【例文あり】インターンシップの志望動機の書き方|事前準備、注意点、思いつかない場合の対処法も紹介

インターンシップに応募する際、「エントリーシート(ES) の志望動機に何を書けばいいのかわからない」という学生もいるでしょう。今回は、就職・転職支援スクール、我究館にてコーチを務める立川雄太さんに志望動機の書き方や注意点、思いつかない場合の対処法などを聞きました。業界別の例文も紹介するので、志望動機を考える際の参考にしてみましょう。

この記事で紹介する「インターンシップ」は、リクナビ2026の名称に基づいた、就業体験のある5日以上のプログラムのことを指します。
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インターンシップに参加するためには志望動機が重要

インターンシップのプログラムには、ES提出や面接など選考を実施するものがあります。選考を行うプログラムに参加したい場合には、志望動機をしっかりと考えて応募した方が良いでしょう。選考ではインターンシップへの参加意欲や価値観、熱意などを見られているため、それらがきちんと伝わる志望動機を考えることが重要です。

インターンシップに参加する意味

インターンシップは、「仕事を通じて、自分のやりたいことをどのように実現できるのか」を確かめるために活用することができます。例えば「多くの人を笑顔にしたい」と思っている場合でも、その実現方法は無数にあるわけで、企業によっても仕事内容によっても変わってくるものです。

しかし、少しでも仕事を体験したり、仕事についての話を社員から直接聞いたりすれば、自分のやりたいことに当てはまるかどうかを判断しやすくなります。そこに焦点を当て、「自分が本質的にやりたい仕事とは何か」を考えながら範囲を狭めていくことで、志望したい業界・企業・職種を見つけることができるでしょう。

すでに志望する業界や企業が定まっている場合にも、業界研究や企業研究に役立ちます。インターンシップは、外に出ている情報だけでは見えてこない部分に触れる機会となるため、自分のイメージと現実とのギャップを埋めたり、より志望度を高めたりすることにつながります。

企業がインターンシップの志望動機で見ているポイント

企業が志望動機を見る際に、どのようなことを判断のポイントにしているのか解説していきます。

「目的意識」があるか

まず、企業は「インターンシップに参加することで何がしたいのか?」「参加する中で、企業のどのようなところを知りたいと思っているのか」など、目的意識があるかどうかを見ています。

例えば、「裁量が大きい環境があるか知りたい」など、その企業のインターンシップに参加することで「何を得たいのか」を伝えることがまず重要です。自分が企業に求めている要素がちゃんとあるのかをインターンシップに参加して確認するためにも、応募の段階から目的意識を持っておきましょう。

どのような価値観を持っているのか

企業は、インターンシップ参加の目的意識に対し、そこに重なる価値観を持っているかどうかも見ています。

「裁量のある環境があるか確認したい」という場合、「自分で考えて行動したいタイプ」「自分なりの爪痕を残すことを大事にしている」など、まず、その人なりの価値観があるはずです。どのような価値観を持っているかが志望動機から伝わらない場合は、説得力がないと判断される可能性があるでしょう。

企業についてきちんと調べているか

漠然としたイメージで応募するのではなく、その企業について調べ、自分なりに参加理由の根拠を持っているかも見られているでしょう。そのため、インターンシップ参加の目的意識に対し、調べた内容が合致していることが大事です。

「若手にも裁量がある環境なのか確認したい」という目的意識がある場合、企業の採用ページで仕事の進め方や社風を確認したり、先輩社員のインタビューなどから「裁量がありそうだ」と思える要素をピックアップしたりできていることが重要になるでしょう。

インターンシップの志望動機を書く前にやっておきたいこと

インターンシップへの応募を検討する前や、志望動機を書く前にやっておきたいことを解説します。

「自分がやりたいこと」を具体的に考える

まずは自分がやりたいことや、仕事を通じて達成したいこと、実現したいビジョンについて考えることがポイントです。例えば、「人を笑顔にしたい」という場合は、それに対して何が大事だと思うのかを考えていきましょう。

「人を笑顔にするなら、どんな商品やサービスに携わるのがいいのだろうか?」「笑顔にもいろいろあるけれど、自分は楽しませたいのか、喜ばせたいのか、安心させたいのか、どれなのだろうか?」「同じジャンルの商品を扱っていても、機能やデザインが違い、ターゲットとなる消費者も違う。自分が思うような『笑顔』を実現できるものは何だろうか?」など、具体的に考えてみることが大事です。

「自分が活躍できること=強み」の特徴を考える

仕事においては、自分がやりたいことだけでなく、「自分に何ができるのか」「それによってどのような活躍・貢献ができるのか」という面もとても大事です。自分が得意だったことや、強みを発揮して活躍できたこと、周囲に感謝されたり、喜ばれたりしたことなどを振り返ってみましょう。その上で、「どんな仕事なら強みを発揮できそうか」「どんな環境がある企業なら活躍できそうか」を考えて言語化していくことがポイントです。

「部活動で周囲と協力し合い、以前より強いチームにすることができた」という場合は、「チームで一緒に取り組む環境」などから、よりマッチする企業を探すこともできるでしょう。また、「リーダーだった」「挑戦心がある人が多く、高い目標を目指す充実感があった」「練習に消極的な人が多く、彼らのやる気を高めることに燃えた」「練習などの活動内容を自分たちで決めることができた」など、自分の立場やその時の状況からも、強みを発揮できる環境要因が見えてくるはずです。

企業を調べ、「やりたいこと」「活躍できること」に合致する部分を探す

「やりたいこと」「活躍できること」を明確にしたら、それらを実現できそうな環境を探しましょう。企業のホームページや採用ページ、リクナビなどの就活準備情報サイトの企業情報などを調べ、事業内容や企業文化、先輩社員インタビューなどを確認しながら、合致している部分を探すことが大事です。

インターンシップの参加目的・理由を考える

これまでに考えた内容を基に、「インターンシップに参加することで何が知りたいのか。何を得たいのか」を考えてみましょう。

「仕事内容」「仕事のやりがい」「成長できる環境」「世の中に対する影響力」「将来、目指せるキャリア」「社員の人柄」「職場の雰囲気」「企業文化」など、自分が知りたいと思うことを明確にしておくことが大事です。
また、「仕事の進め方」「裁量権の大きさ」「携われるプロジェクト」など、活躍できる環境に着目するのも良いでしょう。

インターンシップの志望動機の書き方|ポイントを解説

ここでは、志望動機の構成、書き方のポイントについて紹介します。

志望動機の構成

志望動機の要素は、以下の構成に落とし込むと書きやすいでしょう。

<志望動機の構成>

  1. 結論=応募企業のインターンシップに参加したいと考えた理由
  2. 背景・根拠=自分がやりたいこと・活躍できることに対し、応募企業ではそれが実現できるという根拠
  3. 参加の目的=インターンシップに参加することで得たいこと

以降で、志望動機を書く際のポイントを紹介するので、把握していきましょう。

1:冒頭の結論は、端的に書く

志望動機の冒頭では、結論となる「インターンシップに参加したい理由」を端的に伝えることが大事です。相手に伝わるよう、わかりやすくまとめましょう。

2:参加理由の背景・根拠を具体的に書く

インターンシップに参加したい理由の背景・根拠を示すために、「なぜ応募企業ならそれが実現できると考えたのか」という仮説を伝えましょう。仕事を通じてやりたいこと・活躍できることと、そこに合致する企業側の要素を1〜2点程度、書くと良いでしょう。

3:参加目的は、インターンシップ当日に知りたいことを書く

参加目的については、インターンシップの当日に、具体的にどのような事柄を通じて、何を知りたいのかを書きましょう。

志望動機の回答例文

食品、メーカー、金融業界に対するインターンシップの志望動機の回答例文を紹介します。それぞれ400字、200字の例文を紹介するので、参考にしてみましょう。

【400字】食品業界の例文

貴社の「アイデアを提案・実現できる環境」「若手社員の裁量」に興味を持ち、実際にどのような環境があるのかを知りたいと考えて、応募いたしました。
私はサークル活動でイベント企画を担当してきたことから、「アイデアを形にする仕事がしたい」と考えるようになりました。そのため、社員のアイデアを基に、さまざまな新商品の開発や、既存商品の顧客を広げる新しいPRに取り組んでいる企業に入社したいと考えております。
貴社は社員の企画を実現するための公募制度があり、裁量権も大きい上、実際に商品化を実現されている若手社員の方も多くいるため、私のビジョンを達成できる環境があるのではないかと感じております。
インターンシップ参加時は、若手社員の方が企画を実現した事例や、社員の方々の「自分の企画した商品を届けていくことに対して実感しているやりがい」などについて、ワークや座談会を通じて明確にしたいと考えています。

【200字】食品業界の例文

貴社の「アイデアを実現できる環境」「若手の裁量」について詳しく知りたいと考え、応募いたしました。
私はアイデアを形にする仕事がしたいため、社員のアイデアを商品開発に生かす企業に入社したいと考えています。
貴社は企画公募制度があり、若手社員も商品化を実現されているため、望む環境があると考えました。
具体的な商品化事例、社員の方々のやりがいなどを、ワークや座談会を通じて明確にしたいと考えています。

【400字】メーカー業界の例文

貴社の「圧倒的なサービス品質」「社員が成長できる環境」が自分の求めているものに近いと考えたので、具体的にどのように実現されているかを確認するために応募いたしました。
私はアルバイトでお客さまに感謝された経験から、「人の記憶に残る仕事がしたい」と考えるようになったため、サービス品質にこだわり、品質向上に真剣に取り組み続けている企業で働きたいと考えています。また、サービス提供を担う社員の成長を大事にしている企業であることも重視しています。
貴社は顧客アンケートを反映するサービス改善会議を高頻度で実施されている上、社員の成長を支える教育制度が充実しているため、私のやりたいことを実現できる環境があると感じました。
インターンシップ当日は、顧客の声を反映した具体的なサービス改善事例を学ぶだけでなく、社員の皆さまに自己成長のために日ごろから意識されていることなどを直接聞いてみたいと考えています。

【200字】メーカー業界の例文

貴社の「圧倒的なサービス品質」「成長環境」をより深く知りたいと思い、応募いたしました。
私は人の記憶に残る仕事がしたいため、サービス品質の向上や社員の育成を大事にする企業への入社を目指しています。
貴社には顧客の声を反映するサービス改善会議や充実した教育制度があり、私のビジョンにマッチしていると考えました。
当日はサービス改善の具体事例を学び、社員の皆さまに仕事に対する意識も聞いてみたいと考えています。

【400字】金融業界の例文

貴社の「企業の挑戦を支えていくミッション」「周囲と協力し合う文化」に共感したため、どんな環境でどう仕事に向き合っているのか体感したいと考え、応募いたしました。
私は、アルバイトの経験から「多くの人の成長や挑戦を支える仕事がしたい」と考えるようになりました。そのため、より多くの顧客の挑戦を支えるには、企業経営になくてはならないお金という側面から携わりたいと考え、金融業界に興味を持ちました。
貴社は、幅広い業界の中小企業を対象に、新規事業への融資や事業継承のコンサルティングに注力されている上、周囲と協力し合い、支え合っていくチームワークの文化があるため、私が求めているやりがいや働き方を実現できるのではないかと思っております。
インターンシップのワークを通じて、顧客の挑戦を支援するやりがいや、周囲と協力し合う体制などを少しでも体感することで、自分のイメージする働き方をより具体化したいと考えています。

【200字】金融業界の例文

貴社の「企業の挑戦を支える使命」「協力し合う文化」を体感したいと考え、応募いたしました。
私は人の挑戦を支える仕事がしたいため、企業経営に不可欠な金融サービスに携わりたいと考えています。
貴社は、新規事業から事業継承まで支援し、周囲と協力し合う文化もあるため、多くの顧客に貢献できると考えました。
参加時は、顧客支援のやりがいや周囲と協力し合う仕事の進め方などを体感し、働き方のイメージを具体化したいです。

インターンシップに参加する就活生のイメージカット

インターンシップの志望動機を書く際の注意点

ここでは、志望動機を書く際に注意したい基本事項を紹介します。

誰が見ても短時間で理解できるようにする

企業の担当者はたくさんの応募書類に目を通すため、パッと見て全体を理解できるよう、簡潔にまとめることが大事です。友人や保護者など、周囲の人に見てもらい、客観的なアドバイスをもらいましょう。誰が見てもわかりやすい内容にブラッシュアップすることができます。

指定された文字数に従う

企業から指定された文字数に収めることは大前提です。収まり切らない場合は、エピソードなどで不要な部分を削ることも必要だと考えましょう。また、きちんとした志望動機を書くには一定の文字量を割くことが必要なため、文字数が極端に少なすぎる場合は、参加意欲が低いと判断される可能性があります。

専門用語を使わない

業界の専門用語などを使うことで「意識の高さを伝えたい」と考える人もいますが、かえってわかりにくくなってしまうケースもあります。また、自分の周囲だけで使われているような用語を書いても伝わらないでしょう。わかりやすく自分の思いを伝えることを意識しましょう。

自分の言葉で書く

ネットで見つけた例文などをそのままコピーすることは避けましょう。自分らしさが伝わらず、アピールにつながらない可能性があります。書類選考を通過しても、面接ではエントリーシートに書いた内容を深掘りされるので、本人が話す内容と整合性が取れない場合は「自分でエントリーシートを作成していないのでは?」という違和感を与えてしまう可能性もあるでしょう。

誤字・脱字に気をつける

誤字・脱字があると、「基本的な文章作成能力に欠けている」「志望度が低い」などと判断される可能性もあります。誤字・脱字をきちんと見直すことはもちろん、文章表現におかしなところがないかもチェックし、修正することが大事です。

志望動機が思いつかない場合はどうすればいい?

自分の過去を振り返り、「こんなことが楽しかった」「こんなふうに褒められたり、感謝されたりしたことがうれしかった」などを考えることが大事です。
将来の仕事を選ぶなら「自分自身がこれまでの人生の中で楽しいと感じたこと」「自分の強みを生かせること」などに近い内容の方がいいはずです。自分にとって「良かった」と思えた瞬間を再現できるような企業と出会うために、インターンシップを通して「本当に再現できる場所なのか」を自分の目で確かめることができるでしょう。

本選考に進む際にも、「この企業なら」と思う根拠があれば、自信を持って臨むことができますし、何より、自分のやりたい仕事を見つけることにきっと役立つはずです。
先に紹介した考え方を基に、しっかりと自分に向き合い、そして、企業のホームページの中からピンとくる要素を見つけ出していきましょう。「自分のやりたいことにたどり着くために必要な道のりなのだ」と考えることが大事です。

性格検査や適職診断など、自己分析に役立つツールを活用してみましょう!

 

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立川さんプロフィール画像

【監修】我究館 就活コーチ 立川雄太さん

オーストラリアへの留学・学習塾講師やアパレル販売店員など9つのアルバイトを掛け持ちした後「人生の転機にポジティブな影響を与えられる存在になりたい」と決意。2019年にエン・ジャパン(株)へ新卒入社。人材紹介事業部の営業担当として関西の大手から中小まで300社の担当企業の採用支援に携わる。落ち込んだIT領域の立て直しや積極的な面接対策等の求職者対応を通じて確固たる地位を築く。3年の勤務を通じ、目の前の人の「やりたい」を実現できる仕事に就きたいと考えて上京。2022年、我究館・就学コーチに就任し、300名以上の就活生の支援を実施。

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記事作成日:2023年9月28日
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