29卒就活スケジュール|インターンシップ&キャリアや準備はいつ何をやる?

2029年卒(29卒)で、就活準備を始めたい人、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムはいつから参加できるのか知りたい人向けに、就活のスケジュールとやり方を解説。いつから何を始めるか、採用直結型インターンシップや早期選考の実態なども踏まえて、大学1年生から4年生までの就活準備をアドバイスします。まずは、2029年卒(29卒)向け就活スケジュールの全体像を理解するところから始めましょう。

リクナビでは、さまざまな「オープン・カンパニー&キャリア教育等」のプログラムを見ることができます。気になるプログラムがあるか見てみましょう。

2029年卒(29卒)の就活準備スケジュール予測

29卒とは

「卒年」とは、卒業年次の略称で、一般的に学校を卒業する年のことを表します。
卒年によって、企業の採用動向や詳細な就活スケジュール、応募できるインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムが異なる場合もあるので、自分の卒年とそれに応じた就活スケジュールを把握しておくと良いでしょう。

2029年卒(29卒)の定義

就活における「2029年卒(29卒)」は、2029年3月卒業予定の大学生や短大生、大学院生、専門学校生のことを指します。具体的には、2025年4月時点での大学1年生や、大学院への進学を予定している大学3年生などが当てはまります。
なお、リクナビでは卒業時期を区別する際は、基本的に「卒業年度」ではなく「卒年」を使っています。そのため、リクナビ上で卒年を問われた場合、2029年3月卒業予定の学生は「2029年卒(29卒)」を選択しましょう。

卒業年度とは

卒年と似た言葉に、4月1日から3月31日までの期間で区切る「卒業年度」があります。卒業年度で記す場合、2029年3月卒業は「2028年度卒」となります。

就活準備スケジュール(予測)

※2025年11月の現時点では、政府が要請する2029年卒(29卒)の就活スケジュールはまだ発表されていません。政府から2029年卒(29卒)の正式な就活スケジュールが発表され次第、更新する予定です。

「27卒は3月1日以降に会社説明会受け付けなどの広報活動開始、6月1日以降に面接などの採用選考活動開始」と政府が発表した就活スケジュールを基に、2029年卒(29卒)の就活スケジュールの予測を記載しています。いつ、何をやるか知りたい人は参考にしてみてください。

なお、就活を始める時期に決まりはありません。学業や留学、部活などさまざまな理由で就活に興味を持つ時期や開始する時期は人によって異なるでしょう。以下に提示したスケジュールと開始時期がズレている場合も焦ることなく、今の自分にできることを一つひとつ進めていきましょう。

就活スケジュールイメージ

ここでは、予想スケジュールを踏まえて、就活準備の進め方の一例を紹介していきます。

まずは自己分析、業界・企業・職種研究をし、インターンシップ&キャリアなどに参加してみましょう!

自分が何に興味があるのかを知るために、業界・企業・職種研究を進めてみましょう。並行して、自分の興味のルーツや特徴を把握する自己分析を進めることも大切です。
企業のWebサイトなどをチェックして、働くことへの関心を高めていけると良いでしょう。
インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムに参加する以外にも、企業紹介や先輩社員の座談会などのオンラインコンテンツも増えています。都合の良い時間を活用して、業界・企業理解を深めていきましょう。
リクナビで興味のあるインターンシップ&キャリア(※)があれば、参加してみるのもオススメです。

インターンシップ&キャリアとは、リクナビでのインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムの総称のことです。

次に、興味を持った企業の説明会に参加して、詳しい情報を集めましょう!

選考スケジュールは企業によってさまざまです。企業説明会やOB・OG訪問などで、企業、先輩と接触する機会も増えてくるでしょう。オンラインで参加する場合は、時間や距離の制約がなくなり、スケジュール調整がしやすいメリットもあります。進めてきた自己分析や業界・企業・仕事研究の結果から、興味を持った企業の説明会に参加して、さらに詳しい情報を集めましょう。
エントリーシートや面接のために、直前になって企業研究をやり直す人もいますが、忙しさのあまり体調を崩してしまっては本末転倒。時間に余裕のあるうちに、自己分析、業界・企業・仕事研究は計画的に進めておくことをオススメします。

大学3年生の冬〜大学4年生の春ごろ、多くの企業で選考が開始。

政府が要請する就活スケジュールでは、「卒業前年度(大学3年生など)3月1日以降に会社説明会受け付けなどの広報活動を開始、6月1日以降に面接などの採用選考活動開始」と発表しています。

しかし、企業独自のスケジュールでの選考や、通年採用、インターンシップからの早期選考案内など採用プロセスは多様化しており、政府の要請スケジュールと乖離(かいり)があるケースもあります。

実際に、2025年卒(25卒)の就活における企業の面接開始時期のピークは卒業前年(大学3年生など)3月でした。さらに早い企業では、卒業前年9月以前に面接を開始しているケースもあるようです。

2025年卒(25卒)の就活における企業の面接開始時期

出典:リクルート就職みらい研究所『就職白書2025

卒業年(大学4年生など)6月までに、約8割の学生が内々定を取得。ただし、個人差があるので焦りは禁物。

政府が要請する就活スケジュールでは、内々定が出る時期は、「卒業年度(大学4年生など)6月1日以降」です。

しかし、インディードリクルートパートナーズの「就職プロセス調査」では、2026年卒では会社説明会やエントリーなどの受け付けを開始する2025年3月1日時点で内々定を取得している学生が5割近くいることがわかりました。また、2025年6月1日時点では、内々定を取得している学生は約8割に達しています。

就職内定率

出典:インディードリクルートパートナーズ『就職プロセス調査(2026年卒)

なお、この調査は、政府の広報活動開始日より前にリクナビに会員登録をしている学生も調査対象となります。そのため、早めに情報収集や行動している学生が多く、政府が要請する選考開始時期よりも早い時期に内々定を得る学生の比率も高くなりがちです。実際の就活では早期に内々定を得ていないからといって心配することはありません。

ただし、例年同じような対象に調査をしているにもかかわらず、年々早期内定率が高まっていることには注目しておくと良いでしょう。一部企業では2月の時点で、最終面接をしているケースも珍しくないということになります。

自分が納得できるまで就活を進めていきましょう。

就活は開始時期同様に、終了する時期も個人差があって当然です。

就活の目的は内定ではなく「本当に自分にマッチした企業に出会う」こと。企業の採用担当者も、自社にマッチした学生を見つけるまでは採用活動を継続する傾向があります。1年を通して採用を継続している(通年採用)企業、夏休み以降に採用活動を実施する(秋採用)企業もあり、就活スケジュールはあくまで目安でしかありません。
長い社会人人生を自分らしく過ごせるよう、自分がその企業に対して何の価値を提供できるのか、逆にどんな条件を企業に求めているのかを考えながら、納得のいく就活を進めていきましょう。

独自のスケジュールで早期に選考を行う企業が年々増加

これまでは一部のIT系、マスコミ、スタートアップ企業、外資系企業などが政府の要請スケジュールとは異なる早期選考を行っていましたが、現在ではさまざまな業界や企業が独自のスケジュールで選考を行うようになっています。

政府が要請するスケジュールに従っていた大手企業などでも、早期に選考を行うケースが年々増えてきているため、企業ごとに個別の選考スケジュールを調べるようにしましょう。

独自の選考スケジュールを把握する方法は?

まずは過去のインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムの選考・開催時期やエントリーシートの受け付け時期などを調べ、カレンダーにメモをしてみましょう。大まかなスケジュールを把握しておけば、その時期が近づいたタイミングで企業の採用サイトをチェックすることができるため、見逃しが少なくなるでしょう。

また、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムに参加した人を対象に、「会社説明会に参加しませんか」といった案内が来るケースもあります。気になる企業がある場合には、積極的にインターンシップや、オープン・カンパニーなどに応募しておくと良いでしょう。

ビルの外で手帳を開きスケジュールを確認する学生

具体的に何をしたらいい?2029年卒(29卒)の就活準備のポイントを解説

「就活準備ってどんなことをしたらいいの?」と思う人もいるでしょう。そんな人に向けて、就活準備としてやっておきたいことを紹介します。なお、どれから着手しなければいけないといった、順番は特にありませんので、できるところから進めてみてください。

自己分析

自己分析とは、「自分の特徴を理解するために、これまでの経験や考え方を振り返り、整理すること」です。
例えば、これまでの人生で進学や部活、ゼミ、アルバイトなど大きな選択をする際に、何を重視して決断してきたのか。感情が大きく揺さぶられたときはどんな瞬間だったのか。人生の出来事を一つひとつ振り返ることで、自分の性質が見えてきます。
自己分析によって、自分の特徴や性質を言語化しておくことは、初めて会う企業の担当者に自分についてわかりやすく伝える上でとても大切です。

自己分析は、就活の時期にかかわらず、いつやってもいいでしょう。普段から、自分の言動を振り返る癖をつけておくのも大切です。

業界・企業研究

業界・企業研究は、自分の志向に合う業界・企業はどこかを見極めるために行います。自己分析によって見えた自分の特徴と、企業が求める要素の共通点は何か。両方が重なる部分を見つけるためにも、業界・企業の理解を深めることが大切です。

企業研究で最も大事なのは、自分とのマッチングを見極めること。特にカルチャーフィット(社風など、企業文化が合うかどうか)は、異動により仕事内容が変わっても、その企業にいる以上変わらずに求められるでしょう。企業文化が自分に合っているかどうかは、日々のパフォーマンスや幸福感に非常に大きな影響を与えます。
社員の方が話す言葉や内容、企業ホームページなどでよく使われる言葉などから、社風をイメージしてみましょう。

職種研究

職種研究は、自分の強みや経験を生かせるか、自分に合うかどうかを見極めるために行います。各職種の仕事内容、働き方、キャリアパス、職種に求められる資質などを調べ、どんなタイプの人が活躍できそうか、仕事のやりがいはどんなところにあるのか、自分には合っていそうかなどを考えましょう。新卒採用では、入社後の職種を限定したジョブ型採用はまだ主流ではないので、配属先がどこになるかわからないケースもありますが、仕事研究は具体的なキャリアについて考えるきっかけにもなります。

職種研究をする場合、まずは仕事内容を調べます。気になった職種について、求人情報や企業の採用サイト、書籍や専門誌などをチェックしてみましょう。誰に対して、どんな目的で、どんな仕事をしているのか、一日の仕事の流れなどを具体的に調べていくと、職種ごとの違いがより明確になります。
企業の採用サイトには社員インタビューが掲載されていることが多いので、複数社チェックすることで、活躍しやすい人物像もつかめるかもしれません。

興味が深まった職種に対して、「自分がその職種で働くとしたら、どんなスキルが生かせるか」「自分ならどんな活躍ができそうか」などイメージを膨らませていくことも大切です。自己分析の結果も踏まえて考えると、より自分に合った職種選びができるでしょう。

OB・OG訪問

企業ホームページや公開情報には載っていない“リアルな声”を聞けるのが、OB・OG訪問の最大のメリットです。身近にいる“働く大人”に話を聞くことでも、「働くとは何か」への理解が深まります。説明会やインターンシップ&キャリアなどでは、ポジティブでいい情報は得やすいものの、実際の働き方や業務内容、人間関係などのリアルな情報に関しては、取得しにくい面もあるでしょう。企業の実態を知るためにも、OB・OG訪問の機会を増やし、多方面から情報を集めるのもいいでしょう。

OB・OG訪問はいつからでも行えますが、就活が本格化する大学3年生3月以降は、エントリーシートの提出、説明会参加などで自分自身が忙しくなります。また、社会人側も、年明け以降はOB・OG訪問の依頼が集中しがちなので、早めに動いておくといいでしょう。

インターンシップ&キャリアへの参加

実際の企業での仕事の様子をつかむためには、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムへ参加してみましょう。

インターンシップ&キャリアへの参加方法

リクナビでは「インターンシップ&キャリア」という総称を使っており、産学協議会の考え方に準じて就業体験が必須かどうかや、実施日程の条件などで「インターンシップ」と「オープン・カンパニー&キャリア教育等」に分かれて掲載しています。
なお、「インターンシップ」は、大学3・4年生が参加できるプログラムとなります。大学1・2年生のうちは「オープン・カンパニー&キャリア教育等」に参加しましょう。

※就業体験とは
就業体験は、実際の仕事に近い体験を通じて、気になる業界や職種、企業について理解を深める機会です。

インターンシップ

インターンシップは、「実際の仕事をしている人から直接話を聞いたり、仕事を体験してみたりする場」です。

主に大学3・4年生が参加できるプログラムで、就業体験、開催期間など、産学協議会が定める5つの要件を満たすものを指し、自分のキャリアを考える機会となります。会社説明会やOB・OG訪問などよりも、現場の空気を肌で感じることができるため、業種や職種、企業による仕事内容の違いや働いている人たちの雰囲気、企業風土の違いを知ることができるでしょう。

なお、企業はインターンシップで得た、評価などの学生情報を広報活動や選考活動に生かしても良いとされています。このことから「採用直結型インターンシップ」という言葉が世の中に広がっていますが、「インターンシップに参加をしたら内定がもらえる」というわけではないので注意しましょう。インターンシップに参加をした学生に対して、通常の選考スケジュールよりも先に選考の案内が届くケースはありますが、そこからあらためて面接などの選考を行うことが一般的です。

オープン・カンパニー&キャリア教育等

オープン・カンパニーは、「個社や業界に関する情報提供・PR」を目的に開催されるプログラムを指します。半日・1日開催のものから、複数日開催のものまで期間はさまざまで、企業の個社説明会や、就職情報会社や学校のキャリアセンターなどが主催するイベント、説明会などが当てはまります。

キャリア教育は「働くことへの理解を深める教育」を目的に開催されます。大学などが主導する授業や産学協働プログラム、企業のCSRプログラムなど、さまざまな形式があるのが特徴です。

オープン・カンパニーとキャリア教育は、どちらもインターンシップとは異なり、参加できる学年や時期に制限はないので、大学1年生から一年中いつでも参加できます。

オープン・カンパニーを通して、世の中にある仕事や働き方を知ろう

低学年のうちは、自分はこれから何を大事に生きていきたいのか、そのためにはどんな仕事、どんな働き方がフィットしそうなのかを考えてみることが大切です。大学1・2年生のうちから就活準備をしたい人は、いろいろな業界や企業のオープン・カンパニーに参加して、世の中にはどんな仕事や働き方があるのかを知ることから始めてみると良いでしょう。

リクナビでは、さまざまな企業の「オープン・カンパニー&キャリア教育等」の情報を見ることができます。気になるプログラムがあるかチェックしてみましょう。

筆記試験の準備

就活の選考では、筆記試験が実施される企業もあります。国語、数学といった能力に関する問題、適性検査、一般常識問題、時事問題、小論文など、どのような問題が出題されるかは企業によってさまざまです。

リクナビでは言語分野(語彙<ごい>力や文章を読んで理解する力を問うような問題)、非言語分野(計算力や論理的に考える力を問うような問題)に関するリクナビオリジナル問題にチャレンジできる「言語・非言語Webテスト」が体験することができます。

リクナビオリジナルの問題にチャレンジしよう(パソコンでのみ受検可能です)

説明会への参加

政府が要請するスケジュールで採用を実施する企業では、大学3年生(大学院1年生)などの3月から説明会が始まります。独自の選考スケジュールで採用を行う企業は、3月以前から説明会を行っているケースも多いので、個別に調べてみましょう。

説明会とは、その企業の事業内容、事業規模、沿革、事業の組織構造といった基本情報をはじめ、各部署の業務内容などについて聞く機会のことで、会社説明会や企業説明会、就職説明会と呼ばれることもあります。複数の企業が一堂に会する説明会が「合同企業説明会」と呼ばれるのに対し、会社説明会は企業やグループ会社、募集職種単位で開催されています。
「世の中にはどんな会社があるのかな」と興味を広げるために合同企業説明会に参加したり、すでにある自分の興味軸を基に「この会社ではどんなことができるのかな?」と吟味するために会社説明会に参加したりするのも良いでしょう。ほかにも、座談会や社員とのコミュニケーションができる質問会などは、企業のリアルな姿が見られ、社員同士のコミュニケーションを通して社風もつかむことができます。

エントリーシートや履歴書の準備

就活では、選考に応募する際にエントリーシート(ES)や履歴書の提出が必要になります。これらは面接時の参考資料になったり、書類選考に使われたりします。
自己分析、業界・企業研究を進め、ある程度業界・企業が絞れたら、エントリーシートの作成準備を進めておきましょう。代表的な質問は「志望動機」「自己PR」「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」などです。

自分の強みと、企業の特徴や求める人物像との共通部分はどこにあるか。双方が重なる点を意識しながら、複数パターンの文章を作成しておいてもいいでしょう。具体的なエピソード、事実をきちんと盛り込むことで、自分にしか書けない内容になります。学校の先輩、社会人の先輩、友人、家族など第三者に読んでもらい、伝わりにくい部分を推敲(すいこう)できると理想的です。

面接の準備

政府が要請するスケジュールで採用を実施する企業では、大学4年生(大学院2年生)などの6月から面接が始まります。独自の選考スケジュールで採用を行う企業の中には、大学3年生(大学院1年生)2月には最終面接を行っているケースもあるので、個別にスケジュールを調べておくと安心です。

面接前に、面接の流れと受付から退室までのマナー、よく聞かれる質問とその意図などを知っておくと、当日落ち着いて臨むことができるでしょう。
また、面接でのすべての質問は「あなたはどんな人?」ということを知るためのものだと心得ておくと良いでしょう。例えば、よくある質問の「自己PR」や「学生時代に力を入れたこと」は能力や性格を知るために、「志望動機」は何をやりたいか志向を知るために尋ねています。面接当日、想定外の質問がきたときは「私自身の能力または性格、志向にひもづけて答えればいいんだな」と考えると良いでしょう。

【就活トラブル】各種ハラスメントを感じた場合は、企業や学校へ相談を

政府の呼びかけにより企業は、就活中またはインターンシップ中の学生に対する「セクハラ」や就活終われハラスメントと呼ばれる「オワハラ」、内定辞退防止を目的とした親への確認「オヤカク」の防止措置を徹底しなければならなくなっています。

就活は本来、学生と企業が相互理解を深めていくための場所です。決して企業が優位に立ち、学生が判断される立場にあるものではありません。どこに就職するかの最終決定権があるのも学生です。

もしも就活中に各種ハラスメントを感じた場合は、企業の問い合わせメールや別の採用担当者、大学などへ連絡を取りましょう。また、性別にかかわらず夜に2人だけで個室で会うようなシチュエーションは避け、不安や違和感がある場合はオンラインでの面談を希望するなどしておくと安心です。

2029年卒(29卒)就活のポイント・新卒採用ニーズ“予測”

【就活市場】企業の新卒採用ニーズは高く、学生にとっては追い風

現状の採用状況が続けば、2029年卒(29卒)の新卒採用市場は、企業の採用ニーズが高く、学生にとっては追い風となる見込みです。

<参照データ>

2025年8月時点で最新の大卒求人倍率は1.66倍(※1)で、2025年卒の新卒採用で採用目標数を充足できた企業は37.2%(※2)とされています。これらのデータから、企業は新卒入社者を確保するのに苦戦している様子が見られるため、反転して考えると学生にとっては追い風とも言える傾向にあるでしょう。

なお、「大卒求人倍率」とは民間企業への就職を希望する学生1人に対し、企業から何件の求人があるのか(企業の求人状況)を算出したものを指します。

※1出典:インディードリクルートパートナーズのワークス研究所「大卒求人倍率調査(2026年卒)
※2出典:リクルート就職みらい研究所の『就職白書2025

【就職難易度】企業規模にこだわらなければ選択肢は多いが、大手企業への就職は狭き門

現在の就職市場は企業の新卒採用ニーズが高く、学生にとっては追い風の傾向にありますが、だからといって「どこでも簡単に入社できる」というわけではありません。

<参照データ>

大卒求人倍率(※)を規模別に見ると、「従業員300人未満の企業」の求人倍率は8.98 倍ですが、「従業員5000人以上の企業」の求人倍率は0.34倍と求人総数を就職希望者数が大きく上回っています。

これは、大手企業への就職は、応募する学生が多く競争が激化していることを示します。

※出典:インディードリクルートパートナーズのワークス研究所「大卒求人倍率調査(2026年卒)

2029年卒(29卒)の就活でも、自分のやりたい仕事や歩みたいキャリアパスが大手企業にある場合は、企業研究や仕事研究、自己分析など十分な準備が必要でしょう。

【採用形式】初任配属先の確約採用や、内定パスポートなど採用形式が多様化

学生側の価値観の多様化に合わせて、さまざまな採用形式を取る企業が見られます。2029年卒(29卒)の就活でも、これらの多様な採用形式を実施する企業は一定数あると予測されます。どの企業がどんな採用をしようとしているか、アンテナを立てておくと良いでしょう。

就活準備はいつから始めると良い?

大学2年生などの3月以前に就活を始めた先輩が最多

直近で就活を終えた先輩たちに就活を始めた時期を聞いたところ、「大学2年生などの3月以前に就活を始めた」と答えた人が最多となりました。ほかには大学3年生の4〜6月に開始する人や、大学4年生になる直前の3月に開始する人も一定数いるようです。
6月は企業のインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムの応募が増える時期でもあるため、それに合わせて業界・企業・仕事研究、自己分析などを行う人が多いことも影響しているのでしょう。

就職活動の開始時期

※「卒業年次前々年」は、大学2年生、「卒業年次前年」は大学3年生、「卒業年次」は大学4年生などを指します。
出典:リクルート就職みらい研究所『就職白書2025

大学4年生などから就活を始める人もいる

学内外の活動など就活以外に優先することは個人によって異なるため、この時期までに必ず始めていないといけないということはありません。実際に、卒業学年である大学4年生(大学院2年生)などになってから始める人も一定数います。
開始時期がいつになったとしても、焦らず就活に臨みましょう。

2029年卒(29卒)が大学1・2年生でできる就活準備は?

充実した学生生活を送り、定期的に振り返りと言語化をする

就活のために、特別な経験を積む必要はありません。その代わり、何かを新しく始めたとき、区切りがついたときに、振り返って言語化する習慣をつけておくと良いでしょう。「なぜ興味を持ったのか」「向いていると思うか」「どんなときに自分らしさを発揮できたか」などを理由や、根拠となる出来事でまとめておくと、自分の価値観が明確になります。

「なりたい自分」や、「どんなふうに働いて生きていきたいか」がなんとなく見えている場合は、そこに向けて学業や課外活動にどう取り組めばいいのか、自分なりに考えて意味づけしていくと、より充実した学生生活が送れるでしょう。

「人生をどう過ごしたいか」そのために「どう働きたいか」を考える

大学1〜2年生の間は、「社会との接点を持ち、自分の視野と将来の選択肢を広げる」ことが大切です。まずは、これから先の人生をどう過ごしたいか(ライフキャリア)を考えましょう。次に、希望する人生を実現するためにはどんな働き方が良いのか(ワークキャリア)、どんな職業があるのかを逆算して考えてみましょう。逆算するには、学年や時期を問わずに参加できるオープン・カンパニーやキャリア教育などに参加してみるのも有効です。

リクナビなど就活準備サイトに登録して、世の中にどんな企業があるか知る

世の中にどんな企業があるかを知りたい人は、就活準備サイトに登録をしてみるのも良いでしょう。例えばリクナビは大学1・2年生も登録ができ、自分が参加できるオープン・カンパニー&キャリア教育等を開催している企業が一覧で確認できます。

世の中にどんな企業があって、どんなイベントをやっているのかを知ることができるので、自分がどんな企業や仕事に興味を持てるかを感じ取るきっかけになるかもしれません。

就活準備で気になる疑問

Q. やりたいことは明確にしておかないとダメ?

仕事でやりたいことは明確でなくても大丈夫です。就活は、やりたいことを見つけていく作業なので、就活開始前から明確である必要はないからです。
まずは興味があること、自分の強みを生かせることを仮置きして、本当にフィットするかどうかを、オープン・カンパニーやキャリア教育などを通じて確かめ、自分らしい企業選定基準を見つけていくと良いでしょう。

Q. 就活でよく聞く「早期選考」って何?

早期選考とは、政府が要請している「大学3年生(大学院1年生)などの3月に説明会やエントリーを開始し、大学4年生(大学院2年生)などの6月に選考を開始する」という就活スケジュールよりも前に実施される採用選考全般のことを指します。
そのため、大学4年生などの6月以前に始まる選考が「早期選考」に当たります。しかし実際には、多くの企業が6月1日以前に面接を行っているため、イメージとしての早期選考は、大学3年生などの1〜2月以前に選考を始めている企業の選考を指すケースが多いでしょう。早い企業では、大学3年生などの夏に選考を行い内定が出るケースもあるようです。

Q. 早めに就活を始めて早期選考に応募した方が有利?

就活は、人によって始める時期が異なります。そのため、早期選考をしている企業に応募した方が絶対に良いというわけではありません。自己分析を深められないまま選考に進み内定をもらってしまうと、入社する企業の選定が難しくなり、場合によっては入社後のミスマッチにつながる可能性もあるので注意しましょう。

一方で、希望する企業の選考が政府の要請スケジュールとは異なり早期選考に応募せざるを得ない場合もあるでしょう。就活スケジュールに関係なく、学生時代を通して「自分はどう生きていきたいか」「どんな働き方をしたいか」といった自分について理解を深めておくことが大切になります。

Q. 大学1・2年生のうちに内々定を得ることはできる?

政府が要請している就活スケジュールはあるものの、企業の採用選考スケジュールは多様化しており、中には大学1・2年生に対して内定を出す企業もあります。時期を問わずに常時採用活動を行っている通年採用の企業などでは、学年に関係なく入社試験を受けることができ、そこで選考に合格すると大学1・2年生であっても内々定を得ることが可能です。

ただし、早めに選考に応募したからといって、内定までの難易度が下がるわけではありません。加えて、早めに内定を得ることが必ずしも良いこととも限りません。場合によっては、内定受諾までに他社の採用選考が終わらないケースもあり、結果として本当に自分に合っているのか、他社比較をした上でその企業で働きたいのかを見極めることが難しくなる可能性もあるからです。

リクナビでは、さまざまな「オープン・カンパニー&キャリア教育等」のプログラムを見ることができます。気になるプログラムがあるか見てみましょう。

監修:株式会社インディードリクルートパートナーズ リサーチセンター 上席主任研究員 栗田貴祥

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。