インターンシップの選考(エントリーシート・面接など)で、聞かれることもある志望動機。どのように伝え方を考えたらいいのか、気になる人もいるのではないでしょうか。企業の人事担当者へのアンケートによるコメントも交え、志望動機の考え方や伝え方のポイントを紹介します。
リクナビでは、さまざまな「インターンシップ」「オープン・カンパニー&キャリア教育等」のプログラムを見ることができます。気になるプログラムがあるか見てみましょう。
企業は、志望動機を通じて何を知ろうとしている?
志望動機を考える上でヒントとなるのは、企業が何を知ろうとしているかを把握すること。
インターンシップ等(※)の選考に携わったことがある人事担当者300人に、「インターンシップ等の面接を通じて、学生のどんなことを知りたいですか?」と尋ねたところ、76.8%が「志望動機」と回答。さらに、「インターンシップ等の選考での志望動機を通じて知りたいことを教えてください」と尋ねたところ、企業の回答はおおよそ以下の2つに分かれました。
※「インターンシップ等」とは、インターンシップをはじめとした、オープン・カンパニーやキャリア教育を含むキャリア形成支援プログラムを指します
1. 貢献意欲・入社意欲が高いか
1つ目は志望動機を通して、企業への貢献意欲と入社意欲を知りたいという回答。
- どんな理由で志望して、企業にどう貢献したいのかを知りたい。また自社へ貢献意欲や上昇意欲を判断すると同時に、学生が本当にこの仕事を希望しているのかも確認している
- 弊社を希望する理由と、就職に対するビジョンとの関連性や一貫性を確認することで、合理的な志望動機なのか判断するため
- どこまで弊社のことを勉強して、志望動機につなげているか知りたい
- 志望動機が弊社の経営理念とマッチしていて、長期的な活躍ができそうか判断したい
自社に対する関心だけではなく、活躍のイメージの明確さや企業研究の度合いなど、実務に対する貢献意欲や入社意欲が高い人になるべく参加してほしいというのが企業の本音のようです。
2.企業の社風や仕事内容、プログラム内容とマッチするか
2つ目は、応募者の人柄や志向性が、企業の社風や仕事内容、実施プログラムと合うか知りたいという回答。
- 本人の考え方や志向性など、性格の部分を知るため
- 今後のやりたいことなどを明確にして有効活用したい
- 応募者の学びたいことやキャリアプランと、弊社のプログラム内容が重なるのか知りたい
- 自発的な姿勢を見たい
- 企業になじめそうで、なおかつ今後の戦力になる可能性があるか判断したい
- どのようなことを成し遂げたい・やりたいと思っているのか知りたい
- 価値観や考え方がマッチしているか見るため
人事担当者は、応募者のパーソナリティーや志向を把握することで、社風やプログラム内容、実務とマッチするかどうかを見極めたい、と考えているのかもしれません。そうであれば、応募者は、エントリーシートや面接などを通して、いかに「自分とはどういう人間なのか」「何をやりたいと思っているのか」を伝えられるかがカギといえるでしょう。
志望動機として伝える内容は、どんなふうに考えたらいいの?志向の整理がポイントになる
企業担当者のアンケートから、企業側は志望動機を通じて「応募者の貢献意欲・入社意欲」や「人柄や志向性が、社風や仕事内容、実施プログラムと合うか」などを知りたいのだとわかりました。
それでは、どのようにして志望動機として伝える内容を考えたらいいのでしょうか。ポイントは、参加理由や自分が学びたいことから、さかのぼって考えることです。どのように考えるとよいのか、順番に紹介していきましょう。
1. なぜインターンシップに参加しようと思ったのか
まずは、きっかけを振り返りましょう。例えば、先輩や友達など、他人に勧められたとしても、何かやってみた方がいいな、と思った理由があるはずです。実際の企業に行ってみた方がいい、他大学の学生との接点を持ってみると刺激になる、仕事を考えるきっかけになる、などいろいろな理由があると思います。そこに正解はありませんから、まずは、自分がプログラムそのものに興味を持ったきっかけを振り返ってみましょう。
2. どんな基準でインターンシップを選んだのか
次に、プログラムを選んだときのことを考えてみましょう。これから選ぶ、という人の場合は、これからどうやって選ぼうと思っているかを考えてみてください。
例えばリクナビには、多くのインターンシップ&キャリア情報が掲載されています。そのすべてを見る人は少ないでしょうから、何かで絞ったり、気になる情報で選んだりしているはずです。検索条件を実施日数で検索した人は、短期のものに参加して「まずはどんなものかを参加して実感したい」「いくつかのプログラムに参加して業界の違いを感じたい」など、何か理由があるのではないでしょうか。
特に強く意識して選んだり絞ったりしていなくても、「数ある中でこのプログラムにたどりついたのはなぜなのか」を考えてみると、自分の志向が整理できると思います。
自己PRの書き方・伝え方については、以下を参考にしてみましょう↓
3. 今回のインターンシップに自分が期待すること
最後は、今回応募するプログラムに自分は何を期待しているのでしょうか。どんな体験ができる、どんな知識やスキルが身につく、どんな学びがある、と考えているのかを整理してみましょう。そのためには、今回のインターンシップの内容をしっかりと理解すること。情報をしっかりと読み込み、その上で参加した自分の姿をイメージしてみましょう。プログラム参加後に、どんな学びを得ていそうかを考え、書き出してみるのがオススメです。
上記のような3つの流れで、志望動機として伝える内容を考えてみましょう。インターンシップ等に参加しようと思ったきっかけ、そこからどのように選んでいったのか。そして最後は、今回のプログラムの中身を詳しく見て、期待することをまとめてみる。そうすれば、企業担当者が知りたい、「ほかのインターンシップ等ではなく、なぜ自社なのか」ということをしっかりと説明できるようになるでしょう。
志望動機をわかりやすく伝える方法
では、ここまで掘り下げてきた自分の志望動機を相手にわかりやすく伝えるためには、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
1. 質問の意図を的確に捉え、質問に対しての結論を伝える
「わかりやすい」の第1条件は、まずは質問に対して、端的に結論を伝えることです。そのために必要なのは、何を聞かれているのか、質問の意図をしっかりと把握すること。志望動機とひと口に言っても、質問の仕方は、「インターンシップ等に応募しようと思ったきっかけは?」「〇〇業界のインターンシップ等に応募した理由は?」「今回のインターンシップ等で得たいことは?」など、企業ごとに異なります。考え方のところで紹介した、「インターンシップ等の応募のきっかけ」「どんな基準で選んでいるか」「今回のインターンシップ等で期待していること」の3ステップで志向の整理をしていれば、聞かれている内容に対して、端的に答えることができるはず。質問の仕方に合わせて、「応募したきっかけは~です」「〇〇業界に応募した理由は~です」「インターンシップ等で得たいことは~です」と結論をまず答えるようにすることが、わかりやすく伝える上で大切なポイントです。
2. 全体構成は、「結論・理由・結論」の順番で
エントリーシートでも、面接でも、伝えるときの順番は、「結論・理由・結論」を意識することが大切です。質問に対して、まずは結論を伝えるようにすれば、回答がズレることは少なくなります。結論を伝えた上で、なぜそのように考えたのか、整理してきた自分の考えを少し具体的に伝えましょう。何かきっかけがあれば、どのようなきっかけだったのか。比較検討する中で考えたことがあればどのような情報を見てどのように感じて、そのような考え方に至ったのか。
考え方の3ステップで整理する際に、実際に自分がたどった行動をエピソードとして話すと、説得力のある理由になるでしょう。そして、最後に、あらためて結論を伝えることで、理由が明確になった上での結論を伝えることができます。今後のインターンシップ等の選考や採用選考でも大切になる考え方ですから、今のうちから「結論・理由・結論」という伝え方に慣れておくのはオススメです。
インターンシップの面接では、志望動機以外にどんなことを聞かれるのでしょう? 気になる人はこちら↓
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【調査概要】
調査期間:2024年12月4日~2025年1月7日
調査サンプル:2025年3月卒業学生向けのインターンシップ等の採用選考に携わったことがある人事担当者300人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング
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