就活でOB・OG訪問をするメリットは?依頼メール、質問例からマナーまで解説!

OB・OG訪問とは、働く社会人を訪問し、企業の情報やその人の働き方などについて話を聞くこと。就活でOB・OG訪問を実施した先輩たちが感じたメリットから、社会人の探し方、訪問の手順まで詳しく紹介していきます。

(1)OB・OG訪問のメリットは?

2023年卒の内定者にアンケートを実施したところ、「OB・OG訪問を実施した」と回答した人は13.3%という結果に。その数は決して多くありませんが、OB・OG訪問を実施した人のうちでは、87.5%が「OB・OG訪問を実施して参考になった」と回答をしています。

ここからは、実際にどのような点が参考になったのか、また、OB・OG訪問をすることのメリットや得られるものなど、先輩たちの声を紹介していきます。

●OB・OG訪問を実施しましたか? N=300
※単一回答

OB・OG訪問を実施しましたか?に関するアンケート結果

●OB・OG訪問を実施して参考になりましたか? N=40
※単一回答

OB・OG訪問を実施して参考になりましたか?に関するアンケート結果

先輩たちの声の中で最も多かったのが、「会社の雰囲気や環境を知ることができた」という点。その結果、入社後の自分や仕事のイメージを描くことができた人もいたようです。

ほかにも、

  • どのような環境で仕事をしているのかを知れた
  • 実際に働いてみたという人の感想が聞けた
  • 志望動機をまとめることができた
  • 面接の準備ができた
  • 自分の実力がわかった
  • 説明会やセミナーでは聞けないディープな話が聞けた
  • 複数の内定から後悔なく企業を絞ることができた

など、総じて「会社・仕事内容についての理解を深める」「就活に役立てる」につながる意見が挙げられました。

こうしてOB・OG訪問を実施した人の多くが「参考になった」と回答しているように、OB・OG訪問の体験から得られるものは少なくないようです。

(2)OB・OG訪問はいつから始める?

OB・OG訪問の時期について先輩たちに聞いてみると、最も多かったのが卒業前年度の3月。次いで卒業前年度の2月と卒業学年の5月、という回答が並びました。

就活が始まる3月ごろにOB・OG訪問を実施した先輩たちが多いようです。

ただ、OB・OG訪問は、実施する学年やタイミングが決まっているわけではありません。中には、卒業前年度以前に行動を起こす先輩たちも一定数います。

就活が本格的に始まると、エントリーシート作成、説明会参加など予定も増えてくるので、時間に余裕があるうちにOB・OG訪問を実施するのも良いでしょう。

※「卒業前年度」とは4年制の学校の場合は3年生、6年制であれば5年生、2年制であれば1年生、「卒業学年」とは4年制の場合は4年生、6年制であれば6年生、2年制であれば2年生を指します。

(3)OB・OG訪問の流れ

それでは、どのようにOB・OG訪問を実施していくのか、訪問の手順を確認していきましょう。「知っているOB・OGがいない…」という人も、社会人に話を聞くルートはあります。ぜひ、たくさんの社会人に話を聞きに行きましょう。

STEP1 OB・OGを見つける

まず、代表的な方法は、学校の就職課・キャリアセンターなどにある卒業生名簿や卒業生データベースから探す方法です。「OB・OG訪問のために、連絡を取りたい」と相談すれば、閲覧の方法を教えてもらえるでしょう。

次に、自分の人脈から探す方法。ゼミや研究室、サークルなどの先輩たちに、OB・OG訪問をお願いしてみましょう。

また、アルバイト先、家族や親戚など、身近な大人の中にも企業で働く社会人はたくさんいるはず。志望業界でなくても、働く社会人のナマの声は参考になりますし、本人だけではなく、友人を紹介してもらえれば、業界や企業も広がります。

STEP2 OB・OG訪問を依頼する

訪問依頼はメールか電話で行うのが一般的。メールをする際はできるだけ「わかりやすいメールタイトル」をつけましょう。

社会人の多くは、一日に大量のメールに対応しています。「OB(OG)訪問のお願い」など、何のメールかひと目でわかるようなタイトルをつけるようにすると良いでしょう。

電話をする際に気をつけたいのは時間帯。一般的に忙しいと言われている、始業直後や終業直前は避けましょう。また、昼休みや夜遅い時間も控えましょう。

なお、個人情報の流出に敏感な人も多いので、メールの場合も電話の場合も、どのように連絡先を知ったのか、そのルートを伝えるようにしましょう。

依頼メール 例

件名:「OB訪問のお願い(●●大学・りくなび太郎)」

●●不動産株式会社
◇◇部 △△課
●●●●様

初めてメールをお送りいたします。
●●大学■■学部●●学科のりくなび太郎と申します。

本日は、大学のキャリアセンターで○○様のことを知り、OB訪問のお願いでご連絡を差し上げました。
現在就職活動中で、不動産の仕事に関心があり、貴社が手掛けた都市開発に大変引かれております。

ご多忙中とは存じますが、お時間を頂けるようでしたら、●月●日までの月曜日か金曜日で、
●●様のご都合のよい日時をお知らせいただけませんでしょうか。
上記日程でのご調整が難しい場合には、お手数ですが、
●●様のご希望の日程を2~3候補日としてお知らせいただけますでしょうか。

メールでの突然のお願いで大変恐縮ですが、
なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。

—————————————————
りくなび太郎
●●大学・■■学部・●●学科 △年
携帯番号:090-××××-××××
メール:tarou@××××.ac.jp
—————————————————

メールの書き方を詳しく知りたい人はこちら↓

【例文付き】OB・OG訪問で役に立つメールの書き方

STEP3 訪問準備をする

まずは先輩が所属する会社の基本的な情報を調べておきましょう。

ホームページやリクナビの企業ページを参考に、その会社が所属する業界、主な商品・サービス、取引先など、その会社のビジネスがどのように成り立っているのかについて、理解しておくと良いです。先輩の話に対する理解も深まりますし、より具体的な質問ができるでしょう。

また、OB・OG訪問の時間は限られているので、先輩にどんなことが聞きたいのか、事前に質問事項を整理しておきましょう。

STEP4 実際に会う

訪問当日は、到着連絡や万が一の遅刻のために、先輩の連絡先を控えておくようにしましょう。先輩にも自分の携帯電話のメールアドレスや電話番号など、当日連絡が取れる連絡先を伝えておきましょう。

訪問時のポイントは、先輩との対話を意識すること。準備してきた質問を一問一答形式でぶつけてしまうと、形式的になってしまい、話が広がらない可能性も。

先輩が話してくれた内容に対して、感想を述べたり、さらに質問をしたりするよう意識してみてください。先輩と対話をすることで、会話も盛り上がり、貴重な話が聞けるでしょう。

STEP5 お礼の連絡をする

お世話になった人にお礼をするのは、社会人としてのマナー。

お礼のメールは、時間がたつとお互いに印象が薄れ、儀礼的なものになりがちです。当日中か、少なくとも先輩が翌日出社した時には届いているように、朝のうちに送っておきたいもの。

文章は形式的な表現だけでまとめるのではなく、先輩のどんな話が参考になったのか、自分が感じた感想なども交えて感謝の気持ちを伝えましょう。

お礼メール 例

件名:「OB訪問のお礼(●●大学・りくなび太郎)」

●●不動産株式会社
◇◇部 △△課
●●●●様

お世話になっております。
本日、OB訪問でうかがいました、●●大学■■学部●●学科のりくなび太郎です。
本日はお忙しい中、貴重なお時間を頂き、誠にありがとうございました。

●●様から直接お話をうかがったことで、
チームワークを大切にする、貴社でのお仕事に大変魅力を感じました。
また、●●様のようにお客様のことを第一に考え、結果を出せる人材になりたいと思いました。
このたびのOB訪問を経て、●●業界への理解がより一層深まりました。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。
(以下「署名」挿入)

メールの書き方を詳しく知りたい人はこちら↓

【例文付き】OB・OG訪問で役に立つメールの書き方

OB・OG訪問イメージ画像

(4)OB・OG訪問では何を聞く?

OB・OG訪問を実施した先輩たちがメリットとして感じていた、会社や仕事内容について、より深く理解できるように聞いていきましょう。

なお、ホームページやリクナビを見ればわかるようなことを聞くのに時間を使ってしまってはもったいないです。先輩自身がどんなことをしているのか、どんなふうに感じているかなど、直接聞かないとわからないことを聞くのが良いでしょう。

また、先輩がどのようにしてこの会社を選んだのかを聞くと、その会社のこともよくわかりますし、同業他社との比較や、就活のヒントになることも聞けるのでオススメです。

【質問例】

  • ●●さんが御社を選んだ理由を教えていただけますか?
  • 出社から退社までの一日のスケジュールを教えてください。
  • 御社ならではの強みと感じるものがあれば、教えてください。
  • 月にどのくらい残業をされていますか?

どんな質問をしたらよいのか、質問例などを詳しく知りたい人はこちら↓

何を聞く?OB・OG訪問で聞いておきたい質問

(5)OB・OG訪問時に特に意識したいマナー

OB・OG訪問をする際は、社会人である相手に失礼のないよう、基本的なマナーは押さえておくようにしましょう。ここでは特に意識をしてほしいポイントを2つに絞って紹介します。

まずは、時間を守ること。相手は、忙しい社会人。貴重な時間をもらうことを意識しましょう。

電車の遅延、道に迷うなど、不測の事態も予測した上で、余裕を持って集合時間の前に待ち合わせ場所の付近に着いているようにしましょう。

会社に訪問する場合は、あまり早くに訪問するのも失礼にあたりますから、付近で待機しておき5分前になったら受付に行くのが良いでしょう。

2つ目は、あいさつです。ビジネスマナーの基本と言えるのがあいさつ。先輩と最初に顔を合わせた時や、OB・OG訪問終了時に「こんにちは」「ありがとうございました」など、場面に合わせてハキハキとしたあいさつを心がけましょう。

(6)OB・OG訪問の注意点

OB・OG訪問をすると、社会人と接点を持つ機会が増えるでしょう。選考に応募するかどうかにかかわらず、実際に気になる企業で働く社員に仕事内容などを聞くことで、企業や業界について知るきっかけにもなるでしょう。

ただ、なかには就活で知り合った社会人に個人的に呼び出されたり、採用の可否を匂わせながらのハラスメント行為を受けたりといった悪質なケースもでてきています。

そのような、いわゆる「就活ハラスメント」に遭遇しないために、OB・OG訪問をする際には以下のことに注意しておきましょう。

  • できるだけ日中に、ほかの人の目があるところで会う
  • 飲酒を伴う席での相談は控え、二人きりにならないようにする
  • 少しでも“この人危ない”と感じたらそれ以上近づかず、すぐに関係を切る
  • 何か不安なことがあったら、学校や企業の人事部門に連絡する

※上記に加えて、個室や飲酒を伴う席は新型コロナウイルス感染症の感染リスクが高まります。直接会うのではなく、オンラインでOB・OG訪問するなど、感染拡大の状況によって検討してみましょう。

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【調査概要】
調査期間: 2022年9月13日~9月16日
調査サンプル:2023年3月に卒業予定の大学生、大学院生、短大生、専門学校生300人調査協力:株式会社クロス・マーケティング

 

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記事作成日:2017年9月12日 記事更新日:2023年2月10日
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