東洋電産株式会社

今日、数あるメーカーの中で頭一つ抜き出るには「技術力」が必須です。東洋電産には卓越した『アルミニウム鋳造の技術力』があります。『圧力鋳造』…薄肉で高強度、耐摩耗性の高い部品の生産が得意です。『重力鋳造』…金型とシェル中子（砂型の一種）を併用して中空の製品を鋳抜きます。『砂型鋳造』…手作業で安価に早く出来るので短納期・小ロット生産に適しています。受注内容により最適な鋳造法を選択します。ＥＶ関連部品の受注も少しずつ始まっています。ＥＶの課題はバッテリーの発熱や航続距離。ガソリン車も低燃費が求められています。放熱性が良く軽量、そしてリサイクル性も良いアルミニウムは正にこれからの素材と言えるでしょう。

鋳物の表面は「鋳肌」（いはだ）と言い無骨な印象がします。溶融金属が鋳型を写し取った跡です。日常で鋳物を見つけた時は「鋳物だ」と嬉しくなります。鋳物は工芸品や芸術作品ともなり、ザラついた外観で独特な雰囲気があります。一方、工業製品としての鋳物は硬度や伸びなど機械的性質が必要なので内部品質に着目します。材料であるアルミに添加するケイ素や銅、マグネ等は鋳物内部のミクロ組織の組成に影響を与えます。溶融アルミは固まると収縮し内部で「鋳ス」を形成する事があり、強度低下の原因となります。溶融温度や鋳込み流速、冷却の管理はシビアです。でも一度関わると、何とかコントロールしてやろうと鋳造沼にはまってしまいます。

一昨年、電気部門の新工場『愛鷹テクノセンター』の操業を開始しました。当社の電気関連事業へは、これまで多くのご要望を頂いておりましたが、そうした社会のニーズにお応えする体制が整いました。『T救号』は、当事業の要である車載型大容量発電機『ＮＭＧ』にリチウム蓄電池とＥＶ急速充電器を組み合わせて実用化した電力供給車です。『Ｔ救号』が具現化した“移動可能な大容量電源”をより高機能化し、今後電気関連ビジネスをフル展開していきます。尚、『愛鷹テクノセンター』は太陽光発電と蓄電装置を備えている為、外部電源が遮断されても事業継続が可能です。『Ｔ救号』と共にＢＣＰ（事業継続）機能をＰＲしていきます。