振りが極端に減ったりしてしまいます。オンラインでは対面のときよりも「笑顔でハキハキ話す」「ほかの人の自己紹介を聞くときもうなずくなど聞く姿勢を取る」ことを心がけましょう。
インターンシップでの自己紹介例文を、所要時間と参加企業別にいくつかご紹介します。「簡単に」「ひと言程度で」と言われたら、15秒か30秒バージョンを参考にしてみてください。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□と申します。自動車のエンジン設計の仕事について理解を深めたいと思い、このインターンシップに参加しました。どうぞよろしくお願いいたします。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□と申します。機械工学を専攻していて、日々研究に没頭しています。学業のほかは、週末に居酒屋のキッチンでアルバイトをしています。
自動車業界、特にエンジン設計の仕事に興味を持っているので、このインターンシップを通して業界や仕事内容についての理解を深めたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□と申します。大学では機械工学を専攻していて、現在は共存型ロボットシステムの研究に日々没頭しています。学業のほかは、週末に居酒屋のキッチンでアルバイトをしているのですが、和洋中なんでも提供しているお店なのでかなり料理の腕が鍛えられました。
卒業後は自動車業界で働きたいと考えていて、中でもエンジン設計に興味を持っています。このインターンシップではエンジン設計の仕事を見学したり体験したりできるとのことで、とても楽しみにしています。モノづくりの現場を体験することで、業界や仕事内容についての理解を深めたいと思っています。これから2日間お世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□と申します。英米文学を専攻していて、英語を得意としています。海外にかかわる仕事に興味があり、このインターンシップに参加しました。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□と申します。英米文学を専攻していて、現在はアメリカ文学史を研究しています。高校時代に1年間ロサンゼルスに留学していたこともあり英語は得意で、日常会話程度なら話すことができます。
海外にかかわる仕事に興味があり、海外で積極的に事業展開している御社を深く知りたいと考え今回のインターンシップに参加しました。海外事業部の方にも話をうかがえると聞き、とても楽しみにしています。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□と申します。英米文学を専攻していて、現在はアメリカ文学史を研究しています。高校時代に1年間ロサンゼルスに留学していたこともあり英語は得意で、日常会話程度なら話すことができるため、現在は浅草で訪日外国人観光客向けの観光ガイドボランティアを行っています。
海外の人と多くかかわる仕事をしたいという思いがあり、できれば海外赴任も経験してみたいと思っています。○○社は、海外で積極的に事業展開していて若手社員の海外赴任の機会も多いと聞き、より深く知りたいと考え今回のインターンシップに参加しました。海外事業部で活躍している先輩社員の方々にも、仕事の話をうかがえるとのことで、とても楽しみにしています。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□です。法律学を専攻しています。
今回のインターンシップでは、みんなで協力し合いながらいいアウトプットを出したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□です。法律学を専攻していて民法のゼミに所属しています。趣味はゲームで、オンラインの格闘ゲームに没頭することが気分転換になっています。
今回のインターンシップは、新しいサービスを考えるグループワークがメインとうかがっています。メンバーみんなで協力し合いながら、いいアウトプットを出したいと考えています。これから3日間お世話になりますが、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□です。法律学を専攻していて民法のゼミに所属し、裁判事例を基に討論をしています。学校では法律漬けの毎日ですが、趣味のゲームで息抜きをしています。現在はオンライン格闘ゲーム「○○」にはまっていて、いい気分転換になっています。
今回のインターンシップは、SDGsに対応した新しいサービスを考えるグループワークがメインとうかがっています。メンバーみんなで協力し合いながら意見を出し合い、いいアウトプットを生み出せたらと考えています。これから3日間お世話になりますが、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□です。体育会の野球部に所属しています。人材業界の営業に興味を持っているので、今日の職業体験で仕事理解を深めたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□です。体育会の野球部に所属していて、○○大会での優勝を目指して毎日練習に明け暮れています。
人材業界の営業職に興味を持っているので、実際に営業の仕事を体験できる点に引かれて今回のインターンシップに参加しました。積極的に業務に取り組み、理解を深められたらと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
初めまして。○○大学△△学部〇年生の○○□□です。体育会の野球部に所属していて、ポジションはセンターです。ゼミでは「○○」を学んでいますが、勉強の傍ら○○大会での優勝を目指して毎日練習に明け暮れています。
野球部の先輩が多数人材業界で活躍していることから、人材業界の営業職に興味を持っています。今回のインターンシップでは、実際に取引先に出向くなどリアルな営業の仕事を体験できると聞き、とても楽しみにしています。一生懸命業務に取り組み、業界や職種に関する理解をより深めたいと考えています。ご指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。
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