大学1年生のうちにやっておくとよいことを、「就職みらい研究所」所長の栗田さんによる解説と、就活経験者の先輩たちのアンケート結果から紹介。どうすれば充実した学生生活を過ごせるか、社会人になるために必要な準備、大学1年生からできる就活準備についても知りたい方はぜひご確認ください。
大学時代を、社会人に向けた準備期間と捉えたときに、大学1年生はどう過ごすとよいかを、リクルートの就職みらい研究所所長・栗田貴祥さんにうかがいました。
大学生は、社会人に向けた準備期間です。その中でも大学1年生は、自由な時間が増えて、色々なことにチャレンジできる時期といえるでしょう。
大学1年生のうちから、焦って就活(就職活動)をする必要はありません。大学1年生は、学業、サークル、部活・アルバイト、ボランティアなど、なんでもいいので自分が興味あること、やってみたいことに全力で取り組むことをオススメします。
学生生活を徹底的に楽しむ過程で得た経験や気づきは、後々の就活にも生かせるでしょう。
充実した学生生活をその後の就活にもうまく生かすには、大学1年生のうちから目標設定と振り返りをする習慣をつけておくことが大切です。「経験」から学びを得るための経験学習サイクルを回すことで、自分らしさや強みが見つかりやすくなるはずです。
例えば、何かを始めるときは「〇〇のためにやってみたい」と目的や目標を定め、どんなふうに取り組むことで、どんな成果につながったかを振り返りましょう。成果だけではなく、感情や思考についても振り返ることがポイントです。
「なぜ興味を持ったのか」「向いていると思うか」「どんなときに自分らしさを発揮できたか」などを理由や、根拠となる出来事でまとめておくと自分の価値観が明確になり、就活時にエントリーシートや面接で聞かれることが多いガクチカ(学生時代に力を入れたこと)や自己PRなどに生かすこともできるでしょう。
大学1年生では、充実した学生生活を送ることが何よりも大切です。そのため就活そのものを行う必要はありませんが、「社会人に向けた準備」は早く始めても早すぎることはありません。低学年のうちから積極的に就活準備を始めたい人は、ライフキャリアを考え、オープン・カンパニーに参加することから始めてみるとよいでしょう。
就活本番では、これから先の人生をどう過ごしたいか「ライフキャリア」を考え、希望する人生を実現するためにはどんな働き方や職業がよいのか「ワークキャリア」を考えることが大切です。その中でも大学1年生では、特にライフキャリアを意識するとよいでしょう。
どんな人生を送りたいかを考える過程で、自分はどんなことに幸せを感じるのか、どんな人と一緒に、どんな環境にいると心地よいと感じる人間なのか、自分の考えに意識を向けることが大切です。
大学1年生の時間があるときに、なるべく色々な企業のオープン・カンパニーに参加してみましょう。
オープン・カンパニーとは、「個社や業界に関する情報提供・PR」を目的とした主に短期間で開催されるキャリア形成支援プログラムを指します。社員がその企業の事業説明をするだけではなく、業界の仕組みやビジネスの仕組みを教えてくれるようなプログラムや、先輩社員と話せるプログラムなど、さまざまなものがあります。
参加できる学年や開催時期に制限はないので、例えば大学1年生でも年間を通じていつでも参加が可能です。就活に意欲的な学生や、社会人と知り合って就活に関する情報収集ができるほか、世の中にどんな仕事や企業があるのかを広く知ることができるでしょう。
オープン・カンパニーとは?実施内容や特徴、インターンシップとの違いを紹介
リクナビでは、さまざまな「オープン・カンパニー&キャリア教育等」のプログラムをみることができます。気になるプログラムがあるか見てみましょう。
実際に就活を経験した先輩たちは、大学1年生のときに何をしていたのでしょうか。先輩500人にアンケートをとって、大学1年生のときにやっておいてよかったことを、「キャリア形成や就活に関係すること」「就活関連以外のこと」のそれぞれについて聞きました。
大学1年生のときに、キャリア形成や就活に関してやっておいたことがあるか、それは具体的にどんなことか、なぜそう考えたのかの理由を、就活を経験した先輩500人にアンケートで聞きました。時間がある大学1年生のうちに、少しでも社会人になるための準備を始めたいと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
「キャリアを考える上で、大学1年生のときにやっておいてよかったことがあるか」を先輩500人にアンケートをとった結果、約4人に1人(24.2%)が「ある」と回答しました。
■キャリアを考える上で、大学1年生の時にやっておいてよかったことはありますか?(n=500、単一回答)
キャリアを考える上で、大学1年生のときにやっておいてよかったことがあると答えた121人に、「具体的に何をやっておいてよかったと思うのか」を聞いたところ、以下のようなランキング結果となりました。
大学1年生のときにやっておいてよかったこと1位は就活に関する情報収集(48.8%)、2位は自己分析(44.6%)、3位は業界・職業・企業研究(29.8%)。なお、その他(7.4%)と回答した人の意見には「社会に出てから役立ちそうなトピック、スキルなどの講義に積極的に出た」「さまざまな人生経験」といったものがありました。
■キャリアを考える上で、大学1年生のときにやっておいてよかったことは、具体的にどういったことですか?(n=121、複数回答)
大学1年生でやっておいて良かったと回答の多かった上位3つについて、先輩たちがそれぞれを選んだ理由を紹介します。
1位「就活に関する情報収集」を選んだ理由
2位「自己分析」を選んだ理由
3位「業界・職業・企業研究」を選んだ理由
大学1年生のうちから業界・職業・企業研究をするには、「オープン・カンパニー」がオススメです。
大学1年生から参加できる「オープン・カンパニー」をリクナビで探してみよう
大学1年生のときに、就活関連以外でやっておいたことがあるか、それは具体的にどんなことか、なぜそう考えたのかの理由を、就活を経験した先輩500人にアンケートで聞きました。時間がある大学1年生だからこそ、学生生活を楽しんで充実させたいと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
先輩500人に「就活関連以外で、1年生のときにやっておいてよかったことはあるか」アンケートをとった結果、4人に1人以上(27.2%)が「ある」と回答しました。
■就活関連以外で、1年生のときにやっておいてよかったことはありますか?(n=500、単一回答)
就活関連以外に大学1年生のときにやっておいてよかったことがあると答えた136人に、「具体的に何をやっておいてよかったと思うのか」を聞いたところ、以下のようなランキング結果となりました。
大学1年生のときに就活関連以外でやっておいてよかったこと1位はアルバイト(48.5%)、2位は趣味(36.0%)、3位は部活・サークル(30.1%)。なお、その他(3.7%)と回答した人の意見には「資格取得」「友人をたくさんつくる」「留学」といったものがありました。
■就活関連以外で、1年生1年生のときにやっておいてよかったことは、具体的にどういったことですか?(n=136、複数回答)
就活関連以外で、大学1年生でやっておいて良かったと回答の多かった上位3つについて、先輩たちがそれぞれを選んだ理由を紹介します。
1位「アルバイト」を選んだ理由
2位「趣味」を選んだ理由
3位「部活・サークル」を選んだ理由
【調査概要】
調査期間:2024年9月18日~9月24日
調査サンプル:2024年9月時点で社会人1~2年目の400人、大学4年生4年生100人、計500人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング
監修:リクルート 就職みらい研究所所長 栗田貴祥