素心の事業は知的障害児者を対象にしています。近頃は、さまざまな理由で身体障害等重複して障害を負う人たちが増えていますが、素心の利用者に共通しているのは知的障害であります。
知的障害は、脳の器質的な異常によるもので病が引き金になることはありますが、それ自体病気ではありません。多くが18歳以前に障害がはっきりします。「知恵おくれ」と呼ばれたりするように主に知能の発達に限界があります。知能検査で導かれる知能指数(IQ)が75以下という目安をもって、知的障害ということになります。
ちなみに知能検査は、100と結果がでる人が最も多いそうです。しかし、だからと言って私もあなたも100だとは限りません。「職員みんなで知能検査を受けてみたい」とよく話には出ますが、だれも怖くて実現されたことはありません。
毎日お酒を飲む人は知能指数が一年に1ずつ下がるという説もあります。
こんな簡単なことも解らないのかという職員もいますが、
そう言う私は、小学3年生くらいまでの算数しかわかりません。
自分のIQがどの程度かは知らないほうがいいような気がします。
知的障害の度合いは、4段階に分かれており一番重い障害の場合は、身の回りのことはほとんど自分ではできません。IQが上がるにつれ、言葉の理解や生活上の自立度が増し、軽度の知的障害になると、日常生活動作はほぼ手助け無用です。
知的障害は、その人の持つひとつの「点」と捉えるものだと思います。
誰でもいろんな「点」を持っています。背が高い、太っている、涙もろい、勉強ができない、優しい、口うるさい等々。その「点」がたくさん集まって「面」になり「像」になる。
「点」だけでその人は決して語れません。
素心の人たちと付き合ってきて、つくづくそのことに気付かされます。
彼らは確かに知的障害があり、生活上多くの支援を必要とします。
けれども彼ら一人一人の像は人として実に魅力的であり強い引力を持ち我々を魅了します。
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