「あの企業も見ておけばよかった!」と後悔しないために、「気になる会社が増える情報収集法25」では、いろいろな角度からの企業探しの方法を紹介しています。
今回はその中でも、「Part.1 自分のキャリア志向から探す7つのヒント」より、「すぐに成長したい」と思っている人は、どんな企業選びをするのがおすすめなのか、そんな志向を持っている「タカシくん」とアドバイザーの「石黒さん」の会話からヒントをもらいましょう。
ベンチャー企業でアルバイトをしている経営学部3年・タカシ。「早く成長して社会で活躍したい」。そんな気持ちから、ベンチャー企業を中心に情報収集しているが…。
【アドバイザー】石黒幹久(コンサルタント)
新卒でリクルート入社以来23年間、一貫して人材関連の仕事に従事。おもに企業の新卒採用・中途採用に関するコンサルティング業務に携わる。社会人や大学生向けのセミナーの講師も務め、学生向けセミナーは、述べ400回、受講者は8万人を超える。現在は、フリーのコンサルタントとして活躍中。
(石黒)なんで、「早く成長したい」と思ったの?
(タカシ)ベンチャーで働く先輩を見て、20代から仕事を任されてバリバリ活躍する姿がカッコいいなあ、と。だから早く成長できるベンチャーを目指そうと思ったんです。
(石黒)そうだね。それは、選択肢の一つとしては正しいね。ただ、気をつけなければいけないこともあるよ。
(タカシ)ベンチャーだけじゃ、ダメってことですか?
(石黒)まず、「早く成長できる」=「ベンチャー」という図式は、必ずしも成立しない。「早く成長できる」ということの一つの要因は、「若いうちからさまざまな仕事を任される機会が多い」こと。確かにベンチャー企業は人数も多くないし、次々と新しい仕事が生まれるから、若いうちから幅広い仕事や、責任のある仕事を任されたりする可能性が高い。つまり、早く成長できる可能性は高い。でも、必ずしもベンチャーでなくても、若いうちに仕事を任される風土の企業をきちんと見極めればいいんだ。
(タカシ)どうすれば見極められますか?
(石黒)これは、その企業の先輩社員の話を聞くのが一番。どんな仕事を任されてきたのか、それによってどんな知識やスキルが身についたのか、どんな成長の実感があるのかを質問するといい。いろんな企業の人の話を聞くと、比較検討できるよね。
そしてもう一つ、「どんなふうに成長したいか」によっては、ベンチャー企業よりも、大きな企業を選んだ方がいい場合もあるよ。
(タカシ)え? 大きな企業はまったく考えたことがなかった!
(石黒)「いろんなスキルを身につけて早く一人前になりたい」のならば、今まで話した方向でいい。でも、「少しでも早く成長して世の中に影響を与えるような大きな仕事がしたい」のであれば、実はビジネスの基礎をしっかり身につけることが大事。だから規模の大きな企業の中でも、ビジネスの規模が大きい企業を選んだ方がいい場合もある。最初はもちろん下積みだけれど、先輩に学びながら、自分なりに工夫もして小さな成果を積み重ねて、大きな仕事を任されるだけの「基礎固め」をしておく。そんな成長の道もあるんだ。
(タカシ)そうか!
(石黒)みんな「早く成長したい」と漠然と語るけれど、まずはどんな意味で「早く成長したい」と言っているのか、それをきちんと見極めるべき。それによって、探す企業が変わってくることを覚えておこう。
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