新卒向け|面接での志望動機の伝え方・作り方のコツを徹底解説【例文8選】

志望動機は、就活の面接でよく聞かれる質問です。自分の思いを企業に正しく伝えるためにも、事前にしっかりと準備しておきたいもの。そこで、志望動機の作り方や回答例、面接の際の話し方のポイントなどを解説します。

面接で志望動機を聞くのはなぜ?

就活の面接で企業が志望動機を聞く理由は、「この企業で働くに当たって十分なモチベーションを持っているか」をみるためです。「志望動機がしっかりしているかどうか」を確認することで、学生のやる気をみているのです。

ただ、最近は新卒市場全体の採用意欲は高いものの、少子化の影響で希望する採用人数を集めることが難しいことから、企業から学生にアプローチするケースも増えています。その場合、面接するたびに志望動機を聞くことで、その時点での入社意欲を推測し、「あとどのくらい自社の魅力を伝えて、入社意欲を高める必要があるのか」を確認することもあります。

志望動機の作り方

ここでは、将来のビジョンから志望動機を考える方法と、魅力を感じた点から逆算して志望動機を作る方法を解説します。

どちらの場合でも、企業の「どこ」に「なぜ」ひかれるのか、自分の価値観と根拠に基づいて説明できると、入社意欲が伝わるでしょう。

将来のビジョンから「なぜこの企業に魅力を感じるか」を考える方法

  1. 自己分析によって将来の目標や働き方のビジョンを明確にする
  2. 企業研究シートなどを活用して、志望する企業の特徴や強みを洗い出す
  3. なぜその企業がいいのか、自分がその企業でどう活躍できそうかを考える

「魅力を感じた企業の特徴」から逆算して、自分の価値観を考える方法

  1. 企業の特徴をリストアップして、自分がひかれるものを選ぶ
  2. 自分の中のどんな価値観が理由で、その特徴にひかれているのか考える
  3. 企業選びに影響を与えた価値観は、いつ何がきっかけで芽生えたものか深掘りする
  4. その価値観が基になっている、自分なりの意見や行動をまとめる

企業の特徴をリストアップするときは、以下の4つ観点のうち、どれに当てはまるかを考えてみると、その後に自分の価値観を整理しやすくなります。

  1. 構成員の魅力…社風、経営者、社員など
  2. 活動内容の魅力…事業・商品の特徴、仕事内容、タスクなど
  3. 目標への共感…企業理念、ビジョン、事業戦略など
  4. 特権の魅力…評価・教育制度、勤務場所など

志望動機の伝わりやすい構成と流れ

面接担当者に伝わりやすい志望動機にするためには、以下のような構成にすると良いでしょう。

1.「何に魅力を感じたのか(=what)」、最初の一文で簡潔に伝える

志望動機を伝える際は、最初に結論を伝えることが大事です。企業のどこに魅力を感じているのかをまず簡潔に述べてから、具体的な内容を伝えるようにしましょう。

ポイントは、「他社との差別化につながっている特徴」ではなく、「心からひかれている特徴」を挙げることです。ここで本音とはかけ離れた表面的なきれい事を述べてしまうと、説得力のある志望動機にはならないので注意しましょう。

2.「それはなぜか(=why)」、根拠を自身の価値観を交えて説明する

次に、なぜその企業の特徴に魅力を感じたかを、自分の価値観を交えて話しましょう。

その際、3つのポイントを意識して具体的なエピソードを伝えると、本気度がより伝わり志望動機の説得力が増します。

  • その価値観が芽生えた「きっかけ」
  • その価値観を持つからこそ志望企業に対して感じている「意見」
  • 学生としてできる範囲で行ってきた「行動」

3. 入社後どのような挑戦をしたいか伝えて全体をまとめる

時間が余った場合や、より熱意を伝えたい場合は、最後に入社後どんなことに挑戦したいか、どう活躍したいかを具体的に伝えるのも良いでしょう。志望企業に対する熱意や積極性のアピールにもつながります。

ただし、企業によっては「その仕事ができるとは限りませんが、それでも入社したいですか?」と聞かれてしまうことも考えられます。うまく切り返す自信がない場合や、やりたいことが明確ではない場合は、無理して伝える必要はないでしょう。

志望動機の例文

志望動機の例文を「魅力を感じた企業の特徴」別に8つ紹介します。自分の志望企業や志望動機と置き換えて参考にしてみてください。なお、面接を受けている企業について話すときは「御社」という表現を使いましょう。

事業内容に関する志望動機の例文

企業の抱えるリスクに応じて、最適な保険商品や、時にはニーズに合わせて新しい保険サービスを検討し、提案するというビジネスに魅力を感じ、御社を志望します。私は、テニスサークルで練習メニュー作りを担当しています。初心者と経験者両方の意見を聞いてメニューを組み、数カ月後に初心者から「上達した」、経験者から「実戦経験が積めた」などと喜んでもらえたときにやりがいを感じます。この経験を生かして、お客さまと社内をつなぐ役割を果たしたいと思います。

商品・サービスに関する志望動機の例文

土地開発やビル・施設造りを通してまちづくりに携わりたく、御社を志望します。高校時代、私の地元駅の前に、再開発によって多数の店舗や行政機関、保育園などが入った複合施設が建てられたことで、街が活気を取り戻す様子を目の当たりにしました。通勤・通学の人だけでなく、子どもからお年寄り、中高生、家族連れまで人の往来が増えてにぎやかになり、行き帰りが楽しくなったことを覚えています。御社がこれまで手掛けてこられた土地開発は、地元の既存商店とも連携して、地域全体の活性化まで考えられている点にも魅力を感じています。私も御社のまちづくりに携わり、人々の暮らしを豊かにすることに貢献したいと思います。

企業理念に関する志望動機の例文

「既存の商品に追随するのではなく、新しさのある商品を積極的に生み出す」御社の理念に共感しました。私は、イベント企画サークルで「前例を踏襲するのではなく、何かしらの改善や、新しいことを」という考えで活動しています。例えば、新入生歓迎イベントでは例年バーベキューをしていたのですが、友人同士で固まってしまい、新しい交流が生まれないことを課題に感じていました。そこで私は、参加者全員と必ず1回は話すように仕掛けたゲームを取り入れるようにしてみました。結果、参加者からも好評で、ひと工夫することでより良くできることを実感しました。御社においても、この姿勢を生かして仕事に臨みたいと思います。

社風に関する志望動機の例文

御社の「年次や年齢に関係なく互いに意見を出し合い、より良いサービスをつくっていく」という社風に魅力を感じました。私は所属していた学園祭実行委員会で、学年を問わず意見を出し合い、出た意見はまずは否定せずに検討し、さらに意見を出し合ってより良い結論を出す、という方針で活動していました。その際、1人ではできないことも皆でアイデアを出し合えば、来場者に喜んでもらえる企画を実現できる、ということを目の当たりにしました。そこで、働く上でも同様の環境で頑張りたいと考えています。

教育制度に関する志望動機の例文

自らの意思で受講選択できるスキルアップ研修や、社員による自主的な勉強会が盛んな点に魅力を感じ、御社を志望します。私は、幼少期から図鑑を読むのが好きで、知識を得て、誰かの役に立つことに喜びを感じていました。保険業界で働くことを希望してからは、ファイナンシャルプランナーの勉強に励んでおり、昨年3級を取得し、現在は2級のための勉強を行っております。成長支援に力を入れている御社で、継続的なスキルアップを図ることで、今後も継続して、保険・金融関連の資格を取得し、得た知識をお客さまに還元したいと考えております。

働く社員に関する志望動機の例文

御社の説明会でお話をうかがった社員の皆さんが、共通して「お客さまを支援したい」という熱い思いを持っていらっしゃることに魅力を感じました。私は留学生支援サークルで、来日後間もない留学生のサポートに取り組んでいます。外国籍の友人から、日常会話はできても、書類手続きなどで困ることがあるという話を聞き、自分にできることを手伝いたいと思ったのがきっかけです。留学生が感じる不便や疑問を聞き出して必要な支援をしていくのは根気がいりますが、「日本での生活をできるだけ快適に始められるように」という思いで向き合ってきたので、御社の社員の皆さんのお客さまに対する思いに共感しました。

就業環境や働き方に関する志望動機の例文

私の出身地である○○県の活性化に資金面から貢献されていることに魅力を感じ、御社を志望します。私は、高校卒業まで育った○○県に非常に愛着を持っており、振興・活性化の助けになりたいと考えています。また、私自身、奨学金の受給がなければ大学生活を送れなかったことから、お金のありがたみを強く感じています。ぜひ貴行の一員として資金面から地元企業を支え、○○県の活性化に貢献したいと思います。

評価制度に関する志望動機の例文

個人の成果に応じた評価・報酬に重きを置いた評価制度に魅力を感じ、御社を志望します。私は量販店での携帯電話販売のアルバイトで契約件数に応じて時給が上がり、さらには、より責任のある役割を任せてもらえることにやりがいを感じてきました。結果を出すことで高く評価されるとともに、より高い目標に挑戦する機会を得られることが、私のモチベーションの源泉です。御社においても、積極的に技術や知識を吸収しながら、評価される新しい技術の開発に貢献していきたいと思います。

志望動機が思いつかないときはどうしたらいい?

志望動機が思いつかない場合は、以下のような対処法を試してみましょう。

会社選びの基準を語る

どうしても、志望動機として「この会社に入りたい理由」が作れない場合もあるでしょう。また、会社にひかれた根拠となる、きっかけや意見、行動のエピソードが見つからず、表面的な志望動機になっている人もいるかもしれません。

志望動機が思いつかない、または浅い場合は、例えば「地域や社会の役に立ちたい」など自分なりの会社選びの基準を語った上で、「それに御社が当てはまると思った」と伝えるのも一つの方法です。

その会社だけに当てはまる理由を見つけようとしない

志望動機の作成に悩んでいる学生の多くは、「他社ではなく、その会社じゃなければいけない理由」を探そうとしています。しかし、志望動機で伝える内容は、その会社にしかない特徴でなければいけないというわけではありません。

もしも面接で「その志望動機は他社にも当てはまるのでは?」と言われたら、素直に「そうかもしれません。ですが、私が選考を受けている企業の中では、御社が一番当てはまると考えています」と伝えましょう。

就活の面接で、こうした議論を持ちかけられた場合は、論破しないといけないと考えるのではなく、それでも入社したいと言える率直さを持つと良いでしょう。

志望動機で言わない方がいいことはある?

志望動機で伝える内容は、自分の価値観に深くひも付いていることであれば、基本的にはどんなことでも問題ありません。

しかし、内容によってはわざわざ伝えない方がいい場合もあります。ここでは、なるべく志望動機で伝えない方がいいことを解説します。

給与・福利厚生などの待遇ばかりの内容

会社選びの基準で「安定」や「給与」を重視することは珍しくありません。しかし、入社したい一番の理由として伝えるのは避けた方が良いでしょう。あくまでも給与や福利厚生はベースであり、企業活動の核とは言いづらいからです。

これらを志望動機の中心にしている場合は、事業や仕事内容、企業文化など次点でひかれている内容に差し替えた方が良いでしょう。

憧れの気持ちだけで具体性に欠ける内容

仕事に憧れを持つこと自体は問題ありません。

ただし、「小さいころから憧れています」と伝えるだけでは不十分です。志望動機が浅いと思われないためにも、実現させるために努力したことや、学んだことに基づく自分なりの意見などを交えて話すと良いでしょう。

「こう変わりたい」という変身願望のみの内容

「入社後に学んで成長したい」「こんなふうに変わりたい」という志望動機は、意欲の高さが伝わると考えている学生も多いかもしれません。しかし、自分なりの学びや行動を伴わない変身願望は、受け身の姿勢だと捉えられかねません。

なりたい自分に向けて、実際に行動している事柄を伝える必要があるでしょう。

志望動機の話し方・伝え方のポイント

説得力のある志望動機を作ることができても、面接では、話し方や伝え方で面接担当者への印象は変わってしまうものです。ここでは、面接で話す際に気をつけておきたいポイントを紹介します。

対面の面接は1〜2分程度にまとめる

対面面接で志望動機を話す際は、簡潔に話すのが理想だと言われています。長すぎると要点が伝わりづらくなることもあるため、1〜2分に収まるようにまとめ、早口にならないよう注意しましょう。

オンライン面接は少し長めに、プレゼンする気持ちで話す

オンライン面接は、対面よりも話者の交代がしづらいという特徴があります。追加で質問してくれるとは限らないので、自分が話者のときに伝えきる意識で話しましょう。

入社の意思を言葉にする

面接では、面接担当者へストレートに入社したい意思を伝えることも大切です。限られた面接時間の中で、面接担当者は応募者の熱意を見ています。そのため、ためらわずに「入社したいです」と明確に言葉で伝えるようにしましょう。

面接担当者と目線を合わせて明るくはっきりと話す

目線を合わせて、口角をあげ、明るくハキハキと話す人は、相手から良い印象を持たれます。対面の場合は相手の目を見て話し、オンライン面接の場合はカメラに目線を向けましょう。

口癖が出ないように注意する

緊張すると、「えっと」や「あのー」など、自分でも知らず知らずのうちに言ってしまうことがあります。事前に面接の練習をしている様子を録画してチェックしたり、家族や友人に聞いてもらったりして、自分の口癖を把握し、面接で言ってしまわないように意識づけておくと良いでしょう。

面接の練習もしておこう

面接本番で落ち着いて話すためには、事前の練習が欠かせません。

以下のような方法で、面接を練習しておくと良いでしょう。

  • スマートフォンで録画してみる
  • 家族や友人に協力してもらう
  • 志望企業のOB・OGに協力してもらう
  • 学校のキャリアセンターを活用する

「AI面接練習」を使うと、良い点・改善点のアドバイスがもらえる

リクナビの「AI面接練習」では、志望動機のほかにも、自己紹介やガクチカ、自己PR、キャリアプランなど練習したい面接シーンを選んで練習することができます。

面接練習だけでなく、自分の考えを整理するのに役立つでしょう。

面接で志望動機を伝える際の気になる疑問

履歴書と1次面接の志望動機は同じでいい?

ベースとなる内容は同じで問題ありません。ただし、面接では履歴書に書いてある内容をさらに深掘りした内容や、伝えきれなかった内容を加えると良いでしょう。

2次面接と最終面接では、志望動機で伝える内容を変えるべき?

ベースとなる内容は同じで問題ありません。2次面接では、選考を受ける中で、考えが深まった部分などがあれば付け加えてみると良いでしょう。

また、最終面接(役員面接)では、個人の特徴が抜きんでている人から内定を出す傾向があり、モチベーションの高さが差別化になり得ます。より自分のライフヒストリーに基づいた動機を話すようにすると良いでしょう。

面接では一貫性が重視されるって本当?

本来、志望動機は選考を通して深まり、意欲も高まっていくものです。そのため、少しずつ変わっていくことは自然なことでもあります。

しかし、一部の企業では「選考の最初から最後まで一貫性があるか」を評価指標に使っているケースもあります。志望動機が大きく変わる場合は、「当初は〇〇と考えていましたが、選考を受けるにつれ考えが深まり、今では△△と考えるようになりました」と前置きを加えて説明すると良いでしょう。

曽和利光さんプロフィール写真

監修

曽和利光さん

株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。

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