オープン・カンパニーとは?実施内容や特徴、インターンシップとの違いを紹介

2025年卒の採用活動から、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムは4つに類型化されています。オープン・カンパニーは、そのうちの一つ。実施内容やプログラムの特徴をほかのプログラムとの違いを確認しながら、オープン・カンパニーを就活にどう生かせるのかを考えていきましょう。実際の申し込み方法や参加時の準備についても紹介しています。

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オープン・カンパニーとは

オープン・カンパニーは、「個社や業界に関する情報提供・PR」を目的とした主に短期間で開催されるキャリア形成支援プログラムを指します。企業の個社説明会や、就職情報会社や学校のキャリアセンターなどが主催するイベント、説明会などが当てはまります。

参加できる学年に制限はないので、例えば大学1年生から参加が可能です。開催時期の条件もありません。そのため、年間通していつでも参加できるチャンスがあります。

オープン・カンパニーについてより詳しく見ていく前に、2025年卒から4つに類型化された、キャリア形成支援にかかわる取り組みについて確認していきましょう。

オープン・カンパニーの特徴とほかのプログラムとの違い

インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムの4類型について、実施目的や参加対象、実施期間などをまとめたのが以下の表になります。

インターンシップの定義
インターンシップ4タイプ解説図版2

2024年卒の採用活動まで1日開催のプログラムも「インターンシップ」と呼ばれてきました。

しかし、学業と就職活動の両立の点で学生への負担が大きいとの課題から、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省合意により「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」が改正されることになりました。

それにより4類型が定義された2025年卒以降は、インターンシップと称して実施できるのはタイプ3・4のみになりました。インターンシップを行った企業では、参加学生の情報を採用活動に活用することが認められ、卒業・修了前年次3月1日以降は広報活動に、卒業・修了年次6月1日以降は採用選考活動に使用できるようになりました(※)。

※卒業・修了前年次とは、大学3年生、大学院1年生、短大1年生など。卒業年次とは、大学4年生、大学院2年生、短大2年生などを指します。

ただ、タイプ3の汎用的能力・専門活用型インターンシップには要件があります。

【実施期間】汎用的能力活用型は5日間以上。専門活用型は2週間以上とする
【就業体験】実施予定の半分を超える日数を職場での就業体験に充てる
【指導】職場の社員が学生を指導・フィードバックを行う
【実施時期】学業との両立の観点から、夏休み、冬休み、入試休み・春休みなどの長期休暇期間に行う
【情報開示】プログラム概要や実施期間、就業体験内容などの情報を募集要件に記載する

これらの要件を満たしていない場合は「インターンシップ」ではなく、タイプ1「オープン・カンパニー」あるいはタイプ2「キャリア教育」に含まれることになります。

オープン・カンパニーが企業や業界に関するイベントや説明会であるのに対し、キャリア教育は、大学などが主催する授業や産学連携プログラムや、企業がCSRとして実施するプログラムなどを指します。

リクナビ2026では、これら4タイプを「インターンシップ&キャリア」と呼称します。

インターンシップ&キャリアについて、詳しくはこちら

オープン・カンパニーの内容や実施期間は?申し込みには何が必要?

 では、オープン・カンパニーに参加したいと考えたらどうすればいいのか、実施期間や申し込み方法などを紹介します。

オープン・カンパニーの実施期間や開催時期

 オープン・カンパニーには半日・1日開催のものから、複数日数のものまであります。インターンシップには5日間以上、2週間以上などと規定がありますが、オープン・カンパニーは特に定められていません。

5日間以上開催のものであっても、前述のタイプ3の5つの実施要件を満たしていない場合はオープン・カンパニーに当てはまります。

開催時期についても特に規定がなく、学士・修士・博士課程の全期間で実施可能となっています。学業との両立に配慮し、オンラインを活用したものも多くあります。単日開催のものが多く、スケジュールの合間を縫って参加しやすいのが、オープン・カンパニーのメリットの一つでしょう。

オープン・カンパニーの対象年次

参加対象の年次は不問で、大学・大学院生だけでなく、短大・専門学校生も「オープン・カンパニー」の参加対象です。ただし、参加対象を大学・大学院生とする場合もあるので、個々のプログラムの募集要件を確認するようにしましょう。

「時間のある低学年のうちに、どんな業界があるのか見ておこう」と、将来に向けた情報収集のために動いてみるのもいいでしょう。

オープン・カンパニーの申し込み方法・選考方法

オープン・カンパニーの目的は、業界や企業のことを幅広い年次の学生に広く知ってもらうことです。そのため、選考で参加枠を制限することは少ないでしょう。もちろん、実施内容にもよるため、参加枠を設け、先着順で席数に達し次第、応募受付を終了する場合もあるかもしれません。事前に申し込み条件などを確認しておくと安心です。

オープン・カンパニーに参加し、質問をする学生のイメ―ジカット

オープン・カンパニーはいつ参加するといい?就活準備にどう生かすことができる?

オープン・カンパニーは、自身のキャリアを考える上で必要な業界情報や企業ごとの特徴を、“浅く広く”知ることができる場。本格的な就活前に選択肢を広げる上で、非常にいい機会になるでしょう。

開催時期に指定はなく、年間を通していつでも参加できます。そのため、いつまでに参加しなければいけない…といった決まりもありません。単日開催やオンライン開催も多いので、学業や部活動、アルバイトなどでスケジュール確保が難しくても、授業の合間などを活用して情報収集することができます。

一社を深く知りたい、実際に働くイメージを持ちながら自分と企業との相性を見たい…といったニーズでは、5日間以上の開催で就業体験ができるインターンシップを活用するといいかもしれません。ただ、企業を絞り込むためには、幅広い業界を見比べることも大事。興味を引かれるところ・引かれないところはどこかを知る上で、まずはオープン・カンパニーに参加するなど、目的に応じて使い分けるといいでしょう。

オープン・カンパニーにはどんな準備が必要?選ぶときのポイントは?

知りたい業界、行きたい企業を幅広く見ることができるオープン・カンパニー。目的なく参加していると、ただ情報量だけが増えていってしまい、そこから何を選び取ればいいのかわからなくなってしまいます。

そこで、参加する際は、その業界や企業の何を知りたいと思っているのか、自分なりの目的を明確にしましょう。「この企業ではこんな仕事ができるのではないか」「この事業内容なら自分が勉強してきたことを生かせるのではないか」などと仮説を持ち、それらを確認する場として、どのオープン・カンパニーが適切かを見極めるといいと思います。

オープン・カンパニー参加時の服装や持っていくものは?

オープン・カンパニーを開催する各企業から、服装について何らかの言及や推奨されているものがあれば、それに従うといいでしょう。年次不問で応募を受け付けているため、服装規定があるケースは少ないと考えられます。

オープン・カンパニーはこれからのキャリアを考えるために参加するものです。メモするためのノートや筆記用具は持参しましょう。事前に確認したいことや社員への質問リストなどが書かれたメモがあれば、それも持っていくといいでしょう。実施内容によって異なりますが、企業を知る機会としてインターンシップへの参加と同じように準備ができていると安心です。

【チェックリスト付き】インターンシップ参加準備ガイド

何年生からでも、なかなかまとまった時間を確保できない学生でも、誰でも参加しやすいのがオープン・カンパニーの良さ。ぜひ積極的に活用し、就活で納得のいく選択ができるように情報を集めていくことをオススメします。

性格検査や適職診断など、自己分析に役立つツールを活用してみましょう!

 

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監修:リクルート 就職みらい研究所所長 栗田貴祥

記事作成日:2024年2月1日
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