ビジネスシーンにおける服装の基本となるのがビジネススーツ。ここでは、一般的に言われている「スーツの着こなし」を紹介する。また、節電・クールビズの影響で、スーツ着用を問わない企業もある。その場合は指示にしたがうのが賢明。ポイントは、「相手に不快感を与えないこと」。ビジネスの場面にふさわしいかどうか、一歩引いた視点でチェックしよう。
あまりにも奇抜な髪型や、伸び放題、寝癖がついていたりするのは清潔感に欠けたり、ビジネスの場では浮いて見えるので気をつけたい。髪が長い場合は、おじぎをしたときに髪が顔にかからないようにまとめたほうがスッキリとする。フェイスラインと耳を出すと、顔が明るく見える。髪の色は地毛に近い自然な色の方が、ビジネスシーンでも浮かない。
無精ひげは清潔感に欠けるので、きちんと整えておこう。メイクをする場合は、ビジネスシーンに合わないほどの派手なメイクは避けたい。アイシャドーや口紅は薄めの色で、顔色が冴えないときはチークをプラスすると、ナチュラルで健康的な印象に。
色は白が一般的。清潔感のある印象を与え、業界や企業を問わずに着られるので一枚持っておくと使い回しがきく。好みの色・デザインのものを着てもよいが、あまりにも派手な色や変わったデザインは、企業によってはマイナスな印象を与える可能性もあるので注意しよう。
また、肌に直接触れる襟、袖の汚れは清潔感に欠けるので注意したい。しわだらけのシャツはだらしなく見えるので、アイロンがけを忘れずに。
色は黒やネイビー、チャコールグレーなどの落ち着いた色が一般的。必ずしも「リクルートスーツ」である必要はないが、ビジネスライクなもの、スーツのサイズが身体に合っていることがポイント。
パンツは裾が靴に軽くかかるくらいの長さを選ぶ、折り目をきちんとつけるなどを意識して着用するとよいでしょう。
スカートの場合は、長さは膝丈が目安。座ったときに膝から上が見えすぎないように、必ず座ってみて着丈を確認しよう。太ももが見えるようなミニスカートはビジネスシーンには合わないので避けたい。
ネクタイは自分好みの色を選んで問題ないが、青色ははっきりとした印象になり、黄色は顔がやわらかく見えるなど、色によって印象も変わるので、迷う場合は店員さんや身近な人に相談してみるのもよい。結び方は襟の形に合わせる。レギュラーカラーの場合は小さい結び目の「プレーンノット」、ワイドカラーの場合は結び目が大きい「ウィンザーノット」が一般的。
ビジネスシーンにふさわしいものを選ぶ。配布される書類やパンフレットなど、A4サイズが余裕を持って入れられる大きさのものを選ぶと便利。床に置いても倒れないものがオススメ。なお、リュックサックはカジュアルな印象を与えるため、業界・企業によって賛否が分かれる。合皮などできるだけ軽い素材だと疲れにくい。
靴下の色は、ビジネスシーンでは、スーツの色に合わせて紺や黒などの濃いめの色が一般的。
ストッキングは色や柄のない、肌の色になるべく近いものの方が、ビジネスシーンでも浮かない。外出先で伝線したときのために予備を携帯しておくと安心だ。
スーツに合わせてプレーンな革の紐靴、パンプス、ローファーなどシンプルなものがオススメ。パンプスを選ぶ場合は、ヒールは高過ぎず、またある程度太いものだと、安定感があり歩きやすい。
清潔感を保つために、汚れがないか、かかとがすり減っていないかなどをしっかりチェックし、こまめに磨いておこう。
なお、靴が足に合わない場合は、足に負担がかかりにくく、スーツに合う靴がないか店員に相談して選ぼう。
メガネのフレームは、表情を隠してしまうほど個性が強いものや太すぎるものなどは避けたほうが無難。レンズは汚れが目立たないように、しっかりと磨いておこう。また時計は、遊び感覚あふれるものや、装飾が派手な時計はビジネスシーンには合わないので避けたい。
爪の伸びすぎも清潔感に欠けるので避けたい。
マニキュアはラメやネイルアートなどの派手なものは避け、薄いピンクや透明色程度の方がビジネスシーンで浮かない。アクセサリーはつけてもよいが、なるべくシンプルなものを。
「私服で」と言われて迷う場合は、オフィスカジュアルを意識しよう。
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【監修】峯 陽子先生
約20年の専業主婦の後、人材育成会社で企業の社内研修講師などを経て、独立。企業の会社研修の講師のほか、女性の社会復帰支援、学生へのキャリア育成セミナー・マナー講座なども担当。
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