「就活の自己分析で耳にする自分史ってどんなもの?」「どうやって書けばいいの?」など、「自分史」について疑問がある学生は多いのではないでしょうか。就活準備の段階で自分史を書いておくと、自己分析や企業選び、エントリーシート(ES)の作成や面接準備など、就活全般でとても役立ちます。この記事では、自分史の書き方を記入例つきで解説します。また、書いた自分史の掘り下げ方や、就活での活用法について解説します。
▼2026年卒向け詳細情報▼
「自分史」とは、自分のこれまでの人生を振り返り、年表のように時系列で書き出したものです。自分史を書くことは、就活の自己分析の手法の一つとして紹介されます。子どものころから今までの人生で起きた、さまざまな出来事や体験、今も強く印象に残っている思い出などを洗い出すことで、そこに共通する自分の行動や考え方、大切にしている価値観に気づくことができます。自分自身をより深く理解するための「ベース」となってくれるものと言えるでしょう。
就活準備の際に自分史を書くメリットとして、以下の3つが挙げられます。
普通に生活する中で、あらためて自分の人生を振り返り、過去の出来事を洗い出していく機会はなかなかないもの。自分史づくりで過去の経験や行動を書き出していくことは、眠っていたさまざまな記憶を呼び覚ますきっかけになります。その過程で、過去の経験が今の自分に与えている影響や、無意識の中に隠れていた大切な思いを発見することもあるでしょう。それらは、就活に向けて自己分析をしていく上での土台になってくれるはずです。
自己分析とは、自分の価値観や特徴を理解するために、これまでの経験や考え方を振り返って整理すること。 応募企業に自分の価値観や経験を伝えるためには欠かせないプロセスです。自己分析の一つとして自分史を書くメリットは、物心ついてから現在に至るまでの経験を網羅的に振り返り、その全体像から共通項を見つけられることです。「自分はこういうことが頑張れるタイプだ」「こんな環境にいるときが特に充実している」といった、人生を通じての価値観や考え方、行動の特徴がわかれば、自信を持って「自分らしさ」を伝えることもできるようになるでしょう。
書き出した自分史を俯瞰(ふかん)することで「○○にやりがいを感じる」「○○な場で活躍できる」といった自分の特徴がわかれば、企業選びの軸も明らかになってきます。また、自分史によってあらかじめ現在と過去の自分をひも付けておけば、ES作成や面接準備でも、そこから伝えるべきポイントやエピソードを取り出し、スムーズに進めることができるでしょう。
自分史の書き方に決まりはなく、各々が書きやすい形で作成して構いません。ここでは「どう書き出せばいいかわからない」という人のために、記入例を紹介します。これを参考にして、自分らしく自由にアレンジしてみてください。
ここからは、自分史を作成する手順を紹介しましょう。
横軸に「小学校1年生〜現在」の各学年を、縦軸に「印象的だった出来事」「なぜこの出来事を選んだ?」などの項目を設定したフォーマットを作ります。小学校入学以前の出来事から書き始めたい人は、欄を追加しても良いでしょう。
Excelなどの表計算ソフトで作成しておくと、後から書き直したり、新たに必要な項目を付け足していったりすることができて便利です。
まず、幼少期から現在までの自分を思い出しながら、「印象的だった出来事」を洗い出して書き込みましょう。このとき、すべての欄を均等に埋めようとしなくてもOK。印象的な出来事や経験がたくさんあるときは多く書き、逆に「何もない」「思い出せない」というときは空欄で構いません。後日思い出すことがあれば書き込んでいきましょう。
これまでの出来事を一通り書き出したら、その出来事を選んだ理由を考えて、隣の欄に書き込みましょう。それにより、これまで自分でも気づかなかったり、忘れたりしていた思いや、自分が変わったと感じるターニングポイントに気づくこともあります。今考えてもわからない部分は空欄のまま進めましょう。
書き出した自分史を深掘りして、自己分析につなげる方法はいくつかありますが、例として「特に自分らしく頑張ったこと」を3つ選び、次の欄に書き込んでみましょう。「自分らしく」とは、イキイキと頑張れたことや、ストレスなく前向きに頑張れたことと捉えてみましょう。
ここで選ぶエピソードは、人との関係性によって頑張れたことや、目標達成のためにコツコツ努力したこと、勝利や表彰といった成功体験など、どのようなものでも構いません。
次に、選んだ3つの「頑張ったこと」に共通するものを探しましょう。そのとき自分はどんな気持ちだったか、どんな状況だったのか、周りにはどんな人がいたかなどを思い出して「自分はこういうときに頑張るタイプだな」「こんなことがすごくうれしいんだ」などと、共通点を洗い出します。ただ、同じ人にもさまざまな側面があって当然なので、無理に一つ に集約させる必要はありません。まずは「頑張ったこと」を比較して、気づいた点を書き出してみましょう。
自分史を書くときの考え方や、自分にとってより有益なものにするためのポイントについてご紹介します。
基本的に自分史は、誰かに見せたり提出したりするものではありません。自分史を書く時点では「強みを企業に伝えよう」「アピールにつなげよう」などとは考えず、ただ自分のために、自分と向き合う作業として取り組んでみてください。心に残っている出来事であれば、良いことばかりではなく、失敗や挫折などネガティブな出来事も正直に書いておくのがオススメです。
過去の出来事について「忘れてしまった」「何もない」と悩んでしまう場合は、特別なエピソードを探すのではなく、「このころの自分は何にはまっていた?」「保護者と毎日何を話していたかな?」など、日常的な記憶に目を向けてみましょう。日常生活のワンシーンであれば思い出せるかもしれませんし、ごく日常的な思い出にこそ、その人の価値観が表れていることも少なくないからです。自分史には「○○で優勝した」「賞をもらった」などの華々しい記憶だけでなく、日々の小さな出来事も記しておくことをオススメします。
自分史を最初から完璧なものにしようとする必要はありません。書き始めは各項目にほんのひと言ずつでもOKですし、ところどころ空欄があっても構いません。就活を進める中で、新たに思い出したことや、自分の受け止め方が変化したことがあれば、その都度書き加えたり書き直したりして、充実させていくと良いでしょう。フォーマットを埋めるだけで満足せず、就活を通じて繰り返し自分と向き合うために使いましょう。
就活の中で自分史を活用するための方法を紹介します。
自分史は前述で紹介した項目で完結させるのではなく、「それをやった理由は?」「そのとき一番大事にしていたことは?」「この出来事を振り返った今の自分はどう思う?」など、自分なりに考えた設問を追加していくことで、それぞれの経験をさらに深掘りしていくことができます。また就活が進む過程で、フォーマットの「自分らしく頑張った3つのことの共通点」の右に、「自己PRにつなげるとしたら?」「志望動機に入れるとすると?」といった実践的な項目を加えてアウトプットしておくと、後々のESや面接の準備に役立ちます。
自己PRについて詳しく知りたい人はこちら↓
【例文5つ】自己PRの書き方・伝え方と、人事に評価されるポイント
志望動機について詳しく知りたい人はこちら↓
【例文あり】伝わる志望動機の書き方とは?プロの添削付きで解説(新卒向け)
面接の振り返りと、次の面接の準備に自分史を使うこともできます。例えば「幼少時のエピソード」や「学生時代に力を入れたこと」などの質問にうまく返答できなかったとしましょう。そうした場合は、自分史に「一番印象に残っている幼少時のエピソードは?」「学生時代に力を入れたことは?」といった項目を付け足し、過去の経験から回答になるものを探して、 具体的なエピソードを書き込みます。そのように準備しておけば、次の面接では自分の言葉で落ち着いて答えることができるでしょう。
就活が本格化してES準備に追われるようになると、「自分の本質を企業に正しく理解してもらおう」というよりは、文字数を埋めることに意識が向いてしまいがちになります。そんなときは意識して自分史を見返し、自分が大切にしたいことや、強み・弱みをあらためて確認すると、志望動機や自己PRの作成もよりスムーズになるでしょう。また、企業から内定をもらった後も、自分史を見返して「本当にやりたいことは何か」を再確認するのがオススメです。自分が実現したいことは何だったのかという原点に立ち戻り、より良い選択をするために活用しましょう。
簡単5分で、あなたの強み・特徴や向いている仕事がわかる、リクナビ診断!就活準備に役立ててくださいね。
▼2026年卒向け詳細情報▼
性格検査や適職診断など、自己分析に役立つツールを活用してみましょう!
インターンシップ&キャリアや就活準備に役立つ情報をX(旧Twitter)でも発信中!
【自己分析のやり方】手軽にできる9つの方法や目的・志望動機の作り方まで
就活準備に「自己分析をやっておこう」とよく言われます。自己分析の9つの方法について、事例やポイントを
就活について先輩たちに話を聞くと、「自己分析は大事だよ」と言われることが多いはず。でも、自己分析って
「そろそろ就活に向けて準備しないといけないと思っているけれど、何から始めていいかわからない…」そんな