就活の面接で特技について聞かれたり、履歴書の特技欄を書くとき、何をどう答えればいいか迷う方もいるのではないでしょうか。
ここでは、特技を聞く意図や、代表的な特技の一覧を紹介します。「特技がない」と思っている人向けの「特技の見つけ方」や、伝え方のポイント、アピールする際の例文も解説します。
特技とは
特技とは、ほかの人よりも優れていることや、自分が得意だと思うことです。例えば、これまで続けてきたスポーツや楽器などが、代表的な例として挙げられます。
ただし、就活で聞かれる特技とは、「客観的な実績があるもの」である必要はありません。また、何らかの賞や資格を得ている必要もありません。
なぜなら、企業が特技を聞く主な理由は「あなたの人柄」を知るためだからです。人柄の紹介につながるのであれば、些細なことや小さなことを「特技」としても問題ありません。
履歴書・面接で特技を聞く理由
企業が特技を聞く理由は、主に3つあります。どのような特技をどのように伝えるのか、考える参考にしてください。
1.自社が求める人材か、人柄を知るため
特技そのものや、特技を身につけるまでの過程からは、その人の能力や性格、価値観といった人柄がわかります。例えば、特技は書道で、上達するために10歳から毎日続けているとしましょう。そのエピソードを面接で話したら、粘り強さや、継続する力に秀でた人だと評価される可能性が高まります。
このように、その人の人柄を掘り下げて、仕事や企業風土への適性があるかを測るために、特技を質問するケースが多いです。
2.ひとつの物事を追究・熱中する力を知るため
最近では、多くの仕事で専門性が求められるようになっています。そうした中で活躍できるのが、いわゆる「オタク気質」な人。ひとつのものごとに熱中して深く掘り下げ、粘り強く学習したり、努力し続けられたりする人を探すきっかけとして、特技を質問するケースもあるでしょう。
3.場を和ませるため
特技に関する質問は、面接担当者も学生も話しやすい話題です。面接の冒頭や話と話をつなぐタイミングで、特技を質問することは少なくありません。
また、特技がその人の経歴からは想像できないものだと、話を広げたり、印象を変えたりするきっかけになります。例えば、静かな印象の人に特技を質問し、「特技はフットサルです。大人しく感じるかもしれませんが、コートに入ると性格が変わって、誰よりも走り回って大声で指示も出します」と言われたら、「そんな一面もあるのか」と思うかもしれません。就活生の新たな一面を掘り下げることができるのも、特技を質問するメリットになっています。
「特技がない!」そんな人はどうしたらいい?
「特技がない」と回答するのは避けよう
履歴書の特技欄に何も記入しなかったり、面接で「特にありません」と回答したりするのはなるべく避けましょう。「自己分析が足りていない」「消極的だ」という印象を与えてしまうかもしれないからです。
特技はあなたの人柄を示すものであり、企業も人柄を知るために質問しています。自分では些細に思うことや小さなことでも、「これが特技だ」と思うことなら挙げて問題ありませんので、謙遜せずに答えましょう。
また、広く浅く、いろんなことに関心を持っている人の中には、特技と言うほどやり込んだものがないという人もいるかもしれません。そうした人は、「特技と呼べるかはわかりませんが」と、ひと言前置きした上で書いたり、答えたりするのもひとつの手です。
特技を探す時のポイント
伝えたい「強み」を考えてから探す
最も重要なのは、企業が求める人物像や採用基準を念頭に、面接や履歴書で伝えたい「強み」を念頭に特技を探すことです。
仮に自分の強みが「粘り強くものごとに打ち込み続けられること」だとしたら、「書道を10年続けています」といったように、長年続けられているものを伝えるのが良いでしょう。また、企業が求める人物像に「几帳面さ」が含まれる場合は、「部屋の整理整頓が大得意」といった日常の特技でも十分通用します。逆に、「几帳面さ」を求められているのに「炭酸飲料の一気飲みができます」と伝えても、仕事には特に役立たない特技と思われる可能性もあります。
何が得意かも重要ですが、特技を通じて何をアピールしたいのか、目的意識を持つことをより重視しましょう。企業に応じて特技(を通じてアピールしたいこと)を変えるのもお勧めです。
「伝えたい『強み』を考える」のは、特技を探す際の前提です。この視点を持ったうえで、以下の趣味や習慣、過去の経験の振り返ってみて、具体的な特技を探していきましょう。
趣味から探す
自分が趣味を楽しむ過程に注目すると、特技として言い換えやすくなります。例えば趣味が料理で、「夕食はいつも3品以上同時進行で調理している」のだとしたら、効率よくものごとを処理するタスク管理能力をアピールできる十分な「特技」と言えるでしょう。同様に、ゲームが趣味で、「試合を録画して自分が負けるパターンを分析して、対人戦の勝率を上げている」としたら、課題の分析能力に長けた特技としてアピールできます。
その趣味の中で課題にどう向き合っているのか、趣味を高めるためにどんな工夫をしているか、趣味に対してどの程度没頭しているか、趣味に対する姿勢をさまざまな視点から考えて、特技と言える部分がないか考えてみましょう。
習慣から探す
習慣から特技を探すには、まず起床してから就寝するまでに行っていることを、時系列で書き出してみましょう。「就寝する前に必ず30分本を読んでいる」としたら、「毎日の読書習慣」を特技として挙げ、継続力をアピールできるでしょう。掃除や買い物、勉強などでも構いません。「趣味から探す」方法と同様に、取り組む過程に注目して、特技に言い換えられるものを探しましょう。
1日単位では探しづらい場合は、1週間単位や1カ月単位で考えてみてください。
過去の経験から探す
サークル活動や部活動、アルバイト、留学、学級委員など、過去に力を入れた経験からも、特技を探してみましょう。ただし、さかのぼるのは高校生までにとどめておきましょう。また、「今でも特技と言える」ことに限定することをお勧めします。「中学生の頃まではサッカーが特技でした」など、あまりに古いエピソードや、今は特技と言えないことは、企業が知りたい「(入社してからも発揮される)強み」の評価につながらないため、伝えないほうが無難です。
表彰されたり、褒められたりしたことから探す
表彰されたり、褒められたりしたものごとは、客観的に見て秀でている「特技」と言えます。こうした特技であれば、自信を持って伝えられるのもポイント。家族や友人に、改めて自分の特技を聞いてみるのもいいでしょう。
特技を一覧で紹介
代表的な特技をジャンル別に紹介します。自分の特技と言えるものがないか、探してみましょう。
なお、ここで挙げた特技はあくまで例です。一覧にない特技をアピールしても、もちろん問題ありません。
運動系
- 球技(野球・サッカーなど)
- マラソン・ランニング
- 筋トレ
- 水泳
- 武道
- ダンス
- 登山
- ヨガ
- サイクリング
- スキー・スノーボード
- 釣り
- ボルダリング
- ダーツ
文化系
- 楽器演奏
- 作曲・DTM
- 書道
- 茶道・華道
- 着付け
- 写真(カメラ)
- 映画鑑賞
- 文章執筆
- イラスト・絵画
- 読書
- DIY・ハンドメイド
- ガーデニング
趣味
- 料理
- 旅行
- クイズ
- 将棋・囲碁・チェス
- ゲーム
- 散歩・街歩き
- 推し活
- カラオケ
- ドライブ
- キャンプ
- ファッション
スキル・強み
- 資格取得の勉強
- タイピング
- プログラミング
- 表計算ソフト(Excelなど)
- SNS運用
- 動画編集
- 暗算
- 記憶力
- 語学
- プレゼンテーション
習慣
- 掃除・整理整頓
- 節約
- 早起き・生活リズムの維持
- 健康管理
- スケジュール管理
- 5分前行動
- 日記
- ニュースのチェック
- メモを取ること
履歴書・面接で伝えない方がいい特技
自分の評価を下げる材料になること
特技を通じて企業に伝えたいのは、「企業で仕事をする上で活きる、あなたの強み」です。どれだけ得意であっても、評価を下げかねない特技は伝えるべきではないでしょう。例えば、日中が勤務時間の企業に「深夜まで起きていること」が特技だと伝えると、「遅刻をしそうだ」「日中の集中力が低そうだ」と思われてしまうかもしれません。
「企業が求める人物像や採用基準を念頭に置く」ことを忘れずに、適切な強みをアピールできる特技を伝えましょう。
犯罪を連想させること
転売やナンパのように、法的にグレーな内容の特技も伝えるべきではありません。能力がいくら高くても、トラブルのもとになりかねないとして採用されないでしょう。また、利己的である、倫理観が欠けていると評価される可能性もあります。
なお、ギャンブルや飲酒は、関連した業界の場合、それだけでマイナス評価になるとは限りません。ただし、ギャンブルにのめり込みすぎている、酒癖が悪いと感じられてしまうと、やはり評価は高まらないでしょう。伝えるエピソードや、特技としての程度に注意して伝えることが大切です。
宗教・政治に関すること
公正な採用のために、企業は学生に対して思想・信条に関することを質問したり、その内容に基づいて採用を決めることを禁じられています。宗教・政治に関する特技の場合、プラスの評価にも、マイナスの評価にも影響しないので、別の特技を伝えた方が良いでしょう。
特技を伝えるポイントと例文15パターン
履歴書に特技を書く際のポイント
書類選考では、履歴書に記載されている以上の情報を伝えることができません。書かれている情報がすべてなので、記入欄が小さくても、特技の情報をなるべく詳しく書くよう心がけましょう。
例えば、「カメラ」とだけ書かれていても、特技としての程度はわかりません。同じ「カメラ」が特技でも、スマートフォンでたまに撮影する程度の人もいれば、本格的な機材を揃えて毎週撮影に出かける人もいるでしょう。「カメラ」であれば、「カメラで毎週、風景を撮影している」「一眼レフでマニュアル撮影にこだわっている」など、その特技をイメージしやすくなるキーワードを添えて記入するのがお勧めです。
同様に、「早起き」が特技なら「毎朝5時に起床することを心がけている」、「テニス」なら「クラブチームで練習し、〇年間継続中」といったように、その特技の程度や取り組む頻度、力の入れ具合がわかるキーワードを添えましょう。
面接で特技を伝える際のポイント
面接で特技を伝える際のポイントは2つです。「最初にどんな特技か簡潔に伝える」「特技の具体的なエピソードを伝える」ことを意識しましょう。
最初にどんな特技か簡潔に伝える
「私の特技は〇〇です」と、最初に結論を伝えることで、相手は「これから〇〇の話をするんだな」と、聞く姿勢が整います。逆に、冒頭から「私は小学生の頃から~」とエピソードを話してしまうと、相手は「今何の話をしているのだろう」「結局何が特技だったのだろう」と困惑してしまい、アピールポイントがうまく伝わらない可能性があります。新聞やネット記事の「見出し」のように、最初に特技を端的に伝え、その後のエピソードやあなたの強みを理解する道しるべにしてもらいましょう。
特技の具体的なエピソードを伝える
入社してからもその特技や、その特技に関連したあなたの強みが発揮されるであろうことを、相手に期待してもらうには、具体的なエピソードが欠かせません。
以下の観点をを盛り込んで、具体的なエピソードを伝えるよう意識しましょう。
- どのような特技なのか(程度がわかる客観的な事実)
- どのように取り組んでいるのか(努力の過程や工夫)
例えば、「サッカーが得意です」と言っても、その程度がわからないと、特技として納得しづらい場合があります。受賞歴などは必要ありませんが、「今も週に5回、1回2時間は練習しています」といったように具体的な数字を出して、どの程度打ち込んでいる特技なのかがわかるようにしましょう。
また、特技そのもの以上に重要なのが、身につけるまでの努力の過程や、現在の取り組み方です。特技と言えるまでに努力した経験や、さらに上達するために取り組んでいる工夫や試行錯誤こそ、強みとして評価されるからです。どんな課題があったのか、その課題にどう向き合ったのか、今どんなこだわりや工夫を持って取り組んでいるかを振り返ってみましょう。
特技そのものは深く説明しなくてもいい
例えば、あなたの特技が「料理」だとします。何を作るのが得意か、作るのが得意なジャンル(パスタなど)については、それほど触れなくて大丈夫です。面接担当者が知りたいのは、あくまで「あなたの強み」であって、「特技そのもの」の詳細ではありません。それよりも、あなたが料理をする際に意識していること、料理のスキルを磨くために頑張ったこと、料理の経験を通じて学んだことについて、なるべく詳しく伝えることが大切です。「料理」ではなく、「自分語り」を本題にしましょう。
面接で特技を伝える際の例文15パターン
これまでに挙げたポイントを踏まえた、特技を伝える際の例文を紹介します。例文の伝え方を参考に、自分の特技をアピールする方法を考えてみましょう。
サッカー
私の特技はサッカーです。小学生の頃から12年間続けており、現在も大学のサークルで週4回練習しています。大学生になってからの練習では、技術の向上のために、特に「振り返り」を徹底しています。練習や試合後は必ずプレー内容をノートに記録し、うまくいかなかった原因を分析した上で次の練習に臨む、というサイクルを3年間欠かさず継続しています。
ランニング
私の特技はランニングです。雨の日以外は毎朝5km走ることを、大学入学から3年間1日も欠かさず続けています。体調が優れない日や気分が乗らない日でも、「まずはウェアに着替える」という小さな行動からスタートし、走り出すためのリズムを作るようにしています。どんな状況でも、決めたことをやり抜く自己規律には自信があります。
登山
私の特技は登山です。大学1年生の頃に友人に誘われたのがきっかけですが、当初はすぐに息が上がり、悔しい思いをしました。そこで、月に1回は必ず近場の山に登ると決め、少しずつ標高や距離を伸ばしていきました。ペース配分や休憩の取り方も自分なりに研究し、最近では標高2000mの山も余裕を持って楽しめるようになりました。
写真(カメラ)
私の特技は風景写真の撮影です。月に4回は、最高の一枚を撮るために、いつも一眼レフカメラを持って出かけています。こだわっているのは事前の準備です。風景写真は光の角度や天候が重要になるので、撮影地の太陽の方角や天候の変化を出かける前日にアプリで綿密に調べ、構図を決めてから臨むように心がけています。また、当日は狙った光景が撮れるまで、2時間以上待ち続けることも苦ではありません。
イラスト
私の特技はイラスト制作です。主にSNSで、オリジナルのイラストを発信しています。自己満足で終わらせず、「多くの人に見てもらえる絵」を描くことを目標に、流行している絵柄や配色、反応がよい投稿時間帯を分析して、作品に反映させています。この試行錯誤を続けた結果、半年でSNSのフォロワーが1500人増えました。
読書
私の特技は読書です。興味がある分野だけでなく、あえて「普段なら手に取らないジャンルの本」を月に1冊読むルールを決めています。専攻は経済ですが、歴史や哲学、心理学、時には宇宙の本なども読みます。食わず嫌いせずに視野を広げるようにしてから、大学のレポートでも「考察の切り口がユニークだ」と評価してもらえることが増えました。
料理
私の特技は料理です。現在は週に2回、実家の夕食作りを任されており、家族4人分を作っています。意識しているのは「効率」です。栄養のために毎食3品は作ると決めて、煮込み中に洗い物を済ませるなど、作業工程をパズルのように組み立てて同時進行するのが得意です。限られた時間と材料で、最大限の成果を出すことにこだわりを持っています。
旅行
私の特技は旅行の計画立てです。友人との旅行では必ず幹事を務め、どんな状況でも友人たちが楽しめるよう、プランを考えています。特にこだわっているのは代替案の準備です。電車の遅延や悪天候を想定し、「もしここに行けなかったら」と別のプランを用意した上で旅行に臨むようにしています。
キャンプ
私の特技はキャンプです。あまり道具に頼らずに、最低限の装備で過ごすスタイルで、月に一度まだ訪れたことのないキャンプ場へ出かけています。自然の中では忘れ物や急な天候変化などのトラブルがつきものですが、焦らずに今あるものでどう代用するか考えることを繰り返すうちに、どこでもその場で解決策を作り出すのが得意になりました。
表計算ソフト(Excelなど)
私の特技はExcelです。サークルの会計係として、手作業だった帳簿の管理を、関数を使って自動化しました。会計係になるまでExcelは完全な初心者でしたが、手作業の非効率さを解消したい一心で、毎日解説サイトや動画で学習し、エラーと格闘しながら関数をひとつずつ実践で覚えました。
記憶力
私の特技は記憶力です。特に「人の顔と名前、会話の内容」をセットで覚えることが得意です。接客のアルバイトで、次回の来店時に「前回のお話の続き」を振れるように、お客さまの特徴や雑談の内容をノートに記録して復習するうちに身につきました。今では顔なじみのお客さまが何十人もいて、初来店のお客さまもすぐに覚えられるようになりました。
語学
私の特技は英語です。留学経験はありませんが、1回25分のオンライン英会話を3年間続けています。英会話中は「失敗を恐れないこと」を意識しています。適切な表現が思いつかなくても知っている単語で言い換え、自分の意見を伝えきることが大切だと考えているからです。こうした努力の結果、大学在学中にTOEIC®️の点数を〇〇点から〇〇点に伸ばしました。
節約
私の特技は節約です。現在一人暮らしをしているのですが、月の生活費を〇万円以内に抑えるよう、ゲーム感覚で楽しんでいます。こだわりは徹底した「数値化」です。家計簿アプリで支出をすべて記録し、毎月末に無駄な支出はなかったかを分析。超過した分は翌月の予算を減らすことで対応しています。
早起き
私の特技は早起きです。理由は、朝の静かな時間にゆっくり動画を見たり、朝食をとるのが好きだからです。そのための努力として、どんなに忙しくても23時には就寝し、寝る1時間前からはスマートフォンを絶対に見ないというルーティンを3年間徹底して守っています。
メモを取ること
特技と呼べるかわかりませんが、私はメモを取ることが得意です。アルバイト先や講義では、必ずノートとペンを常備しています。ただ聞き書きするのではなく、重要なポイントをその場で要約し、図解を交えて記録します。取ったメモは、後で見返したときに自分以外の人も理解できるマニュアルとしても活用しています。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。
