この記事でわかること
・BtoBとは企業同士の取引のことで、取引単価が大きく収益が安定しやすい一方で、一般消費者には認知されにくいのが特徴です。
・対するBtoCは個人向けビジネスで、生活に身近なため馴染みが深く、顧客の反応を直接感じられる魅力があります。
・リクナビの独自調査では、BtoB企業を「積極的に検討した」就活生は20.3%で、BtoB企業に魅力を感じた理由の最多は「高い業界シェア・競合優位性」(22.3%)でした。
・就活でBtoB企業を探す際は、自身の興味のある商品や、関心のあるビジネスなどから関連企業を辿ってみるのもおすすめです。
業界研究や企業研究を進める中で目にする「BtoB」という用語。「どういう意味だろう」と疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
ここでは、BtoBというビジネスモデルの特徴をはじめ、BtoCとの違い、BtoB企業で働く魅力、BtoB企業の探し方について解説します。さらに、近年増えているBtoBやBtoC以外の多様なビジネスモデルについても併せて紹介します。
目次
BtoBとは?
BtoBとは、「Business to Business」の略称です。企業が企業に対して商品やサービスを提供する、「企業間取引」を指します。場合によっては「B2B」と表記されることもあります。
BtoB企業のビジネスは、あらゆる業界で展開されています。
例えば、スマートフォンメーカーが製品を製造する際、数多くの電子部品メーカーからパーツを買い付けているのがその一例です。また、通信キャリアがサービスを提供するために、他社から通信機器を調達したり、情報システムの構築・運用を外部の専門企業へ委託したりすることも、BtoBビジネスにあたります。
BtoCとの違いは?
BtoCとは、「Business to Consumer」の略称です。企業が企業を取引相手にするBtoBに対し、企業が一般消費者(生活者)を対象に商品やサービスを提供し、対価を得るビジネスモデルです。こちらは、「B2C」と表記されることもあります。
私たちが消費者として利用するあらゆる商品やサービスは、BtoC企業によって提供されています。例えば、コンビニエンスストアでの買い物や、衣服や家電製品の購入、映画配信サービス、公共交通機関など、その範囲は多岐にわたります。
BtoCについて、詳しく知りたい方はこちら

BtoBの特徴
次にBtoB企業のビジネスの主な特徴を解説します。
1件あたりの取引金額が大きい
一般的に、企業を顧客とするBtoBの製品やサービスは、一般消費者を対象とするBtoCに比べて単価が高く設定されています。また、プロジェクトの規模や、出荷の最小単位(ロット)が大きいため、一度の取引金額が高額になるケースが多いのが特徴です。
市場規模が大きい
企業間取引であるBtoBの市場規模は、BtoCの数倍にも上ると言われています。BtoC企業が商品を生産・販売するためには、BtoB企業から部品を仕入れるなどの活動が必要となりますが、部品を生産するBtoB企業も、ほかのBtoB企業からより細かな部品を仕入れたり、素材や原料の生産を行うBtoB企業から購入したりする必要があります。
このように、BtoBの世界は、仕入先が何段階にも広がっているため、BtoC以上に大きな市場を形成しています。
継続的な取引が多い
BtoBの取引は、企業内の多くの人が意思決定にかかわります。そのため、成約までのプロセスが複雑で、期間も長くなる傾向にあります。しかし、一度取引が始まり、特に問題がない場合は、長期間の継続取引に発展することが多いのが特徴です。単発の取引が中心のBtoCに比べて、顧客の信頼を得ることができれば安定した収益が見込まれます。
新規参入が難しい
高度な専門技術や独自のノウハウが求められる製品・サービスが多いため、他社の新規参入が難しい点も特徴です。ライバルが限られるため、価格を下げなくても商品やサービスを販売でき、過度な価格競争が起きにくくなります。
BtoB企業に就職する魅力は?
BtoB企業で働くことには、どのような魅力があるのでしょうか。就活においてBtoB企業を選択肢に加えることで、企業選びの幅は大きく広がります。ここでは、その代表的な魅力を紹介します。
企業や社会を支えるビジネスに携わることができる
商品製造に使う素材や部品の供給、工作機械の販売、人材派遣、システム開発、さらにはインフラの設備まで、BtoB企業のビジネス領域はあらゆる業界に及びます。企業や社会の仕組みそのものを支える重要なビジネスや、大きな予算が動く大規模プロジェクトに、じっくりと腰を据えて取り組める点が、BtoB企業の魅力と言えます。
世界でトップシェアを誇る企業も
国内のBtoB企業には、電子部品や半導体、建設機械や工作機械など、特定の分野で世界トップクラスの技術力を持ち、大きなシェアを獲得している企業が数多く存在します。世界を相手にしたビジネスに携わるチャンスも期待できます。
<独自アンケート調査>就活生はBtoB企業をどの程度検討した?感じた魅力とは
【リクナビ独自調査結果】
BtoB企業を「積極的に検討した」は20.3%、「多少は検討した」は32.3%で、検討した人は合わせて52.5%。一方「あまり検討しなかった」25.4%、「存在を意識していなかった」22.1%を合わせると47.5%で、ほぼ二分される結果となりました。
魅力を感じた理由で最も多かったのは「高い業界シェア・競合優位性」(22.3%)。魅力を感じなかった理由では「事業内容がイメージしにくい」(11.4%)が最多でした。
就職活動経験者493人にアンケートを行い、BtoB企業を志望先としてどの程度検討したかを尋ねたところ、以下の回答が得られました。
- 積極的に検討した:20.3%
- 多少は検討した:32.3%
- あまり検討しなかった:25.4%
- 存在を意識していなかった:22.1%
■<就活生回答>BtoB企業を志望先として、どの程度検討しましたか?
*本調査は、当サイトの独占コンテンツとして独自に調査したものです。

調査概要
調査期間:2026年7月31日~8月7日
調査対象:2025年~2026年に卒業した就職活動経験者493人
調査協力:株式会社メンバーズ
続いて、BtoB企業の検討の際に魅力を感じた/感じなかった理由を尋ねたところ、次の結果になりました。
<魅力を感じた理由>
- 高い業界シェア・競合優位性:22.3%
- 専門性・技術力の高さ:14.8%
- 顧客(企業)との深い信頼関係・長期的な取引:13.4%
- 安定した取引基盤:13.2%
<魅力を感じなかった理由>
- 事業内容がイメージしにくい:11.4%
- 家族や友人に仕事内容等を説明しにくい:10.3%
- 知名度が低く不安:9.1%
- 身近に自社製品・サービスを見られない(実感が湧きにくい):4.7%
■<就活生回答>就活において、BtoB企業の検討の際に魅力を感じた/感じなかった理由を選択して下さい。
*本調査は、当サイトの独占コンテンツとして独自に調査したものです。
<魅力を感じた理由>

<魅力を感じなかった理由>

調査概要
調査期間:2026年7月31日~8月7日
調査対象:2025年~2026年に卒業した就職活動経験者493人
調査協力:株式会社メンバーズ
検討した人と検討しなかった人がほぼ二分
BtoB企業を志望先として検討したかどうかは、ほぼ半々に分かれました。「積極的に検討した」20.3%と「多少は検討した」32.3%を合わせた52.5%に対し、「あまり検討しなかった」25.4%と「存在を意識していなかった」22.1%を合わせると47.5%です。
なかでも注目したいのは「存在を意識していなかった」が22.1%にのぼった点です。検討したうえで見送ったのではなく、そもそも選択肢として視野に入っていなかった人が5人に1人以上いることになります。
魅力は「高い業界シェア」22.3%、ためらう理由は事業内容の「わかりにくさ」
魅力を感じた理由で最も多かったのは「高い業界シェア・競合優位性」で22.3%でした。次いで「専門性・技術力の高さ」14.8%、「顧客(企業)との深い信頼関係・長期的な取引」13.4%、「安定した取引基盤」13.2%と続きます。4つを合わせると63.7%が、何らかの魅力を挙げていました。本記事で紹介したBtoBの特徴が、そのまま就活生の感じる魅力になっていることがわかります。
一方、魅力を感じなかった理由は「事業内容がイメージしにくい」11.4%、「家族や友人に仕事内容等を説明しにくい」10.3%、「知名度が低く不安」9.1%の順で、合計35.5%でした。BtoBというビジネスモデルそのものを否定する理由ではなく、わかりにくさや伝えにくさが壁になっている点が特徴です。
検討度別に見ると、この構図がより明確になります。「積極的に検討した」人の91.0%が魅力を感じた理由を選んだ一方、「存在を意識していなかった」人では74.3%が魅力を感じなかった理由を選びました。しかもその層で最も多かったのは「家族や友人に仕事内容等を説明しにくい」で33.9%です。
つまりBtoB企業を避ける理由の中心は、事業の中身そのものへの評価ではなく、知る機会の少なさと説明のしにくさにあると考えられます。裏を返せば、どのような企業がどんな役割を担っているかを知るだけで、見え方は変わってきます。次にご紹介する探し方を参考に、気になる分野から調べてみましょう。
BtoB企業の探し方
学生がBtoB企業に触れる機会は少ないため、社名を知らなければ自力で探し出すのは容易ではありません。まずは、自分の関心がある「商品・サービス」や「キーワード」をきっかけに企業探しを始めてみましょう。
1. 好きな商品やサービスにかかわっている企業を調べる
自分が興味のある商品やサービスを提供するBtoC企業に関連するビジネスを考えてみましょう。
例えば洋服に関心があるなら、アパレルメーカーだけでなく、その商品ができるまでにどのようなBtoB企業がかかわっているかを調べてみます。「アパレル 企業」「アパレル 素材」「アパレル 製造」といったキーワードで検索すると、生地を卸す企業、生地を製造する企業、立体縫製ができる機械を製造・販売する企業など、さまざまな企業の存在が見えてきます。
また、企業ホームページで「取引先」を確認すれば、自分が好きなブランドにかかわるBtoB企業を知ることができるかもしれません。
2. 関心を持っているビジネスや技術のキーワードを検索する
「AI」「自動運転」「再生医療」など、自分が関心を持っていたり、気になっていたりするキーワードで検索してみましょう。それらに関連した多くの業界や企業がヒットするはずです。
その際、「自動運転」というキーワード単体で検索するだけでなく、「自動運転 かかわる企業」「自動運転 支える企業」といった言葉を添えて検索してみましょう。自動車メーカーや部品メーカーだけでなく、センサーやカメラ、通信システム、AIなど、さまざまな業界のBtoB企業がかかわっていることがわかってきます。
また、自動運転の技術を開発する側だけでなく、自動運転の実用化を目指して実験に取り組むユーザー側の企業(例えば、地域の交通を担うバスやタクシーなどを扱う企業など)も見つけることができるでしょう。
このように特定のキーワードを起点にして広げていくことで、BtoB、BtoCの枠を超え、これまで知らなかった企業と出会える可能性が広がります。
3. 身近な社会人に聞いてみる
保護者や親戚、学校の先輩など、身近な社会人はそれぞれのキャリアを通じて、業界や企業に関する知識を持っています。自分でWebサイトを検索するだけでは見えてこなかった業界の仕組みやビジネスの実態、企業の評判などを知ることができるかもしれません。
そのほかのビジネスモデルも知っておこう
BtoB、BtoCのほかにもビジネスモデルを指す用語を以下で紹介します。なお、下記の用語もBtoBやBtoCと同様に、「CtoC」を「C2C」、「BtoG」を「B2G」などと表記することがあります。
CtoC(Consumer to Consumer)
個人(消費者)が個人(消費者)に対して、商品やサービスを提供することを指します。近年は、インターネット上のプラットフォームを介した取引が主流です。
例:フリマアプリでの出品や、ネットオークション、個人間でのスキルシェアサービスなど
BtoG(Business to Government)
企業が国や地方自治体などの行政機関に対して、商品やサービスを提供することです。財源が公金(国の予算や税金)であり、取引には高い透明性と公平性が求められるため、多くの場合、「入札」という手続きを経て受注するのが特徴です。
例:道路建設などの公共事業や、行政DXに伴う情報システムの構築やコンサルティングなど
BtoE(Business to Employee)
企業が自社の従業員に対して商品やサービスを提供する形態で、福利厚生としての側面が強いのが特徴です。
例:自社製品の社員割引販売、オフィス内での社食・カフェサービスの提供など
GtoC(Government to Consumer)
行政機関が個人(消費者)に対して、行政サービスなどを提供することを指します。近年はDX化が進み、オンラインで完結するサービスも増えています。
例:電子確定申告サービスの「e-Tax」、住民票のオンライン申請、公立図書館やスポーツ施設の電子予約など
DtoC(Direct to Consumer)
BtoCの形態の一種ですが、メーカーが卸売業者や小売店を介さず、自社で構築したECサイトなどを通じて「直接」消費者に販売する戦略です。SNSの普及やEC市場の拡大に伴い、急速に注目を集めています。
例:自社ECサイトのみで展開するアパレルブランドや、定期購入型の美容・健康食品など
東京工業大学(現:東京科学大学)大学院社会理工学研究科修士課程修了。新規事業やマーケティング、組織活性化など企業の成長を幅広く支援。従来の業界の区分が曖昧になり、変化が激しい時代の中で、ビジネスの今と将来を読むために、さまざまな情報の多角的・横断的な分析を実施。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。
