外資就活、いつから始めればいい?外資系企業の特徴を踏まえてアドバイス

外資就活、つまり外資系企業に入社するための就職活動は、日系企業とは何かと勝手が違うもの。そこで、外資就活を考え始めた人向けに、日系企業とのスケジュールや選考の違いを、さまざまな企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんにうかがいました。

外資就活は、いつから始める?

外資就活は、日系企業と同じ時期からスタートしても大丈夫なのでしょうか?日系企業とのスケジュールの違いを、曽和さんに聞きました。

卒業前年度のサマーインターンから実質スタート

「外資系企業は、インターンシップを新卒採用の最初のチャネル(経路)にする傾向があるため、卒業前年度(大学3年生や大学院1年生など)の夏のインターンシップ(サマーインターン)が実質的に採用スタートの時期に当たります」(曽和さん)
したがって、サマーインターンに参加するための情報収集やインターンの選考準備などはその前から行う必要があることになります。外資就活を経験した先輩を対象としたアンケートでも、卒業前年度の春から始めたという人が多く、次のような声も寄せられました。

  • 学部3年生の夏から動き始めたが、それでも遅いように感じた(インターネット企業に応募)
  • 選考が早く進むので、2年の後期から始めた方がいい(インターネット企業、SI企業、ソフトウェア企業、鉄道企業、航空企業、新聞企業、広告企業に応募)

外資就活のスケジュール

「前述の通り、卒業前年度の夏のインターンシップから採用活動がスタートし、秋の初めごろから説明会が開かれ、本選考が進められます。3月中には内定が出るというパターンが多いですね」(曽和さん)
外資就活を経験した先輩を対象としたアンケートでも、会社説明会などの広報活動の開始時期とされている3月1日よりも前に内定が出たという声も決して少なくありません。就活の開始時期だけでなく、内定まで含めた就活スケジュール自体が日系企業よりも早く進むことが多い傾向にあるようです。

外資系企業でミーティングをしている様子のイメージ

外資就活の情報収集はどうやった?

どのように外資就活に関する情報を収集するとよいのでしょうか。外資就活を経験した先輩を対象としたアンケートによると、「企業の公式サイトやサイト内の新卒採用ページ」「就活サイトや口コミサイト」「企業が発信するSNS」「OB・OG訪問」「知人・友人からの口コミ」「新聞や雑誌・書籍など」といった回答があり、外資系企業が発信する情報を中心に、幅広く情報を集めていたことがわかりました。

外資就活の特徴

外資就活には、日系企業と比べて、どのような特徴があるでしょうか。それぞれの特徴を受けた準備のポイントについて曽和さんに聞きました。

特徴①採用時期が早い

卒業前年度の夏からインターンシップを経由した採用活動が始まり、早い企業では3月までに内定が出るほど、採用時期が早いのが外資系企業の大きな特徴です。
「とはいえ、業種によって違いもあります。金融、コンサルティング、ITなどの業界の採用活動は極めて早い一方で、メーカーは日系メーカーと同時期に採用活動をする傾向が見られます。希望する企業の選考については、早めに情報収集するように意識しておくとよいでしょう」(曽和さん)

特徴②採用人数が少ない

日本に進出する外資系企業の採用数を見ると、著名な企業でも意外と少ないのが実情です。
「グローバルでは数万人という従業員数の企業でも、日本の現地法人には、『販売機能』など一部の機能しか置かないことが多く、従業員数も数百人、新卒採用数も10人程度ということが少なくありません。したがって、非常に『狭き門』であることも特徴の一つ。採用時期が早い上に、選考の倍率が高くなるわけですから、外資系企業の志望度が高い人は、そうした特徴を踏まえて、志望企業を幅広く検討しておくとよいでしょう」(曽和さん)

特徴③インターンシップには必ず参加

外資系企業の場合、夏のインターンシップを新卒採用で重視しているのは前述の通り。インターンシップ後に声がかかって本選考へと進む学生が多いことを考えると、志望先企業のインターンシップに応募できるように、申し込みの開始時期などの情報収集をしておきましょう。
また、インターンシップ参加には、もう一つの利点もあると言います。
「外資系企業のインターンシップでは、『ワークサンプル』といって、実務に近い仕事を学生に実践させるタイプのものが多く見られます。学生にとって『実技試験』のような役割を果たしてくれるので、学生自身が自分のスキルを客観的に把握して、見極めるのに役立つでしょう。そういう意味でも、インターンシップに参加する意義は大きいのです」(曽和さん)

なおリクナビ2026では、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム4タイプの総称を「インターンシップ&キャリア」と呼びます。

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曽和利光さんプロフィール写真

【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。

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記事作成日:2023年10月12日
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