就活中は、企業の採用担当者とメールで連絡を取る機会が増えます。しかし、いざ送るとなると「マナーは守れているか」「失礼な表現はないか」と不安に思う方も少なくないでしょう。
この記事では、メールを送ったり、書いたりする際のポイントを紹介するほか、知っておきたいマナーも専門家から解説します。シーン別の例文も紹介しているので、ぜひ役立ててください。
目次
メールの送り方:ポイント① To/Cc/Bccの使い分け
メールの宛先には以下の3種類があります。
- To(宛先):メールを送りたい相手のアドレスを入力します。
- Cc(カーボン・コピー):メールを共有したい相手に同送する場合に使用します。企業からCcにもアドレスが入ったメールが届いた場合は、Ccに同じアドレスを入れたまま返信します。
- Bcc(ブラインド・カーボン・コピー):ほかの受信者にメールアドレスが見えない状態で送信できます。多人数に一斉送信する場合などに使われますが、企業との個別のやりとりでは原則使いません。
メールの送り方:ポイント② メールを送る時間
企業からメールを受け取ったら、できるだけ早めに返信します。目安は1日(24時間)以内です。
企業の採用担当者は、日々、多くのメールを確認しています。そのため、送信するタイミングにも配慮が必要です。応募企業の業務時間内に送るようにして、深夜や早朝など、相手が対応できない時間帯の送信はなるべく避けたいものです。夜間にメールを作成した場合は、翌朝に読み直してから送るか、送信を忘れそうであればメールソフトの予約送信機能を活用しましょう。
金曜日に受信したメールに当日返信できなかった場合は、月曜日の始業後すぐに返信すれば問題ありません。
ただし、先方が返事を急いでいるような場合には、夜間や休業日でも返信しても差し支えありません。その際には「夜分に失礼いたします」など、配慮を示す言葉を冒頭に加えると丁寧な印象になります。
メールの送り方:ポイント③ メールアドレス選び
メールを送る際は、学校用やプライベート用とは別に、就活用のメールアドレスを用意することをオススメします。専用アドレスにしておくと、企業からの連絡が、学校からの通知やプライベートの連絡メールに埋もれる心配が少なくなります。重要な選考案内や日程調整のメールを素早く確認できるようになり、返信漏れのリスクを減らすことができます。
学校から提供されているメールアドレスは、学校内の連絡と企業との連絡が混在する可能性に加えて、多くの場合、卒業と同時に使用できなくなるため、卒業後は企業からのメールを受け取ることができなくなってしまいます。通信会社のキャリアメールも、パソコンからのメールが迷惑メールと判断されて届かないなどのトラブルが発生する可能性があります。
そこでオススメは、フリーメールです。スマートフォンとパソコンのどちらからでもアクセスしやすく、送受信できる容量も大きいため就活に適しています。
メールの書き方|ポイントを構成要素ごとに解説
メールは、次の5つの要素で構成されます。それぞれ気をつけたいポイントを確認しましょう。

①宛先(To、Cc、Bcc)
メール本文を作成中に誤って送信してしまわないように、宛先は最後に入力するのがオススメです。メールアドレスは、1文字間違えるだけで、相手に届かなかったり別の宛先に届いてしまったりします。企業のホームページなどにメールアドレスが記載されていたら、コピー&ペーストするとミスを防ぐことができます。送信前に、相手のメールアドレスが正しいかを確認しましょう。
②件名
件名から、メールを受け取った相手は「どのような内容か」「誰からの連絡なのか」を把握することができます。
自分からメールを送信する際
件名には、メールの目的(例:面接日程の調整、OB・OG訪問のお願い、資料請求、など)を具体的に記載します。続けて、学校名・氏名をセットで入れると、誰からのメールかすぐに伝わります。
例:面接日程の調整のお願い(〇〇大学 りくなび太郎)
企業からのメールに返信する際
原則として件名の「Re:」は残したままにしておきます。これにより企業も自身も、どのメールに対する返信なのか、履歴を把握しやすくなります。ただし、やりとりの内容が大きく変わる場合は新たに件名を付けて送信することも検討しましょう。
③宛名
本文の最初に、必ず正式名称で「企業名」「部署名」「担当者名」を記載します。法人種別は(株)や(一社)などと略さず、「株式会社」「一般社団法人」のように書きます。
宛名には、以下のように敬称を付けます。
企業や部署宛てに送る場合
組織名の後に「御中」を付ける。
例:株式会社リクナビ商事 人事部御中
個人宛ての場合
氏名の後に「様」を付ける。
例:□□○○様
個人宛てかつ所属組織・役職がわかる場合
役職、氏名の後に「様」を付ける。
例:株式会社リクナビ商事 ◇◇部 △△課課長 ○○様
個人宛てかつ氏名がわからない場合
「ご担当者様」とする。
例:株式会社リクナビ商事 人事部 採用ご担当者様
④本文
最初にあいさつの言葉を記し、自分が何者かを名乗ってから本題に入ると丁寧な印象になります。
あいさつの後に改行し、「学校名」「学部」「学科」「氏名」を記載して名乗ります。
あいさつ文の例
初めてメールを送る場合:「初めてメールをお送りいたします。○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎と申します。」
届いたメールに返信する場合:「いつもお世話になっております。○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎と申します。ご連絡ありがとうございました。」
何度かやりとりをしている相手に送る場合:「いつもお世話になっております。○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎です。」
その後の用件は、「結論」→「詳細」の順で書くと意図が伝わりやすくなります。文末は「何卒よろしくお願い申し上げます。」といった、丁寧な結びの表現で締めくくると良いでしょう。
⑤署名
署名に入れる項目は、次の通りです。あらかじめ作成し、メールソフトにテンプレートとして登録しておくと便利です。
- 氏名・読み仮名(フルネーム)
- 学校名・学部・学科名・学年
- 電話番号(日中連絡が取れる電話番号)
- メールアドレス
住所の記載は必須ではなく、なくても失礼には当たりません。ただし、企業と郵便などでやりとりをする可能性がある場合は、住所も記載しておくと良いでしょう。
署名の前後に罫線(例:——や=====など)を使うと見やすくなります。絵文字や顔文字、プライベートな情報(あだ名、趣味、SNSのアカウントなど)は記載しないようにします。就活にふさわしいシンプルな署名を作成しましょう。
署名の例
————————————————–
りくなび太郎
○○大学□□学部○○学科 △年
携帯番号:090-0000-0000
メールアドレス:tarou@XXXXXXXX.jp
————————————————–
メールの送り方で気をつけたいポイント
次にメールを送信する前に確認しておきたい、具体的なポイントを解説します。
「テキスト形式」で作成する
メールを作成する際は、送信設定を「テキスト形式」にしましょう。「HTML形式」や「リッチテキスト形式」は、装飾や記号が文字化けしてしまい、相手が正しく読めない可能性があります。また、企業によってはセキュリティ上の理由でHTMLメールの受信を制限している場合があります。
なお、ビジネスメールでは絵文字や機種依存文字の使用は避けましょう。マナーに欠ける印象を与えるだけでなく、受信側の環境によっては正しく表示されず、内容の誤解を招く恐れがあるためです。
正しい敬語を使い分ける
就活中のメールも、ビジネスシーンにおける連絡の一つです。それにふさわしい敬語を使いましょう。
ビジネスシーンでは、相手企業を「貴社(きしゃ)」「御社(おんしゃ)」と表現します。この2つはメールの文章(書き言葉)では「貴社」、面接などの口頭のやりとり(話し言葉)では「御社」を使います。
また、丁寧すぎる表現はかえって間違いのもとになります。送信前にメールを読み直して、二重敬語になっていないかをチェックしましょう。
<二重敬語の例>
言う:×おっしゃられる → ○おっしゃる
行く・聞く:×おうかがいいたします → ○ うかがいます
送信前に誤字脱字をチェックする
作成した文章におかしい点がないか、打ち間違いがないかを必ず見直しましょう。少し時間がたってから読み返すと、ケアレスミスに気づきやすくなります。特に「企業名」「担当者名」「日時」は重要な情報です。送信前に、誤りがないかしっかり確認しましょう。
適度に改行して読みやすくする工夫を
長い文章が続くと要点が伝わりづらく、相手に負担をかけてしまいます。適度に改行を入れたり、話題が変わるタイミングで1行空けたりして、読みやすくなるような工夫をしましょう。
添付ファイルの形式・容量に注意する
履歴書などのデータをメール添付する際は、ファイルサイズが大きすぎないか確認しましょう。2MBを超える場合は、あらかじめ相手に送付方法を確認すると良いでしょう。画像を送る際は、普段使用しないファイル形式は避け、相手が指定した形式で送るか、一般的に利用されるJPEG形式、PDF形式などで送りましょう。
また、送信前は「ファイルが添付されているか」「別のファイルを間違えて選んでいないか」を必ず確認しましょう。
就活でメールを送るときの例文
就活のシーン別に、メールを送る際の文面の例を紹介します。
<例文>OB・OG訪問の依頼
件名:
OB訪問のお願い(○○大学 りくなび太郎)
メール文面:
株式会社 ○○物産
◇◇部 △△課
○○○○様
初めてメールをお送りいたします。
○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎と申します。
本日は、大学のキャリアセンターで○○様のことを知り、
OB訪問のお願いでご連絡を差し上げました。
現在就職活動中で、社会インフラにかかわる仕事に興味・関心を持っており、
貴社が開発に携わったこれまでの多くの事業に大変ひかれております。
ぜひ○○様にお話をうかがいたく、メールをお送りした次第です。
ご多忙中とは存じますが、お時間を頂けるようでしたら、
○月○日(水)までの月曜日か水曜日で、
○○様のご都合の良い日時をお知らせいただけませんでしょうか。
上記でご調整が難しい場合には、お手数ですが、
○○様のご都合の良い日程を2~3候補日としてお知らせいただけますでしょうか。
メールでの突然のお願いで大変恐縮ですが、
何卒、よろしくお願い申し上げます。
————————————————–
りくなび太郎
○○大学□□学部○○学科 △年
携帯番号:090-0000-0000
メールアドレス:tarou@XXXXXXXX.jp
————————————————–
<例文>OB・OG訪問承諾のお礼
件名:
○月○日(水)のOG訪問につきまして(○○大学 りくなび太郎)
メール文面:
株式会社 ○○物産
◇◇部 △△課
○○○○様
お世話になっております。
○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎と申します。
このたびは、突然のお願いにもかかわらずOG訪問をご承諾いただき、
誠にありがとうございました。
○月○日(水)12:30に貴社1階受付にうかがいます。
当日は、○○さんが現在取り組まれているお仕事や、
仕事のやりがい、1日のスケジュールなどについて、
お聞きしたいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
何か急なご予定などで変更が生じた場合には、
私の携帯電話(000-0000-0000)にご連絡いただければと存じます。
〇〇さんのお話をうかがえることを楽しみにしております。
当日はお時間を頂戴いたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
————————————————–
りくなび太郎
○○大学□□学部○○学科 △年
携帯番号:090-0000-0000
メールアドレス:tarou@XXXXXXXX.jp
————————————————–
<例文>面接通過のお礼
件名:
面接通過ご連絡のお礼(○○大学 りくなび太郎)
メール文面:
○○不動産株式会社
◇◇部 △△課 ○○○○様
お世話になっております。
○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎です。
この度は面接通過のお知らせを頂戴し、誠にありがとうございます。
次の選考の機会を頂けるとのこと、大変うれしく思っております。
必要書類を持参の上、ご提示いただきました下記の日時にて貴社にうかがいます。
〇月〇日(曜日) 〇時
お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
————————————————–
りくなび太郎
○○大学□□学部○○学科 △年
携帯番号:090-0000-0000
メールアドレス:tarou@XXXXXXXX.jp
————————————————–
<例文>面接日程の調整依頼
件名:
面接日程のご調整のお願い(○○大学 りくなび太郎)
メール文面:
○○不動産株式会社
◇◇部 △△課 ○○○○様
お世話になっております。
○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎です。
面接日程のご連絡を頂き、誠にありがとうございます。
大変恐縮ですが、頂きました面接の日程ではどうしても都合がつかず、
おうかがいすることが難しい状況です。
こちらの都合で申し訳ございませんが、
以下の日程の中から面接日をご調整いただくことは可能でしょうか。
◯月◯日(月) 終日
◯月◯日(火) 14時以降
◯月◯日(木) 10時~12時
◯月◯日(金) 終日
上記のいずれの日程もご調整が難しいようでしたら、
別の候補日を挙げていただけますと幸いです。
度々お手数、ご迷惑をおかけしまして申し訳ございません。
ご検討いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
————————————————–
りくなび太郎
○○大学□□学部○○学科 △年
携帯番号:090-0000-0000
メールアドレス:tarou@XXXXXXXX.jp
————————————————–
<例文>書類の提出の連絡(エントリーシート添付)
件名:
エントリーシート送付(○○大学 りくなび太郎)
メール文面:
株式会社 リクナビ商事
人事部 ○○様
お世話になっております。
○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎です。
添付ファイルにてエントリーシートをお送りします。
お忙しい中恐縮ですが、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
————————————————–
りくなび太郎
○○大学□□学部○○学科 △年
携帯番号:090-0000-0000
メールアドレス:tarou@XXXXXXXX.jp
————————————————–
<例文>内定通知の返信(内定承諾)
件名:
Re:内定のご連絡(リクナビ商事)
メール文面:
株式会社 リクナビ商事
人事部
○○□□様
大変お世話になっております。
○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎と申します。
このたびは内定のご連絡を頂き、誠にありがとうございます。
内定をお受けいたしますことをご返信申し上げます。
貴社に内定を頂くことができ、大変うれしく思っております。
貴社で一日も早く活躍できるよう、努力してまいります。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
————————————————–
りくなび太郎
○○大学□□学部○○学科 △年
携帯番号:090-0000-0000
メールアドレス:tarou@XXXXXXXX.jp
————————————————–
<例文>内定通知の返信(保留)
件名:
内定のお礼(○○大学 りくなび太郎)
メール文面:
株式会社 リクナビ商事
人事部人事課 ○○様
お世話になっております。
○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎と申します。
このたびは内定のご連絡を頂き、誠にありがとうございます。
内定のお返事につきまして、一点ご相談がございます。
現在、並行して選考が進んでいる企業があり、
後悔のないようすべての結果を受け止めてから決めたい思いが強く、
すぐのお返事が難しい状況です。
貴社へ入社したい意思は強くございますが、
慎重に検討した上でお返事させていただきたいと考えております。
勝手なお願いで大変恐縮ですが、お返事の期限をご教示いただくことは可能でしょうか。
せっかくの内定のご連絡を頂いたところ大変申し訳ございませんが、
卒ご了承いただきたくお願い申し上げます。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどお願いいたします。
————————————————–
りくなび太郎
○○大学□□学部○○学科 △年
携帯番号:090-0000-0000
メールアドレス:tarou@XXXXXXXX.jp
————————————————–
<例文>内定通知の返信(辞退)
件名:
内定辞退のおわび(○○大学 りくなび太郎)
メール文面:
株式会社 リクナビ商事
人事部人事課 ○○様
お世話になっております。
○○大学□□学部○○学科のりくなび太郎と申します。
このたびは内定のご連絡を頂き、ありがとうございます。
せっかくのご連絡を頂いたところ大変恐縮ですが、貴社の内定を辞退させていただきたく、ご連絡差し上げました。
選考の過程でお会いした貴社の皆さまには、私の拙い質問にもわかりやすく丁寧にお答えいただき、温かな社風に大変魅力を感じておりましたが、本当にやりたい仕事と自らの適性などを考えた末、今回の結論に達しました。
選考には貴重なお時間を割いていただきましたのに、このような結果となり誠に申し訳ございません。心よりおわび申し上げます。
本来であれば直接おわび申し上げるべきところ、メールでのご連絡となりますことをご了承いただきたくお願い申し上げます。
最後になりましたが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
————————————————–
りくなび太郎
○○大学□□学部○○学科 △年
携帯番号:090-0000-0000
メールアドレス:tarou@XXXXXXXX.jp
————————————————–
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。
