「仕事をする上で大切なこと」の答え方|ES・面接での回答例15選

就活の面接やエントリーシート(ES)で聞かれる「仕事をする上で大切なこと」について、何をどう伝えればいいか迷った人向けに、回答例文をキーワード別に紹介します。併せて、企業がこの質問で見ているポイントや回答の作り方、伝え方のコツを解説します。

面接やESで聞かれる「仕事をする上で大切なこと」とは?

ここでは、仕事をする上で大切なことの意味と、似た質問との違いを整理します。

就活で聞かれる「仕事をする上で大切なこと」とは

「仕事をする上で大切なこと」とは、仕事で判断や選択を迫られた時に何を軸に動くかを示す行動基準です。

たとえば、タスクの進め方に迷った時に、「事実を確認する」「相手と認識をそろえる」「自分が動いて前に進める」など、最初に取る行動にその人の優先順位が表れます。

さらに、トラブルが起きた時に、どう向き合い、どう立て直して次に生かすかといった姿勢も含まれます。

優先順位は人それぞれで、どれが良い悪いではありません。今までの経験を基に、その行動基準を重視する理由を具体的に説明することで、入社後にどのように仕事を進めていく人なのかが伝わるように意識しましょう。

「あなたにとって仕事とは」との違い

似た質問に「あなたにとって仕事とは」があります。これは働く目的や意味を問う質問で、生活の基盤づくりや成長、社会への価値提供など「なぜ働くのか」「何のために働くのか」が中心になります。

【「あなたにとって仕事とは」の回答例】

  • 価値提供の手段:課題を解決して価値を届ける
  • 信頼構築の場:成果と誠実さで信頼を積み重ねる
  • 成長の機会:挑戦と改善で自分を伸ばす
  • 生活基盤の確立:報酬を得て生活を支える

「大切にしている価値観」との違い

「大切にしている価値観」とは、人生全般にかかわる個人の価値観や考え方で、私生活も含めた幅広い場面に当てはまります。

【「大切にしている価値観」の回答例】

  • 健康第一:体調を最優先にする
  • 挑戦を楽しむ:新しいことに挑む
  • 納得感を大事にする:自分が納得して決める

企業は「仕事をする上で大切なこと」を通して何を確認している?

企業が「仕事をする上で大切なこと」を聞く理由は、意欲や頑張り方を含めて「入社後にどのようなパフォーマンスを発揮してくれるか」を見極めるためです。

ここでは、企業がこの質問で確認しているポイントを3つに分けて整理します。

1. 社風や価値観とマッチするかを知りたい

企業はこの質問を通して、社風や価値観と合うかどうかを見ています。

どれだけ能力があっても、企業の考え方や働き方とのずれが大きいと力を発揮しにくく、本人にとっても働きづらさにつながります。

そのため、企業の考え方や働き方とのずれがないか、価値観の方向性が近いかを確認し、入社後のミスマッチや早期離職のリスクを減らそうとしています。

2. 入社後にどのように活躍するかをイメージしたい

企業は、入社後にどのような場面で力を発揮しそうかを具体的にイメージしています。

たとえば、主体的に動いて経験から学ぶタイプか、周囲と協力しながら着実に成果を積み上げるタイプかによって、伸び方や任せやすい仕事は変わるでしょう。

タイプが具体化されると、配属や育成の方針も立てやすくなり、「どのように活躍してくれそうか」「どのような役割を任せられそうか」を判断する材料にもなります。

3. 仕事に対する責任感や誠実さを確認したい

想定外のトラブルなどが起きた時の向き合い方を通じて、責任感・誠実さ・当事者意識があるかを見ています。

たとえば、ミスに気づいた時に隠さず早めに共有できるか、原因を振り返って改善につなげられるか、周囲への影響を考えながら最後までやり切れるかといった点です。

こうした姿勢は成果だけでなく信頼関係にも直結するため、安心して任せられる人物かを判断する重要な材料になります。

「仕事をする上で大切なこと」を見つけるポイント

企業が確認しているポイントを踏まえて、自分なりの「仕事をする上で大切なこと」の回答を考えるための探し方を紹介します。

企業が求める人物像とすり合わせる

「どのような姿勢で働きたいか」「将来どう成長したいか」を言語化し、応募企業で求められる仕事の進め方や姿勢と重ねて整理しましょう。

企業によって大切にしている価値観や働き方は異なるため、自分と重なっている部分が見えると回答の説得力が増します。

企業ホームページや採用ページで、経営理念・行動指針・求める人物像を確認し、自分の行動基準と通じる部分はどこか考えてみましょう。

これまでの経験からヒントを探す

過去の経験を振り返り、「頑張れた理由」や「譲れなかった基準」を掘り下げます。

成功体験だけでなく、失敗や葛藤があった場面ほど、価値観が表れやすいものです。

たとえば、チームで揉めた時に何を優先したか、思うように成果が出ない時にどう立て直したかを振り返り、行動の背景にある考え方を言葉にしてみましょう。

なりたい社会人像をイメージする

将来の姿から逆算して考える方法です。

どのような働き方をしたいのか、どのような人として信頼されたいのかを具体的にイメージすると、大切にしたいことが見えやすくなります。

たとえば、「周囲から任される存在になりたい」「成果とプロセスの両方で評価されたい」など、なりたい社会人像を決めた上で、そのために日々の仕事で何を優先するかを整理すると、回答に一貫性が生まれます。

評価される「仕事をする上で大切なこと」の回答構成3ステップ

自分なりの「仕事をする上で大切なこと」が見つかったら、回答の考え方を3ステップで紹介します。

1. 仕事をする上で大切だと思うことをひと言で伝える

まずは結論から、「仕事をする上で大切にしていること」をひと言で伝えましょう。

最初に結論を示すと、採用担当者が全体像をつかみやすくなり、その後の理由やエピソードも理解しやすくなります。

ここでは背景を長く語らず、「私は〜を大切にしています」と端的にまとめるのがポイントです。

2. なぜ大切だと思うのかを経験に基づいて説明する

次に、なぜそれを大切にするのかを経験に基づいて説明します。3ステップの中で最も重要で、評価が大きく分かれるポイントです。

企業が見ているのは、その考えに至った理由と入社後も同じように行動できるかという再現性です。伝える時は「きっかけ→考え→行動」の順に整理して話すと、わかりやすく伝えることができます。

まず、価値観が形づくられた出来事を示し、そこで何を感じ、どう考えるようになったのかを言語化しましょう。

その上で、実際にどんな工夫をして、どう行動したのかまで具体化しましょう。役割や工夫、結果を添えると行動イメージを持ちやすくなります。

3. 入社後にどのように生かすかを伝える

最後に、その判断基準を入社後にどう生かすかを伝えます。ただし、入社前は仕事内容を正確に把握することは難しいので、応募した企業の仕事で意識したい行動を簡潔に記載して締めましょう。

「仕事をする上で大切なこと」の伝え方のコツ

「仕事をする上で大切なこと」は、内容だけでなく伝え方でも印象が変わります。ESでは読み手に伝わる文章構造が求められ、面接では話し方や受け答えの姿勢がポイントになります。

ここでは、ES・面接それぞれで意識したい伝え方のコツを整理します。

エントリーシート(ES)での伝え方

ESは文章だけで評価されるため、何が言いたいかがすぐに伝わる構成が大切です。まずは、「私は〜を大切にしています」と伝えてから理由につなげましょう。

次に意識したいのは読みやすさです。1文を長くしすぎないことに加え、「そのため」「さらに」などの接続詞を続けすぎないだけでも、文章がすっきりします。

背景説明に文字数を使いすぎると、伝えたいことが埋もれやすくなります。出来事の説明は最小限にして、そこから何を学び、どう行動したかに重点を置くのがコツです。

面接での伝え方

まずは結論を短く伝え、理由とエピソードは要点を絞って話すようにしましょう。

面接では内容だけでなく、話し方や受け答えの姿勢も含めて評価されるため、相手の目を見て落ち着いて話し、語尾まで言い切ることを意識しましょう。緊張して早口になりやすい場合は、1文ごとに区切って話すと聞き取りやすくなります。

また、この質問は「なぜそう思うのか」「どんな行動をしたのか」など深掘りされやすい傾向があります。エピソードの背景や工夫、結果を簡潔に説明できるように準備しておくと安心です。

「仕事をする上で大切なこと」の回答例文15選

ここでは、15個の「仕事をする上で大切なこと」を例に、回答例を紹介します。

マインド:責任感・誠実さ・素直さ・向上心

責任感

私が仕事をする上で大切にしているのは、任された役割を最後までやり切る責任感です。

大学のゼミで発表担当を務めた際、自分の準備が遅れると全体の完成度に影響すると感じ、早めに計画を立てて進捗を共有しました。途中で方向修正が必要になった際も、必要な情報を集め直し、期限内に仕上げました。

入社後も、周囲と連携しながら自分の役割に責任を持ち、最後までやり切る姿勢で業務に取り組みます。

誠実さ

私が仕事をする上で大切にしているのは、相手や仕事に対して誠実に向き合う姿勢です。

アルバイトで対応ミスをした際、隠さず事実を正直に報告し、早期の対応と改善につなげました。この経験から、誠実な行動が信頼関係を築く基盤になると学びました。

入社後も、状況を正確に共有し、相手の立場を考えながら行動することで、信頼される存在として貢献していきたいと考えています。

素直さ

私が仕事をする上で大切にしていることは、指摘を受け止め、素直に学ぶ姿勢です。

ゼミ活動で資料の構成について、指摘を受けた当初は戸惑いましたが、意見を取り入れて改善した結果、内容が伝わりやすくなりました。この経験から、素直に吸収することで成長のスピードが高まると実感しました。

入社後も、自分の考えに固執せず、周囲の助言を前向きに取り入れながら成長していきたいです。

向上心

私が仕事をする上で大切にしているのは、現状に満足せず成長を目指し続ける向上心です。

アルバイトでは、任された業務をこなすだけでなく、効率化の方法を考え改善を提案してきました。その結果、作業時間の短縮につながり、周囲から任せてもらえる業務が増えました。

入社後も、日々の業務から課題を見つけ、学びと改善を積み重ねながら、より高い成果を出せる人物を目指します。

コミュニケーション:協調性・チームワーク・信頼関係

協調性

私が仕事をする上で大切にしているのは、周囲と協力しながら物事を進める協調性です。

ゼミでのグループ研究では、意見が分かれた際に自分の主張を通すのではなく、相手の考えを整理して共有する役割を意識しました。その結果、全員が納得した方向性で進めることができました。

入社後も、立場や意見の違いを尊重しながら、チーム全体の成果を高める行動を心がけます。

チームワーク

私が仕事をする上で大切にしていることは、個人ではなくチームとして成果を出す姿勢です。

アルバイト先で繁忙期に人手が足りなかった際、自分の担当業務にこだわらず、周囲の状況を見て声をかけ合いながら対応しました。その結果、全体の業務が滞ることなく回り、チームとして成果を出せました。

入社後も、チームの一員として状況を見ながら行動し、組織全体の成果に貢献していきたいです。

信頼関係

私が仕事をする上で大切にしているのは、周囲との信頼関係を築くことです。

アルバイトでは、約束や期限を守ることを徹底し、小さな依頼にも丁寧に対応してきました。その積み重ねにより、重要な業務を任せてもらえるようになりました。

入社後も、日々の業務一つひとつに誠実に向き合い、行動を積み重ねることで、安心して任せてもらえる存在を目指します。

対人スキル:思いやり・傾聴力・感謝・笑顔

思いやり

私が仕事をする上で大切にしているのは、相手の立場に立って行動する思いやりです。

アルバイトでは、新人が業務に不安を感じている様子に気づき、自分から声をかけてフォローしました。その結果、質問しやすい雰囲気が生まれ、全体の業務も円滑に進むようになりました。

入社後も、周囲の状況に目を向けながら行動し、安心して働ける環境づくりに貢献していきたいです。

傾聴力

私が仕事をする上で大切にしているのは、相手の話を最後まで聞く傾聴力です。

ゼミの話し合いでは、意見をすぐに判断せず、要点を整理しながら聞くことを意識していました。その結果、発言が少ないメンバーの意見も引き出し、議論の質が高まりました。

入社後も、相手の意図を正しく理解することを大切にし、円滑なコミュニケーションにつなげていきたいです。

感謝

私が仕事をする上で大切にしているのは、感謝の気持ちを言葉と行動で伝えることです。

アルバイトでは、忙しい中でも「ありがとうございます」と伝えることを意識した結果、職場の雰囲気が良くなり、協力し合える関係が生まれました。

入社後も、周囲の支えがあって仕事が成り立っていることを忘れず、感謝を伝えながら良好な関係を築いていきたいです。

笑顔

私が仕事をする上で大切にしているのは、相手に安心感を与える笑顔です。

接客のアルバイトでは、忙しい場面でも表情や声のトーンを意識することで、クレームを未然に防いだ経験があります。笑顔は相手との距離を縮め、円滑なやりとりにつながると実感しました。

入社後も、前向きな姿勢を大切にし、周囲と良好な関係を築きながら業務に取り組みます。

行動・実務:主体性・計画性・正確性・報連相

主体性

私が仕事をする上で大切にしているのは、自ら考えて行動する主体性です。

アルバイトでは、指示を待つだけでなく、業務の流れを見て必要だと感じた改善点を自分から提案してきました。その結果、作業効率が向上し、任される業務の幅も広がりました。

入社後も、自分なりに考え行動する姿勢を持ち、周囲に貢献できる存在を目指します。

計画性

私が仕事をする上で大切にしているのは、期限や優先順位を意識して行動する計画性です。

大学の課題やアルバイトを両立する中で、事前にやるべきことを整理し、スケジュールを立てて進めることを習慣にしてきました。その結果、締め切りに追われることなく安定して成果を出せるようになりました。

入社後も、業務全体を見渡しながら計画的に取り組みたいです。

正確性

私が仕事をする上で大切にしているのは、正確さを意識した丁寧な仕事です。

事務系のアルバイトでは、入力ミスや確認漏れが後の工程に影響することを学び、必ずダブルチェックを行うようにしました。その結果、ミスが減り、安心して任せてもらえるようになりました。

入社後も、細部まで注意を払い、信頼される仕事を積み重ねていきます。

報連相(報告・連絡・相談)

私が仕事をする上で大切にしているのは、報連相を意識して、こまめに情報共有することです。

アルバイトで混雑時、予約のお客さまの来店が早まり席の確保が難しくなった際、自己判断せずに店長へ「人数・到着予定・空き状況」をすぐ共有して相談しました。その結果、案内順を調整でき、待ち時間の不満や案内ミスを防げました。

入社後も、迷ったら早めに共有し、周囲と連携して業務を進めます。

「仕事をする上で大切なこと」その他の例

回答例文で取り上げた以外の「仕事をする上で大切なこと」と、具体的な伝え方の例を紹介します。

仕事をする上で大切なこと具体的な伝え方の例
挑戦心・チャレンジ精神未経験でも学びながら前に進む姿勢
柔軟性・臨機応変な対応状況変化に合わせてやり方を切り替える力
効率性・スピード感優先順位をつけ、ムダなく早く進める意識
継続力・粘り強さ結果が出るまで工夫しながら続ける姿勢
改善・工夫振り返りを通じてやり方を更新し続ける行動
顧客視点・相手の立場に立つ相手の目的や困りごとを起点に考える姿勢

「仕事をする上で大切なこと」を伝える際の注意点

ここでは、「仕事をする上で大切なこと」を伝える際の注意点を押さえておきましょう。

待遇面ばかりを伝えてしまう

待遇への関心自体は自然ですが、「仕事をする上で大切なこと」で就業時間や給与などの待遇を気にしていることを全面に伝えると、企業に自分の希望ばかりを求める人と受け取られやすくなります。

たとえば「残業はしたくない」と述べる代わりに、「限られた時間でも成果を出すために優先順位をつけ、効率よく進めることを大切にしている」といった形にすると、貢献につながる姿勢として伝わります。

希望する待遇をそのまま伝えるのではなく、実現するために自分ができる工夫を伝えられると良いでしょう。

社会人として当たり前すぎる内容になっている

「責任感が大切」「誠実に頑張る」など、社会人として一般的な言葉だけで終わると、内容が抽象的で印象に残りにくくなります。

「責任感が大切」なのであれば、具体的にその考えに至った経験を企業に伝えましょう。どんな状況で何を課題と捉えたのか、どう工夫して動いたのか、結果として何が改善されたのかまで示すと、同じ言葉でも説得力が増します。

志望企業の社風と明らかに矛盾している

回答の内容が志望企業の社風や価値観と大きくずれていると、企業理解が浅いのではと受け取られやすくなります。

たとえば、チームで成果を出す文化が強い企業で「個人で結果を出すことを最優先にしたい」と語ると、入社後の働き方が想像しにくくなります。

大切なことは、企業の理念や行動指針、求める人物像を確認し、自分の考え方と重なる点を見つけることです。その上で、その企業の環境で自分がどう動き、どう役立てるかまで言葉にすると、納得感のある回答になります。

曽和利光さんプロフィール写真

監修

曽和利光さん

株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。