1次面接で聞かれる質問と回答例11選!面接担当者のチェックポイントも紹介

就活の1次面接において、どのような受け答えをすればよいか気になる学生もいるでしょう。

1次面接の役割やよくある質問とその回答例について解説します。

1次面接の役割とチェックされるポイント

1次面接は、応募者が仕事をしていく上で必要な一般的な適性を持っているのかを見極める役割を担います。

ビジネスマナーや会話のキャッチボールができるかといった、社会人としての「土台」があるかを確認しています。

1次面接では、人事部の採用担当者以外にも現場の若手社員が担当するのが一般的です。そのため、客観的な能力やスキルよりも、第一印象や受け答えの雰囲気といった直感的な部分に評価が左右される傾向にあります。

面接担当者がチェックしている項目を押さえて、どのようなことを意識して回答すれば良いのかを把握しましょう。

一貫性のある回答ができているか

1次面接では、面接での回答が、提出済みのエントリーシート(ES)や履歴書の内容と矛盾していないか、また面接内での複数の回答同士がつじつまが合っているかをチェックします。

一貫性がない回答は、「マニュアルを丸暗記しているだけではないか」「嘘をついているのではないか」と疑われてしまう恐れがあります。

たとえば、「やり切る力」をアピールしたいのであれば、自分の長所や自己PRでも「やり切る力」を軸に回答すると良いでしょう。

また、面接前にエントリーシートを読み返し、自分が書いた内容を再確認しておくことで、書類と口頭での説明にずれが生じるのを防ぎ、自信を持った受け答えができます。

質問への受け答えができているかどうか

1次面接では、単に質問に答えるだけでなく、面接担当者の意図を汲み取った回答ができているのかがチェックされます。

学生が質問の内容を瞬時に把握する理解力や、情報を整理して伝える論理的思考力を持っているかを確認しているためです。

社会人として働く上で、社内外の人と情報をやり取りする機会が多くあります。そのため、面接担当者が何を求めて質問しているのかを考えてから、適切な答えを過不足なく提示することで、入社後も円滑に業務を遂行できる人物だと伝えることができます。

また、「私の強みは⚪︎⚪︎です」のように、結論から話すようにするなど、面接担当者が回答の内容を理解しやすいような話し方を心がけるのも大切です。

コミュニケーションに問題はないか

質問への受け答えを通して、問題なくコミュニケーションを行えるのかもチェックされています。1次面接では組織への適応力の有無や顧客対応への適性などが判断の指標となっています。

具体的には、以下のような項目を通してコミュニケーション能力が評価されています。

  • 明るい表情で、相手の目を見て受け答えができるか
  • ハキハキと話すことができているか
  • 身だしなみや敬語、挨拶などを意識しているか
  • 質問に対して丁寧に答えているか

どれだけ優れた志望動機を話しても、挨拶がなかったり目が合わなかったりすると、チームでの仕事に支障が出ると判断されるかもしれません。

回答の内容以上にコミュニケーション能力の評価が重視される場合もあるため、事前に声のトーンや話し方、身だしなみなどを見直してみましょう。

1次面接で聞かれる質問と回答例11選

1次面接でよく聞かれる質問と回答例を紹介します。頻出の質問とその回答例を押さえておくことで、心の余裕を持ち、自分の魅力を企業へ的確に伝えられるようになるでしょう。

1. 学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)

学生時代に力を入れたことでは、主に部活動やサークル、アルバイト、学業などの活動内容について述べます。学生時代に課題を乗り越えたプロセスを聞くことで、入社後に仕事でトラブルや壁にぶつかった際、どのように対処し活躍してくれるかを予測しています。

単に結果を伝えるだけでなく、直面した困難に対して「なぜ」「どのように」行動し、何を学んだかというプロセスを重点的に回答しましょう。

回答例

私が学生時代に力を入れたのは、カフェのアルバイトで「リピーターのお客さまを増やすこと」です。

私の働く店舗では、接客が事務的で常連のお客さまが少ないという課題がありました。そこで私は、お客さまの好みのドリンクや以前お話しした内容をメモにまとめ、次回来店時に「今日はいつものラテでよろしいですか?」とひと言添える工夫を自分から始めました。次第にほかのスタッフも協力してくれるようになり、結果として1日の再来店率20%向上を実現しています。

この経験から、自ら動いて周囲を巻き込む大切さを学びました。御社でも、お客さま一人ひとりに寄り添った柔軟な対応を徹底し、お得意さまを増やしていくことで貢献したいです。

2. 長所と短所

長所では、具体的なエピソードを添えつつ、それが仕事でどう活かせるかを伝えます。「自己理解(客観視)」が正しくできているか、またその人柄が企業の社風に合うかを確認されます。

短所は、欠点を述べるだけでなく、どのように向き合い改善しようと努力しているか、前向きな姿勢をセットで回答しましょう。

回答例

私の長所は、目標に対して粘り強く取り組む「継続力」です。

大学のテニス部では、苦手なサーブを克服するために毎日1時間の自主練習を1年間欠かさず行いました。その結果、サーブの成功率が向上し、リーグ戦で勝利を収めることができました。この粘り強さを活かし、御社の業務においても困難な課題に直面した際、泥臭く努力し成果につなげたいと考えています。

一方で、短所は1つのことに集中しすぎると、周りが見えなくなってしまう点です。現在は、作業の合間にあえて5分間の休憩を挟んだり、全体進捗を確認する時間を設けたりすることで、広い視野を保てるよう意識しています。

3. 就活の軸

「人々の生活を支える仕事がしたい」「専門性を磨ける環境」など、自分が企業を選ぶ上で譲れない就活の軸を答えます。学生が大切にしている価値観が、企業の社風や業務内容と合致しているかを確認し、自社とのミスマッチがないかを判断されます。

回答する際は、就活の軸としていることが「なぜその企業で実現できるのか」という根拠を明確にすることも重要です。企業の事業内容やビジョンと自分の軸を関連付けて話しましょう。

回答例

私の就活の軸は「専門性を磨き、技術で人々の生活を支えること」です。

大学での研究を通じ、一つの分野を深く掘り下げることが大きな成果につながる面白さを学びました。御社は業界屈指の技術力を持ち、若手から高度な専門スキルを磨ける環境がある点に強くひかれています。

また、変化の激しい社会においては、専門性こそが質の高い貢献を生むと考えています。入社後は、継続力を活かして技術をいち早く習得し、人々の生活を支える存在として貢献したいです。

4. 志望動機

志望動機を通して、企業への理解度と熱意、ミスマッチがないかを判断されます。

「○○という分野が好きだから」というだけでなく、その企業でなければならない理由を明確に伝えることで好印象を得られるでしょう。

回答例

御社の、「技術を駆使して地方の生活を支える」という姿勢に強く共感し、志望いたしました。

私は大学時代、地方ボランティアを通じて、IT化の遅れが住民の不便さに直結している現状に直面しました。地域密着型のソリューション展開に強みを持つ御社であれば、「誰もがテクノロジーの恩恵を受けられる社会」という私が実現したい未来を形にできると考えています。

入社後は、現場の小さな困りごとを拾い上げ、御社の持つ技術を誰もが使いやすい形で届けることで、サービスの普及と信頼獲得に貢献したいです。

5. 他社の選考状況

他社の社名をすべて出す必要はありませんが、受けている業界や職種、「1次面接を通過した」のような現在の選考状況を伝えましょう。

複数の企業を受けている中で選考基準に一貫性があるかをチェックしており、場当たり的に応募していないか、自社とマッチする就活の軸を持っているかを判断しています。

また、他社の選考が進んでいることは「市場価値が高い」というポジティブな評価につながりますが、「内定を出しても辞退されるのでは」という懸念も生みます。「〇〇という独自の強みを持つ御社でこそ、私の目標が達成できる」といった補足をすることで、熱意と誠実さを印象付けられるでしょう。

回答例

御社のほかに、現在はIT業界のシステムエンジニア職を中心に3社選考が進んでおります。具体的には、大手SIer(システムインテグレーター)1社の2次面接を控えており、独立系IT企業2社の1次面接を通過した状態です。

私はFinTechの発展によって将来性がある金融系のシステム開発ができる現場を軸に、就活を行っております。中でも御社は、上流工程から一貫して携われるため、私の目標を実現できる環境です。

御社のプロジェクトに貢献したいという思いが一番強く、第一志望として選考に臨んでいます。

6. 過去の成功体験

目標を達成したり、周囲に貢献したりした、といった具体的なエピソードを述べます。この質問を通して、目標達成のために主体的に行動できる人物かという、ビジネスパーソンとしての素養が評価されます。

回答の際には、最終的な結果だけでなく、どのように努力したのか、成果につなげるためにどのような工夫をしたのか、過程についても伝えましょう。

回答例

私の成功体験は、所属するテニスサークルで新入部員の定着率を前年の1.5倍に向上させたことです。

当初、新入生の半分が夏までに辞めてしまう課題がありました。私は「練習の難易度が高く、初心者が馴染めていないこと」が原因だと考え、初心者向けの練習メニューを提案し、自ら指導役を務めました。

この経験から、相手の立場に立って環境を改善することが重要であると考えています。御社でも、周囲の状況を把握し、チームのパフォーマンスを底上げできるよう尽力します。

7. 挫折や失敗経験

これまでの経験で一番つらかったことや失敗したことと、それをどのように克服し、何を学んだかを具体的に伝えましょう。

社会人として働く中でも、失敗は起こり得ることです。そのため、過去の挫折や失敗経験を通して、ストレス耐性や困難な状況下でも前向きに立ち直れる力があるかをチェックされています。

目立った挫折や失敗経験がない場合、日常生活や学校生活での「目標に届かなかった小さな経験」を深掘りしてみましょう。挫折の規模ではなく、あくまでも思考プロセスを評価しているため、次に失敗しないためにどのような工夫や仕組み作りをしたのかを話すだけでも十分なアピールとなります。

回答例

大学のテニス部で、レギュラーから外れたことが一番の挫折です。

当初はかなり落ち込んだものの、これをきっかけに客観的に自分の弱点を見直しました。具体的には、試合動画を分析して「サーブの成功率が低い」ことが弱点であると考え、サーブの成功率を上げるため毎日100本の自主練習を3カ月継続しました。

その結果、サーブの精度が向上し、最終的にはレギュラーに復帰して大会で勝利を収めています。この経験から、困難に直面しても現状を分析し、地道に努力し続ける大切さを学びました。

御社でも、目標達成が難しい場面で粘り強く課題解決に取り組み、貢献したいと考えています。

8. 学校で勉強したこと

専攻科目、ゼミ、研究テーマの内容を説明します。学生の本業である「学業」に対する取り組み方から、社会人になってからの「仕事への向き合い方」を推測しています。

専門用語を避けて初対面の人にもわかりやすく説明することと、その勉強にどう取り組んだかという姿勢を伝えることを意識しましょう。

回答例

私は大学で、行動経済学のゼミに所属し「消費者の意思決定プロセス」を研究しています。 理論だけでなく、実際の購買データを用いて仮説検証を行う点に注力しました。

具体的には、スーパーの陳列方法が売り上げに与える影響を分析し、配置一つで購買率が10%変動することを実証しました。この経験から、データに基づき客観的な根拠を持って試行錯誤する重要性を学びました。

御社においても、仮説立案と検証のサイクルを回す姿勢を活かし、顧客ニーズを的確に捉えた提案で貢献したいと考えています。

9. 最近気になるニュース

ここ1カ月以内に報じられたニュースの中から、自分の意見が言えるものを選びます。情報感度の高さをチェックするとともに、選ぶテーマによってその人の興味関心の方向性や、企業の仕事との関連性も見られています。

ニュースの内容だけでなく、なぜそのニュースが気になったのか、自分なりの考えをセットで述べましょう。

回答例

企業が社員の副業や学び直しを応援する動きが広がっているというニュースに注目しています。

会社が個人の成長を後押しする姿勢は、変化の激しい今の時代にとても大切だと感じたからです。私は趣味で動画編集を学んでおり、サークルのSNS動画を作って新入生勧誘の効率を大幅に上げた経験があります。

この時、自らスキルを磨くことが組織の課題解決に直結し、成果につながる手応えを実感しました。御社に入社してからも、新しいことを積極的に吸収し、自分の成長を御社の新しい価値や利益につなげていけるよう挑戦し続けたいです。

10. 趣味や特技

自分が熱中していることや得意なことを、具体的なエピソードとともに紹介します。これは、応募者の素顔を知るためのアイスブレイクとしての意図があります。

また、趣味や特技を通して自社が求める人物像であるか、何かに熱中する力があるか、などを見ている場合もあるでしょう。

目立った趣味や特技がない場合「早起きをして散歩をする」「毎日自炊を欠かさない」といった日常的な習慣に着目してみましょう。なぜそれを続けているのか、その習慣からどのような気分転換や学びを得ているのかを話すことで、面接担当者に自分の価値観や志向などを伝えることができます。

回答例

趣味は効率を重視した「自炊料理の作り置き」です。

限られた時間と予算で、いかに栄養バランスの良い献立を作るかに没頭しています。週に一度のまとめ買いで、1時間以内に5品以上を完成させる手際の良さが自慢です。

この習慣を通して、全体の流れを把握してテキパキと動く「段取り力」が身につきました。

御社でも、この段取りの良さを活かして、一つひとつの業務に対してスピード感を持って丁寧に取り組んでいきたいです。

11. 周囲からどのような人だと言われるか

友人や家族、アルバイト先の人などからよく言われる評価を挙げます。長所や短所といった本人の主観的な自己評価と、周囲からの客観的な評価にずれがないかを確認し、チームの中でどのような役割を期待できそうかが評価されます。

客観的な評価を踏まえることで、自分の強みや長所に説得力を持たせることもできるため、その評価が仕事にどう活かせるかまでをセットで考えておきましょう。

回答例

私は周囲から「状況を冷静に分析し、周囲をサポートできる人」だと言われます。

個別指導塾のアルバイトでは、成績が伸び悩む生徒の学習記録を分析しました。ほかの講師とも連携して宿題の量を調整するなどの対策を講じた結果、生徒の志望校合格に貢献できました。

御社でも、分析力と周囲を巻き込む力を活かし、チームの課題解決や円滑なプロジェクト進行に貢献したいと考えています。

曽和利光さんプロフィール写真

監修

曽和利光さん

株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。