「あの企業も見ておけばよかった!」と後悔しないために、「気になる会社が増える情報収集法25」では、いろいろな角度からの企業探しの方法を紹介しています。
今回はその中でも、「Part.1 自分のキャリア志向から探す7つのヒント」より、「国際的に活躍したい」と思っている人は、どんな企業選びをするのがおすすめなのか、そんな志向を持っている「ケンタくん」とアドバイザーの「石黒さん」の会話からヒントをもらいましょう。
大学時代に留学を経験して、語学力に自信があり、「国際的に活躍したいから総合商社か外資系企業」と絞り込んでいる国際関係学部3年・ケンタ。この絞り込み方に、リスクはないのか…。
【アドバイザー】石黒幹久(コンサルタント)
新卒でリクルート入社以来23年間、一貫して人材関連の仕事に従事。おもに企業の新卒採用・中途採用に関するコンサルティング業務に携わる。社会人や大学生向けのセミナーの講師も務め、学生向けセミナーは、述べ400回、受講者は8万人を超える。現在は、フリーのコンサルタントとして活躍中。
(石黒)なぜ、総合商社か外資系企業に絞り込んだの?
(ケンタ)「国際的に活躍できる」=「総合商社」「外資系企業」と単純に考えたわけじゃないんです。ほかにも選択肢はありそうですが、僕は留学を通じて、海外の人々とコミュニケーションを取って、異文化に触れることが楽しかったんです。だから日常的にそんなチャンスがある企業をイメージして、この2つに絞り込んだんです。
(石黒)けっこうきちんと考えているね! でも、ケンタくんが考えているより、もう少し企業のグローバル化は進んでいるかな。
(ケンタ)え? どういうことですか?
(石黒)その多少はあるけれど、どんな企業でも「国際的に活躍する」ことも、「海外の人々と日常的にコミュニケーションを取る」チャンスはあるんだよ。僕が知っている例を挙げると…。
ある外資系企業と合併した日本のメーカーのオフィスを訪れると、3分の1くらいが外国人。英語と日本語が飛び交っている。
メーカーの多くは、海外に工場や販売拠点を持っている。そうでなくても、海外からの素材や部品の仕入れは日常的に行われている。
あるシステム開発会社では、インドや中国に開発拠点を持っていて、SEは教育のために頻繁に日本と現地を往復している。日本のオフィスでも、インド人や中国人のエンジニアが数多く働いている。
ある日本のコンサルティング会社で活躍しているコンサルタントは、顧客がグローバル企業なので、世界のさまざまな国にしょっちゅう出張している。
…こんなふうに挙げると切りがない。総合商社の事業や仕事に大きな魅力を感じているなら、このまま突き進んでもいいかもしれないけれど、どんな企業でも国際的に活躍するチャンスが増えてきているのだから、一度、本当に興味のある領域を探してみてもいいかもしれない。
(ケンタ)わかりました! じゃあ、今、グローバルに展開していない企業だけを、選択肢から外せばいいんですね。
(石黒)それも、そうとはいえないんだよ。日本の市場は、今や世界と切っても切り離せない。あまり大きくなる見込みのない国内市場だけでなく、拡大するグローバルの市場を狙わざるを得ない。今、グローバルに展開していなくても、今後は展開するかもしれないし、あるいは積極的に展開しようとする企業はますます増えるはず。もし、とても興味のある企業が国際展開をしていなくても、「僕が国際展開するんだ!」くらいの気持ちで頑張るのも面白いかもしれないね。
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