就活の選考で時事問題が出題されるケースもあるようです。「企業はどんな意図で出題しているの?」「具体的にはどんな問題が出るの?」「選考に向けてどんな準備ができる?」など、時事問題に関するそんな疑問を解消すべく、アンケートを実施。実際に選考で時事問題を出題したことがある企業の人事担当者300人に聞きました。
目次
まず初めに、企業が時事問題を出題する意図は何でしょうか?アンケートで聞いたところ、以下のような声がありました。
■時事問題を出題する意図を教えてください。
・社会問題に関心を持っているかどうかを知るため(公務員)
・常に情報収集しているかどうかの姿勢を見たい(総合商社)
・社会人としての基礎的知識があるか(放送局)
・世の中の出来事への感受性の確認(食品業界)
・時事問題をいかにビジネスに結び付けて考えられるかを見たい(クレジットカード業界)
・自分の意見を述べられるか確認するため(人材業界)
人事担当者の声を見ると、時事問題を通して、「社会で起こっていることや世界の流れに対して関心を持っているか」「問題に対して、課題意識や自分の考えを持っているか」などの姿勢を見ていることがわかりました。
時事問題は筆記試験でも面接でも出題されています。筆記試験で出題したという企業の場合は、「漢字がわかるか」(食品業界)、「文章力」(人材業界)という点を見ているという回答もありました。
また、面接で時事問題を出題した企業の場合には、「とっさの対応力」(インターネット業界)、「話のまとめ方や性格」(食品業界)、「論理的返答ができるか否か」(自動車業界)を見ているという声も。出題形式の特性に応じて、学生を評価しているようです。
続いて、時事問題ではどんな問題が出題されるのでしょうか?ひと口に「時事問題」と言っても多岐にわたるため、どのようなジャンルの時事問題を出題したのか聞いてみました。
■時事問題では、どんなジャンルを出題しましたか?(n=300、複数回答)
アンケートの結果、多く出題されたジャンルが「社会」(48.3%)。次いで「経済」(31.0%)、「政治」(28.7%)という結果になりました。その後に「国際」(18.7%)、「スポーツ」(10.0%)、「科学・技術」(9.3%)、「文化」(8.7%)が続きました。
選択したジャンルについて、具体的に出題した問題を聞いたところ、以下のようなものがありました。
・少子高齢化社会について(建設業界)
・温暖化対策と環境問題について(電力業界)
・地方創生(鉄道業界)
・再生可能エネルギー(建設業界)
・人生100年時代(不動産業界)
・LGBT(クレジットカード業界)
・米中貿易摩擦の日本への影響(電力業界)
・東京五輪後の日本経済(教育業界)
・働き方改革による経済的影響(建設業界)
・現在の総理大臣の名前(フードビジネス業界)
・政党名(協同組合)
・憲法改正(クレジットカード業界)
・昨今の世界情勢について(総合商社)
・外国人の渡航者、労働者増加についての考え(食品業界)
・中国、韓国、アメリカ経済(不動産業界)
・東京オリンピックの開催時期(陸運業界)
・地元の有名選手(公務員)
・ドローン活用(クレジットカード業界)
・今後どのような技術的分野が注目されるのか(不動産業界)
・直木賞、芥川賞(クレジットカード業界)
・ノーベル賞受賞者の名前(放送局)
・自分の関心のある時事問題(教育業界)
・1年以内に気になった出来事(食品業界)
時事問題は筆記試験でも面接でも問われるようですが、実際のところ選考のどの段階で聞かれることが多いのでしょうか。
■時事問題は選考のどの段階で聞きますか?(n=300、複数回答)
アンケートの結果、時事問題が出題されるのは、「筆記試験」が81.7%と最も多いことがわかりました。そのほか、「書類選考(Web提出含む)」は26.0%、「面接」は22.0%となりました。
なお、「面接」で時事問題を聞くと回答した人事担当者に面接のどの段階で聞くか追加で聞いたところ、1次、2次だけでなく役員面接や最終面接でも問うと回答した人もいました。
面接準備について詳しく知りたい人はこちら↓
就活面接まとめガイド:質問・回答例やマナーをプロが解説!
先ほど、どのような時事問題が出題されるかについて紹介しましたが、人事担当者は学生の回答について、どんな点を評価しているのか聞いてみました。
■時事問題を出題するとき、評価するポイントは何ですか?
・普段から社会や経済に目を向けて、自分なりの考えを持ち、それを第三者に伝えられるか(総合商社)
・自分の意見や考えを、自分の言葉で伝えられるか(陸運業界)
・世界で起こっていることに対して、冷静に客観的に自分の考えを持っているかどうか(クレジットカード業界)
・一つの視点からではなく、いろいろな方向からのアプローチができているか(教育業界)
・何に興味を持ち、どういう考えを持っているかは自由。いきなり聞かれたときの対応力を見ている(ファッション・アパレル業界)
上記のほかには、「業界に関係する時事問題に詳しいかどうか」(化学業界)というように、選考を受ける企業や業界にまつわる時事問題を押さえているかを評価するという声もありました。
また、時事問題の回答の中で印象に残ったものについて聞いたところ、以下のような声がありました。
■時事問題の回答で、印象に残った答えとその理由を教えてください。
・政治・経済、さまざまな視点から多角的に考察できる回答が印象的で、入社後の活躍が期待できると感じた(サービス業界)
・東京オリンピックに関する時事問題で、“オリンピック誘致により教育産業がどう発展するか”を述べ、志望動機とうまくつなげていた(教育業界)
・マスコミの報道の仕方を踏襲せず、事実を指摘して自身の意見を述べていた(建設業界)
選考で時事問題が出題される場合、どんな準備をしておくとよいか、気になるところ。人事担当者に聞いたところ、時事問題の情報収集には「新聞」に目を通す(電子版も含む)ことがオススメという回答が多くありました。「新聞」のほかにも「インターネット」「テレビ番組」「雑誌」「SNS」など、時事問題に触れる手段はさまざま。人事担当者が語るそれぞれの手段をオススメする理由を見て、情報収集の際の参考にしてみましょう。
・社会から経済、スポーツまで幅広く情報が掲載されている(医療業界)
・自分にとって関心がないニュースも目にすることができる(ブライダル業界)
・単なる情報だけではなく、考え方を学ぶことができる(人材業界)
・ある程度は裏付けされた情報に触れることができる(陸運業界)
・数紙を読み比べることで、一つの問題をさまざまな視点から見られる(人材業界)
・リアルタイムな情報を得られる(自動車業界)
・無料で閲覧できて、わかりやすくまとまっているサイトがたくさんある(協同組合)
・情報の取捨選択ができる能力を養える(公務員)
・どの情報を信じるか、載っている内容すべてが真実ではないということを捉えることができる(食品業界)
・関連する記事をさらに検索できる(化学業界)
・映像とともに旬な情報に接することができる(ホテル業界)
・報道の在り方や最新の社会問題を知ることができる(食品業界)
・特集記事で、より掘り下げた内容を知ることができる(食品業界)
・専門誌などでは、専門性の高い情報が得られる(電機業界)
・今、何がヒットしているかがいち早くわかる(教育業界)
・多様な考え方を持つ人たちから、刺激を受けられる(クレジットカード業界)
最後に、人事担当者に聞いた時事問題に強くなるためのアドバイスや情報収集のテクニックを紹介します。
・普段からさまざまなことに興味を持つことが大事です。特定の媒体にとらわれず、多様な媒体、主張に触れるように意識すること。興味を持つ、疑問に思ったことは、速やかに自分で検索し、内容について理解を深めてください(教育業界)
・あらゆる分野にアンテナを張ること。そして自分なりにアイデアを考察する力をつけること(不動産業界)
・普段から気になったことを軽くでも調べてみる習慣をつける(公務員)
・新しく知ったことを自身の言葉で説明する(製薬業界)
時事問題の準備は、一日にして成らず。日々コツコツとニュースに触れ、「どうしてそうなったのだろう」「どんな背景があるのだろう」という疑問を持つことが大切です。最初は広く浅くでも、社会、政治、経済、スポーツ、文化と幅広く情報のインプットを増やしてみてはいかがでしょうか。
筆記試験では、時事問題以外にもさまざまな問題が出題されます。リクナビのオリジナル問題「言語・非言語Webテスト」にもチャレンジしてみませんか?
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【調査概要】
調査期間:2019年6月7日~10日
調査サンプル:過去1年以内に新卒採用選考で「時事問題」を出題したことがある企業の人事担当者300人
調査協力:楽天インサイト株式会社
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