初めてインターン(インターンシップ)に参加するなら、先輩たちやその道のプロがおすすめするものに参加して、できるだけ実りある経験にしたいと考えている人も多いかもしれません。インターンには、さまざまな種類があるため、自分がどんな目的で参加するかによって、選び方も異なります。そこで、今回は先輩たちが参加して良かったと思うインターンの内容や得られた経験についてアンケートを実施しました。さらに、先輩たちがインターン経験から得た内容を整理した上で、参加目的に合わせたインターンの選び方をプロが紹介します。
リクナビ2026では、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム4タイプの総称を「インターンシップ&キャリア」と呼びます。
この記事では、アンケート実施当時の「インターンシップ」について紹介します。
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目次
社会に出る前に企業で就業体験したり、業界や企業について理解を深めたりする機会として、インターンは多くの会社で実施されています。実際に参加した先輩たちが、「満足度が高い」と感じたのは、どのようなインターンなのでしょうか?
インターンに参加した経験がある2020年卒業予定の内定者300人に実施したアンケートでは、「参加して良かったと思うインターンはありますか」という問いに対し、77.7%が「ある」と回答しています。
■ 参加して良かったと思うインターンはありますか? (n=300、単一回答)
先輩たちはどんなインターンを体験し、なぜ良かったと感じたのか、その理由を見てみましょう。
※()内は、良かったと感じたインターンの業界、参加日数。
インターンを経験した先輩たちの回答を見ると、その内容も参加して良かったと感じるポイントもさまざまのようです。中には「プログラム内容が良くなく、参加したことでこの企業は自分に向かないとわかったことが収穫」という回答もありました。
どんなインターンがおすすめかは、そこで何を得たいのかという目的次第です。そこで、人事として新卒採用を20年担当し、現在はさまざまな企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんに、インターンの参加目的を整理していただきました。
曽和さんによれば、インターンの参加目的を大きく分けると、志望先の企業や業界について知りたい「企業理解系」と、自分のことをもっと知りたい「自己理解系」とがあり、さらに以下の4つに分類できるそうです。
(1)興味がある企業や業界の仕事について知りたい「仕事理解志向」
(2)興味がある企業や業界の風土や文化について知りたい「職場理解志向」
(3)自分が何をしたい(WILL)のかを知りたい「自己理解WILL志向」
(4)自分に何ができる(CAN)のか、何が合っているのかを知りたい「自己理解CAN志向」
では、上記のような4つの参加目的に合わせてインターンを選ぶには、どうすればよいでしょうか。
ここからは、インターンの選び方について、曽和さんに紹介していただきました。
インターン先を探すときに「(1)仕事理解志向」「(2)職場理解志向」の方が陥りやすいのが、名前を知っている大手企業などばかりを選んでしまうことです。しかし、そうした企業の多くは、人気企業であり、選考があるインターンがほとんど。参加すること自体が高倍率ですから、応募した企業のすべての選考で漏れてしまい、結局何も経験できないケースもあり得ます。
「仕事理解」を参加目的とするなら、私がおすすめするのは同業界内の2番手、3番手や中小企業、関連業界から探してみることです。
例えば、ビールメーカーを希望している場合でも、飲料系のメーカーや飲料系の専門商社に選択肢を広げて考え、実際に経験してみることで、その業界の仕事理解を進めることができます。まず、経験できることを優先してほしいのです。
プログラム内容についても、自分の参加目的に合っているかを見る必要があります。
例えば、学生同士のグループワークで、新規事業の立案や商品開発などを行って発表するビジネスコンテストスタイルのものは、比較的短期間で開催されていることが多いです。企画することを通して仕事自体への理解を深めることができますから、「(1)仕事理解志向」の人には向いていますが、会議室や研修施設などにこもって実施するケースが多く、職場の雰囲気に触れることはできません。
職場の雰囲気や社風を知りたい「(2)職場理解志向」の人であれば、長期インターンやアルバイトなどを体験することをおすすめします。主要な仕事を任されることはなくても、仕事への指示の仕方や交わされている会話、昼休みの過ごし方などから実像が伝わるからです。資料や会社説明会だけではわからない、考え方や社風に触れることができます。
このように知りたいのは仕事自体なのか職場や文化なのかによって、目指すべきインターンのプログラムや日数は異なるため、知りたいことを明確にしておいた方が、望んだ情報を得やすくなります。
長期インターンやアルバイトであれば、就活準備サイトで探す以外の方法もあります。例えば、ゼミやサークル活動のOBやOG、家族や親戚、知人などを頼ってアルバイトを紹介してもらってもいいでしょう。ベンチャー企業や中小企業であれば、長期インターンやアルバイトを募集していない場合でも、サイトの問い合わせページからメールで連絡を入れてみる方法もあります。ネットワークを使い、可能なアプローチをいろいろ試して、経験のきっかけをつかんでください。
志望職種や業界を模索している段階で、まずは、インターンを通じて自分のしたいことやできることを知りたいと思っている人も少なくありません。
自分が何をしたいのかを知りたい「(3)自己理解WILL志向」なら、自己分析をしたり自分に合う職種を考えたりするプログラムのインターンがいいでしょうし、自分に何ができるのか、何が合っているのかを知りたい「(4)自己理解CAN志向」なら、実際の職場に近い環境で業務を体験できるインターンがおすすめです。
そしてどちらの場合も、注目すべきは人気企業よりもベンチャー企業や中小企業などです。
人気企業は多くの学生が応募するので、受け入れ枠を増やすために開催期間が短くなりがち。ES(エントリーシート)を書いたり、面接を受けたりと、時間を費やして選考を通ったとしても、凝縮されたプログラムでスピーディーに展開していく場合が多く、自己理解まで落とし込んでいけない可能性もあります。
一方、ベンチャー企業や中小企業は、希望者を丁寧に受け入れてくれているところが比較的多いため、指導や実務経験、実施後のフィードバックなど、じっくり向き合ってもらえる可能性があるのです。また、規模が大きくないからこそ、仕事や会社の全体像を見ることができるでしょう。
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【調査概要】
調査期間:2019年11月18日~11月19日
調査サンプル:就活時にインターンシップに参加したことがある2020年3月卒業予定の学生300人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング
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【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。
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