「就活が怖い」を解消する考え方とは?すぐ実践できる不安解消法も紹介!

「就活するのが怖い」という漠然とした不安感から、何も行動ができなくなってしまう学生は少なくはありません。まずは、「なぜ就活が怖いのか」を知り、不安を解消していくことが大事です。そこで、就職・転職支援スクール、我究館の館長を務める熊谷智宏さんに、就活を怖いと思う理由や、具体的な不安の解消方法、そして、不安を解消することにどんなメリットがあるのかを聞きました。

「就活が怖い」と感じるのはなぜ?どう考えたらいい?

まずは、多くの学生に共通する「就活が怖い」と感じてしまう大きな原因と、それに対してどう考えればいいのかを紹介します。

就活が怖いのは、「自分をアウトプットすることが怖い」から

就活が怖いと感じている学生は少なくありませんが、大きく共通しているのは、「自分自身をアウトプットすることが怖い」と感じている点といえるでしょう。就活では、学生それぞれが自分の内面を見つめ直して整理し、アウトプットしていく場面が多くあります。

エントリーシート(ES)や面接では、これまでの経験や培われた考え方をアウトプットします。自己分析を行う際、「学生時代に頑張ったことが特にないかもしれない」など、自分を見つめ直すこと自体が怖いと思ってしまう人もいれば、「選考に通らず、自分を否定されるのが怖い」と思う人もいます。また、OB・OG訪問でも、「社会人に対し、自分の考えをちゃんと話せなかったらどうしよう」と考える人もいますし、グループワークやグループディスカッションでも、「ほかの学生に押されて何も言えなくなったらどうしよう」など、うまくアウトプットできずに自信を失うことが怖いと感じてしまう人もいるでしょう。こうした場合、就活そのものを遠ざけたいという気持ちになるため、ギリギリまで行動しないケースがよくあるのです。また、意欲が高く、説明会などにどんどん足を運ぶ学生の場合でも、「情報をインプットする行動」には積極的でありながら、「自分の考えをアウトプットする行動」には消極的になり、立ち止まってしまうケースもあるのです。

アウトプットを恐れずに行動すれば、就活は「楽しいもの」に変わる

本来、就活とは、自分自身を知り、その可能性を広げ、将来の選択肢を広げていくことができるチャンスなのです。アウトプットを恐れずに行動を重ねていけば、就活はやがて「楽しいもの」に変わるでしょう。逆に、「動かなくては」と思いながらも立ち止まっている場合、何もできていない自分に対し、「自分はダメだ」という思考に陥りやすくなってしまいます。動き出しが早い学生と自分を比較して、置いていかれるような気持ちになるケースも少なくはありません。就活を放棄しない限りは、遅かれ早かれ、どの学生もどこかで動き出すものです。そして、動き出すことによって、何をすればいいのかが見え、さまざまなアウトプットをしていく中で自分自身の思考も深まり、また何をすればいいのかが見えてくるのです。そうした行動を繰り返していくうちに、自分の視野が広がり、結果的に、将来の選択肢も増えていくものだと考えましょう。

「就活が怖い」と感じる4つの理由と、すぐ実践できる不安の解消方法

ここでは、「就活が怖い」と感じる具体的な理由と、それぞれに対しての怖さや不安を解消するための考え方を紹介していきます。自分に当てはまるものがあったら、参考にしてみるといいでしょう。

理由1:何をすればいいのかわからないのが怖い

まず、就活の全体像を把握していないため、「何から手をつけていいのかわからない」というケースがあります。どうすればいいのかがわからず不安を抱え続け、会社説明会が始まる直前など、周囲の学生が目に見えて動き出す時期になって慌てて行動するケースが多いでしょう。逆に、しっかり情報収集した場合でも、自己分析や企業研究、OB・OG訪問、Webテストの勉強など、「やらなくてはいけないことが多い」と感じ、何から始めればいいのかわからずに立ち止まってしまう学生も少なくありません。また、キャリアセンターや学校の先輩から「まず自己分析をした方がいい」と聞いた場合でも、「具体的にどうすればいいかわからないし、何がわかったら完了なのか」と悩んでしまうケースもあります。詳しい手順や自己分析の意義を教えてもらわず、自己分析に着手した結果、必要な分析と言語化ができず、「よくわからないし、やっても意味がないのではないか」と不安を感じ、途中ですべてやめてしまうケースもあるのです。

不安解消方法「小さなゴールを定め、1つずつ着手すること」

まずは就活のスケジュールを把握し、いつごろ、どんなことを行うのかを把握しましょう。また、何をすればいいのかわからない場合は、「自己分析」から始めましょう。最初の時点から「自分が何をやりたいのか」「これまでどんな人生を生きてきたのか」など、壮大なテーマに向き合うのではなく、「興味のある業界や仕事を見つけること」から始めるといいでしょう。

次の一歩としては、気になる業界や仕事をベースに、OB・OG訪問に行く企業を探すといいでしょう。先輩社員から直接話を聞き、興味を深めたら企業研究を進めていきましょう。逆に、「期待していたこととちょっと違うかもしれない」と思った場合には、「何が違うのか、それならほかにどんな業界や企業に興味を持てるのか」を考え、OB・OG訪問や企業研究を進めていきましょう。その後は、会社説明会への参加やエントリーシートの提出、Webテストの勉強など、次にやることが見えてきます。小さなゴールを定め、一つずつ着手していけば、次の目標が見つかると考えましょう。

理由2:選考を受けることが怖い

選考を受けることが怖いと思うのは、「選考に通らず、自分を否定されることが怖い」というケースがほとんどでしょう。また、学校の先輩たちから「なかなか選考に通らず、就活はつらかった」というネガティブな話を聞いたり、逆に、「それほど頑張らなくても内定をたくさんもらえた」などのうまくいった話を聞いたりしたことで、「自分の場合は、どんな評価をされるのだろうか」という不安を感じてしまうケースもあります。

不安解消方法「就活で結果を出した先輩に話を聞く」

「第1志望の企業から内定を得た」「納得できる形で就活を終えた」など、結果を出している学校の先輩に、「具体的にどんな活動をし、どんな失敗を経験し、そこからどんな努力をしたのか」を聞いてみましょう。実は、結果を出している先輩ほど、早い段階で多くの失敗や選考に通らない経験をしているケースが多いものです。なぜ選考に落ちたのか、自分に何が足りなかったのかを振り返って学び、次の選考に生かしていくことで、結果的に本人が成長し、納得感を持って就活を終えることができるのです。先輩から具体的な活動内容や失敗談を聞けば、不安は解消され、今後に役立てていくことができるでしょう。さらに、「就活でどんなことが楽しかったか」も聞けば、怖さよりも楽しさをクローズアップできます。もしも失敗談を話したがらない先輩がいた場合は、「何月から動いたか」「何人のOB・OG訪問をしたか」「何社のインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムに参加したか」「どんな戦略で、どんなことに注意したか」など、より具体的に聞いてみましょう。

理由3:社会人と接することや、人前で話すことが怖い

学生時代は、同世代とのコミュニケーションが中心のため、公の場で大人と接することに慣れていない学生がほとんどといえるでしょう。OB・OG訪問など、選考とは関係のない場であっても、社会人を前にして過度に緊張してしまう学生は多いものです。また、選考が進むにつれ、管理職者などの責任ある立場の社会人と接する機会が増えます。立場も年齢も上の世代に対する接し方がわからない上に、「どうすれば評価されるのか」が気になり、頭が真っ白になってしまうケースもよくあるのです。一方、「もともと人前で話すことが苦手」という場合には、「面接などの公の場で、緊張してうまく話せないのでは」という不安を感じているケースもあるでしょう。

不安解消方法「年齢の近い先輩と接することから始める」

社会人と接することが怖いと思うなら、なるべく自分と年齢の近い先輩のOB・OG訪問や、内定者の先輩に話を聞くことから始めるといいでしょう。世代が近いほど、接しやすく、共通の話題も多いため、会話も盛り上がりやすいものです。若手世代から接し、説明会などでさらに上の世代の人事担当者と接するなど、徐々に慣れていけば、面接で責任ある立場の人と接することも怖くなくなるはずです。

一方、「面接で社会人から評価されることが怖い」「人前で話すことが怖い」という場合には、「面接はコミュニケーションの場である」ということを踏まえておくといいでしょう。面接に対して、「評価されるために、用意した回答を話すもの」と思っている学生は少なくありませんし、「完璧に話せなかったらどうしよう」と不安を抱くケースもよくあるものです。しかし、面接では、模範回答を求めているわけでも、上手なスピーチを求めているわけでもありません。普通の会話と同様に、「会話のやりとりをすること」が大事であり、企業はそれを通じて、「本人がどんなことを大切にしているのか、それがこの会社にどうつながっているのか」を知りたいと考えているのです。まずは、相手の質問を聞いた上で、「何が知りたいのか」という意図を考え、それに答えていく会話のキャッチボールを意識するといいでしょう。

新卒の就活は、ポテンシャル採用がほとんどのため、学生の人間性や素養を見ているものですし、企業と学生の相性もあるため、意外な話で盛り上がり、そこから「この学生は、うちの企業に合いそう」と思われるケースもあります。つまり、「これが正解」といえる回答はないといえるのです。評価を意識するより、まずは自己分析で自分のいいところを見つけることが大事です。面接は、やりとりの中でそれを伝えていく場だと考えましょう。

理由4:人と比べられることが怖い

「自分には、語れるほどのエピソードがない」「グループディスカッションでほかの学生より目立つ自信がない」などの不安を持っているケースが多いでしょう。ネット上で、華やかな経歴や特殊な経験が書かれているエントリーシートなどを見て、「それと比べて自分はたいしたことをしていない」と思い込んでしまう学生もいます。また、「グループワークやグループディスカッションでは、リーダーシップを発揮した方がいい」などの情報をうのみにし、「自分にそれができるのか」と不安を抱くケースもあります。

不安解消法「自分が経験してきたことに自信を持ち、掘り下げる」

ネット上で公表されている華やかなエントリーシートは、全体から見ればほんの一部の学生のものなので、それがスタンダードではないと考えましょう。企業は、サークルや部活動での役職、海外留学の経験など、特別な肩書・経歴を評価するわけではありません。小さなことでも、本人が何を経験し、どう思い、どんな行動をしたのかというプロセスを知りたいと考えています。「少しでも話を盛った方がいいのでは」と考え、不安や焦りを感じる学生もいますが、本人が頑張ったことについて、そのプロセスを掘り下げて語ることが最も大事なのです。地味に思えるようなことでも、本人に「頑張った」という感覚があり、情熱を込めて語れるエピソードなら、面接担当者は「もっと話を聞いてみたい」と思うものです。人と比較するのではなく、自分の経験に自信を持ち、しっかりと掘り下げていきましょう。

グループワークやグループディスカッションについても、司会進行や仕切り役などの目立つ役割を担ったからといって、評価されるとは限りません。発言回数の多さも同様です。ほかの学生と比べて目立つことより、自分がどんな役割で貢献できるのかが大事です。活発に意見が交わされる中で、無理に話すことを見つけようとするのではなく、「この視点が抜けている」と指摘したり、「今、2つの意見があるけれど、どちらが大事か考えよう」と発言内容を整理したりすることでも、また違う役割を果たすことができるのです。苦手なことで勝負しようとするのではなく、得意なことで力を発揮していけば、「組織の中の、こんなポジションで活躍できる」という評価につながるでしょう。サークルやアルバイトなど、人と一緒に何かを行う場所で、自分がどんな役割を果たしているのかを考え、その立場を転用していけば、自然に力を発揮していくことができるはずです。

グループワークをしている就活生たち

就活が怖いと感じる背景とは?

「就活が怖い」と感じる学生には、「社会人になることが怖い」「将来が決まってしまうようで怖い」と考えているケースも少なくはありません。「学生時代のような自由がなくなってしまう」と思い込んでいる学生もいれば、「労働環境や人間関係の悪い職場などを選んでしまったらどうしよう」「やりたいことがわからないのに、自分の一生を決めてしまっていいのか」と不安を感じている学生もいるでしょう。

大前提として、学生が思っているよりも「社会人の日々は楽しい」と考えましょう。社会人には、仕事を通じて自分が成長する楽しさや、やりたいことを実現していく喜びがあり、また、自分でお金を稼げるため、プライベートでもできることが増えます。仕事でもプライベートでも、学生時代にはできなかったことに挑戦できるといえるでしょう。また、新卒で入社したからといって、「一生涯その企業で働き続けること」が決まってしまうわけではないので、不安に思うことはありません。それよりも、新卒の就活は、人間性や素養などのポテンシャルを重視して採用してもらえるので、「どの業界にも行ける可能性」を秘めていることを意識した方がいいでしょう。自分の価値観とマッチする仕事を探し、どんどんチャレンジできるゴールデンタイムといえるので、自分の可能性を探す楽しさを味わいましょう。

納得できる就活をするためにも、不安を解消していこう

将来への漠然とした不安を持っている場合には、最初のキャリアで身につけた能力やスキルが、「次のステップにつながっていく」と認識することが大事です。自分の価値観に合わない業界・企業に入社した場合、「やっぱり、違うことがやりたい」と考え、大きく方向転換する転職を目指すケースも少なくありません。しかし、その業界や仕事における経験も能力もないため、ゼロからチャレンジすることになるのです。逆に、自分の価値観に合う業界・企業を選べば、入社後にやりたいことや具体的な目標が見つかる可能性は高いですし、身につけた能力やスキルを生かして次の夢をかなえていくこともできるでしょう。

まずは「こんなことがやりたい」という夢を描き、働かされるのではなく、「働きたいこと」をイメージしていきましょう。自己分析で、仕事に対する価値観を明確にし、「何がやりたいか」が見えたら、「どんな人と働きたいか」を考え、自分が興味を持った企業にOB・OG訪問するといいでしょう。仕事のやりがいや面白さを直接聞いてみれば、「想像していたより、もっと楽しそう」と感じるはずです。労働環境や人間関係に対する不安を抱いている場合も、さまざまな業界や企業で働く社会人たちに話を聞くことはオススメです。1人の社会人や1つの企業ではなく、複数のケースについて知ることで、判断材料が増えますし、自分にマッチしている企業を見つけることにもつながります。働き方ややりがいなどに対する価値観は人それぞれなので、多くの意見を聞きながら、自分自身の「仕事の価値観」を探すことが大事です。納得できる就活とするためにも、不安を解消し、どんどん行動していきましょう。

「就活が怖い」を解消することにはたくさんのメリットが!

「就活が怖い」を早めに解消しておくことには、さまざまなメリットがあります。まず、行動を重ね、思考を深める中で、やってみたい仕事、実現したいキャリアに近づける可能性が広がります。また、選考には一定の期間があるので、早いうちにスタートすればエントリーできる企業の選択肢も多く、失敗をたくさん経験しながら成長できます。準備不足で選考に通過できない負のスパイラルにはまらないためにも、面接で自分の良さを伝える力をアップしていきましょう。多くの経験を重ねながら、自分にマッチする企業を見つけることができれば、入社後に後悔することもありません。

どうしても「就活が怖い」と思ってしまう場合には、OB・OG訪問やインターンシップ等のキャリア形成支援プログラム、会社説明会などを通じて、興味のある業界をのぞくことができる面白さをイメージしましょう。新卒採用以外では、これほどさまざまな業界を見るチャンスはありませんし、さまざまな社会人と接する面白さも味わえます。不安を解消し、ポジティブなイメージで就活を楽しむ意識を持つことがポイントです。

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熊谷智宏さんのプロフィール写真 撮影/hikitachisato

【監修】我究館 館長 熊谷智宏さん

我究館館長。株式会社リクルートに勤務した後、2009年、株式会社ジャパンビジネスラボに参画。現在までに3000人を超える大学生や社会人のキャリアデザイン、就職・転職、キャリアチェンジのサポートを行ってきた。難関企業への就・転職の成功だけなく、MBA留学、医学部編入、起業、資格取得のサポートなど、幅広い領域の支援で圧倒的な実績を出している。また、国内外の大学での講演や、執筆活動も積極的に行っている。 著書に、就活全般の考え方や面接対策などを指南する『絶対内定2021』(ダイヤモンド社刊行)シリーズがある。

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記事作成日:2020年3月30日

 

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